JPS5935340B2 - 軽量板状材料の製造方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は補強された合成樹脂発泡体よりなる軽量な板状
合成材料の製造方法に関するものである。

従来において合成樹脂発泡体が用いられた合成材料は種
々提案されており、例えば合成樹脂発泡体の表面を石綿
スレートや金属板で被覆したものや、繊維材料を発泡体
中に分散することによつて補強された合成樹脂発泡体が
知られている。しかしながら前者において石綿スレート
が用いられた場合は衝撃に弱く、のこぎりによる切断等
の加工性も悪いものであり、金属板が用いられた場合は
加工性が悪く、そしていずれの場合においても充分な軽
量化を達成し得ない。又、合成樹脂発泡体の表面を繊維
で補強された合成樹脂板で被覆しても、表面が硬いため
耐衝撃強度は充分でなく、さらに上記いずれの場合でも
圧縮強度において十分でなく、又加工性も良好でない。
又、繊維材料が分散されて補強された合成樹脂発泡体の
場合においては、耐衝撃性や加工性、強度等にすぐれて
いても、発泡倍率を上げるとその中に含まれる繊維との
界面で気泡が連通化し吸水しやすくな・り、そのため吸
水により重量が増加したり断熱性が損われたりするので
発泡倍率を低く押えなければならず、軽量性や経済性の
面で問題がある。

本発明は上記の如く従来の合成樹脂発泡体が用いられた
構造材の欠点にかんがみ、軽量にして耐衝撃強度や圧縮
強度にすぐれ、又加工性にもすぐれた構造材を簡単にし
かも効率的に製造することの出来る方法を提供すること
を目的としてなされたものであり、その要旨は入口及び
出口を有し、通路内の少くとも上面及び下面がエンドレ
スベルトにより構成され、上記下面を構成するエンドレ
スベルトが入口より張り出して設けられた成形用通路に
、板状ハニカム材を上記張り出したエンドレスベルトか
ら持ち上げられた状態で斜め上方から供給して成形用通
路入口近くでハニカム下面がエンドレスベルトで支持さ
れる様になし、更に上記ハニカム材の上面及び下面を被
覆する層状繊維材料を供給すると共に短時間で発泡し硬
化する発泡硬化性樹脂液を、いまだエンドレスベルトよ
り持ち上げられた状態にあるハニカム材に上方から供給
して成形用通路を通過せしめ、該成形用通路内で上記樹
脂液の発泡及び硬化を行わせしめることを特徴とする軽
量板状材料の製造方法に存する。

本発明にて用いられる成形用通路は入口及び出口を有し
、その断面形状が板状になる様に周囲が壁面でとり囲ま
れて形成された通路であり、そして、該通路のうちの少
くとも上面及び下面がエンドレスベルトにより構成され
、下面を構成するエンドレスベルトが入口より先方に張
り出して設けられたものであり、この張り出し部にハニ
カム材等の材料がのせられ、該通路に送り込まれるのに
便利な様にされている。該通路内で発泡硬化性樹脂液の
発泡及び硬化が行われるので、該通路には上記樹脂液の
発泡や硬化を促進するための加熱装置やさらには発泡硬
化後すみやかに冷却させるための冷却装置が設けられて
もよい。本発明に用いられるハニカム材料は、板状のも
のであればその素材の種類やハニカム構造の形状は特に
制限されるものではなく、従来においてサンドイツチ構
造材の素材として使用されているハニカム芯材が使用出
来、例えばペーパーハニカム、樹脂含浸ペーパーハニカ
ム、プラスチツクハニカム等が好適に使用出来る。

又、本発明に用いられる発泡硬化性樹脂液とは短時間で
発泡し硬化することの出来る合成樹脂液を指し、例えば
ポリウレタン、不飽和ポリエステル、フエノール樹脂、
尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂などの樹脂液が
、発泡性及び硬化性を付与されて使用出来る。

そして、これら樹脂液のうち硬質ポリウレタンがとくに
好適である。又、層状繊維材料とは繊維材料が層状にな
されたものであればその素材や形状は特に制限されるこ
となく使用出来、例えば、ガラス繊維や天然繊維又は合
成繊維をマツト状や布状にしたり、一方向に配列させて
層状にしたりしたものが使用可能である。そして杢発明
に好適に使用される層状繊維材料としては、コンテイニ
ユアスストランドマツトがあり、これは連続したガラス
長繊維を渦巻状に旋回させながら一層又はそれ以上の層
に積み重ね、該繊維の重なり合つた個所を繊維に付着さ
せた結合剤で結合させてマツト状になしたものである。
該コンテイニユアスストランドマツトは、数インチまで
の長さに切断されたガラス繊維がバインダーで互いは結
合されてマツト状になされたチヨツプストランドマツト
や、ガラス繊維が布状に織成されたガラスクロスに比し
て、樹脂液の浸透性や含浸性がはるかに良好で、又樹脂
液含浸物を発泡、硬化させた場合の発泡体中における繊
維の分散性も良好なものである。

本発明においてさらに好適に用いられる層状繊維材料と
しては上記コンテイニユアスストランドマツトと長手方
向に引き揃えて層状になしたガラスローピングとの組合
せがあり、上記コンテイニユアスストランドマツトが製
品の表面に上記ガラスローピング層がその次の層に来る
様に用いれば、とくに耐衝撃性及び曲げ強度等にすぐれ
た板状材料が得られる。以下本発明について図面を参照
しながら説明する。

第１図は本発明方法の一実施例を示す説明図であり、図
中１は成形用通路、１１は成形用通路１の上面を構成す
るエンドレスベルト、１３は同じく下面を構成するエン
ドレスベルト、１２，１４はそれぞれエンドレスベルト
１１，１３のガイドカールである。

又、１５は下面エンドレスベルト１３の両端に沿つて移
動する様になされた側枠である。しかしてエンドレスベ
ルト１１，１３が回転する方向は矢印で示される方向で
あり、該エンドレスベルトが成形用通路１に入る所が入
口、出る所が出口である。そして、下面エンドレスベル
口３は成形用通路１の入口より張り出して設けられ、成
形材料をその上に載せるのに便利な様にされている。又
、３，３′は矢印で示される進行方向に引き揃えられ、
多数本が横に一定間隔で配列されたガラスローピングで
あり、３１，３１′はガラスローピングの巻取体、３２
，３γ，３３，３４はそれぞれローピングのガイドロー
ルである。又、４，４′はコンテイニユアスストランド
マツトで、４１，４Ｖはその巻重体、４２，４２′はガ
イドロールである。上記の如く、本実施例では層状繊維
材料としてコンテイニユアスストランドマツトとガラス
ローピングの組合せが用いられ、そして、上面ではコン
テイニユアスストランドマツト４が又、下面では同４′
がそれぞれ最外層に位置する様に配置されている。

又、２は板状のハニカム材、２１はそのガイドローラで
あり、該ハニカム材２は成形用通路１に対して斜め上方
から供給され、引き出した下面エンドレスベルト１３か
ら最初は持ち上げられた状態となつて浮上るがその進行
につれて次第に浮上りの度合が少くなり、成形用通路１
の入口近くまで来ると最早持ち上げられた状態はなくな
り、ハニカム材２がエンドレスベルト１３で支持される
状態となされる。上記ハニカム材２、前記ガラスローピ
ング３，３′及びコンテイニユアスストランドマツト４
，４′はいずれも矢印方向に進行せしめられ、これらは
成形用通路１に導入される時点で一体化するよう積層さ
れるのであるが、ハニカム材２がいまだエンドレスベル
ト１３より持ち上げられた状態にあり、完全に該ベルト
１３に接していない状態の所に、樹脂液吐出装置５１よ
り上方から発泡硬化性樹脂液が供給される。上記により
供給された樹脂液は、ハニカム材２の空隙を通過してエ
ンドレスベルト１３上に載せられた層状繊維材料上に落
下し、該繊維材料に浸透すると共に、エンドレスベルト
１３と層状繊維材料とで構成される下面とハニカム材２
との間隙を通つて平面方向に流れ、均等化し、上方から
次第に降りて来てエンドレスベル口３に支持されるハニ
カム材２のハニカム構造の個々の開口部に均等に分配さ
れることが出来る。成形用通路１内で発泡硬化性樹脂液
が発泡して膨張し、発泡した樹脂がハニカム構造の空隙
部や下面の層状繊維材料の間に充満すると共に上面の層
状繊維材料にも発泡圧により浸透して発泡したのち硬化
して、合成樹脂発泡体がハニカム材２、ガラスローピン
グ３，３１１コンテイニユアスストランドマツト４，４
′により補強された板状材料６となつて、成形用通路１
の出口から図示されていない引取装置より引き取られ、
定尺に切断される。なお、本発明に用いられる発泡硬化
性樹脂液には、圧縮強度をさらに向上させたり、低コス
ト化を計る目的で炭酸カルシウム、タルク、水酸化アル
ミニウムなどの無機充填剤やシラスバルーン、パーライ
ト、ガラスバルーンなどの軽量骨材、さらには硅砂など
の骨材が混入されていてもよい。

又、成形用通路１には樹脂液の発泡や硬化を促進するた
めの加熱装置や、発泡硬化後の温度を下げるための冷却
装置が適宜設けられてよい。第２図は第１図で説明した
本発明方法により製造された板状材料を示す断面図であ
り、５はハニカム材２の空隙部に充満した合樹脂発泡体
、３０，３０′はハニカム材２の上面又は下面に一体的
に設けられたガラスローピングで補強された発泡層、４
０，４０′は上記発泡層３０，３０′のさらに外面に一
体的に設けられたコンテイニユアスストランドマツトで
補強された発泡層である。

本発明の軽量板状材料の製造方法は上述の通りの方法で
あるので、表層部が長繊維補強合成樹脂発泡体で出来て
いて耐衝撃性、長さ方向の機械的強度や剛性さらには加
工性等にすぐれているのみならず、中間層が発泡体が充
填されたハニカム材料で出来ていて圧縮強度及び巾方向
の曲げ強度にもすぐれ、軽量にして例えば住宅用断熱壁
材、床材、ベンチ又はベランダ用材、トラツク荷台材、
陸上又は海上コンテナ一用材、ＦＲＰ船船用芯材等に用
いられて好適な板状材料を連続的に製造することが出来
るのである。

さらに本発明においてはハニカム材及び発泡硬化性樹脂
液の供給のし方を特定することにより、合成樹脂発泡体
がハニカム材のハニカム構造の個々に均等に含まれる均
質な板状材料を製造することが出来るのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明方法の一実施例を示す説明図であり、第
２図は本発明方法により製造された板状材料の一例を示
す断面図である。 １・・・・・・成形用通路、１１，１３・・・・・・エ
ンドレスベルト、２・・・・・・ハニカム材、３，３′
・・・・・・ガラスローピング、４，４′・・・・・・
コンテイニユアスストランドマツト、５・・・・・・合
成樹脂発泡体、５１・・・・・・樹脂液吐出装置、６・
・・・・・軽量板状材料、３０，３０′・・・・・・ガ
ラスローピングで補強された発泡層、４０，４０′・・
・・・・コンテイニユアスストランドマツトで補強され
た発泡層。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 入口及び出口を有し、通路内の少くとも上面及び下
   面がエンドレスベルトにより構成され、上記下面を構成
   するエンドレスベルトが入口より張り出して設けられた
   成形用通路に、板状のハニカム材を上記張り出したエン
   ドレスベルトから持ち上げられた状態で斜め上方から供
   給して成形用通路入口近くで上記ハニカム材下面がエン
   ドレスベルトで支持される様になし、更に上記ハニカム
   材の上面及び下面を被覆する層状繊維材料を供給すると
   共に短時間で発泡し硬化する発泡硬化性樹脂液をいまだ
   エンドレスベルトより持ち上げられた状態にあるハニカ
   ム材に上方から供給して成形用通路を通過せしめ、該成
   形用通路内で上記樹脂液の発泡及び硬化を行わせしめる
   ことを特徴とする軽量板状材料の製造方法。 ２ 層状繊維材料がコンティニュアス・ストランドマッ
   トとガラスロービングとよりなるものである第１項記載
   の製造方法。