JPS5929827Y2 - 油圧プレス - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は大口径油圧シリンダ装置を有する油圧プレスの
改良に関するものである。

大型プレス機械に使用される油圧シリンダは大推力が必
要とされるため、シリンダ径も大きなものが必要であり
、従ってシリンダを動かすだめの油も多量必要である。

特にシリンダのストロークが長いと要求される油量も多
く、そのためシリンダの動きが鈍くなったり、また大容
量の油圧ポンプが必要とされていた。

しかし、多くの機械では大推力が必要なのは、油圧シリ
ンダストロークの全行程ではなく、ストローク端末付近
の一部であり、その他は単にシリンダを上下するのに使
用されるだけである。

本考案による大口径油圧シリンダを有する油圧プレスは
、ラムに固定しないピストンを有する大口径シリンダと
ラムに連結したピストンを有する小口径シリンダとを設
け、該小口径シリンダによってラムを前進させたとき生
ずるラムと大口径シリンダのピストンとの間の空間に、
該空間に応じたブロックを挿入し、大口径シリンダによ
ってラムを推進し得るようにしたことを特徴とするもの
で、大口径シリンダは、大推力の必要な長さだけのスト
ロークにとどめ、プレスラム等の上下動に必要なストロ
ークは、小口径シリンダにより行うもので、小口径シリ
ンダにより前進させたラム等と大口径シリンダのピスト
ンとの間に生じた空間に、その空間に応じたブロックを
挿入し、しかるのち大口径シリンダを前進させて該ブロ
ックを介して大推力による加工を行わせるものである。

以下、本考案の一実施例を図面により説明する。

第１図は、本考案大口径油圧シリンダユニットを引き上
げたときの状態を示す図で、１はラム送り用シリンダ、
２はラム送り用ピストン、３はメインプレス用シリンダ
、４はメインプレス用ピストン、５はブロック挿入用シ
リンダ、６はブロック、７は固定部材、８は上ラム、９
は下ラム、１０及び１１は上下の金型を示す。

図に示すように、メインプレス用シリンダ３は固定部材
７に固定されており、ラム送り用シリンダ１は、該メイ
ンプレス用シリンダ３の上部に同軸に取付けられている
。

そして、ラム送り用シリンダ１によって上下動するラム
送り用ピストン２は、メインプレス用ピストン４の中を
通って上ラム８に固定されている。

一方、メインプレス用ピストン３は、上ラム８には固定
されていない。

なお、図において１２はガイドロッドを示し、１３゜１
４及び１５は油圧オイル送り・排出パイプを示す。

本考案の大口径油圧シリンダユニットは、プレス加工に
際して次の如（操作される。

まず、第２図に示すようにラム送り用シリンダ１によっ
てラム送り用ピストン２を下降させると、該ピストン２
の先端に取付けられている上ラム８は下降する。

この際メインプレス用シリンダ３は作動させないため、
メインプレス用ピストン４はそのままの位置にとどまり
、上ラム８との間に間隙を生ずる。

このようにして、上ラム８を所定位置まで下降させた後
ら、ブロック挿入用シリンダ５を作動して、第３図に示
すようにブロック６を上ラム８とメインプレス用ピスト
ン３との間隙に挿入する。

しかるのち、メインプレス用シリンダ３を動かして、メ
インプレス用ピストン４を下降させると、大推力はブロ
ック６を介して上ラム８に働き、所要のプレス加工を行
うことができる。

第４図、及び第５図はラム送り用ピストン２とブロック
６との関係を示したＡ−Ａ線に沿った位置での断面図で
、第４図はピストン２にブロック６を挿入する前を示し
、第５図は挿入した状態を示す。

プレス加工後は、ブロック６を引き前記の操作を逆に行
えば、ラムを引き上げることができる。

本考案においてブロック挿入用シリンダ５の位置は特に
限定されないが、第１図に示す如く上ラム８上に設けれ
ば、ラム８の下降に従って下降し、上ラム８とメインプ
レス用ピストン４との間の空間に適確にブロック６を挿
入できるため便利である。

ブロック６の高さは前記上ラム８とピストン４とによっ
てできる空間の巾とはＹ同じとすることは勿論である。

なお前記では大口径シリンダ中を小口径シリンダのピス
トンが挿通し、両シリンダが同軸にある例を示したが、
大口径シリンダと小口径シリンダとは必ずしも同軸でな
く別個に設けても良い。

本考案は上述の如く小口径のラム送り用シリンダと大口
径の加圧用シリンダの二重構造としたため、油量も少く
てすみ、また大容量の油圧ポンプ及びそれを駆動するだ
めの高出力電動機を必要とせず、その結果シリンダ、バ
ルブ等の配管も容易になるなどのほか、油圧機の作動も
速く行えるなど多くの利点を併有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案大口径油圧シリンダユニットを引き上
げたときの状態を示す図、第２図は第１図の装置におい
てブロックを挿入したときの状態を示す図、第３図は第
１図の装置において大口径油圧ピストンを下降したとき
の状態を示す図、第４図及び第５図は上記第２図Ａ−Ａ
線に沿った位置での断面図、を表わす。 図中、１・・・・・・ラム送り用シリンダ、２・・・・
・・ラム送り用ピストン、３・・・・・・メインプレス
用シリンダ、４・・・・・・メインプレス用ピストン、
５・・・・・・ブロック挿入用シリンダ、６・・・・・
・ブロック、７・・・・・・固定部材、８・・・・・・
上ラム、９・・・・・・下ラム、１０，１１・・・・・
・金型、を表わす。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ラムに固定しな（・ピストンを有する大口径シリンダと
   、ラムに連結したピストンを有する小口径シリンダとを
   これらのピストンが互いに独立して同一方向に進退動す
   るように設け、該小口径シリンダによってラムを前進さ
   せたとき生ずるラムと大口径シリンダのピストンとの間
   の空間に挿入されて大口径シリンダの推進力をラムに伝
   えラム後退時に該空間より抜き取られるブロックを設け
   たことを特徴とする大口径油圧シリンダを有する油圧プ
   レス。