JPS593202B2 - 流体透析装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は選択透過性の壁膜を有する中空繊維を使用し
た透析装置に関する。

中空繊維を用いた透析装置としては、第１図に示す如く
、中空繊維２の外部を流れる流体（以下繊維外部流体と
いう。

）の出入口８，８′を有する合成樹脂製円筒容器１内に
、中空繊維２が容器に沿ってほぼ平行となるように集束
充填され、その両末端がポリウレタンの如き接着剤より
なる繊維接合部３，３′を有し、且つその端面は中空繊
維の開口面を形成していて、繊維内部流体の出入口４，
４′をもつキャップ９，９’Ｏ−リング１２によって透
析室１０と内部流体とが隔離された、いわゆる熱交換器
タイプのものが最も広く用いられている。

しかしながら、この装置では繊維が密に集束されている
ために、繊維外部流体が繊維束内部に浸透せず、容器壁
に沿って一方の入口８′から他方の出口８に短絡的に流
れる傾向があり、すべての中空繊維と充分に接触しない
という欠点を有していた。

この発明は上記の欠点を改善すべく発明されたもので、
中空繊維の中空部を流れる流体（繊維内部流体）と繊維
外部流体との間の透析が効率よく行われる装置を供給し
ようとするものである。

すなわちこの発明は、両端に開口を肩しかつ一方の端部
付近に繊維外部流体出口を廟する容器と上記容器内に収
納され繊維端部が容器開口に流密に集束接合された中空
繊維束と、繊維外部流体出口を有していない側の繊維接
合部中央を貫通した繊維外部流体入口ノズルと、上記中
空繊維の開口端面に連結して設けられた繊維内部流体の
出入口とを有する流体透析装置である。

以下、この発明の一例を第２図によって説明する。

容器本体１内に選択透過性の壁膜を有する中空繊維２の
束が収納されており、繊維端部は集束されて容器の開口
部に流布に接合されている。

この繊維接合部３によって透析室と繊維内部流体の出入
口４，４／部分が隔離されている。

一方の繊維接合部３には、そのほぼ中央部を貫通して中
空繊維束内に突出した繊維外部流体供給口ノズル５が設
けられており、反対の接合部３′側の容器壁に繊維外部
流体出口６が設けられている。

したがって、ノズル５から供給される繊維外部流体は、
中空繊維束の内部から繊維を横切って流れることになり
、すべての繊維と充分に接触できる。

ノズル５と繊維外部流体出口６は繊維束の相対する端部
側にそれぞれ設けられることが必要である。

繊維外部流体出口６がノズル５と同じ繊維端部側に設け
られた場合や容器中央部に設けられた場合は、繊維外部
流体は短絡的に流れてしまい、中空繊維のすべての壁膜
を充分に利用した透析が行われず、この発明の所期の目
的が達成されない。

また、同様の理由により、ノズル５の長さは短い方がよ
く、容器の長さの１／３以下が好ましい。

ノズル５は中空繊維集束接合部のほぼ中央部に位置し、
その先端および／または周囲側面に細孔を有する。

ノズルの先端は供給流体の流速を大きくするように、好
ましくは図のように絞られている構造とする。

また、中空繊維２はノズル５の周囲に一様に分散してこ
れを取り巻く形になっていればよいが、ノズル５より供
給される流体によって振動し、流体を繊維束内によりよ
く浸透させるためには、ノズル５よりある程度の距離を
もって集束されているのがよい。

そのために、好ましくはノズル５と繊維束接合部との間
に、繊維束内部径制御板７を設置するのがよい。

繊維外部流体出口６は、ノズルと相対する端部側の容器
に、１個ないしそれ以上設けられる。

この発明では、繊維外部流体供給口の工夫により、繊維
外部流体が所有する運動エネルギーが中空繊維集束体の
振動化に利用されるため、繊維集束体と繊維外部流体と
の混合が円滑化され、容器内における繊維外部流体の部
分的滞留も少くなり膜面積が全体的に有効に利用される
ようになった１中空繊維２の素材は、目的とする特定成
分を分離できるものであれば特に限定されない。

一般にはその用途に応じてセルロースアセテート、銅ア
ンモニアレーヨンなどの再生繊維、ポリアクリロニトリ
ル、ポリメチルチタクリレート、ポリアミド、ポリエス
テルなどの合成繊維が用いられる。

また、か＼る本発明の流体透析装置は、そのノズル５の
他端１１を、通常のコイルキャニスタ−の透析液噴出口
と嵌合させ、透析液を噴出させて用いることにより、容
易に使用することができる。

実施例 内径２６０μ、外径３００μの選択透過性の壁膜からな
る銅アンモニアレーヨン製中空繊維ｓ、ｏｏｏ本を用い
て第２図に示す透析装置を組立てた。

中空繊維の有効長は２３０ＨＩＩｌであり、有効膜面積
は約１．５ｍ２であった。

ノズルは先端が先細となった円筒状ノズル（先端径１０
Ｍ）であり、その先端頂面に直径２ｉＩｍの細孔が３個
、先端近房の円周側面に円周方向に２列に総計８個の細
孔を宿し、繊維接合面から透析室に５０ＩＩｇ１突出し
ている。

また、ノズルと繊維接合部との間に外径３２履、内径１
８の繊維束内部径制御板を設置した。

また本装置は内径７０ｍのスチレン・アクリロニトリル
製の円筒容器からなりノズルと反対の接合部近傍に直径
１５ｗ１の円形外部流体口８個を有している。

この装置のノズル他端１１を通常のコイルキャニスタ−
の透析液噴出部に嵌合させて、中空繊維内に尿素濃度１
００■／ｄ７の尿素水溶液を２００７７２７！／Ｍで流
し、中空繊維外に純水を１５６層循環しつつ、５００
ｍｌ／ｍの速度で新しい純水を連続供給し、等量廃棄し
て、３７°±１℃の温度で透析試験を行った。

透析開始６分後の繊維内部流体の出口から尿素水溶液濃
度を測定し、以下の式により透析塵Ｇ）ｌを算出したと
ころ、Ｄ＝１８０であった。

比較のため、実施例と同じ中空繊維８０００本、有効長
２３０履、中空繊維の有効膜面積約１．５ｍ２で、内径
４５１１ｇＩｌのスチレン・アクリロニトリル製の第１
図に示す円筒容器からなる熱交換器タイプの透析装置を
組立て、実施例と同じ条件で透析試験を行ったところ、
Ｄ二１４０にすぎなかった。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の透析装置であり、第２図はこの発明の一
例を示す装置の断面図である。 １・・・・・・容器本体、２・・・・・・中空繊維、３
，３′・・・・・・繊維接合部、４，４′・・・・・・
繊維内部流体出入口、５・・・・・・ノズル、６・・・
・・・繊維外部流体出口、７・・・・・・繊維束内部径
制御板、８，８′・・・・・・繊維外部流体出入口、９
，９′・・・・・・キャップ、１０・・・・・・透析室
、１１・・・・・・ノズルの他端。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 両端に開口を有しかつ一方の端部付近に中空繊維外
   部流体出口を有する容器と、上記容器内に収納され繊維
   端部が容器開口に流密に集束接合された中空繊維束と、
   繊維外部流体出口を崩していない側の繊維接合部中央を
   貫通した繊維外部流体入口ノズルと、上記中空繊維の開
   口端面に連結して設けられた繊維内部流体の出入口とを
   鳴する流体透析装置。