JPS5929102B2 - 耐硫化水素性ステンレス鋼 - Google Patents

耐硫化水素性ステンレス鋼

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JPS5929102B2
JPS5929102B2 JP17103180A JP17103180A JPS5929102B2 JP S5929102 B2 JPS5929102 B2 JP S5929102B2 JP 17103180 A JP17103180 A JP 17103180A JP 17103180 A JP17103180 A JP 17103180A JP S5929102 B2 JPS5929102 B2 JP S5929102B2
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stainless steel
hydrogen sulfide
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JP17103180A
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宗光 深川
光男 大山
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  • Heat Treatment Of Steel (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は硫化水素を含む気体、液体に触れて使用して
応力腐食割れを発生し難く、かつ溶接性および靭性の良
爵なステンレス鋼に係る。
石油化学プラント、製鉄プラント或いは石炭液化プラン
ト等において硫化水素を含むガスを処理するコンプレッ
サやこれらの付属機器その他に使用される各種圧延品や
鋳鍛造品或いは二次加工品に於ては硫化水素に対して応
力腐食割れを発生し難いことが要件であるが、そのほか
靭性が高くかつ溶接性も良好なことも望ましい。
一般に鉄鋼材料の耐硫化水素応力腐食割れ性はロックウ
ェル硬さHRC22以下(ビッカース硬さHv248以
下に相当)、降伏点9O、000psi以下(63.3
kg/m4以下に相当)で著しく改善されることが知ら
れており、米国石油協会(以下APIと略称する)規格
(API617)に於ても硫化水素混合ガスを処理する
コンプレッサ類の材料は上記の硬さおよび降伏点レベル
以下であることを規定している。
この規格においては硬さおよび降伏点の上限のみが規定
され、下限値は規定されてはいないが、耐硫化水素性が
良好であれば規格上限近くの強度を有することが設計上
望ましいことは通例のとおりであり、本発明においては
実用上安定して材料強度を保証するため50kg/mt
■を以上とする。従来上記の強度レベルを有するコンプ
レッサ用材料としてはクロム・モリブデン系低合金鋼が
使用されているが、硫化水素混合ガスを処理する場合に
は錆び易いことが欠点なので、代りにステンレス鋼を使
用することが考えられる。
然しながら18−8オーステナイト系ステンレス鋼は強
度が低すぎ、また13クロム・マルテンサイト系ステン
レス鋼では溶接性が悪く、現状では上記の強度レベル直
下の強度および硬さを有し、溶接性や靭性が良好でかつ
硫化水素による応力腐食割れを発生し難いステンレス鋼
は見当らない。
本発明は上記の如き問題点を解決し、硫化水素混合ガス
或いは液体と接触して使用しても応力腐食割れが発生し
難く、而も耐食性、溶接性、靭性のすぐれたステンレス
鋼を提供することを目的とし、炭素0.03%以下、珪
素1%以下、マンガン1%以下、ニッケル3〜5%、ク
ロム15.5〜17.5%、ビツカース硬さ248〜2
10、降伏点63.3〜50kg/M4で、マルテンサ
イト基地にこまかなデルタフエライトが分散した金属組
織を有する耐硫化水素性、溶接性および靭性の良好なス
テンレス鋼に係る。ところで溶接性が良好で、コンプレ
ツサ用の高強度のステンレス鋼としてJISSUS63
Oがある。
これは周知のとおり析出硬化系のステンレス鋼であるが
、これに耐硫化水素性を与えるため前記の強度レベル以
下にすることが考えられ、まず熱処理について種々研究
を行なったがいかなる熱処理を施しても所望の強度レベ
ルまで降伏点を下げることができなかった。従ってSU
S63Oの良好な溶接性を維持したまま強度を下げるた
めCrとNiの含有量はそのままとし、C含有量を低下
させると共に、析出硬化元素のCuと炭化物生成元素の
Nb+Taを添加しないこととして実験を重ね、所望の
降伏点およ−び硬さとすることに成功した。
なおステンレス鋼は一般に降伏点を明確に示さないため
永久伸び0.2%の耐力で示してある。本発明に係るス
テンレス鋼の化学成分組成について説明する。
Cは後述するように耐力を下げる−ためにその含有量を
少なくすることが必要であり、焼入れ、焼戻しによって
耐力を63.3kg/M4以下とするため0.05%C
以下とすることが必要であり、望ましくは0.03%以
下である。Siは通例のとおり脱酸のため添加するが、
フ.工ライト生成元素であり、素地強化の効果もあるの
で多くなると靭性をそこなうようになるから上限は1%
を超えないものとし、望ましくは0.2〜0.5%とす
る。
Mnは同様に脱酸および脱硫のため添加するが、.゜オ
ーステナイト生成元素であり、多くなるとアノード溶解
を加速し、耐食性をそこなうようになるので上限は1%
を超えないものとし、望ましくは0.4〜0.6%とす
る。
NiとCrとはJISSUS63Oステンレス鋼と同様
な溶接性を維持するためその含有量の範囲を同じとする
また本発明の鋼は後述する試験3において述べるように
熱処理によってマルテンサイト基地にデルタフエライト
がこまかに混在する2相組織であるが、Niが3%未満
でCrが15.5%未満であるとマルテンサイト相のみ
となる。一方、Niが5%を超え、同時にCrが17.
5%を超えるとオーステナイトが残留し、デルタフエラ
イトの量が増加するので好ましくない。CuおよびNb
十Taについては前記した理由で特に添加することはな
いが、不純物として含有される程度は差支えない。P,
Sについてはその含有量は少7Iい方がよいが、通例不
純物として含有される程度であれば差支えない。
熱処理は焼入れ焼戻しとし、焼入れ温度は950〜10
40℃とし、この温度から水冷または油冷したのち、お
よそ570〜610℃に焼戻して空冷する。
焼戻し温度はC含有量によって変え、C含有量が多いと
きは高く、少ないときは低くするのが望ましい。第1表
にはSUS63Oおよび本発明に係るステンレス鋼の化
学成分組成が比較して示してあり、あわせて実施例の供
試材の成分組成が付記してある。
なお本明細書においては通例のとおり化学組成は重量%
で示してある。第2表には機械的性質を示す。
次に実施例について各種試験を行なった結果について述
べる。
第1表に実施例として示した化学成分組成の溶湯を高周
波誘導電気炉で溶製して得た20kg鋼塊を鍛造および
圧延して寸法17X80X150m/mの板とし、これ
を供試材として所定の熱処理を施したのち各種試験の試
験片を製作した。
(1)試験1(熱処理試験)。
第1表実施例1および2の供試材を1040℃Xlhr
,加熱後、水焼入れし、次に焼戻し温度590,600
および610℃の3水準、焼戻時間4および6hr,の
2水準について硬さ測定および引張試験を行なった。
その結果のうち硬さおよび0.2%耐力を第1図に例示
してある。図から明らかなように0.05%Cの試験片
を590℃以上の温度に焼戻せば硬さはHv248以下
(Hp,C22以ド)になるが、0.2%耐力を63.
3kg/M4以下にするには610℃以上で焼戻さなけ
ればならない。
しかしながら焼戻温度が高くなってA。l変態点を超え
ると逆に硬さが高くなり過ぎるので、焼戻温度はおよそ
610℃を上限とすることがよいことが判る。熱処理試
験によって0.2%耐力と硬さとの関係を求めた結果、
0.2%耐力を50〜63.3kg/M4とする硬さの
範囲は大よそHv2l5〜235であるから0.05%
C1焼戻温度610℃を上限とするが、作業を容易かつ
確実にするため0.03%C以下とすることが望ましい
一方0.2%耐力を50kg/M4以上とすることが安
定して材料強度を保証する上に必要と考えられるので、
ビッカース硬さは215以上となり、従ってビッカース
硬さHv2l5〜235とするためには0.05%Cで
610℃、0.03%では600℃以上、0.01%C
ではおよそ570℃以上で焼戻せばよいことが図から判
る。(2)試験2(引張り試験)。
実施例2の供試材について1040℃Xlhr加熱後、
水焼入れ、585℃X6hr加熱後、空冷して引張試験
を行なった成績を第2表に例示してある。
硬さおよび降伏点(0.2%耐力)はAPI−617規
格を充分に満足し、かつ規格値直下の値を示し、充分な
強度を有することを示している。(3)試験3(衝撃試
験)。実施例2の供試材について引張試験の場合と同様
に熱処理したのち2mm”Jノッチシャルピ一試験片を
製作して衝撃試験を行なった成績を第3表に例示してあ
る。
マルテンサイト基地に少量のオーステナイトが存在する
金属組織であるため高い靭性は期待できなかったが、本
発明に係るステンレス鋼は第2図(実施例2の供試材、
倍率400倍)に示すようにマルテンサイトの基地に微
細なデルタフエライトが分散する2相組織であるためす
ぐれた靭性を示すものと考えられる。
(4)試験4(硫化水素ガスを含む液中の加速試駒。
一 実施例2の供試材について試験2で示したと同一の
熱処理を施したのち切欠丸棒試験片(Kt=6.0)を
製作し、0.1%H2SO$lに100p戸H2Sを含
む加速液中で低速度加重方式すなわち切欠底断面での負
荷応力速度をa = 0.2kg/M4/―として試験
を行ない破壊強度σD (Kg/M4)を求め、大気中
における切欠引張強さσN (Kg/Xi)に対する比
σD/σNを求め、これを遅れ破壊強度比として示した
。第4表には本発明に係るステンレス鋼の試験成績の一
例を同様にして試験したSUS63Oおよび13Cr−
2Ni−0.IC系ステンレス鋼の成績と比較して示し
ている。
第4表から明らかなように本発明に係るステンレス鋼は
硫化水素を含む加速環境下では遅れ破壊強度比がSUS
63Oおよび13Cr−2Ni−0.IC系に叱較して
良好であり、SUS63Oの夫れの1.48倍、,13
C系の夫れの1.14倍の値を示している。
このように本発明に係るステンレス鋼の遅れ破壊強度比
が大きいのは破面形態が粒内割れてあるのに対し、比較
材の夫れは粒界割れであることからも容易に推定され、
これは前記したような本発明の誰の金属組織すなわちマ
ルテンサイトの基地に微細にデルタフエライトが分散し
ている組織に基づくものと考えられる。
本発明のステンレス鋼はCu,Nb+Ta含有の有無の
点を除いては溶接性の良好なSUS63Oと本質的に同
様な化学組成を有するので、同様に溶接性が良好である
ことは容易に理解されよう。
また13Cr−2Ni−0.ICマルテンサイト系ステ
ンレス鋼に比してCrおよびNi含有量が多いので耐食
性も良好である。以上説明したように本発明に係るステ
ンレス鋼は硫化水素を含む流体中で使用しても応力腐食
割れを発生し難い。
而も硬さおよび降伏点が硫化水素用材料に対する現行規
格を満足し、かつ充分な強度、靭性を有する上に溶接良
好なステンレス鋼であるから、硫化水素を含む流体を処
理する各種設備或いは付属機器類の材料として好適であ
り、工業上の効果はきわめて大きい。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係るステンレス鋼の炭素含有量、ビツ
カース硬さと熱処理条件との関係を示すグラフ、第2図
は同じく顕微鏡組織(400倍)を例示する写真である

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 炭素 0.05%以下、珪素 1%以下、マンガン
    1%以下、ニッケル 3〜5%、クロム 15.5〜
    17.5%、ビッカース硬さ 248〜210、 降伏点 63.3〜50kg/mm^2 で、マルテンサイト基地にこまかなデルタフェライトが
    分散した金属組織を有する耐硫化水素応力腐食割れ性、
    溶接性および靭性の良好なステンレス鋼。
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CN102284840B (zh) * 2011-07-22 2013-05-08 青岛新鲁锋王针布有限公司 一种刺毛辊生产工艺
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