JPS5928346B2 - 難燃性ポリエステル組成物 - Google Patents

難燃性ポリエステル組成物

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JPS5928346B2
JPS5928346B2 JP53138140A JP13814078A JPS5928346B2 JP S5928346 B2 JPS5928346 B2 JP S5928346B2 JP 53138140 A JP53138140 A JP 53138140A JP 13814078 A JP13814078 A JP 13814078A JP S5928346 B2 JPS5928346 B2 JP S5928346B2
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喜代治 南部
行雄 五藤
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は難燃性ポリエステル組成物に関するものであり
、更に詳しくは特定構造を有するハロゲン含有シアヌル
酸エステル化合物と特定量の固体無機充填剤を配合した
難燃性ポリエステル組成物に関する。
ポリエチレンテレフタレートは機械的性質、電気的性質
、熱的性質、耐薬品性等に優れ、フイールムやその他の
成形物の材料として有用である。
しかしながら、ポリエステルは本来可燃性であるためそ
の用途分野にも制限がある。特に自動車エンジンの周辺
機器や電気機器等の部品成形材料あるいは絶縁材料とし
て使用するときは難燃性が必要不可欠となる。従来、可
燃性樹脂の難燃化はハロゲン含有化合物、リン含有化合
物等を共重合するかもしくは該化合物等とアンチモン化
合物とをブレンドすることにより行われている。
しかし、ポリエステルのような溶融温度の高い樹脂にこ
のような手段を用いる場合、該化合物自身の高い熱安定
性が要求されるのはもちろんのこと、共重合またはブレ
ンドによりポリマーの着色や物性低下を生じないことが
必要である。ポリエステルに対し水酸基、カルボキシル
基のような活性基を有するハロゲン含有化合物を配合す
るとポリエステルの粘度低下が大きく、またヘキサブロ
ムベンゼンのようなハロゲン化芳香族化合物は昇華し易
く、射出成形時に金型表面に白色粉末が付着して金型を
汚染すると共に成形品の外観を悪化させる欠点を有して
いる。また多くの難燃剤は耐熱性が劣ることから溶融成
形時のポリマーの滞留により分解を生じ成形品を着色す
るという欠点があつた。本発明者等は着色、物性低下等
の欠点のない難燃組成について鋭意研究の結果、本発明
の組成物に到達した。
すなわち、本発明はポリエチレンテレフタレートもしく
は少くとも80%以上のエチレンテレフタレート繰返し
単位を有するポリエステルに対し、分子中にトリアジン
環を平均2〜20個有するハロゲン化ビスフエノールシ
アヌル酸エステル系難燃剤5〜35重量%および、珪酸
塩、シリカおよび石膏からなる群から選ばれた少くとも
1種の固体無機充填剤5〜50重量%の割合で、かつ全
組成物に対しポリエチレンテレフタレートもしくは少く
とも80%以上のエチレンテレフタレート繰返し単位を
有するポリエステルを40重量%以上含有してなる難燃
性ポリエステル組成物に関する。本発明の組成物は固体
無機充填剤の多量を特定難燃剤と併用することにより、
難燃剤の必要量を大巾に低減することができるほか燃焼
試験を行つても溶融落下しない優れた耐熱性および難燃
性を有する成形品を与える。
また成形品は着色もなく、強度等物性が優れる特徴を有
している。更に特定の有機結晶化促進剤を併用した本発
明の組成物は10『C以下の低温金型による成形におい
ても優れた離型性、表面特性を与えるほか、低温金型成
形品であつてもガラス転移点以上の温度における形状安
定性が極めて優れているという工業化における大きな利
点を有する。
本発明で使用するポリエステルはポリエチレンテレフタ
レートもしくは少くとも80%以上、好ましくは900
/)以上のエチレンテレフタレート繰返し単位を含む共
重合ポリエステルである。
共重合成分としては従来公知の酸成分および/またはグ
リコール成分が使用できる。すなわち、共重合成分とし
ては、たとえばイソフタル酸、ナフタレン1,4−また
は2,6−ジカルボン酸、ジフエニルエーテル4,4′
−ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸のような酸成
分、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエ
チレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘ
キサンジメタノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
エニル)プロパンのようなグリコール成分、Pオキシ安
息香酸、P−ヒドロキシエトキシ安息香酸のようなオキ
シ酸等が挙げられる。なお、ポリエステルはフエノール
/テトラクロロエタン混合溶媒(6/4重量比)溶液に
より3『Cで測定して求めた極限粘度が0.5以上であ
ることが好ましく、更には0.55以上であることが特
に好ましい。またポリエステルは成形性を損わない範囲
で一部分岐していてもよい。なお、ポリエステル含有量
は全組成物に対し40重量%以上であり、好ましくは5
0重量%以上である。
40重量%未満になると溶融混練が困難となる。
本発明で用いるハロゲン化ビスフエノール類のシアヌル
酸エステル系難燃剤とは通常ハロゲン化シアヌル好まし
くは塩化シアヌルにハロゲン化ビスフエノール類を反応
させて得られる化合物であり、好ましくはトリアジン環
を2〜20有するオリゴマ一型の化合物であつて、特に
好ましくは一般式印で示される化合物が例示される。
ここで R1〜3:H、低級アルキル基、ハロゲン化低級アルキ
ル基、R4,R5またはR6(但し、R1〜3の少くと
も1つはR6であり、好ましくはHが平均0.5以上で
ある。
上記シアヌル酸エステル系難燃剤は塩化シアヌルと塩化
シアヌル1モルに対しアルコールもしくはフエノール類
、好ましくは一般式〔〕で示されるフエノール類または
そのアルキレンオキシド付加体(3−2a)モルと一般
式帥で示されるビスフエノール類またはそのアルキレン
オキシド付加体aモル(0<aく3/2)とを溶媒中酸
受容体触媒存在下で反応させて得られる。
式の特に好ましい化合物は3〜5個の臭素および/また
塩素をもつフエノール、3個の臭素および/または塩素
をもつクレゾールであり、更に具体的にはトリプロムフ
エノール、トリブロムクレゾール、テトラプロムフエノ
ール、ペンタプロムフエノール、トリクロルフエノール
等である。
また式Dの特に好ましい化合物はZが−SO2一アルキ
リデン基であり、s+uが4であるハロゲン化ビスフエ
ノール類である。その具体例としては4,4!−メチレ
ンビス(2,6−ジハロフエノーノ(ハ)、4,4′−
イソプロピリデンビス(2,6−ジハロフエノール)、
4,4′−スルホンビス(2,6−ジハロフエノール)
が挙げられるが、就中4,4′−スルホンビス(2,6
−ジハロフノール)すなわち、テトラプロムビスフエノ
ールS1テトラクロ・ビスフエノールSが特に好ましい
。上記フエノール類、ビスフエノール類はアルキレンオ
キシドを付加して使用することもできる。アルキレンオ
キシドの付加はハロゲン含有量を低下させるが、付加に
よりシアヌル酸エステル系難燃剤の分散性を向上させる
ことおよびポリエステルの結晶性を促進させる効果を有
する。好ましい付加モル数は20モル以下である。アル
キレンオキシドを付加するとき、特にフエノール類、ビ
スフエノール類はハロゲン含有個数が多い方が好ましい
またアルキレンオキシドの付加はフエノール類、ビスフ
エノール類のいずれか一方もしくは両方であつてもよい
使用するフエノール類、ビスフエノール類が特に多数の
ハロゲンを含有するときはハロゲンを有さないフエノー
ル類、ビスフエノール類を適宜併用することもできる。
シアヌル酸エステル系難燃剤が高分子化しすぎると不溶
不融性となりポリエステルとの混練が困難となるため1
分子中におけるトリアジン環は平均20個以下とする。
特に好ましいのは3〜10個である。分子量に換算する
と1500〜10000程度が好ましい。トリアジン環
が分子中に平均2個未満の低分子になると成形中や成形
後の熱処理中に成形品表面への難燃剤のブリードが生じ
金型を汚染したり、成形品の表面品位を低下させるばか
りか成形品と接触する金属等への悪影響を生じるほか成
形品の物囲も低下させる等の欠点を生じる。
シアヌル酸エステル系難燃剤の製造方法は塩化シアヌル
とアルコールもしくはフエノール類およびハロゲン化ビ
スフエノール類をエーテル、環状エーテル、ケトン、炭
化水素、ハロゲン化炭化水素、エステル、環状エーテル
/水混合溶媒、ケトン/水混合溶媒等の溶媒中、好まし
くは常温以下の温度で酸受容体触媒および所望により第
4級アンモニウムハライドを触媒助剤として添加して反
応させ、次いで昇温して反応を完結させることができる
またフエノール類、ビスフエノール類は段階的に塩化シ
アヌルと反応させることもできる。シアヌル酸エステル
系難燃剤の配合量は主として添加する難燃剤のハロゲン
含有量によるがポリエステルに対し通常5〜35重量%
であり、好ましくは10〜30重量%である。35重量
%以上の配合は不必要なばかりでなく難燃剤の安定性か
ら分解による変色の問題を生じたり、成形品の熱変形温
度や強度が低下するなどの欠点を生じる。
本発明のシアヌル酸エステル系難燃剤と組合せてアンチ
モン化合物を難燃助剤として用いるのが好ましい。使用
し得るアンチモン化合物としては無機および有機のアン
チモン化合物が広く挙げられるが、経済性をも考慮した
とき三酸化アンチモン、リン酸アンチモンのような無機
アンチモン化合物、Sb−カプロン酸塩、Sb−ポリメ
チレングリコレート、トリフエニルアンチモンのような
有機アンチモン化合物等が例示される。特に好ましいの
は三酸化アンチモンである。その配合量は難燃剤に対し
通常50重量%以下であり、好ましくは10〜40重量
%である。またポリエステルに対しては10重量%以下
であることが好ましい。多量の配合は成形品の強度を低
下させることから好ましくない。本発明の組成物には更
に固体無機充填剤が配合される。
固体無機充填剤の配合により成形品の耐熱性、熱時寸法
安定性を改善すると共に着火物の溶融滴下が防止され難
燃性が一層改良できることから難燃剤配合量を低減する
ことができ、一層強度の優れた難燃耐熱性成形材料を提
供することができる。使用し得る固体無機充填剤として
は、たとえばタルク(主として3Mg0・4Si02n
H20)、クレー(主としてAl2O3・2Si02・
2H20)、カオリン(主としてAl2O3・2S10
2・2H20)、雲母(アルカリ金属を含むアルミノ珪
酸塩、主として2K20・3A1203・6Si022
H20)、アスベスト(主として3Mg0・2Si02
・2H20)、珪酸カルシウムのような珪酸塩、シリカ
、石膏などがあり、これらは単独または混合使用される
。特に好ましいのは珪酸塩、就中タルクである。固体無
機充填剤の平均粒径は30μ以下であり、好ましくは1
5μ以下である。比較的粒子の大きいものと微細粒子と
を併用するとき低温成形品の熱時寸法精度がより優れた
ものとなる。無機充填剤の配合量はポリエステルに対し
通常5〜50重量%であり、好ましくは10〜40重量
%である。50重量%以上になると成形時の流動性が低
下し、成形品の破断伸度が低下してタフネスが減少する
ばかりか成形品の表面特性も悪化する。
一方5重量%未満の場合は熱変形温度、低温成形性が劣
るほか、着火物の溶融落下を防止することが不可能とな
り、また難燃性を得るため難燃剤の配合量を増加する必
要があり、成形品の物性、耐熱性が低下する欠点を生じ
る。また、本発明の組成物により100℃以下の金型温
度で優れた成形性および表面特性を有する成形品を得る
ためには更に有機結晶化促進剤を配合する必要がある。
有機結晶化促進剤を配合しない組成においては良好な表
面特注を有する成形品を得るために少くとも12『C以
上、好ましくは140℃以上の金型温度を必要とする。
使用し得る有機結晶化促進剤としては、高級脂肪酸のエ
ステル、多価アルコール誘導体等も挙げられるが、好ま
しくは分子中にポリオキシエチレン基、ポリオキシプロ
ピレン基、ポリオキシブチレン基等のポリオキシアルキ
レン基を少くとも1個以上有し、かつ分子量が5000
以下の化合物、たとえばポリエチレングリコール、ポリ
プロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール
、ポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコール
共重合体、ポリエチレングリコール・ポリテトラメチレ
ングリコール共重合体、グリセリン・アルキレンオキシ
ド付加体、ネオペンチルグリコール・アルキレンオキシ
ド付加体、ペンタエリスリトール・アルキレンオキシド
付加体のようなポリアルキレングリコール類またはそれ
らの種々誘導体類と多官能性化合物、すなわち前記化合
物やポリエステルのもつ0H基、COOH基等と反応し
得る基を1個以上有する化合物たとえばエチレングリコ
ールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグ
リシジルエーテル、ブチレングリコールジグリシジルエ
ーテル、ヘキサメチレングリコールジグリシジルエーテ
ル グリセリンポリグリシジルエーテル、ネオペンチル
グリコールジグリシジルエーテル、ペンタエリスリトー
ルポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポ
リグリシジルエーテル、多価アルコール・不飽和酸エス
テルのエポキシ化合物等との併用、更に好ましくは同一
分子中に少くとも1個のポリオキシアルキレン鎖と少く
とも1個のエポキシ基をもつ化合物、たとえば一般式但
し、 A:C1〜C5の脂肪族炭化水素基、水素またはグリシ
ジル基R:C2〜C5の脂肪族炭化水素基 n:2以上の整数 で示されるポリアルキレングリコールグリシジルエーテ
ルが挙げられる。
具体的にはポリエチレングリコールのモノまたはジグリ
シジルエーテル、ポリプロピレングリコールのモノまた
はジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコー
ルのモノまたはジグリシジルエーテル、ポリネオペンチ
ルグリコールのモノまたはジグリシジルエーテル、ポリ
エチレングリコール・ポリプロピレングリコール共重合
体のモノまたはジグリシジルエーテル、ポリエチレング
リコール・ポリテトラメチレングリコール共重合体のモ
ノまたはジグリシジルエーテル、メトキシポリエチレン
グリコールのモノグリシジルエーテル、エトキシポリプ
ロピレングリコールのモノグリシジルエーテル等が挙げ
られる。一般式以外ではグリセリン・アルキレンオキシ
ド付加体、ネオペンチルグリコール・アルキレンオキシ
ド付加体、ペンタエリスリトール・アルキレンオキシド
付加体のような多価アルコール・アルキレンオキシド付
加体のグリシジルエーテルが挙げられる。該化合物は分
子量が5000以下であることが好ましく、更には15
0〜3000、就中200〜1500程度であることが
特に好ましい。余り高分子量になるとポリエステルとの
相容性が低下し、結晶化促進効果が失われる。また、該
化合物は分子中に平均1.2個以上のエポキシ基をもつ
ポリグリシジルエーテル化合物が多官能性化合物として
の性質をも兼備することから特に好ましい。該有機結晶
化促進剤の配合により80〜100℃程度の低温金型に
よる成形で優れた成形性、物性および表面特性を有する
難燃性成形品を得ることができる。有機結晶化促進剤の
配合量はポリエステルに対し通常0.1〜15重量%が
好ましく、就中1〜10重量%程度が特に好ましい。有
機結晶化促進剤の効果はポリオキシアルキレン鎖がポリ
エステルのグリコール部分の運動性を活発にし、成形品
表面層の結晶化を促進すること、エポキシ基とポリエス
テルの末端基とが少くとも部分的に反応して配合剤の分
散性を向上すると共に射出成形時に金型内でポリエステ
ルの分子配向性を誘起して結晶化をより促進することお
よび難燃剤の分散性を改善することにある。更に本発明
の組成物には所望により離型剤を併用し、成形性を一層
改良することもできる。特に好ましい離型剤としては高
級脂肪酸のエステル、高級脂肪酸の周期律表1A族もし
くはA族金属塩たとえばステアリン酸ナトリウム、ステ
アリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、モン
タン酸カルシウム、モンタン酸エステル等が挙げられる
。その配合量はポリエステルに対し10重量%以下であ
り、好ましくは0.01〜3重量%である。更にまた成
形品の熱変形温度を向上するため繊維状強化剤を配合す
ることもできる。
繊維状強化剤としてはガラス繊維、カーボン繊維、炭化
金属繊維、窒化金属繊維等が例示される。しかし、特に
好ましいのはガラス繊維であり、直径は3〜30μが好
ましい。その配合量はポリエステルに対し50重量%以
下であり、好ましくは5〜40重量%である。固体無機
充填剤と繊維状強化剤との合計量はポリエステルに対し
10〜80重量%が特に好ましい。本発明の組成物の製
造法としては特に制限されるものではなく任意の方法で
行われる。
たとえばポリエステルと他の全組成を予め混合して押出
機によりコンパウンド化する方法、ポリエステルと繊維
状強化剤以外の全組成を混合して押出機に投人し、その
溶融物をガラスローピング等の周囲に被覆して冷却した
後、適当な長さに切断するいわゆる電線被覆法、繊維状
強化剤および/または無機充填剤をポリエステルの重合
段階または重合後添加した後、これに他の全組成を混合
する方法等が挙げられる。しかし、混合法、配合時期は
必ずしもこれらに限定されるものではない。本発明の組
成物には用途、目的に応じて更にポリエステルの安定剤
、たとえば酸化防止剤、紫外線吸収剤などのほか、可塑
剤、滑剤、帯電防止剤、防汚剤、着色剤、本発明以外の
難燃剤などの添加剤を配合してもよい。
また、本発明のポリエステル組成物には所望により本発
明の要旨を逸脱しない量および種類の他の熱可塑性樹脂
を更に追加配合してもよい。かくして得られた組成物は
高温金型における成形ではもちろんのこと、低温金型で
の成形においてもすぐれた成形性と表面特性の良好な成
形品を与えることから各種成形部品、シート状物、管状
物、積層物、容器等の成形に広く利用できるが、優れた
難燃性、耐熱性および耐電性を考慮したとき電気部品、
自動車部品等の成形に特に好適である。
以下、本発明の実施例により説明する。
なお、実施例中の部および%は重量基準である。また、
例中における試1験片の成形および得られた成形品の各
種評価は以下の方法によつた。(1)試験片の成形 ポリエチレンテレフタレート(極限粘度0.60、融点
264℃)と他の配合剤の所定量を計量し、タンブルブ
レンダ一中で混合した。
次いでこれを40mmφベント式押出機のホツパ一に投
入し、シリンダー温度(ホツパ一側から)250−27
5−28『Cで溶融混練し、各組成物のコンパウンドチ
ツプを製造した。得られたコンパウンドチツプを120
℃,4時間減圧乾燥し、射出成形機で各試1験片を成形
した。なお、成形機は日鋼アンケルベルグN−95型を
使用し、成形条件はシリンダー温度270−265−2
75゜C1金型温度85温Cまたは1400C1射出保
圧時間12秒間、冷却時間15秒間、射出圧力35〜8
01<g/(1−JモV!で成形した。(2)難燃性 1/16インチXl/2インチ×5インチの試験片を成
形し、UL−94試験法(4)NderWrlters
LabO.Inc.BulletlnU−94に記載)
に基づき燃焼性を試験した。
−0合格基準:下記の要求を全て満足する。
a:どの試験片も接炎後の燃焼時間は10秒間以内。b
:5個の1組に10回接炎した後の燃焼時間は合計50
秒以内。
c:クランプまで燃焼または余じんしない。
d:12インチ下の綿を発火させる発炎粒子を滴下しな
い。e:第2回目の炎を取去り余じんは30秒間以内。
(3)離型性、成形品の表面特性 直径1007fL1L、厚み3nの円板を成形するとき
の型ばなれおよびスプールの抜け等で判定した。
また表面特性は円板の表面光沢および流れ模様などで判
定した。(4)熱変形温度 ASTMD−648に準じ、試験片の厚み1/8インチ
、荷重18.6k9/CTIIにて測定。
(5)シアヌル酸エステル系難燃剤の合成合成例 1 塩化シアヌル27.659(0.15モル)、テトラプ
ロムビスフエノールS66.69(0.1モル)、トリ
プロムフエノール82.7(0.25モル)およびトリ
エチルベンジルアンモニウムクロライド1.09(0.
0045モル)を攪拌機、温度計、還流冷却器付11四
つロフラスコに仕込み、メチレンクロライド400f1
を添加して溶解した。
次いで攪拌しながら温度を20℃以下に冷却し、この温
度を保持しながら予め水50gに水酸化ナトリウム21
609(0.525モル)を溶解した溶液を徐々に滴下
した。滴下終了後25℃に1時間保持した後、昇温し、
3時間還流した。次いでメチレンタロライドを留去し、
生成した固体を取出し、沢過、水洗、稀酸洗浄、水洗、
最後にエタノール洗浄して乾燥し、1409の白色粉末
(臭素含有率約60%、分子量約3000)のシアヌル
酸エステルを得た。
合成例 2 合成例1におけるテトラプロムビスフエノールS66.
69をテトラプロムビスフエノールSのエチレンオキシ
ド付加体(分子量約1000)1009(0.1モル)
に代えた以外は実施例1と同様にしてシアヌル酸エステ
ル1809(臭素含有率約48%、分子量約3500)
を得た。
実施例 1 ポリエチレンテレフタレートと平均粒径10μのタルク
(タルカンパウダ一PX、林化成社)および各種難燃剤
を表−1に示す配合で配合し、厚み1/16インチX巾
1/2インチ×長さ5インチの試験片を金型温度85゜
Cで成形した。
この試験片の燃焼試験結果および難燃剤の熱安定性を比
較するため成形時にシリンダー内に5分間希留させた場
合の成形品の着色状態について表−1に示した。なお配
合剤の配合量はポリエチレンテレフタレート100部に
対する配合量(部)で示した。表−1から明らかなよう
に、シアヌル酸エステル系難燃剤と特定量のタルクを併
用した本発明の組成物がUL−94に合格する優れた難
燃性を与えると共に滞留試験による着色もなく安定性が
良好で常に安定した成形品が得られた。一方タルクの配
合量が少ない比較例は難燃性が不合格であつた。また、
デカプロモジフエニルエーテル、デクロラン、テトラプ
ロモビスフエノールAジグリシジルエーテル・テトラブ
ロム無水フタル酸系ポリマーを使用した比較例はいずれ
も滞留による着色分解が著しく成形品の外観を損うだけ
でなく、ゲル化する傾向があり、押出機による混練押出
時にストランド切れが多発し、コンパウンド化の作業性
が著しく低下する欠点を有していた。実施例 2 ポリエチレンテレフタレート、長さ3muのガラスチョ
ップトストランド(旭フアイバーグラス社グラスロンチ
ヨツプドストランド486A)、平均粒径10μのタル
ク(タルカンパウダ一PX)、合成例1のテトラプロム
ビスフエノールSをテトラプロムビスフエノールAに代
える以外は合成例1と同様にして製造されたシアヌル酸
エステル系難燃剤(臭素含有量約62%、分子量約30
00)三酸化アンチモン(日本精鉱社)および有機結晶
化促進剤を表−2の割合で配合し、金型温度85゜Cま
たは14『Cで半径5CTn1厚み3中の円板状試験片
および厚み1/16インチX巾1/2インチX長さ5イ
ンチまたは厚み1/8インチ×巾1/2インチX長さ5
インチの試験片を成形した。
得られた成形品の離型性、表面特性、熱変形温度および
難燃性を評価し、その結果を表−2に示した。表−2か
ら明らかなように、ポリエステルに対し難燃剤が5%以
上、かつ無機充填剤(タルク)が5%以上を満足する本
発明の組成物がUL−94−0に合格する難燃性を与え
た。
また厚みの薄い成形品では難燃剤配合量がポリエステル
に対し10%以上必要なことを示している。更に低温金
型での成形で臨型性および表面特性の優れた成形品を得
るためにはポリアルキレングリコール類のエポキシ化合
物もしくはポリアルキレングリコール類/低分子量ポリ
エポキシ化合物の配合が好ましいことも示している。更
にまた、難燃剤配合量が多過ぎる比較例22は熱変形温
度が低下するほか、成形品の強伸度が低下し不適当とな
る。実施例 3ポリエチレンテレフタレート、長さ3m
uのガラスチョップトストランド、平均粒径10μのタ
ルク、合成例1または2の難燃剤、三酸化アンチモンお
よび有機結晶化促進剤を表−3に示す割合で配合し、金
型温度85℃で厚み3m7!L×半径5Cr!Lの円板
および厚み1/16インチX巾1/2インチ×長さ5イ
ンチの試験片を成形した。
得られた成形品の離型性、表面特性、熱変形温度および
難燃性を評価し、その結果を表−3に示した。
表−3から明らかなように、ポリアルキレングリコール
系エポキシ化合物を結晶化促進剤として配合することに
より低温金型による成形で離型性、表面特性の優れた難
燃性成形品が得られた。
また、離型剤を併用することにより一層優れた離型性、
表面特性が得られることも示している。有機結晶化促進
剤の配合により表面状態の良好な本発明の成形品は低温
金型成形品であつても高温での熱変形量および熱収縮の
小さい優れた耐熱成形品を与えた。更に難燃剤がアルキ
レンオキシド単位をもつ合成例2の場合はポリエステル
に対する分散性が良好であることから難燃剤自身のハロ
ゲン含有率は低下するがすぐれた難燃性を有し、かつ結
晶化も促進し易いことから低温金型成形により結晶化促
進剤の量が少くて良好な離型性、表面特性をもつ成形品
を与えた。
実施例 4 実施例1におけるタルクの代りに石膏(焼石膏、半井化
学社)またはシリカ(クリスタライトAA、龍森社)を
使用する以外は実施例1と同様にして試験片を成形し、
成形品の難燃性、着色状態を評価した。
その結果を表−4に示した。その結果、石膏、シリカを
配合した本発明もタルクと同様のすぐれた難燃性を有し
、かつ着色のない成形品を与えた。
実施例 5 実施例2におけるタルクの代りに実施例4で用いた石膏
またはシリカを使用し、実施例4と同様にして試験片を
成形し、成形品の難燃性、表面特性、熱変形温度等を評
価し、結果を表−5に示した。
表−5からも明らかなように、無機充填剤として石膏、
シリカを使用した本発明もタルクと同様の難燃性および
成形性を示した。
熱変形温度は夕ZOルクに比べて若干劣つていたがなお
良好な値を示した。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ポリエチレンテレフタレートもしくは少くとも80
    %以上のエチレンテレフタレート繰返し単位を有するポ
    リエステルに対し、分子中にトリアジン環を平均2〜2
    0個有するハロゲン化ビスフェノールシアヌル酸エステ
    ル系難燃剤5〜35重量%および、珪酸塩、シリカおよ
    び石膏からなる群から選ばれた少くとも1種の固体無機
    充填剤5〜50重量%の割合で、かつ全組成物に対しポ
    リエチレンテレフタレートもしくは少くとも80%以上
    のエチレンテレフタレート繰返し単位を有するポリエス
    テルを40重量%以上含有してなることを特徴とする難
    燃性ポリエステル組成物。 2 固体無機充填剤が珪酸塩である特許請求の範囲第1
    項記載の組成物。 3 固体無機充填剤がタルクである特許請求の範囲第1
    項または第2項記載の組成物。
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