JPS593212B2 - 分散装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は液体中の固体を分散させるための装置に関し
、より特定的にはそのような装置を有する種々様々な工
業的な混合応用において有効な回転羽根車（インペラ）
に関する。

液体媒質中の細かく分割された固体の一様な分散が形成
され、この１つの例が塗料の中の顔料の混合である。

顔料は、しばしばサンドミルないし他の粉砕装置でひい
て粉にされ、そしてこの作業の前に、液体媒質中の顔料
を分散させることが望ましい。しばしば、粉砕工程の後
で、付加的な液体の中でこの製品をさらに分散させるこ
とが望ましい。このような分散装置は、典型的には、そ
の端に取付けられたデイスク状のインペラを有するシヤ
フトを含む。

勿論、このシヤフトは、デイスクでその所望の分散が行
われるように、モータによつて回転される。典型的には
、そのようなインペラは金属で作られ、そして歯状の要
素を持つほぼ板状の中央部分を有し、その歯状の要素は
混合機能を達成するデイスクの周縁上に上方向および下
方向に延びている。そのような構造のインペラが分散作
業を行う上で有効であることがわかり、多年の間広く用
いられてきた。この形成のインペラの１つの欠点は、比
較的研摩性の材料を混合する際にかなり速く摩耗するこ
とがわかつたということである。

たとえば陶器、パイプあるいは他のそのようなものを作
るのに用いられる粘土状のスラリの混合において適切な
混合作業を与え続けるためにインペラはしばしば交換さ
れなければならないということがわかつた。このことは
、インペラのコストの観点から高価であるばかりでなく
、混合工程の中断および頻繁な交換を行うために要する
余計な労働およびメンテナンス人員の観点から高価であ
る。他の公知のインペラ設計があるが、しかしながら、
種々の理由により、そのような設計は広く受入れられる
ようにはなつていない。したがつて、適切な性能を備え
かつまた高度に信頼でき、そして耐久性のよいことを示
す改良されたインペラ設計のための必要性がある。本来
、そのようなインペラは、また、受入れ可能であるため
に、妥当な値段が付けられなければならない。この発明
にしたがえば、インペラはデイスク状の形態で与えられ
、それはそのデイスクの各平表面上に半径方向に伸びる
複数の溝を有する。

デイスクの一方面上の溝は反対の面上の溝に関して円周
方向にずれていて、そのために一方側の溝は円周方向で
他方側の１対の隣接する溝の間にある。インペラは、弾
力性を有しかつ摩滅に対して強いプラスチツクのような
高分子物質からなる。プラスチツクとしては、たとえば
ポリエチレンが好まれる。溝が彫られた設計のそのよう
な材料からなるインペラは、優れた耐摩耗特性とともに
、適切な混合結果を与え、現在用いられている鉄のイン
ペラより非常に耐久性が良い。この発明の好ましい形で
は、デイスクは２つの円形の止め板（そのインペラの各
側に１つ）を用いることによつてシヤフトに支持されて
いて、止めナツトで適切に保持されている。

溝は半径方向に比較的短かく、止め板から外方に延び、
インペラデイスクの半径の約１／３だけ表われる。各溝
の半径方向の外方端はデイスクの周縁に通じ、あるいは
もし異なつた流れのパターンが望まれるなら、その溝の
半径方向の外方端は閉じられてもよい。この発明のより
完全な理解のために、以下の詳細な説明および図面を参
照されたい。

第１図を参照して、この発明の代表的な分散装置が示さ
れている。

その装置は床あるいは他の支持表面に載つているベース
１２を有する台１０と、その台１０の上端に支持された
ブリツジ１４とを含み、ブリツジは台の一方端に取付け
られたモータ１６とブリツジ１４の他端に支持されたか
つその他端から垂れ下がつているインペラシヤフト１８
とを有する。適宜のベルトおよび他の駆動手段１７がモ
ータからブリツジを通つて公知の態様でそのインペラを
回転するように延びている。インペラシヤフト１８の下
端には、インペラハブ（軸受）構体１９およびデイスク
２０が取成けられていて、そのデイスク２０はほぼ平坦
な円形状を有することがわかるであろう。第２図を参照
して、インペラデイスク２０は、そのインペラをシヤフ
トおよびハブ構体に取付けるために、中央開口２１およ
び一連の周囲の開口２３を有する。そのハブ構体１９は
、インペラデイスク２０の上部軸表面２０ａに結合され
る上部取付板２２およびその構体に強度を与えるために
そのデイスクの下方側中央部分に結合される同様の板２
４を含む。一連のトルク伝達ピン２５はデイスク２０の
開口２３に押し込まれかつ取付板の同じように配列され
た開口２２ａならびに２４ａを通して押し込まれ、その
板およびデイスクをユニツトとして回転させる。ボルト
２７はロツクワツシヤ２９、止めワツシヤ３１、板２２
ならび２４、インペラデイスク２０およびカラー３３を
通して延び、シヤフト上にインペラおよびカラーを保持
するように、そのシヤフト１８の下端にねじ込まれる。
カラーはくさび３５によつてシヤフトとともに回転する
ように固定され、そしてそのくさびはカラー３３にねじ
込まれる止めねじ３７によつて軸方向に固定される。第
１図ないし第４図から理解されるように、インペラデイ
スクは、その上部軸表面２０ａに複数の溝２６とその下
部軸表面２０ｂに同様の溝２８とを有して形成されてい
る。

各溝２６および２８は取付板２２および２４の周縁に近
い点から半径方向に延びていて、その点は中心からデイ
スクの周縁までの約２／３である。換言すれば、１つの
溝の半径方向の長さはそのデイスクの半径の約１／３で
ある。溝の正確な半径方向の長さは厳格ではないが、こ
れが望ましい長さであるということがわかつた。図示さ
れているように、溝は比較的浅く、第４図に最もよく示
されているように、そのデイスクの軸方向の厚さの半分
以下で軸方向に延びている。また、その溝はほぼ矩形の
断面を有することがわかるであろうが、しかしながらそ
の構の底部における丸められた角が等しく有効である。
その溝の半径方向の内方端２６ａおよび２８ａは丸めら
れていて、一方、半径方向の外方端２６ａおよび２８ｂ
はそのデイスクの周縁に通じている。

溝の長側２６ｃおよび２８ｃは互いに平行であり、そし
てそれゆえに、デイスクに関して正確に半径方向に延び
ていないが、しかしながら各溝の長さ方向の中心線２０
ｃは半径方向に延びているということが、また図面から
理解されよう。溝はデイスクの周縁にぐるりと等しくス
ペースがあけられていて、そして第３図かられかるよう
に、各溝の間の間隔は溝の半径方向の長さとともに、そ
の溝の幅よりも大きい。本来的に、溝が内方に延びるに
従がつてそれらは接近し、そして半径方向内方に十分遠
く延ばされれば、溝の間の間隔はその溝の幅以下になる
であろうし、結局消滅するであろう。溝の数は、勿論、
デイスクの直径寸法で変えられる。溝の数および幅は重
要であるが、種々のアプローチが有効であるという点に
おいて、厳格ではない。説明された配列では、２０個の
溝がそのデイスクの一方表面に図示されていて、各溝の
半径方向の長さは溝の円周方向の幅の約５倍である。そ
のデイろクの一方側に形成されている溝は、他の側のそ
れらと同じであるが、一方側の溝は他方側の溝より円周
方向にずらされている。

好ましくは、第３図および第４図かられかるように、一
方側の溝２６は反対側の１対の溝２８の間の真中に位置
決めされている。第３図および第４図に示す形式のイン
ペラのテストにおいて、優秀な分散ないし混合が得られ
、そして特に重要なのは、超高分子量のポリエチレンの
ようなプラスチツク形式の材料で作られたこの形式のイ
ンペラが、もつと以前の設計の鉄からなるインペラより
も長時間の満足な混合を与えるということである。

溝は必要な分散を与え、そして材料は十分弾力があり、
そのために、混合されている研摩材は、より硬い鉄イン
ペラでは摩耗が生じたが、ポリエチレンの摩耗および摩
滅を生じない。好都合に、ポリエチレンは機械で作られ
あるいは成形で作られうる。１つのテストで、直径３２
インチ（＋８１．３（１−JモV！）のインペラが粘土の
混合に用いられ、そしてそのインペラの寿命は、その粘
土の中の砂の率によつて、５６時間から５７１時間であ
つた。

これは金属インペラより１０倍以上も長い寿命である。
同様に、砂の中で回転する４インチ（＋１０．２ｃｍ）
の刃が現在用いられているステンレス鋼の刃より１０倍
も長い寿命を示した〇第５図および第６図はスロツトな
いし溝３０がわずかに短かくかつインペラデイスク３２
の周縁に通じていないという点を除いて、本質的に第３
図のものと同じこの発明の形式を図示する。

かわりに、溝の半径方向の外方端３０ａがその半径方向
の内方端と同じように丸められている。そのような設計
はわずかに異なつた分散パターンを与え、そしてまた優
秀な耐摩耗特性を与える。外方端に通じている溝を有す
る第３図のインペラは、第５図に示されるような外方縁
の前で終端する溝より大きな循環を与える。

しかしながら、閉端の溝は操作人員に関してより大きな
安全性を提供する。分散作業において達成される仕事の
量の１つは、インペラを回転させるに要する電力の量で
ある。

したがつて、インペラを回転させるために高電流を要す
れば、もし小電流を要するよりもより一層の仕事が行わ
れている。ここに示された形式のインペラで、インペラ
を回転させうるための初期電流の要求は、摩耗が続くに
したがつて、新しいデイスクの動作の最初の数時間の間
むしろ急激に減少し、かつついでかなりゆつくりと低下
するということがわかつた。第４図を参照して、それは
インペラの回転方向３８に面した溝の側であり、その側
が溝の最初の仕事領域ないし抵抗表面であり、そしてイ
ンペラを回転させるに要する電流の最初の低下の要因で
あるところのこの最初の仕事表面上の当初鋭い縁ないし
角３６の摩耗であるということが決められた。したがつ
て、わずかに丸められたこの縁３６を形成するのが実際
であり、そのためにインペラの寿命の始めから終わりま
で性能の範囲は一定である。このことは一層均一な混合
パターンを与え、かつモータの大きさをインペラ負荷に
一層接近して調和させるのを許容する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明のインペラデザインが組込まれた分散
装置の斜視図である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 対向する軸表面２０ａ、２０ｂを有するディスク形
   状のインペラを含む工業的な分散装置であつて、前記デ
   ィスクは、弾力性を有しかつ摩滅に対して強いプラスチ
   ックのような高分子物質からなり、前記表面は、各々、
   複数の円周方向にスペースがあけられかつ半径方向に延
   びる溝を含んで形成され、溝は対向するほぼ平行のかつ
   それぞれの表面に通じる側壁を有していて、一方の表面
   上の前記溝は他方の表面上の溝に関して円周方向にずら
   されていて、そのために一方の表面上の溝が他方の表面
   上の２つの隣接する溝の間で円周方向にスペースがあけ
   られていることを特徴とする、分散装置。 ２ 前記溝は前記ディスクの周縁に通じている、特許請
   求の範囲第１項記載の分散装置。 ３ 前記溝の半径方向の長さは前記ディスクの半径の約
   １／３である、特許請求の範囲第１項または第２項記載
   の分散装置。 ４ 前記溝は比較的狭く、そのインペラディスク軸方向
   の厚みの１／２以下である、特許請求の範囲第１項ない
   し第３項のいずれかに記載の分散装置。 ５ ディスクの一方表面において隣接する溝は互いに同
   じであり、前記隣接する溝の円周方向の幅より大きな距
   離で互いに円周方向にスペースがあけられている。 特許請求の範囲第１項ないし第４項のいずれかに記載の
   分散装置。６ 前記溝はほほぼ矩形の断面を有する、特
   許請求の範囲第１項ないし第５項のいずれかに記載の分
   散装置。 ７ 各溝の中央線は半径方向に延び、かつ各溝の側部は
   前記中央線にほぼ平行に延びる、特許請求の範囲第１項
   、第４項または第５項のいずれに記載の分散装置。 ８ 各種はディスクの隣接する軸方向の面とともに対向
   する１対の縁を形成し、そしてそのディスクの回転方向
   に面する溝の縁はわずかに丸められている、特許請求の
   範囲第１項ないし第７項のいずれかに記載の分散装置。 ９ 前記溝の各々は両方の半径方向端で閉じられている
   、特許請求の範囲第１項、第３項、第４項、第５項、第
   ６項、第７項または第８項のいずれかに記載の分散装置
   。 １０ 前記ディスクは、ポリエチレンからなる、特許請
   求の範囲第１項ないし第９項のいずれかに記載の分散装
   置。