JPS5936628Y2 - 鴨居 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 従来、鴨居主体の嵌合溝に溝部材を嵌入し接着剤で固定
した鴨居は公知であるが、該鴨居は僅かの加工誤差によ
り溝部材の外側と嵌合溝との間に生じた隙間が目立ち易
く、従って製作にも手数を要し、溝部材と嵌合溝との固
定が困難であると共に強固に固定するには多量の接着剤
を用いなげればならないという欠点があった。

そこで本考案は、合成樹脂製溝部材の弾性力を巧みに利
用することにより、溝部材と嵌合溝との固定が容易で固
定用接着剤が少くて済み、しかも溝部材と嵌合溝との間
に生じる隙間が外部から露見せず美観に優れると共に製
作が容易であり、強度にも優れた鴨居を提供することを
目的とするものである。

次に本考案の図示の一実施例について説明すると、本例
は溝部材１と鴨居主体２とを備え、溝部材１は、左右の
逆Ｕ字状溝体３の近接する溝側片４．４の下縁を連結片
５で繋がった溝部材主体６を合成樹脂で一体的に形威し
、溝部材主体６の左右の外側片７の下縁に夫々外向きの
鍔部８を形成すると共に、外側片Ｔの中間部に夫々外向
きの中間鍔部９を形成し、鍔部８の外側下縁を夫々外側
上方に傾斜した傾斜面１０とし、杢模様を施した合成樹
脂製化粧シート１１を溝体３の溝面及び連結片５下面に
連続して貼着している。

一方、鴨居主体２は、前記化粧シート１１と同系の杢模
様を施した合成樹脂製化粧シート１２を表面に貼着した
基板１３と、パーティクルボードの芯材１４とを用い、
基板１３の裏面に設けた所要数の折曲溝１５の間層によ
り基板１３を角筒状に折曲し、芯材１４の外側を接着剤
を介し基板１３で被覆して基板１３の側端１６を芯材１
４上面に配している。

そして鴨居主体２の下面には溝部材嵌合用の平溝型嵌合
溝１７が凹設され、該嵌合溝１７の溝側面の所要の中間
部には夫々前記中間鍔部９に係合する水平方向の係合溝
１８が設げてあり、鴨居主体２の上面左右にはパネル１
９の嵌合用溝２０が設げである。

そして、溝部材１の上面に接着剤２１を塗布し、溝体の
外側片Ｔを仮想線２２で示すように内方に撓曲して溝体
３を嵌合溝１７に嵌入してから前記撓曲を解除すること
により、外側片Ｔが弾性力により復元して中間鍔部９を
係合溝１Ｔの下側に渫合し、鍔部８を鴨居主体１下面に
密接して鍔部８で嵌合溝１７の溝側下縁を隠閉し、溝体
３上面を前記接着剤２１で嵌合溝１Ｔに固着している。

このようにした本例鴨居は、嵌合溝１１の溝側下縁を鍔
部８で隠閉しているため、嵌合溝１Ｔの溝側面と溝部材
１との間に嵌合隙間を生じても該嵌合隙間が外部から露
見せず美観に優れ、鴨居主体の化粧シート１２の嵌合溝
１７下縁部位からの剥離を防止しており、また、前記溝
部材１上面と嵌合溝１７との接着剤２１による固定に際
しては中間鍔部９が係合溝１８に係合して溝部材１上面
を嵌合溝１Ｔに当接しているので前記接着剤２１の固化
する間に溝部材１が下方に離間する虞れがなく、この固
定用接着剤２１が少量で済み、また中間鍔部９及び鍔部
８により溝部材１０強度を増大している。

また本例では、鍔部８の外側下縁が傾斜面１０となって
いるので、器物等に対する引掛りを生じ難く、この引掛
りによる鍔部８の破損が防止されるものであり、また前
記のように鴨居主体の化粧シート１２の嵌合溝１７部位
からの剥離が防止されるので鴨居主体２を前記のように
化粧シート１２付き基板１３とパーティクルボード等の
芯材１４との板物で安価に製作できる。

なお、溝部材は、上側では２条の溝体のものを例示した
が、１条又は３条以上の溝体のものでも適用できる。

上記のように本考案の鴨居は、逆Ｕ字状溝体を設けた合
成樹脂製溝部材の外側片の下縁に鍔部を形成すると共に
溝部材の弾力性を有する外側片の中間部に中間鍔部を形
成し、鴨居主体の下面に嵌合溝を凹設して該嵌合溝の溝
側面に前記溝部材の中間鍔部に係合する係合溝を形成し
、前記溝部材を嵌合溝に嵌合し係合溝に中間鍔部を係合
して鍔部で嵌合溝の溝側下縁を隠閉したことを特徴とし
ており、嵌合溝の溝側面と溝部材との嵌合隙間が外部か
ら露見せず、美観に優れると共に製作が容易であり、し
かも外側片の中間部に設けた中間鍔部のため外側片の内
方への撓曲により中間鍔部を係合溝に容易に係合でき、
中間鍔部の係合溝への係合により溝部材の下方への離間
を防止するので、接着剤による溝部材の嵌合溝への固定
が容易であり、固定用接着剤を少なく出来、また破損し
易い嵌合溝下縁部を鍔部で保護でき、これら中間鍔部及
び鍔部により溝部材の強度が増大できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は正断面図、第
２図は展開状態に於ける基板の一部分の拡大正断面図で
ある。 １・・・・・・溝部材、２・・・・・・鴨居主体、３・
・・・・・溝体、４・・・・・・溝側片、５・・・・・
・連結片、６・・・・・・溝部材主体、Ｔ・・・・・・
外側片、８・・・・・・鍔部、９・・・・・・中間鍔部
、１０・・・・・・傾斜面、１１，１２・・・・・・化
粧シート、１３・・・・・・基板、１４・・・・・・芯
材、１５・・・・・・折曲溝、１６・・・・・・側端、
１７・・・・・・嵌合溝、１８・・・・・・係合溝、１
９・・・・・・パネル、２０・・・・・・溝、２１・・
・・・・接着剤、２２・・・・・・仮想線。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 逆Ｕ字状溝体を設けた合成樹脂製溝部材の弾力性を有す
   る外側片の下縁に鍔部を形成すると共に溝部材の外側片
   の中間部に中間鍔部を形威し、鴨居主体の下面に嵌合溝
   を凹設して該嵌合溝の溝側面に前記溝部材の中間鍔部に
   係合する係合溝を形成し、前記溝部材な嵌合溝に嵌合し
   係合溝に中間鍔部を係合して鍔部で嵌合溝の溝側下縁を
   隠閉したことを特徴とする鴨居。