JPS592880Y2 - 微生物反応装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、有機性廃水その他の汚水を微生物によって処
理するために用いられる微生物反応槽（以下反応槽と略
す）に関するもので、詳しくは該反応槽内液の循環系に
ノズルからの吐出水流を利用して液体に空気を混合、酸
素を溶解する際に反応槽内に生ずる泡を効率よく消泡で
きる反応装置の改良を目的とするものである。

従来、この反応装置は空気の混合、液面の乱れによって
大量の泡を生じ、微生物あるいは反応物が泡に付着して
槽外に流出し、反応機能の低下と同時に生成物の損失、
さらには流出物による槽の汚染を招くので、この反応装
置には消泡装置が設備されている。

しかしながら、従来の消泡方法はいろいろあるが、例え
ば消泡水は微生物濃度の希釈化となること、遠心力ある
いはオリフィスによる破泡は動力費が余分にかかること
、超音波消泡は設備費が高価で不経済であること、充填
材による消泡は目詰まりによる機能低下と運転維持管理
がやっかいで゛あるなどのそれぞれ欠点があり、さらに
は消泡設備も複雑で維持管理も容易でない。

従来の反応装置の代表的例は第１図に示すように原水８
の流入と反応液（処理水）９の流出する反応槽１の槽内
液１０を循環するポンプ２と、槽内液面より高位置に設
けられた空気巻込部３と、該突気巻込部３の中心にある
循環液の液吐出部４と、吐出液の落下する中空管５と、
排ガスの排出口６に設けられた消泡装置７とから構成さ
れている。

この反応装置は、循環液を吐出することによって、循環
液に空気を導入し、かつ循環液と槽内液１０とを衝突せ
しめ、槽内液１０への酸素供給と液の混合攪拌を同時に
行なうものであるが、泡１１の発生が多く酸素供給能力
は高くても消泡手段が不可欠で前述の欠点を有する消泡
装置７を設備しなければならず憂慮されていた。

本考案は、これら従来の問題点を解決しようとしたもの
であるが、従来の消泡装置を用いなくとも極めて簡単に
消泡できる有効な装置を提供しようとするにある。

本考案は、ガス排出口を有する密閉槽内の液面上に、空
気巻込部とノズル形状の液吐出部とを有する中空管を配
備し、槽下部と前記空気巻込部とをポンプを介在させた
循環パイプで連絡し、槽内液を循環して液吐出部から吐
出して空気を巻き込み、液体に空気を混合、溶解せしめ
る構成とし、前記槽内気相部と前記空気巻込部とを泡板
入管にて連通し、さらに該泡板入管に分岐して下向きに
液化泡の排出管を設けたことを特徴とする微生物反応装
置である。

図示のものにおいては消泡装置７を用いないで、ガス排
出口６のある反応槽１に、上部に空気巻込部３と下部に
ノズル形状の液吐出部４とを有する両端開口の中空管５
を配備し、槽下部と前記空気巻込部３とをポンプ２のあ
る循環パイプ１６で連絡して槽内液を循環し液吐出部４
から吐出して液体に空気を混合溶解させるようになって
いる。

前記反応槽１には原水８の供給管と、反応液９を導出す
る流出管とが開口配備され、槽内液１０を一定に保って
微生物反応処理が行なわれるようになっている。

また前記空気巻込部３には泡板入管１２と、空気吸入管
１３とが接続され、泡板入管１２は反応槽１の気相部に
開口し槽内液に浮遊する泡１１を吸入排除できるように
し、さらに前記泡板入管１２に分岐して下向きに液化泡
の排出管１４を設けて液化泡の槽外排出を可能にする。

図中１５は排液ピット、１９は反応液９の流出樋である
。

しかして原水８は反応槽１に導入されて微生物処理が施
されて処理水として反応液９が槽外に流出して行くが反
応槽１内に貯留される泡１１は槽内液の循環に基づくエ
ジェクタ作用によって泡板入管１２から吸入され、空気
吸入管１３から流入する空気と一緒に吐出液に吸い込ま
れて破壊される。

泡に含有される空気は、液相を通過しているので、新鮮
な空気より酸素含有率が低い。

従って発泡率の大小によって泡の吸入量を調整するべき
であるが、これは各配管、例えば泡板入管１２、空気吸
入管１３及び排出管１４にそれぞれ流量調整弁２２゜２
３．２４を設けてこれらの開閉によって行なうことがで
きる。

この泡板入管１２で泡が液化したり、また液化した泡に
発泡物質が濃縮されている場合には、これらは排出管１
４から自重によって排液ピット１５に排出され、泡板入
管１２内の通気抵抗は排除される。

なお、使用気体はどんなものでもよいが、空気が一般的
でその他の気体たとえば炭酸ガス、酸素ガス等でもよい
。

本考案は、微生物反応槽内液を循環し、循環液をノズル
から吐出して空気を巻き込み、液体に空気（酸素）を混
合、溶解する反応装置において、吸入空気の一部を反応
槽の気相部から吸入することにより槽内の泡の排除を的
確に行ないしかも消泡装置を用いることなく反応装置の
機能を消泡に合理的に利用しているため、消泡操作が容
易で、構造が簡単で、かつ極めて経済的なものであり、
その実用的価値は大なるもので従来の消泡手段において
生ずる問題点をも的確に解決でき運転、維持管理も簡便
で故障も少なく安定した微生物反応処理を行なうことが
可能となる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例の縦断面図、第２図は本考案の実施例の
縦断面図である。 １・・・・・・反応槽、２・・・・・・ポンプ、３・・
・・・・空気巻込部、４・・・・・・液吐出部、５・・
・・・・中空管、６・・・・・・排出口、７・・・・・
・消泡装置、８・・・・・・原水、９・・・・・・反応
液、１０・・・・・・槽内液、１１・・・・・・泡、１
２・・・・・・泡板入管、１３・・・・・・空気吸入管
、１４・・・・・・排出管、１５・・・・・・排液ピッ
ト、１６・・・・・・循環パイプ、１９・・・・・・流
出樋、２２，２３．２４・・・・・・流量調整弁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. １．ガス排出口を有する密閉槽内の液面上に、空気巻込
   部とノズル形状の液吐出部とを有する中空管を配備し、
   槽下部と前記空気巻込部とをポンプを介在させた循環パ
   イプで連結し、槽内液を循環して液吐出部から吐出して
   空気を巻き込み、液体に空気を混合、溶解せしめる構成
   とし、前記槽内気相部と前記空気巻込部とを泡吸入管に
   て連通し、さらに該泡吸入管に分岐して下向きに液化泡
   の排出管を設けたことを特徴とする微生物反応装置。 ２、前記中空管が、前記空気巻込部の開口端に空気吸入
   管を付設し、該空気吸入管、前記泡吸入管及び液化泡の
   排出管にそれぞれ流量調整弁を備えたものである実用新
   案登録請求の範囲第１項記載の微生物反応装置。