JPS5933779Y2 - 外蓋付缶 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は密封確実で、しかも開罐が容易であり、かつ
開罐後外蓋によって閉鎖し得るようにすることを目的と
した外蓋付罐に関するものである。

従来、紙縮刷又は合成樹脂縮刷などに端板を固着するに
は、端板の周縁に設けた断面逆Ｕ字状の環状部を紙縮刷
等の上端に強圧嵌着しているが、密封性の信頼度に欠け
るおそれがある。

また開口についても各種構造が提案され、夫々実用に供
されているが、密封信頼度の高い開口部を設けるには高
度の技術を要するとされている。

この考案は外蓋付罐は、縮刷上端に開罐用摘み付端板を
固着すると共に、その外側へ外蓋を着脱自在に被冠して
構成しである。

前記開罐用摘みは、先端部をスコア破切用の突片とする
と共に、基端側を摘み部とし、先端側下面に取付部を設
けて構成してあり、前記取付部を介して端板に固着しで
ある。

前記端板は、縮刷の上端へ端板の周縁に設けた断面逆Ｕ
字状の環状溝を密嵌すると共に；縮刷壁と端板との当接
部を熱溶着して取付けてあり、前記溶着によって形成さ
れた溶着部内に切取スコアが環状に設けられている。

前記外蓋は加圧変形可能な、合成樹脂製の薄頂板の下面
へ前記摘みの取付部上側を押下する為の凸部が設けられ
ている。

この考案の罐は次の作用を奏する。

第一に、端板を摘み付とすると共に、外蓋に押圧用の凸
部を設けたので、摘みの先端部に下圧力を集中させる作
用がある。

第二に、端板の切取スコアを縮刷と端板との熱溶着部内
に設けたので、スコア部にピンホールが発生せず、密封
を確実なものとする作用がある。

即ちこの考案を実施例について説明すれば、紙縮刷１の
上端に薄金属製の端板２の周縁の断面逆Ｕ字状の環状溝
３を嵌着し、縮刷を強圧挟着すると共に、縮刷壁と端板
との当接部を加熱溶着する。

前記端板２の上面には周縁に近接して摘み４の一側が固
着してあり、摘み４の他側には指掛用のリング５が形成
されている。

前記摘み４の固定方法は、摘みの下面に設けた取付突起
を端板の取付孔に挿入し、突起を加熱、加圧成型による
方法又は端板の取付孔の上下面に型を当接し、型内へ合
成樹脂を注入して取付孔の埋設と摘みを同時成型する方
法などが考えられるが、その取付方法に限定されるもの
ではない。

また端板２の下面にはポリエチレン６を層着し、要すれ
ば縮刷内壁にも同質の樹脂処理を施し、縮刷１と端板２
との当接部を環状溝３の嵌着時又は嵌着後加熱して（例
えば１００℃前後に加熱）両者を溶着する。

前記端板と躍制の表面処理材はポリエチレンに限定され
るものではなく、化学的安定性を有し、無害であって、
比較的低い温度で溶着できる材料ならば使用することが
できる。

また端板２の立上り部下側には切取スコア７が環状に設
けられている。

切取スコア７は通常端板の表面処理後設けられるので、
表面処理層（例えばポリエチレン層）も切断されるが、
前記のように躍制と端板との熱溶着時に切取スコア部近
辺の処理層も溶融し、自動的にスコアも塞がれることに
なる。

従ってスコアが深くなったり、スコア部にピンホールが
あった為に気密性が悪くなった場合であっても、溶着に
よって悉く改善され気密性の信頼度を著しく向上させる
ことができる。

次に端板２の上部外側へ合成樹脂製の外蓋８を被冠する
のであるが、外蓋８の頂板は比較的薄く変形容易であっ
て、頂板下面には端板２の摘み４の取付部４ａの上面を
下圧する為の突部９が設けである。

突部９は摘み４の取付部４ａと対向する為に偏心してい
るので、外蓋を回転すれば（例えば第１図のように）摘
み４とは無関係の位置にずらしておくことができる。

この場合に外蓋８の材質を透明又は半透明にすれば、摘
みと突部とを容易に対向させることができるが、外蓋が
不透明の場合には突部位置と躍制とに印をつけ、又は外
蓋を回転して摘み上へ突部が対向すれば、突部が若干盛
り上るようにする（例えば摘み厚さＳと突部突出量Ｓと
の和を端板の深さｈより大きくする）などの考慮があれ
ば一層便利である。

尚、外蓋を射出成型品にすれば、突部の上面は若干四人
して目印となる。

尚、第５図のように突部を台形（外蓋の回転方向が斜面
となるような）とすれば、外蓋を回転する際に突部を摘
み上へ円滑に移行させることができる。

前記実施例において罐を開けるには外蓋８を第１図中矢
示１０の方向へ回転し、突部９が摘み４上へのったなら
ば（第４図々示）外蓋外面よりその突部を矢示１１の方
向へ押圧すると、外蓋は同図中実線図示の位置から鎖線
図示の位置の方向へ変形し、摘みの取付部を下圧するの
で、摘みは天板を同方向へ押圧する。

この場合に摘みの先端部に突片１２が端板周縁側へ伸び
ているので、端板周縁は突片１２の先端付近で一層強く
下圧され、鉄部に近い部分のスコアが破れる。

そこで外蓋を取り外し、摘みを矢示１４の方向へ持ち上
げると、前記スコアの破れ部が一層拡大し、ついで摘み
を矢示１３の方向へ引張ればきわめて容易に開口するこ
とができる。

即ちこの考案によれば、外蓋に端板へ取付けた摘みの取
付部上側を押圧する突部を設けたので、容易に下圧力を
集中しスコアの一部を破ることができる。

また端板の切取スコアは躍制と端板との熱溶着部内に設
けたので、スコアの深い場合又はスコア部にピンホール
があった場合においても、確実に密封し得る効果がある
。

また端板の環状溝を縮刷端へ嵌着したのみであっても端
板の密嵌性を確実にし得る効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例の平面図、第２図は同じく断
面図、第３図は同じく外蓋を１８０°回転した状態の断
面図、第４図は同じく一部断面拡大図、第５図は同じく
突部の断面拡大図、第６図は切取スコア部の拡大図であ
る。 １・・・・・・躍制、２・・・・・・端板、４・・・・
・・摘み、７・・・・・・切取スコア、８・・・・・・
外蓋、９・・・・・・突部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 縮刷上端に開罐用摘み付端板を固着し、その外側へ外蓋
   を着脱可能に被冠した罐において、縮刷の上端へ端板の
   周縁に設けた断面逆Ｕ字状の環状溝を密嵌すると共に、
   縮刷壁と端板との当接部を加熱溶着し、前記端板には前
   記溶着によって形成された溶着部内に切取スコアが環状
   に設けられ、前記摘みは先端部をスコア破切用の突片と
   し基端側を摘み部とすると共に、先端側下面に形成した
   取付部を介して端板へ取付けられ、前記外蓋は加圧変形
   可能な合成樹脂製の薄頂板の下面へ前記摘みの取付部上
   を押下する為の突部が設けられた外蓋付罐。