JPS5934290Y2 - 組立式稚魚囲い - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、クルマエビ、マダイ等の稚魚を放流する前に
所要期間馴養するための稚魚囲いに関するものである。

例えばクルマエビでは、稚エビの種苗生産は数百方圧の
単位で栽培センターなどで行なわれ、体長１０ｍｍ程度
に育った後、分譲され放流されるが囲いを設けず海面下
あるいは水底近くで放流すると外敵の餌となり、生存率
は極めて低い。

従ってこれをさけるため、鉄パイプや竹などで柵を作り
四周にネットを張った囲いの中に放ち、さらに必要に応
じ、給餌しつつ２〜３週間中間育戊することが望ましい
とされでいる。

この期間に稚エビは海底の砂に潜る体力と術を身にそな
え、摂餌以外は潜るので外敵から身を守ることができる
ようになる。

それ故、中間育成を上手１こ行なえば生存率が飛躍的に
向上する。

その後、稚エビは放流地点より次第に分散しつつ生育す
る。

しかしながら、従来の柵を作り、ネットを張る方法は、
干潟に於て設けるときはとにかく、干潟の得られぬとき
は水深２〜３ｍ程度の場所が選ばれるが、海面上の作業
であるため、設置が容易でなく、また囲い内の外敵の駆
除に完全を期し難い欠点があった。

本考案は、上述の欠点を除去した設置が極めて簡単であ
り、かつ外敵を完全に排除することができると共に、撤
去も容易な稚魚囲いを提供するものである。

本考案は、少なくとも３本の支柱のそれぞれの上端部を
支柱取付具に軸着せしめ、支柱を回動して、拡げ、錐状
体を形成できるようにし、この支柱骨組間に予めネット
を張設しておき、拡開して錐状体の稚魚囲いを形成せし
めるようにしたもの゛である。

益に錐状体とは角錐状体およびドーム状体の両者を意味
し各支柱が直線状であれば角錐体状となり、各支柱が湾
曲したものであればドーム状の形体を形成する。

本考案の一実施例を図面に基いて説明すると、第１図は
直立状態のすぼめた形状の正面図、第２図は海中に展張
布設したときの正面図、第３図は同じく平面図を示し、
支柱１は合成樹脂被覆金属管製で、上部に上部コブ状突
起２および下端部に下部コブ状突起３を設けである。

この支柱１の材質としては、特に限定はなく、金属製、
合成樹脂製、竹、木等棒、管状体が使用でき、前記コブ
状突記２および３は後述のロープの支柱への縛着を確実
にするためのものであり確実に縛着できる他の手段をと
っても良い。

次に支柱取付具４は、前後左右四方向に放射状に取付軸
５が突設されたもので、それぞれの取付軸５には、ブロ
ック６が回動可能に軸着されてお・す、各ブロック６の
透孔７に貫通して、それぞれの支柱１の上端部が固着せ
しめられている。

従って、それぞれの支柱を各取付軸に関し同一回転方向
に同程度回動させれば４本の支柱１は、正四角錐の骨組
みを形成するものである。

隣接する各支柱の上部コブ状突起２−２間、下部コブ状
突起３−３間には、それぞれ上端ロープ８および下端ロ
ープ９が取付けられ、それらの長さは、支柱１を拡開し
たとき所要大きさの四角錐体となり、それ以上支柱が拡
開して四角錐が偏平にならないように定められている。

また上記四角錐体の隣接する支柱１，１、上端ロープ８
下端ロープ９の形成する各台形面を覆ってネット１０が
張設され、前記上端ロープ８、下端ロープ９にはネット
１０の耳網を取付ける。

また前記ネット１０の下縁は布設したときに海底面と接
触させ外敵が囲い内に侵入しないため下端ロープより下
方に張出し、さらに適宜間隔でネット下縁おもり１１が
取付けられている。

また、支柱取付具４に吊下げロープ１２を取付は該ロー
プの下端に砂袋等からなる錘りを取付けるようになって
いる。

ロープ、ネットの材質としては特に限定されず、例えば
化繊、合繊、天然繊維製の強度、耐水性に優れたものが
使用できる。

本装置を布設する手順としては、すぼめた状態のまま定
められた設置場所まで船で運んだ後、第１図に示すよう
に支柱の下端を海底に接した状態で直立させる。

次いで各支柱をそれぞれの下端ができるだけ海底より持
上らぬよう留意しつつ外側に向って移動させ、下端ロー
プ９が伸びきった第２図に示す状態になるまで展開する
。

最後に吊下げロープの下端に取付けた錘りを吊下げる。

なお、錘り１３は、この稚魚囲いの錘りとして作用する
と共に、ロープ８，９と相まって稚魚囲いを所定角錐状
に保つものである。

また海面上にある上端ロープ８の形成する開口部は、稚
魚の放流口お−よび給餌口に供される。

本実施例では、支柱４本から横取される４角錐状の稚魚
囲いとしたが、支柱３本からなる３角錐状、または５本
以上の５角錐状等でも良いが、４角錐状が取扱い上杆都
合である。

また支柱を外部に向って湾曲させムード形とした錐状体
を形成させることもできる。

これは、クルマエビの稚魚の場合のように海底に接する
部分のみを利用する場合と異なり、マダイ稚魚のように
囲い内の全部を利用するものに対してはより好ましい。

本考案は、上述のように設置が容易であり、海中にすぼ
めた状態から展張するので外敵を完全に除去できるので
囲い中の稚魚の妻止りが極めて良い。

また、放流済み後の撤去も簡単であり、保管も容易であ
る等の利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例の直立状態のすぼめた形状の正面
図、第２図は海中に展張布設したときの正面図、第３図
は同じく平面図を示す。 １・・・・・・支柱、２・・・・・・上部ラブ状突起、
３・・・・・・下部コブ状突起、４・・・・・・支柱取
付具、、５・・・・・・支柱取付軸、６・・・・・・ブ
ロック、７・・・・・・透孔、８・・・・・・上端ロー
プ、９・・・・・・下端ロープ、１０・・・・・・ネッ
ト、１１・・・・・・ネット下縁おもり、１２・・・・
・・吊下げロープ、１３・・・・・・錘り。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 支柱取付具４に少なくとも３本の支柱１の上端部を軸支
   し、それぞれの支柱を回動拡張して錐状体を形成できる
   如くし、隣接するそれぞれの前記支柱１，１間１ニネツ
   ト１０を張設し、該ネットの下縁にネット下縁おもり１
   １を取付けてなり、前記支柱取付具４から錘り１３を垂
   下するようにした組立式稚魚囲い。