JPS5927985Y2 - 高温加圧構造物 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、被加工物を高温下で加圧するための構造物に
関し、特に拡散溶接に利用して好適なものである。

拡散溶接法は、被加工物を溶融することなく固相状態で
著しい外観変形を伴わずに加熱加圧して接合する方法で
あり、接合部の形状変形を伴わずに接合できることから
、最終的に所望の寸法精度を有する精密な物が製作でき
る。

従って、構造物に融接法が適用しにくい分野での利用が
開拓されつつあり、又、材質的には溶融凝固した溶接金
属の形成がなく接合温度が比較的低いことから、熱処理
合金や複合材料、高融点金属、焼結金属或いは異種金属
間の接合に適している。

この拡散溶接では主として原子の拡散やクリープ変形を
利用して接合面の密着化を図る点が特徴となっており、
高温、長時間、比較的低圧力、少変形で接合可能である
が、接合面の汚染を避けるために真空中で作業を行なう
ことが普通である。

この場合、真空容器内での被加工物の加熱を行なう内熱
形真空拡散溶接機と、薄い金属製のレトルト（袋）等に
被加工物を挿入してこれを部分的に真空とし、レトルト
の外部から加熱を行なう外熱形真空拡散溶接機とが用い
られる。

第１図は内熱形真空拡散溶接機の内部概略構造を表わす
ものであるが、溶接室１１内には上部加圧体１２と下部
加工体１３とが配設され、これらの間に被加工物１４が
載置される。

この被加工物１４はその周囲に設けられた発熱体１５に
よって１０００℃程度までの高温に加熱され、加圧ピス
トン１６によって上部加圧体１２と下部加圧体１３とに
挟圧されて接合がなされるようになっている。

上部加圧体１２とほぼ同−構成である下部加圧体１３の
構造を拡大して表わす第２図に示すように、被加工物１
４が載置される加工板１７の裏面にはアルミナブロック
１８の間に埋設された補助ヒータ１９が組み込まれてお
り、加圧板１７とこの加圧板１７に連結用ボルト２０を
介して連結された中間接続板２１との間にはアルミナブ
ロック２２．２３と反射板２４とが介装されている。

又、プレス台２５上に設置された連結板２６とこの連結
板２６に連結用ボルト２７を介して連結される前記中間
接続板２１との間にはアルミナブロック２８と反射板２
９とが介装されている。

従って、この加圧体１２．１３を外熱形拡散溶接機に利
用した場合には、補助ヒータ１９がらの熱エネルギがア
ルミナブロック２２と反射板２４との間９反射板２４と
中間接続板２１との間、中間接続板２１と反射板２９と
の間９反射板２９相互の間。

反射板２９と連結板２６との間に位置するアルミナブロ
ック２３．２８以外では対流伝熱に輻射伝熱が加わり、
熱損失が大きくて均熱性に欠ける不具合が生ずる。

しかも、加圧板１７や反射板２４．連結用ポル） ２０
．２７の酸化が甚だしく、新品との交換を頻繁に行なわ
なければならない。

又、従来の外熱形のものでは加圧体１２．１３を耐熱鋼
で一体としていたため、被加工物が大きい場合には熱損
失が多くて均熱性に乏しく、良好な接合作業を行なうこ
とができなかった。

本考案は拡散溶接における被加工物の大型化に伴い、設
備的に有利な外熱形拡散溶接機の加圧体を熱容量が小さ
くしかも一平方ミリメートル当り１ｋｇ程度の圧力にも
耐え得る構造にすることを目的とする。

この目的を遠戚する本考案の高温加圧構造物にかかる構
成は、加圧ピストン或いはプレス台に連結される連結板
と被加工物に当接する加圧板とを高強度セラミックで形
成された多数の柱状体を介して連結し、これら柱状体の
周面にセラミックファイバを介在させるか或いはキャス
タブル耐火物を充填したことを特徴とするものである。

以下、本考案による高温加圧構造物を外熱形拡散溶接機
に応用した一実施例について加圧体の縦断面構造を表わ
す第３図及びその平面を破断した第４図を参照しながら
詳細に説明する。

図示しない加圧ピストン或いはプレス台に接続する連結
板１の上には、円柱状をなすアルミナブロックを仕切り
板２を介して複数段積み重ねて形成した多数の柱状体３
が載置されており、その上方には板状をなすアルミナブ
ロック４が積み重ねられている。

発熱体５が組み込まれたこれらアルミナブロック４の上
方には耐熱鋼で形成された加圧板６が載置されており、
この加圧板６と前記連結板１とは連結用ボルト７により
一体化されている。

連結板１とアルミナブロック４との間の柱状体３の周囲
には、セラミックファイバ８が詰め込まれており、これ
によって耐熱性及び断熱性に優れた加圧体とすることが
可能である。

なお、１平方ミリメートル当り１ｋｇ程度の加圧力で拡
散溶接を行なう場合には、柱状体３のみで負荷を充分支
えることができるが、それ以上の加圧力の場合にはセラ
ミックファイバ８の代りにキャスタブル耐火物を用いる
方が好ましい。

このキャスタブル耐火物は、泥状の流動性を有した状態
で必要量だけ柱状体３の周囲に流し込むと、時間の経過
と共に非常に強力な固形物となって柱状体３と一体化し
てしまう。

従って、全体が一体化された状態となって耐圧力が増加
し、加圧物６の熱応力によって発生する歪や加圧力が負
荷して柱状体３やキャスタブル耐火物が損傷を受けにく
くなる。

例え、亀裂が生じたり破損してもキャスタブル耐火物が
全体を固めているため、形そのものがくずれる虞がない
。

なお、図中の符号で９はアルミナブロック４の形くずれ
を防止するために複数個のアルミナブロック４を貫通す
る連結用ピンである。

このように本考案の高温加圧構造体によると、圧縮力を
受ける高強度アルミナ等の柱状体の周囲にセラミックフ
ァイバか或いはキャスタブル耐火物を充填したので、熱
損失が少なくしかも断熱性に優れた加圧体を得ることが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は内熱形拡散溶接機の概略構造を表わす断面図、
第２図はその下部加圧体を拡大した破断図、第３図は本
考案を外熱形拡散溶接機に応用した場合の加圧体の構造
を表わす破断図、第４図はその平面形状を表わす破断図
であり、図中の符号で１は連結板、３は柱状体、６は加
圧板、８はセラミックファイバ（キャスタブル耐火物）
である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 加圧ピストン或いはプレス台に連結される連結板と被加
   工物に当接する加圧板とを高強度セラミックで形成され
   た多数の柱状体を介して連結し、これら柱状体の周囲に
   セラミックファイバを介在させるか或いはキャスタブル
   耐火物を充填したことを特徴とする高温加圧構造物。