JPS5930437B2 - ミシンの運動検出装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はミシンの運動検出装置に関し、不適正な縫目を
検出して的確な調整を行ない、常に良好適切にして美麗
な縫成をなさしめ得るようにしたものである。

ミシンによる縫成であっても、直線縫いは別として、模
様縫いの場合、針の振中量と布の送り量の調和を図らな
ければ、適正な縫いが得しめられないものである。

例えば第１０図のボタンホール縫、或いはスーパー縫い
においては、カンヌキ幅りの調整、中幅Ｅの調整、左右
ピッチ差Ｆ−Ｇの調整、停止縫Ｈの縫送り量の調整、は
なれ間隔にの調整の如きを行わなければならない。

このようなミシンの縫目調整は、従来一般には、実際に
生地に試縫いをして見た上で行なっており、且つその調
整は１回の試縫いのみでは仲々に行われ難く、従って何
回も試縫いをしないと美麗な製品の提供ができず、その
ため予め端切れ布の如きを利用して行なっているのが実
情である。

しかもこれらは一例であり、全ての項目を合わせると、
その全組立調整に占める割合は非常に多く大幅な工数を
要する等、作業能率上においても著るしく劣るものであ
る。

本発明は上記したような実情に鑑みて鋭意検討の結果、
迅速にして確実に不適正な縫目を検出し、且つその調整
も容易に行わしめ得るところの装置を開発したものであ
り、その実施態様を図示のものについて説明すると、ミ
シン本体１には針棒支持体２が支点３を中心に振子運動
をするように設けられ、該針棒支持体２は針棒４を支持
すると共に針棒４と針５に振巾運動を伝達する。

前記針棒支持体２の適所には該支持体の物理的運動量を
電気信号（電圧信号）に変換する変位変換器６が配設せ
しめられ、その駆動部γは常にミシン側たる第１図示の
Ａ方向にバネ８で付勢されており、従って針棒支持体２
が第１図Ａ、Ｂ方向に運動するときは、変位変換器６は
前記針棒支持体２に常に追従するものである。

又前記変位変換器６が針棒支持体２の運動量を確実に捕
えると共に追従し且つ離脱することがないようにするた
めには、アタッチメント９を介装して取付ければ良い。

尚この変位変換器６は接触式のものについて述べたが、
これに代えて非接触式のものも固より採用可能であり、
その場合には前記した針棒支持体２と後述する連結ロッ
ド２５との基準位置から適正な間隔を保つように配設す
ることが望ましい。

１０は動ヒズミ測定器で、その交流ブリッジの一端が前
記変位変換器６に接続せられており、従って変位変換器
の駆動部７が動作すると該変位変換器６内に電気的不平
衡を生じ、該不平衡を動ヒズミ測定器１０で捕え且つ電
気的な処理をなした後、その動きに比例して電気信号（
電圧）を出力する。

このようにして動ヒズミ測定器より出力される電気信号
（電圧）は、任意に増減可能、即ち比例率を可変するこ
とができる。

もつとも前記の変位変換器６でも可変できる。

１１は目視で観測することのできる表示器で、例えばＸ
Ｙレコーダ、記憶装置付シンクロスコープの如きが用い
られ、前記した動ヒズミ測定器１０が接続されて成り、
変位変換器６で捕えた動きが表示器１１のブラウン管面
に任意な大きさで検出記録され且つ表示される。

上記は針棒支持体２の振巾運動、即ちＸ方向の運動の検
出を説明したものであるが、更にＹ方向の運動たる布の
送り方向の検出について説明する。

一般的に布の送りは第５，６図示の如きで、押え棒１２
の下端に取付けられた押え１３により被縫成地１４を押
圧し、ミシンを駆動させることにより送り歯１５が前記
押え１３との間に被縫成地１４をはさみ乍ら、針板１６
面の上下を第６図の１７．１８の軌跡を描きなから被縫
成地１４を前進又は後進させる。

前進のときの軌跡は１７、後進のときの軌跡は１８とな
るもので、この場合に送り歯１５が針板１６の面から１
７又は１８の軌跡を描くため、押え１３及び被縫成地１
４はＪの距離だけ上下している。

而して本発明では、被縫成地の送り量を捕えるべく、次
なる特殊な送り追従装置１９を使用する。

この追従装置１９において、押え１３のシャンク部と押
え部が着脱可能な場合を先ず説明すると、追従枠２０に
は第２，８図示の如く部材２１がスライド可能に配設さ
れ、その軸２２を利用して押え１３をばね１３ａで連結
固定させ、その離脱を図るときは釦１３ｂを押圧操作し
て行なうものであり、部材２１はガタなく円に摺動し針
の振巾による干渉をさけるべく逃げ幅りを持たせである
。

追従枠２０の下面にはゴム等で形成のスベリ止め材２３
が装着され、布の送り量に相当する送り量を確実に捕え
る作用をする。

２４は一端が追従枠２０に連結される連結ロッドであり
、その適宜位置には鍔部２５が設けられている。

２６は前記連結ロッド２４さ後述の変位変換器６′を連
結するコレットチャック式の連結装置であり、第７，８
図示の如く、内部にバネ２７を有し常時吸着作用を受け
ている可動部２８が設けられ、それらの夫々には操作に
便なる如く鍔２９ 、３０が形成されている。

この連結装置２６を連結ロッド２４と連結するには、鍔
部２９と３０を操作して可動部２８を移動し、コレット
部を開口せしめておいて連結ロッド２４の他端を挿通し
鍔部の操作を解除することにより行われる。

３１はピアノ線の如きの緩衝連結片であり、前記連結装
置２６と変位変換器６′の間に配設することで、前記し
た第６図示の丁なる上下動を適切に吸収するものである
。

３２は前記変位変換器６′と緩衝連結片３１とをガタの
ないように接続する接続部である。

このようにして追従装置１９に連結された変位変換器６
′は、前記したＸ方向の運動の検出側と同様に別の動ヒ
ズミ測定器１０′を介して表示器１１に接続され、Ｙ方
向の運動量を表示する。

第９図は追従装置の別実施例を示し、これは押え１３の
シャンク部と押え部が着脱不可能な場合で、追従枠２０
′に押え１３′の押え部が直接に摺動可能に取付けられ
る。

３２と３３は、追従枠２０′と変位変換器６′とを連結
するための連結部材である。

上記したような本発明によると、ミシンによる縫成作業
に連動して自動的に、針の振巾及び布の送り量の運動量
が捕えられ、且つこれらを合成して軌跡として検出表示
し、格別の試縫の如きをすることなく、適切なる縫目の
調整が行わしめられ、良好な縫成品を提供することの出
来るその効果大なる創案である。

尚本発明は運動部材の適正値の検出、例えば基線ブレ、
直線ブレ、針流れの如きに、或いはカムのカム面の不均
一の検出の如きにも応用できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施態様を示し、第１図は本発明装置の
全体図、第２図は針振中量と布送６量を捕える部分を示
す斜面図、第３図は針振中量を捕える部分の一部断面図
、第４図は変位変換器の一部切欠せる側面図、第５図は
押えと被縫成地と送り歯部分の側面図、第６図は送り歯
の運動軌跡図、第７図は布送り量を捕える部材の連結関
係を示す斜面図、第８図は同じく断面図、第９図は布送
りを捕える部材の別実施例を示す斜面図、第１０図は模
様の縫目例である。 図中、２は針棒支持体、６，６′は変位変換器、１０
、１０’は動ヒズミ測定器、１１は表示器、１９は布追
従装置である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 針棒支持体に変位変換器を、押えに摺動可能に取付
   けた布追従装置を介して針振ｄ］方向と布送り方向を検
   出する変位変換器を夫々連結し、且つこれら変位変換器
   を夫々動ヒズミ測定器を介し針振巾方向と布送り方向の
   変位を合成した軌跡が表示される表示器に接続して成る
   ミシンの運動検出装置。