JPS5931218Y2 - 経皮血中酸素濃度測定用センサ− - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は動脈血中の酸素濃度又は分圧を経皮的［１１１
５ｔする装置のセンサーの改良に関するものである。

血液、特に動脈血液中の酸素濃度又は分圧を知ることは
、新生児並びに人工呼吸を必要とする重傷患者の呼吸管
理等の処置を行なう上で極めて重要゛である。

従来、動脈血液中の酸素濃度又は分圧を測定する方法と
して、動脈中の血液を抜き取って直接測定する方法とは
異なり、血液から皮下組織を通じて拡散された酸素を皮
膚表面で捕足し、患者に苦痛を与えることなく、かつ経
時的に連続測定可能とした経皮酸素測定法は既に知られ
ている。

該方法に用いられている在来のセンサーの代表的機構は
第１図に示すように、金又は白金の如き貴金属よりなる
円筒状の陰極１と、該陰極より絶縁物２を介して離隔さ
れた円筒状の銀陽適３と、両電極１．３を組立状態にて
保持する電極ホルダー４と、電極１．３の先端部を被覆
するごとく配置された電極膜５と、該電極膜５の外周部
を固着支持する円筒状の電極膜ホルダー６と、電極膜ホ
ルダー６と電極ホルダー４との間に設けられたバッキン
グＴと、該電極膜５と電極先端部との間に薄層状に介在
せしめられた電解液８と、ヒーター９を含む伝熱性のよ
いアルミニウム又は銅或はこれらの合金などからなる力
島部本体１０とからなりそＯ周囲には放熱防止のため合
成樹脂の保護層１１が被覆されている。

前記電極膜５は疎水性でかつ酸素ガス透過性の合成樹脂
材からなり、前記電解液８はｋｃｌを主体とする電解液
よりなり、これを被験者の皮膚表面に当てが５と、加熱
部本体１０め接触部付近の皮下組織はヒーター９からの
伝熱により加熱されて局部的に動脈化され、皮下組織内
の酸素分子は皮膚表面より拡散して電極膜５を通過し、
さらに電解液８中を拡散して陰極１に到達するが、この
際両電極間に酸素分子の還元に必要な電圧（０，５〜０
．９Ｖ）を加えておくと、陰極１では酸素の還元反応が
、又陽極３では銀の酸化反応がそれぞれ行われ、この結
果両電極間に電解電流が流れるが、該電流を測定するこ
とにより皮下組織、したがって動脈血内の酸素濃度が近
似的に測定できるようになっている。

このような経皮的血中酸素濃度測定法においては、その
測定方法の原理上測定匝は、真の血中酸素濃度に比べ低
い値を示す傾向がある。

この測定誤差は皮膚を加熱する温度による影響が大きく
、温度が高い桟木測定法による測定値は、真の血中酸素
濃度に近づく。

−古本測定法の特徴の一つは血中酸素濃度の変動を連続
的に検知できることにあり、この特徴を生かすためには
より長時間連続測定できることが必要である。

ところが、高温の経皮血中酸素濃度測定用センサーを長
時間皮膚表面に装着しておくと低温火傷を起こす可能性
があり、低温火傷防止の面からは、できるだけ低温で使
うのが好１しく、前記の測定値の正確さを実現するため
の条件とは相反する条件が要求されることになる。

そこで、従来はこれらの両条件の妥協の結果として一般
に４３．５〜４４．０℃の範囲の加熱温度が選ばれてい
るが、第１図に示すように加熱部本体１０内部にヒータ
ー９を内蔵され、該加熱部本体１０の底面がその１＼皮
膚に接する構造では、ヒーター９附近の接触部の高温の
ために火傷を生ずる危険は依然高く、また接触部の面積
が大きいために皮膚に流入する熱量および発赤面積が大
きく、このため連続装着時間はせいぜい３〜４時間と限
られていて長期継続測定が出来ない欠点があった。

本考案は、上記従来の欠点を除去すべくなされたもので
あって、このため本考案は加熱部本体の皮膚面との接触
部における金属表面の外周部分を熱絶縁性の合成樹脂材
により被覆し、これにより火傷の危険を防止すると同時
に発赤面積を縮少させ、以て連続装着時間の延長を図っ
たことを特徴とする。

以下、図に沿って本考案の内容を説明する。

第２図は本考案の一実施例を示すもので、金又は白金の
如き貴金属よりなる円筒状の陰極１と、該陰極より絶縁
物２を介して離隔された円筒状の銀陽極３と、両電極１
，３を組立状態にて保持する電極ホルダー４と、電極１
，３の先端部を被覆する如く配置された電極膜５と、該
電極膜５の外周部を固着支持する円筒状の電極膜ホルダ
ー６と、該電極膜ホルダー６と電極ホルダー４との間に
設けられたバッキングγと、該電極膜５と電極先端部と
の間に薄層状に介在せしめられた電解液８と、ヒーター
９を含む伝熱性のよいアル□ニウム又は銅或はこれらの
合金などからなる加熱部本体１０とからなり、その周囲
ｍ放熱防止のため合成樹脂の保護層１１が被覆されてい
る。

上記力内部本体１０ばその底面中央部に上記電極膜５の
一部を露出させる穴を有するとともに該電極膜露出穴１
わりに皮膚面との接触部を形成している。

上記熱絶縁性の合成樹脂材よりなる保護層１１の下端延
長部１１′は加熱部本体１０の皮膚面との接触部の外周
部分を被覆するごとく延びている。

このように保護層１１の下端延長部１１′によって加熱
部本体１０底面の外周部分を被覆することにより、ヒー
ター９からの伝熱が直接皮膚に加えられることが無いの
で火傷の危険を防止することができ、オた該延長部１１
′により加熱部本体１０底面の金属露出部面積が縮少さ
れるために皮膚への流入熱量および発赤面積を減少させ
ることができ、これによってセンサーの連続装着時間を
大巾に延長させることができる。

なお上記延長部１１′の厚みは、当該延長部１１′を介
してヒーター９からの伝熱の実質的部分が皮膚に加えら
れるような厚みに選ばれる。

すなわち、該延長部１１′直下の皮膚が実質的に加熱さ
れない場合には、皮膚は、中心附近の金属露出部のみの
加熱によって動脈化されねばならないが、この場合加熱
温度を相当高くしないと血中酸素濃度の測定値は真の値
に比べてかなり低めになる傾向があり好捷しくない。

そこで、延長部１１′の厚みは、上記のように、ヒータ
ー９から皮膚への直接の伝熱を避けることはできるが該
伝熱の実質的な部分が当該延長部を介して皮膚に加えら
れるような厚みに選ばれる。

次に、本考案の実験結果を第１図に示した従来例のもの
と比し述べると、例えば第１図に示したセンサーの加熱
部本体の底面金属露出部の外径を１５．２ｍｍとし加熱
温度を４３．５℃とした場合に連続装着可能時間は３〜
４時間でセンサーを取外した後１時間経過後の発赤跡の
直径は約１４間であったが、第２図に示した本考案セン
サーにおいて１ 延長部１１′の厚み０．２ｒｒａｎ、該延長部内部の金
属部の厚み０．２ｍｍ５金属露出部の外径を７ｒｒｒＩ
ｒＬとし加熱温度を４３．５℃とした場合に連続装着可
能時間は６〜８時間でセンサーを取外した後１時間経過
後の発赤跡の直径は約７ｗｒＬであった。

又、上記実験に使用された本考案センサーにおいて金属
露出部外径を５Ｓｒ１ｍｌとした場合には、連続装着可
能時間は１１〜１２時間であった。

さらに、上記実験において熱絶縁層、つ１り延長部１１
′の厚みを０．０５８以下とした場合には熱絶縁の効果
がほとんどなく、逆に０．６ｒｒａｎを越えると該延長
部直下の加熱効果がほとんど失われ、熱絶縁層の厚みを
０．０５〜０．６ｉｒａｎの範囲内に選定すると有好で
あることがわかった。

なお、本考案センサーにおいては金属露出部の直径を熱
絶縁層の厚みにより適宜調節することができるが、最も
有効な組合わせは熱絶縁層の厚み０．１５〜０．２５
ｒｒｖｎで金属露出部の直径が９〜４．５胴であること
がわかった。

以上のように、本考案経皮血中酸素濃度測定用センサー
においては、加熱部本体の皮膚面と接触する金属表面の
外周部を熱絶縁性の合成樹脂材により被覆したので、火
傷の危険を防止することができると同時に発赤面積を縮
少させることができ、以て連続装着可能時間を大巾に延
長することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来型の経皮血中酸素濃度測定センサーの中央
断面図、第２図は本考案による経皮血中酸素濃度測定用
センサーの中央断面図である。 １・・・・・・陰極、２・・・・・絶縁層、３・・・・
・・陽極、５・・・・・・電極膜、８・・・・・・電解
液、９・・・・・・ヒーター １０・・・・・・加熱部
本体、１１・・・・・・保護体、１１・・・・・・延長
部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 白金又は金等の貴金属よりなる円柱状、リング状或は分
   散配置の針状の陰極と該陰極まわりに絶縁材を介して円
   心円状に配置された銀等の陽極とこれら両電極の一方の
   端面に電解液層を保持するように張設された電極膜との
   組合わせよりなる電極部と、該電極部１わりに組合わせ
   られかつ中央部に前記電極膜の一部を露出させる穴を有
   するとともに該電極膜霧出穴１．わりに皮膚面との接触
   部を形成しているアルミニウム又は銅或はこれらの合金
   等の熱伝導性の良い金属よりなる加熱部とを備えてなる
   経皮血中酸素濃度測定用センサーにおいて、前記加熱部
   の皮膚面との接触部における金属表面の外周部分を熱絶
   縁性の合成樹脂材により被覆したことを特徴とする経皮
   血中酸素濃度沖淀用センサー。