JPS592674B2 - 既存船舶における主機等の換装工法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、既存船舶における主機等の主要装置の換装に
あたり、安全且つ容易、迅速に作業を行うための工法に
関する。

近年、省エネルギ一時代を迎え、既存船舶は従来使用し
ていた主機等の主要装置をより燃料消費の少ないものに
換装して運航費を低減させることが要望されるようにな
って来た。

しかしながら換装工事には、現装品の撤去、船体補強、
新装置の設置等の大工事が予想され、長い換装工事期間
に発生する大きな経済的機会損失と、危険且つ困難な作
業が伴うという問題点があった。

従来の換装工事としては、 （イ）船体上方のスカイライトより現装の主機、減速装
置、復水器、ボイラー等の主要装置を解体して陸揚げ後
、主機台の取付け、船殻構造（二重底）の補強を行った
うえ、船内で主機等の主要装置の組立、据付を行う工法
。

（ロ）船体の船側外板に工事孔を開け、現装品の解体又
は開放を行い陸揚げ後、二重底補強のうえ、新製作した
主機台に主機等を搭載して一体にし、船内へ引き入れた
後船側外板を復旧する工法。

（／タ 機関室上部に開孔部を設けて現装品の撤去を
行い、新生機台の搬入、取付け、主機の一括搭載を行う
工法。

及び上記工法に類似する工法などが種々考えられている
が、いずれも安全面及び工期が長期化する点において問
題点を有していた。

本発明は、上記従来工法における問題点を解決し得るも
ので、既存船舶における主機等の主要装置を船外に引き
出せる範囲において主要装置を設置したまま船体の船底
構造及び船側構造を切断し、換装ブロックとして船外に
引き出した後、新しい主要装置を装備させた換装ブロッ
クを上記船体の切断箇所に組み入れて船体の復旧を行う
ことを特徴とする既存船舶における主機等の換装工法、
に係るものである。

以下本発明の実施例を図面を参照して説明する。

第１図乃至第３図は本発明を実施する際の一例を示す説
明用概略図であり、ドック１の梁底２には盤木３が配置
されており、且つ該盤木３における既存船舶４の換装す
べき主機等の主要装置５が位置する下方位置に対し、ド
ック１の側方に移動できる引出装置６が設けられている
。

図中７はドックゲート、８は前記引出装置６上に設けた
支持部材、９は切断箇所、１０は換装ブロック、１１は
台を示す。

上記構成において、まず第１図及び第２図に示す如く既
存船舶４を盤木３及び引出装置６上に据付ける。

続いて主機、減速機、復水器、ボイラー等の主換装置５
を船体構造に設置されたままで船外に引き出すために、
主要装置５が引き出せる範囲で既存船舶４の船底及び側
板に太い一点鎖線で示す如くマーキングを行い切断箇所
９を決める。

次に上記切断箇所９を切断するに当って船体の必要箇所
の補強、主要装置５に対する配管及び配線等の取外し、
及び船内（機関室）に残される装置、機器の固縛、固着
等の段取りを行う。

続いて上記切断箇所９の船底構造、船側構造を主機等の
主要装置５が設置されたままの状態でガス切断等により
切断して換装ブロック１０とし、引出装置６上の支持部
材８により支持する。

図示した実施例においては、ドック１の幅の関係で船体
の左舷側を切断するようになっているが、右舷側を切断
するようにしてもよく、またドック１の幅が大きい場合
には左右舷を連通ずる如くトンネル状に切断して引き出
すようにしてもよい。

主要装置５が一体に設置されたままの状態で切断された
換装ブロック１０は、第１図及び第３図に示す如く引出
装置６上に支持載置された状態で矢印Ａの方向に引き出
されて所定位置に据付けられた後、種々の作業が行われ
る。

この際、第１図に示す如くドック１の幅が狭い場合には
、矢印Ｂで示す如くクレーン等が使用できる位置までレ
ール等により移動するようにしてもよい。

上記したように換装ブロック１０を据付は終了後、次の
ような手順で換装工事を行う。

ＣＩ） 換装ブロック１０上から主機、減速機、復水
器、ボイラー等の主要装置５及びこれらの台１１の撤去
を行う。

（ｎ） 撤去後の換装ブロック１０の船底構造上に、
新しく換装されるディーゼルエンジン、クラッチ、減速
装置等の主要装置５を設置するための台１１を取付ける
と共に上記換装ブロック１０の船底構造の補強を行う。

（Ｉ） 新しく換装される主要装置５を上記台１１上
に搭載して据付けを行う。

これら主要装置５の換装工事と並行して既存船舶４の船
内（機関室）側も主要装置の換装に伴なう諸装置、機器
の据付け、配管、配線等の工事が行われる。

（ＩＶ） 新しい主要装置５の搭載、据付けが行われ
た換装ブロック１０を、既存船舶４の前記切断箇所９に
引出装置６により挿入して、既存船舶４の復旧と主要装
置５への配管、配線等の諸工事を行う。

尚、上記実施例においては、切断して引き出した換装ブ
ロックを旧部分における取り換えと補強を行った後再び
組み入れる場合について述べたが、上記換装ブロックを
再使用する代りに、新しい主要装置を備え且つ上記換装
フ冶ツクと同形状を有する別のブロックを製作しておい
てブロックごと交換することにより換装における手数さ
時間を大幅に節減するようにしてもよい。

更に本発明は上記実施例にのみ限定されるものではなく
、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変更を加え得
るものであり、且つその変更を加えたものも本発明に包
含されるものである。

上述した本発明の既存船舶における主機等の換装工法に
よれば、主機等の主要装置を船体構造に設置されたまま
で換装ブロックとして既存船舶外に引き出して工事を行
うため、 （１）主機等の主要装置の撤去及び搭載、取付が青空（
船外）にてできる。

（１１）予め主要装置のユニット化が可能であり、それ
を青空（船外）にて搭載、及び地上において大組立を行
うことが可能となる。

０１１）船外工事と船内工事を並行して展開できるので
混在作業がなくなり、作業の安全性と効率を大幅に高め
ることができる。

ｎＶ） 作業環境が大幅に改善される。

（ｖ）船内に対する諸物の出し入れが容易になる。

（ｖＯ上記ｍ〜（Ｖ）により、工数の削減、工期の短縮
、作業効率の向上、安全性の向上等総合的利点が犬とな
る。

等、種々の優れた効果を発揮する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の既存船舶における主機等の換装工法の
実施例を示す説明用概略平面図、第２図は第１図の■方
向矢視図、第３図は第２図の■方向拡大矢視図である。 １はドック、４は既存船舶、５は主要装置、６は引出装
置、９は切断箇所、１０は換装ブロックを示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 既存船舶における主機等の主要装置を船外に引き出
   せる範囲において主要装置を設置したまま船体の船底構
   造及び船側構造を切断し、換装ブロックとして船外に引
   き出した後、新しい主要装置を装備させた換装ブロック
   を上記船体の切断箇所に組み入れて船体の復旧を行うこ
   とを特徴とする既存船舶における主機等の換装工法。