JPS5931556Y2 - 農作物の収納用網袋 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、表面に滑り止め及び横伸び防止加工を施し
た農作物の収納用網袋の改良に関する。

一般に、合成樹脂モノフィラメントを一定の目幅でラッ
シェル編してなる網地から構成されたこの種網袋は、通
風性、耐久性等に優れている反面、袋主体の横伸び率や
表面の滑性が大きい為、これに農作物を収納した際、袋
の膨張変形、或いは荷崩れ等が生じ易く、その取扱いに
著しい不便を伴うものであった。

他方、近年ビニール袋や布ベルト等の滑りを防止するた
め、これらの表面に微粘着性の合成樹脂を溶着して、そ
の効果を上げていたものも一部見受けられるが、この方
法では樹脂の塗布面の通気性が全く失われるため、上記
網袋には利用できなかったものであり、又、たとえ上記
樹脂をスプレィ方式にて該網袋に散着させたとしても網
目を狭めて通風性を妨げると共に樹脂の連結が不安定と
なって横伸び防止の効果が得られないばかりでなく、吹
き付けられる樹脂の大部分が網地を通過して散逸し、極
めて不経済であるなど、何れにしても上記網袋に対する
樹脂の塗布には多くの問題点が見られたものである。

このような実情に鑑み本案は、袋主体を構成する網地の
表面に微粘着性の合成樹脂を一様に塗布した後、風圧等
を利用してその裏面より網目を閉塞している樹脂膜を除
去することにより、網地を構成するモノフィラメントに
沿って連続した樹脂網を形成するようにして叙述の問題
点を悉く解決したものである。

以下、本案の構成を１つの実施例に基づいて更に詳述す
ると、第１図において１は合成樹脂モノフィラメント１
′を一定の目幅にラッシェル編してなる長尺物網地、２
は該網地の網目に沿って形成された樹脂網であって、上
記網地１の一面において、例えばラテックス、ＥｖＡ等
、常温で微粘着性を有する熱可塑性合成樹脂を一様に塗
布した後、その他面から送風機を介して熱風などを吹き
付けることによって、各網目間を閉塞している樹脂膜を
排除して得たものである。

又、第２図は本案の農作物の収納用網袋３であって、上
記網地１を適当な長さに裁断し、上記樹脂網２部を外側
にして折返した後、上端にファスナー４を、又その両側
に吊環部５を取付けるなどして縫製したものである。

而して、上記微粘着性を有する熱可塑性合成樹脂は、そ
の性質上、単に刷毛やローラー等で塗布しただけでは、
その網目間に樹脂膜が形成され、塗布面の通気性が完全
に遮断されるものであったが、本案では網地の表面に樹
脂を塗布した後１、その裏面より送風機を介して熱風等
を吹き付け、その風圧によって上記樹脂膜を排除したも
のであるから、網地１の一面において、そのモノフィラ
メント１′に沿って連続した樹脂網２が確実に形成され
、該部の通風性を有効に維持し得るものである。

尚、上記樹脂網２は、網袋３主体の一方、又は両方の表
面に対し、その全面に施すことが好ましいが、横方向又
は横及び縦方向に１〜複数条の樹脂網を形成したもので
あっても、滑止め及び横伸び防止効果は十分に得られる
。

叙上の構成に係る本案網袋３は、その表面に連続した微
粘着性の樹脂網２が形成されるため、網袋の通風性は全
く阻害されず、又これに農作物を収納して積重ねた場合
、互いに接する樹脂網２により袋相互間の滑りが防止さ
れて荷崩れ等を生ずることがない他、硬化後、殆んど伸
長しない上記樹脂網によって袋の横伸びが確実に防止で
きるなど、従来のこの種の網袋には期待出来なかった優
れた作用効果を斎らすものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は網地の部分平面図、第２図は本案網袋の正面図
である。 尚、図中１・・・・・・網地、２・・・・・・樹脂網、
３・・・・・・網袋。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 合成樹脂モノフィラメントを一定の目幅で編織してなる
   絹地の一面における全域若しくは一部に、その網目を塞
   ぐことなく微粘着性の合成樹脂網を形成せしめ、該網地
   によって、少なくとも上端に閉止自在な開口と、吊持部
   を設けたことを特徴とする農作物の収納用網袋。