JPS5928246Y2 - 高周波加熱装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は扉体を開閉することによって被加熱物が加熱室
から出没するタイプの高周波加熱装置に関するもので、
被加熱物を載置する回転載置台の受棚を扉体に、良好に
係止保持させることを目的としたものである。

従来より電気オーブン等の加熱器においてはセットを床
の上に直接置くというような低い位置で使う場合、被加
熱物を載置する受棚が扉体の開閉に伴って出没する方式
のものが被加熱物の出し入れが容易で使い勝手が良いと
されていた。

しかし高周波加熱を行なうオーブンにおいては高周波に
よる放電や発熱および強度等の問題で受棚と扉体の結合
がむつかしく、とりわけ受棚を扉体に対して着脱自在に
しようとした場合上記のごとき問題がさけられず、扉体
の開閉に伴って受棚が出没するタイプのものはこれまで
実現されなかった。

本考案は上記問題点を解決せんとするもので以下図面に
したがって説明する。

１は高周波加熱装置本体、２は加熱室、３は加熱室２へ
の高周波供給源、４はヒーター加熱調理用のヒーター、
５は加熱室２を開閉する扉体、６は回送載置台７を載置
し扉体５の開閉に伴って加熱室２より出没する受棚で５
ＵＳ３０４のごとき透磁性の金属材料にて構成されてい
る。

扉体５の内面にはＬ字状の板金材料よりなる一対の金具
９が固定されており金具９の立ち壁９ａの一部は係止部
Ｂとしてツノ９ａ′に構成され、立ち壁９ａの一部に２
対の金属ピン１０，１１．１０’、１１’が係止部Ａと
して内側に凸の状態で対向してカシメ固定されている。

ピン１０．１１．１０’、１１’にはそれぞれ中空の円
形断面を有するアルミナ磁器のごときセラミック材料よ
りなる絶縁リング１２，１３．１２’、１３’がＥリン
グのごとき止メ輪１４によって着脱可能に装着されてい
る。

図の実施例においてはピン１０，１１．１０’、１１’
および絶縁リング１２，１３．１２’、１３’は共通部
品で構成している。

受棚６の端部には板金材料で構成した一対の爪状部６ａ
が設けられており、絶縁リング１２，１３．１２’。

１３′に着脱自在に係合している。

受棚６の他端にはガラス繊維入テフロンのごとき絶縁材
料によって構成された回動自在のローラー１４が設けら
れおり、扉体５を第１図のごとく引き出した状態では受
棚６は爪状部６ａのみで片持になっており、第４図のご
とく扉体５を閉じた状態ではローラー１４が加熱室２の
ＳＵＳ ３０４のごとき透磁性の材料にて構成された底
壁２ａに接して両持になる。

回転載置台７には第５図のごとく底壁２ａの裏面に軸２
ｂによって回転自在に枢支されたプーリー１５に取付け
られた磁石１６に対向して磁石１７が設けられており、
回転載置台７は磁石１６．１７の相互間の磁力により、
モーター１８の駆動力によって、プーリー１５が回転す
るのに伴って受棚６上で回転する。

１９はプーリー１５のローラー２０は回転載置台７を回
転自在に支えるローラーである。

受棚６および回転載置台７は第３図のごとく皿２１およ
び被加熱物２２を載置した状態で高周波加熱時もしくは
ヒーター加熱時に用いる。

２３は第１０図のようにしてヒーター加熱時にのみ被加
熱物２２を載置して使用する板金材料によって構成され
た受皿で、第７図のごとく受皿２３の端部に設けられた
板金材料よりなる一対のコの字形の支持金具２４の角穴
２４ ａおよびコの字の一辺２４ ｂによってツノ状の
立ち壁９ａ’に係止されている。

ツノ９ ａ／は適当なピッチで複数個対に設けられてお
り、受皿２３の高さをいく通りか選ぶことができる。

なおヒーター加熱の場合受棚６が受皿２３のいずれか一
方を用いる。

第２図において２５．２５’は扉体５を開閉自在に枢支
する一対の可動レールで、一対の固定レール２６．２６
’に嵌合して摺動する。

なお第１図において２７は操作パネルである。

このようにアルミナ磁器のごときセラミック材料よりな
る絶縁リング１２．１２’、 １３．１３’を介して扉
体５側の金具９と受棚６の爪状部６ａは係合するように
なっているので高周波加熱時に上記保合部でスパークを
生じたり発熱したりする恐れがない。

また受棚６は扉体５を開いた状態では片持ちとなるので
係止部Ａには大きな力が加わる。

さらに扉体５を閉じた状態においても磁石１６．１７間
の吸引力による力か′加わるほか、ローラー１４のイ装
置のバラツキによっては扉体５を閉じた状態においても
ローラー１４は加熱室底壁２ａに接しない浮く可能性が
あるが、この場合片持の状態でなおかつ磁石１６．１７
間の吸引力による力が働いて係止部Ａにはさらに大きな
力が加わる。

アルミナ磁器等のセラミック材料は圧縮荷重には非常に
強く逆に曲げ等に非常に弱いが絶縁リング１２，１３．
１２’。

１３′は単純な圧縮荷重のみがかかるようになっている
ので、受棚６に上記のごとき大きな荷重がかかつても絶
縁リング１２，１３．１２’、１３’はこわれることが
ない。

また万一破損しても止メ輪１４を取外すことにより容易
に交換ができる。

受棚６は回転載置７の回転をスムーズに保つために、常
に掃除をする必要があり受棚６の着脱の割合は非常に高
いが、絶縁リング１２，１３．１２’、１３’はアルミ
ナ磁器等のセラミック材料を用いているので耐摩耗性が
大きく耐久性が良い。

さらに回転載置台７のスムーズな回転を確保するために
は磁石１６．１７間のギャップが一定値以下であること
が必要で、ギャップが大きいと相互間の磁力が弱くなっ
て回転しなくなり、また逆に小さすぎると、扉体５の開
閉時に受棚６と加熱室底壁２ａが当ってしまって開閉不
能になったり、受棚６と加熱室底壁２ａの間でスパーク
や発熱等が生じるので受棚６の高さは適正に保に必要が
ある。

しかしとりわけ受棚６を係止部Ａに片持で保持させた状
態で受棚６の傾きは種々の部品の微妙な寸法公差が大き
く効いてくるので規制しにくいという問題があるが、本
考案では絶縁リング１３．１３’の外径を変えてやるこ
とにより、受棚６の角度を容易に変えてやることができ
、絶縁リング１３．１３’はピン１１．１１’に対して
着脱自在であるのでなおいっそう上記角度調整が容易で
ある。

また組立時の調整が容易であるのみでなく、受棚の使用
過程で摩耗やタワミによる経年変化によって角度が変っ
た場合にも容易に対応できる。

さらに受棚６の係止部Ａと受皿２３の係止部Ｂの係止構
造を異ならせているため受棚６を高周波加熱時にまちが
って係止部Ｂに係止するといったことが防止できるので
、これによって生じるスパークや発熱に伴う事故を防止
できる。

また受棚６の係止位置をまちがうと回転載置台７の磁石
１７とプーリー１５の磁石１６との距離が大きくなって
回転不能になり、被加熱物２２に加熱ムラが生して、調
理物ができ損なうなどの問題があったがこれを防止でき
る。

さらに係止部ＡとＢの係止構造が異なっており、係止部
Ｂは板金材料を扉体５の内面に対して垂直に立ててその
一部をツの状に形成し、係止部Ａは上記板金材料に垂直
にピンを設けて形成しているため受棚６を係止部Ｂに係
止するために上の方から下げていった場合、係止部Ｂに
じゃまされることなくまっすぐに下に下げればそのまま
係止でき、非常に使い勝手が良い。

なお受棚６の爪状部６ａが金具９の立ち壁９ａの内側に
位置した状態で係合されるため扉体５の上から見た場合
、保合部Ａが非常に見やすく受棚６の着脱がいっそうや
りやすい。

以上説明したように本考案によれば次のような効果が期
待できる。

（１）受棚の扉体への保持を強固に容易、かつ安価にで
き、しかもスパークの生じない構造とすることができる
。

（２）受棚の角度調整が容易にできる。

（３） （１） 、（２）伴って受棚に回転載置台を設
けることが可能になる。

（４）ピンおよび絶縁リングが内側に対向して凸になっ
ているので受棚の係止位置が上から見やすく、使い勝手
がよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す高周波加熱装置の開扉
状態の斜視図、第２図は同要部の分解斜視図、第３図は
同要部扉体部分の斜視図、第４図は同高周波加熱装置の
要部の断面図、第５図は同一部を切欠いて示した側面図
、第６図は同要部回転載置台の磁気結合部の断面図、第
７図は同高周波加熱装置の扉体と受棚、受皿との係合状
態を示す拡大断面図、第８図は同要部の上面図、第９図
は同要部の保合部の断面図、第１０図は同扉体に受皿を
取付けた状態の斜視図である。 １・・・・・・本体、２・・・・・・加熱室、５・・・
・・・扉体、６・・・・・・受棚、９・・・・・・金具
、１０．１１・・・・・・ピン、１２．１３・・・・・
・絶縁リング、１４・・・・・・止メ輪、２３・・・・
・・受皿。

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）高周波加熱の手段を具備した加熱室と、加熱室を
   開閉する扉体と、被加熱物を回転させる回転載置台と、
   上記回転載置台を保持した状態で上記扉体の開閉に伴っ
   て加熱室から出没するよう構成された回転載置台受棚と
   を備え、受棚は上記扉体の内面に垂直に構成した一対の
   立壁に固定した左右２対のピンに中空のアルミナ磁器の
   ごときセラミック材料よりなる絶縁リングを挿通して、
   これに着脱自在に係止したことを特徴とする高周波加熱
   装置。
2. （２）上記ピンおよび絶縁リングは上記一対の立ち壁の
   内側に対向して凸としたことを特徴とする実用新案登録
   請求の範囲第１項に記載の高周波加熱装置。
3. （３）上記絶縁リングは中空の円筒形状とし、少なくと
   も一対の絶縁リングの外径を変えることによって上記受
   棚の係止角度を変えられるよう構成したことを特徴とす
   る実用新案登録請求の範囲第１項記載の高周波加熱装置
   。
4. （４）上記絶縁リングはピンに対して着脱可能としたこ
   とを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項に記載の
   高周波加熱装置・。