JPS5925458B2 - 酵素電極用固定化酵素膜 - Google Patents

酵素電極用固定化酵素膜

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JPS5925458B2
JPS5925458B2 JP53040070A JP4007078A JPS5925458B2 JP S5925458 B2 JPS5925458 B2 JP S5925458B2 JP 53040070 A JP53040070 A JP 53040070A JP 4007078 A JP4007078 A JP 4007078A JP S5925458 B2 JPS5925458 B2 JP S5925458B2
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membrane
enzyme
electrode
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substance
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JP53040070A
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寿男 土田
賢太郎 依田
麟太郎 浦壁
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Toyobo Co Ltd
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Toyobo Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は酵素電極用固定化酵素膜に関するものである。
体液、組織、食品等に含有されるグルコース、尿素、尿
酸、トリグリセラード、コレステロール、リン脂質、ク
レアチン、L−アミノ酸、乳酸、キサンチン、コントロ
ーチッ、トランスアミナーゼ等の微量成分を選択性よく
定量する方法として酵素を用いる分析法が普及している
酵素法は特異性が高い、温和な条件で測定できる、特殊
な試薬を必要とせず安全性が高い、公害をおこさない等
の優れた特徴を有している。一方、酵素は不安定であり
操作が複雑になること、および使いすてのため高価であ
ること、試料量が多く必要である等の欠点があり応用範
囲が限定されていた。しかし、水に不溶性の担体に物理
的あるいは化学的に酵素を結合させたり、酵素を2官能
性の架橋剤で架橋して水に不溶性にしたり、他の合成高
分子あるいは天然高分子マトリックス中に包括したりし
て得られる固定化酵素を利用することによつて酵素の安
定性と取り扱い易さが改良された。しかもこの固定化酵
素は繰返して使用できるのでコスト的にもかなり有利と
なつた。このような固定化酵素を用いた電気化学的分析
法として酵素電極法が知られている。
酵素電極と試料液と接触させることにより酵素と基質と
の反応によつて生成または消失する電極活性物質、例え
ば酵素、過酸化水素、アンモニアガス、炭酸ガス、水素
イオン、炭酸イオン、アンモニウムイオン、NADH)
NADPH等を電極によりアンペロメトリツクまたは
ポテンシオメトリツクに検知し、試料液中に含まれる物
質の未知量を測定することが出来る。つまりこれらの電
極に生じる電流あるいは起電力は試料中の測定物質の量
に比例するため、あらかじめ作製した検量線から試料中
の測定物質の定量が可能となる。このような酵素電極用
の固定化酵素は膜状で電極に装着したときにその使用に
十分耐えるだけの機械的強度を有さねばならないことは
もちろん、酵素が十分にその触媒作用を発現できるよう
に活性中心のアミノ酸残基や基質と特異的に結合する結
合部位のアミノ酸残基が物理的あるいは化学的に構造が
変化することなく、またこれらの触媒活性中心となるべ
きアミノ酸残基が高次構造を保持して十分その触媒作用
を発揮できるように効率よく膜面に結合されている必要
があり、さらに固定化酵素膜の長期間の保存安定性が保
証されねばならない。
また固定化酵素膜の膜機能としては酵素反応で生成また
は消費される電極検知物質をすみやかに透過させ同時に
血液等の試料中に含まれる電極反応に活性な干渉物質を
透過させないことが測定精度を高めるために必要である
。例えば酸素電極を用いる場合、酸素が還元される電位
で還元されるFe3+などの金属イオン、過酸化水素電
極を用いる場合検知物質の過酸化水素が酸化されるよう
な電位で酸化電流を生じるアスコルビン酸、尿酸、グル
タチオン、ケトグルタル酸、メルカプト酢酸、アンモニ
ア電極を用いる場合、PHを変化させて起電力を変化さ
せるK+,Na+,H+,CO3−一,Cr,Cv)の
イオンは干渉物質であり、酵素電極法による測定の妨害
物質となる。
これらの機能を兼備した酸素検出型酵素電極として独国
特許第2638193号には検知物質選択透過膜層、固
定化酵素膜層、高分子物質除去膜層の3層を積層した膜
を用いることにより低分子量干渉物質の妨害を除去する
方法が提案されている。
また米国特許第3539455号には低分子量干渉物質
の影響を完全に除くために複式電極システムを用いて干
渉物質にもとづく信号を補正する方式が示されている。
これらの方法は多数の薄膜を接着して積層するため極め
て手数がかかり、薄膜は強度が低く破れ易く電極への装
着、脱着が難かしいことや、複式電極を用いるために電
極構成、電気回路が複雑になるといつたような欠点があ
り、実用上多くの問題を含んでいる。また酵素固定化法
においても単に膜面上にグルタルアルデヒド、ヘキサメ
チレンジイソシアネート等の2官能性架橋剤を用いて架
橋法によつて酵素を固定化する方法は、ある種の酵素、
例えばグルコースオキシダーゼの固定化においては実用
上さしつかえない程度の失活で膜に固定化することも可
能であるが、膜製作中、保存中あるいは測定中に膜面か
ら固定化酵素が剥離脱落するケースが多い。
その他の酵素、例えばウリガーゼ、コレステロールオキ
シダーゼ等に架橋法を摘要すれば、殆んどの場合、固定
化反応による失活が大きくコストが高くなつたり、ある
いは全く失活してしまつたりする。またコラーゲンやキ
トサンのような天然高分子物質によりこれらの酵素を包
括法により固定化した膜では、酵素の溶出の問題が生じ
たり、その防止のためになめし剤などを併用すると酵素
の失活が大きくなる等の欠点があり、酵素電極用固定化
酵素膜としてはグルコースオキシダーゼのみが実用化さ
れているだけで他の酵素は、また上記のような種々の問
題点を含み実用化に至つていないのが現状である。本発
明の目的は電気化学的に検知可能な物質を選択的に透過
させる高分子膜に比較的に温和な条件下で、しかも安価
に高効率で種々の酵素を直接結合させ、精度よく微量成
分を定量するための酵素電極用の固定化酵素膜を提供す
ることにある。
即ち本発明は、電極に対向する膜面が電気化学的に検知
可能な物質を選択的に透過させる高分子物質であり、被
測定物質に接する膜層がアルデヒド基を有するラジカル
重合可能な単量体をグラフト共重合させた高分子物質に
酵素を結合させた基質透過性を有する膜層であることを
特徴とする酵素電極用固定化酵素膜である。本発明の固
定化酵素膜は上記のような透過機能を有するために測定
の妨害となる低分子量干渉物質を完全に阻止し、精度よ
く目的物質を定量することが出来るだけでなく、膜面に
グラフト重合させた高分子の側鎖のアルデヒド基に酵素
を結合させるために基質と酵素との接触も良好であり、
さらに酵素固定化反応においても高分子一高分子間の反
応であるため酵素の触媒活性部位のアミノ酸残基にまで
反応が進行しないため固定化反応による酵素活性の低下
が微少で、多種類の酵素の固定化に適用することが可能
である。
また(1)膜強度が高く取扱いが容易である。(2)複
数の膜を積層、接着する必要がないので膜の均一性が高
く、作製が簡単で測定結果の再現性が優れている。(3
)特殊な試薬を用いずに温和な反応条件下で製造できる
のでコストが安い。(4)固定化反応による失活が少な
く保存安定性がよい。(5)基質の浸透性がよく測定に
要する時間が短い。(6)高分子量基質も効率よく酵素
と反応できる。(7)キヤリーオーバ一がない等の多く
の利点がある。本発明の酵素電極用固定化酵素膜につい
て電極活性物質に着目して具体的に述べると、例えば酸
素電極を用いた酸素検出方式用の固定化酵素膜では電極
に対向する膜面は主として疎水性の均質膜でできており
酸素のみを透過し、妨害物質であるFe3+0ような各
種金属イオン及び基質は透過させない選択透過性を有し
、被測定物質に接する膜面は多孔質または微孔性構造に
なつており、この膜面にグラフト重合された高分子物質
の側鎖に酵素が結合されていて基質と効率よく接触、反
応して酸素を発生または消費するようになつていてこの
酸素が酵素膜を透過して電極に作用する。
この時用いる電極はポーラログラフ方式でもガルバニ電
池方式でもよく電極に限定されるものではない。また過
酸化水素電極を用いた過酸化水素検出方式用の固定化酵
素膜では電極に対向する膜面は主として親水性の均質膜
でできていて過酸化水素のみを選択的に透過し、アスコ
ルビン酸、尿酸、グルタチオン、ケトグルタル酸、メル
カプト酢酸等のポーラログラフイ的に活性な干渉物質や
基質を透過させない選択透過性を有し、被測定物質に接
する膜面は、上記と同様に多孔質または微孔性構造にな
つており、これに本発明の方法で酵素が結合されていて
、基質と酵素の反応によつて過酸化水素が生成または消
費される。この過酸化水素が選択的に酵上膜を透過して
電極に作用する。またイオン電極を用いたイオン検出方
式の固定化酵素膜について一例としてアンモニアイオン
検出方式用固定化酵素膜について説明すると、電極に対
向する膜面は主として疎水性の均質膜もしくは微孔性膜
でできていてアンモニアガスのみを選択的に透過し、N
a+,K+,CO3−,CN−,a「のような干渉物質
及び基質を透過させない選択透過性を有し、被測定物質
に接する膜面は上記と同様本発明の方法に従つて酵素が
固定化されている。酵素と基質の反応によつて生成した
アンモニアガスまたはアンモニウムイオンは高いPHの
緩衝溶液により効率よくアンモニアガスとなり選択透過
膜を透過した後、再び電解液中に溶解し電解液のPHを
変化させることによつて電極の起電力に変化を生じさせ
るものである。このように本発明の酵素電極用の固定化
酵素膜は干渉物質によつて生じる電流または起電力を完
全にカツトし、膜を透過した特定の電極検知物質の作用
によつて電極に生じる電流または起電力を検出すること
によつて精度よく微量成物を定量することが出来る。
本発明でいう選択透過性を有する膜状高分子担体を製造
するには種々の方法がある。
その一つは膜原料となる高分子物質を溶剤に溶解したド
ープをガラス板、プラスチツク板、金属板などの平滑な
面を有する支持体上に膜状にキヤストし、短時間溶剤を
蒸発させて支持体と反対側の面に電極検知物質選択透過
性のスキン層体を形成させた後、該高分子物質の貧溶媒
中に浸漬して膜中の溶剤を除いてスキン層に続く空隙を
形成させる方法である。また連続空孔を有する多孔性膜
の表面を該膜材料を溶解する溶剤により溶解処理するこ
とにより緻密な選択透過性の膜層を形成させる方法、連
続空孔を有する多孔性膜の表面を高分子膜素材の希薄な
溶液でコーテイングした後、溶媒を蒸発させ、多孔性膜
裏面に緻密な選択透過膜層を形成させる方法、多孔性膜
の表面にプラズマ重合などにより緻密な選択透過膜層を
形成させる方法、延伸することによつて微細なクラツク
を発生させることの出来る高分子膜(1)の表面に、延
伸によつて微細なクラツクを発生しないポリマー層()
を形成させた後、2層を延伸することにより(1)層の
中に微孔を形成し、()層を選択透過性を有する超薄膜
とする方法等を挙げることが出来る。これらの膜に適し
た素材としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
スチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニ
トリル、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、ポ
リ酢酸ビニ(ル、ポリエ子レン酢酸ビニル共重合体、ポ
リビニルアルコール、ポリエチレンビニルアルコール共
重合体、セルロース、セルロースアセテート、エチルセ
ルロース、ポリヒドロキシエチルメタクリレート、ポリ
塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリテトラフロロエ
チレン等の単独重合体および適当な共重合成分との共重
合体および混合物を例示することができる。このような
酵素電極用の選択透過性機能を有する酵素固定化用指体
となるべ?膜の作製にあたつては目的とする測定物質と
酵素の種類によつて最も適した膜素材と製膜法を選ぶ必
要がある。上記のようにして得られた電極検知物質に対
し選択透過性を有する高分子膜担体の被測定物質に接す
る膜面に酵素を結合させるためにアルデヒド基を有する
ラジカル重合可能な単量体をグラフト重合させる方法と
しては、膜を活性化させてグラフト重合の開始点となる
べきラジカルを生成させ、これに気相または液相でアル
デヒド基を有するラジカル重合可能な1種以上の単量体
を接触させてグラフト重合させる方法が可能である。膜
の活性化方法としてはラジカル開始剤、例えば過硫酸カ
リウム、過硫酸アンモニウム、ベンゾイルパーオキサイ
ド、アゾビスイソブチロニトリル等の溶液に膜を一定時
間浸漬し、ラジカル開始剤をポリマーマトリツクス中に
浸透させ、過剰の開始剤溶液を除去した後、ラジカル重
合可能な単量体の共存下で開始剤の分解点以上に加熱す
るラジカル開始剤含浸法がある。
用いる高分子膜担体がアルコール性0H基を有する素材
である場合は第2セリウムイオンを用いてポリマー鎖中
にラジカルを生成させるレドツクス反応法がある。さら
にγ線、l線等の電離性放射線を高分子膜担体に照射し
て活性化しラジカルを生成させる方法等がある。上記の
ような高分子膜担体に適した方法で活性化した後、被測
定物質に接する膜面にのみアルデヒド基を有するラジカ
ル重合可能な1種以上の単量体をグラフト重合させる。
具体的には単量体と接触させ、真空中あるいは窒素、炭
酸ガスのような不活性ガス中で一定時間加熱するかある
いは上記単量体の共存下で活性化した後、必要ならば真
空中または不活性ガス中で一定時間加熱して、酵素と結
合できる官能基を側鎖に有する高分子物質を膜面にグラ
フト重合させる。アルデヒド基を有するラジカル重合可
能な単量体としてはアクロレイン、α−メチルアクロレ
イン、クロトンアルデヒド、ビニルアセトアルデヒド、
α一エチルアクロレイン、α−メチルクロトンアルデヒ
ド、β−メチルクロトンアルデヒド、2−メチル−2−
ペンチナール、2−ヘキセナール、2−エチル−2−ヘ
キセナール等があり、膜に疎水性あるいは親水性を付与
したいとき、あるいはアルデヒド基濃度を調整する目的
で他のラジカル重合性単量体を共グラフト重合すること
も可能である。
この共グラフト重合に使用できる単量体としてはスチレ
ン、メタクリル酸メチル、アクリル酸メチル、アクリル
酸n−ブチル、ヒドロキシエチルメタクリレート、4−
ビニルビリジン、2−ビニルピリジン、アクリル酸、メ
タクリル酸、酢酸ビニル、アクリルアミド、メチロール
アクリルアミド、ビニルピロリドン、アクリロニトリル
、マレイン酸、フマル酸ジメチル等を例示することがで
き、これらの単量体を1種以上併用することも可能であ
る。
これらの単量体をグラフト重合させる場合、単量体単独
で行なつてもよいが膜素材の不溶性溶媒で単量体を希釈
してグラフト重合を行う方法がより望ましい。
アルデヒド基含有単量体のグラフト率は2〜20%で十
分に酵素を膜面に固定化することが出来る。開始剤濃度
、電離性放射線照射線量、単量体濃度、重合温度、重合
時間を調整することにより所望のグラフト率にすること
ができる。グラフト率2070をこえると電極検知物質
および妨害物質に対する膜の選択透過性を低下せしめる
場合がある。またグラフト重合に用いる溶媒としては膜
素材を溶解させずにかつ微孔あるいは多孔性構造と緻密
構造を破壊しない溶剤であれば特に限定はなく水、メタ
ノール、n−ブタノール、アセトン、メチルエチルケト
ン、ベンゼン、塩化メチレン、DMF等を用いることが
出来る。
作業性、コスト的には水が望ましく、アルデヒド基含有
単量体と水不溶性の他の単量体を共グラフト重合させる
場合には0.1〜1.0重量70の界面活性剤、例えば
ラウリル硫酸ソーダ等を用いてエマルジヨングラフト重
合することが可能である。このようにグラフト重合によ
つて被測定物質に接する膜面に官能基を導入した高分子
膜担体は適当な溶媒で抽出あるいは洗浄をくり返すこと
によつて残存する単量体、界面活性剤、ホモポリマー等
を除去し、約4℃の冷蔵庫中に保存して酵素の固定化に
供せられる。
上記のようにして得られた高分子膜に酵素を固定化させ
る方法としては、グラフト重合された膜面が平滑で均一
な支持板に接しないように支持して固定化しようとする
酵素をその酵素に適した緩衝溶液に溶解した酵素溶液を
グラフト重合された膜面に流延塗布し、10℃以下望ま
しくは4℃で水平に保ちながら放置すれば水分の蒸発と
ともに固定化反応が進行し、2〜24時間で反応が完了
する。
固定化された酵素膜を支持板から剥離し、この固定化酵
素膜を固定化に用いたと同じ緩衝液で繰返し洗浄するこ
とによつて、固定化反応による酵素の失活が微少で保存
安定性、耐久性の優れた固定化酵素膜を効率よく製造す
ることが出来る。本発明に適用できる酵素は酵素反応に
よつて酸素、過酸化水素、アンモニア、炭酸ガスやアン
モニウムイオン、炭酸イオン、水素イオン等のイオンお
よびNADH..NAl)PH等の補酵素等の電極検知
物質を直接又は間接的に生成または消費する酵素であれ
ばよく、例えばグルコースオキシダーゼ、カタラーゼ、
インベルターゼ、ムタローゼ、アルコールデヒドロゲナ
ーゼ、ガラクトースオキシダーゼ、β−グルコシダーゼ
、ウリガーゼ、ウリアーゼ、コレステロールオキシダー
ゼ、コリンオキシダーゼ、L−アミノ酸オキシダーゼ、
D−アミノ酸オキシダーゼ、乳酸オキシダーゼ、乳酸デ
ヒドロゲナーゼ、ピルビン酸オキシダーゼ、ペルオキシ
ダーゼ、ペニシリナーゼ、リパーゼ等を例示することが
出来る。また酵素を含む微生物、オルガネラあるいは酵
素を保護するためにアルブミンのような蛋白質分子や各
種の合成ポリアミノ酸等を併用して固定化させることも
なんらさしつかえない。このような固定化反応後、酵素
膜の保存安定性を向上させるために必要ならば膜面に存
在する過剰のアルデヒド基を消費させるために低分子量
の蛋白質、グリシン、L−リジンのようなアミノ酸、エ
タノールアミン、ポリエチレンアミンのようなアミン化
合物の水溶液で処理することができる。
本発明の固定化酵素膜を組合わせることによつて使用で
きる電極は酸素検出方式の場合は、白金アノードと銀カ
ソードまたは白金アノードと銀、塩化銀カソード、塩化
カリウム電解液からなるポーラログラフ電極および白金
カソードと鉛アノードを組合せて加電圧不要にしたガル
バニ電池等があり、過酸化水素検出方式の場合は上記の
ポーラログラフ電極、イオン検出方式の場合、生成する
イオン種により各種のイオン選択性電極を用いることが
出来る。また還元型の補酵素検出方式の場合は固定化酵
素膜を白金電極上に密着させ、これをアノードとし、カ
ソードとして炭素電極を用いるエネルギー電池方式で検
出することが可能である。しかし本発明はこのような電
極および電池システムに限定されるものではない。本発
明によつて得られた酵素電極用固定化酵素膜は電極検知
物質に対し選択透過性を有する高分子膜の被測定物質に
接する膜面にグラフト重合された高分子物質に酵素が結
合しているため、1測定の妨害となる干渉物質を完全に
阻止し、高感度で精度よく目的物質を定量することが出
来る。
2固定化反応による酵素の失活が微少で多種類の酵素に
適用できる。
3基質と酵素との接触が良好で感度および応答性がよい
ばかりでなくコレステロールや多糖類等の高分子量基質
の場合にも適用できる。
4膜強度が高く取扱いやすい。
5特殊な試薬を用いずに温和な条件下で簡単に製造でき
コストが安い。
6キヤリーオーバ一がない等の多くの有利な特徴を有し
ている。
本発明の固定化酵素膜は上記のような特徴があり電極に
装着して分析装置として用いた場合、少量の試料で血液
、尿、組織、食品などに含まれる微量の成分を短時間で
精度よくしかも安価に測定することが出来る。
また酵素膜が選択透過性機能を兼備しているために特別
な前処理を必要とせず全血や異常血清中の成分を正確に
測定することができる。以下実施例を示して本発明をさ
らに詳しく説明する。
実施例 1 アセチルセルロース29、アセトン30m11シクロヘ
キサノン20dからなる溶液を水平に支持した均質で平
滑なガラス板上にナイフコーターを用いて300μmの
厚さに流延した。
10分間室温で溶媒の一部を蒸発させた後、静かに大過
剰のn−ヘキサン中に浸漬し、2時間溶媒を抽出した。
風乾してガラス板から剥離して厚さ12,8μmの白色
半透明の非対称膜を得た。過酸化水素、D−グルコース
、尿酸の水溶液を用いてこの膜の透過性試験を行ない、
D−グルコース、尿酸は全く透過せず、過酸化水素は容
易に透過する過酸化水素に対し選択的透過性を有する膜
であることが確認された。得られた厚さ12.8μmの
アセチルセルロース非対称膜の多孔質層膜面を外側にし
て10C771×10礪のガラス板上に保持し多孔質層
膜面に蒸留直後のアクロレイン5容量%及び硝酸第2セ
リウムアンモニウム塩1.5×10−3モル/lを溶解
した水溶液50m1を接触させ、N2置換後密閉して3
5℃で5時間グラフト重合させた。
アクロレイン水溶液の接触している膜面積は28.3d
であつた。反応後蒸留水で繰返して洗浄し、アクロレイ
ングラフトアセチルセルロース非対称膜を得た。重量増
加率から求めたアクロレイングラフト率は8.8%であ
つた。グラフト重合体の側鎖にアルデヒド基を有するア
セチルセルロース非対称膜の多孔質膜面28.3iに、
コレステロールオキシダーゼ(東洋紡製10単位/〜)
12.5mg、牛血清アルブミン(シグマ社製)12.
5〜、0.05Mリン酸緩衝液(PH7.O)1m1よ
りなる酵素溶液を均一に流延した。
水平に保つて4℃で93時間反応させた。0.05Mリ
ン酸緩衝液(PH7.O)で繰返して洗浄し、アセチル
セルロース非対称膜の多孔質側にグラフト重合したポリ
アクロレイン鎖にコレステロールオキシダーゼが結合し
た固定化酵素膜を得た。
この固定化酵素膜の緻密層を電極側、酵素が固定化され
た多孔質側を試料液に接するように白金アノード、銀カ
ソードからなるクラーク型過酸化水素電極に装着し酵素
膜電極を作製した。この酵素膜電極を85℃、PH7.
Oの0.05Mり7酸緩衝液1.0m1を入れたセルに
浸漬し、次にコレステロール標準液(2001/dl)
10P1〜50μlを撹拌しながらマイクロピペツトを
用いてセル中に投入し、上記電極に接続されたポーラロ
グラフにより酵素反応によつて生成した過酸化水素の酸
化電流と時間特性を測定した。電流は1分間で一定値を
示した。第1図は電流値とコレステロール標準液の濃度
との関係を示したグラフであり、コレステロール濃度と
電流値の間に良好な直線関係が認められ未知濃度のコレ
ステロールの分析が可能であることが判明した。人の血
清20μlをコレステロールエステラーゼ(東洋紡製、
1単位/η)3ηを含む0.05Mリン酸緩衝液(PH
7.O)1m1中に添加し、35℃で10分間処理しコ
レステロールとした後、測定セルに移送し、上記の酵素
膜電極により血清中の全コレステロール濃度を測定した
検量線から求めた全コレステロール値は155mgZU
であつた。同じ血清サンプルについて遊離コレステロー
ル測定試薬、コレスカラ一}゛C(東洋紡製)を用いて
酵素比色法で測定した。全コレステロール値は161ワ
凶2となり良好な一致を示した。実施例 2ポリプロピ
レンパウダー109、テトラリン80m11キシレン1
0m1からなる溶液を水平に支持した清浄で平滑なガラ
ス板上に150μm厚さにナイフコーターを用いて塗布
した。
水平に保つたまま100℃で2分間オーブン中に放置し
た後、大過剰のメタノール中に浸漬した。厚さ18.1
μmの乳白色の非対称膜を得た。得られたポリプロピレ
ンの多孔質層膜面を外側にして10CITL×10CI
I1のガラス板上に保持し、多孔質層面に空気中室温で
ICT型電子線加速装置によつて総線量5.5Mrad
の電子線を照射した。直ちに蒸留直後のアクロレイン1
0体積%を含むベンゼン溶液50m1を多孔質層膜面2
8.3dに接触させ、N2置換して50℃で8時間グラ
フト重合させた。反応後メタノールで繰返し洗浄し、ア
クロレイングラフトポリプロピレン膜を得た。この膜の
重量増加率から求めたアクロレイングラフト率は4.7
%であつた。上記のようにして得られた膜のアクロレイ
ンがグラフト重合した膜面17.3cr11にグルコー
スオキシダーゼ(東洋紡製、35単位/〜)12,0η
、牛血清アルブミン(シグマ社製)12.0W9、0.
05M酢酸緩衝液(PH5.l)0.1m1よりなる酵
素溶液を均一に流延した。市販ニユクレボアメンブレン
(ニユクレボア社製、孔径0.2μm)でカバーし、4
℃で21時間反応させた後、0.05M酢酸緩衝液(P
H5.l)で繰返して洗浄し、ポリプロピレンにグラフ
ト重合したポリアクロレイン側にグルコースオキシダー
ゼが結合した固定化酵素膜を得た。この固定化酵素膜の
酵素が固定化された膜面が試料液に接するように白金ア
ノードと銀一塩化銀カソード、塩化カリウム電解液から
なる酸素検出方式のポーラログラフ電極に装置し酸素膜
電極を作製した。
この酵素膜電極を35℃、PH5.lの0.05M酢酸
緩衝液1.0m1を入れたセルに浸漬しD−グルコース
標準液(0〜1000TV/dl)20μlを攪拌しな
がらマイクロピペツトを用いてセル中に投入した。実施
例1と同様に第2図に示すような電流値とD−グルコー
ス標準液濃度との間に良好な直線性が得られた。この時
電流値は20秒間で一定値を示した。同じ酵素膜電極を
用いて上記と全く同じ方法でD−グルコース標準液のか
わりに人の血清サンプル20μlをセル中に投入してグ
ルコ一入濃度を測定した。
検量線から求めた血糖値は93TV/:11であつた。
同じ血清サンプルについてブドウ糖測定試薬ダイヤカラ
ーGC(東洋紡製)を用いて酵素比色法で測定した血糖
値は90T19/dlとなり良好な一致を示した。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明酵素膜を用いてコレステロール標準溶液
を測定したときの電流値とコレステロール濃度の関係を
示したグラフであり、第2図は本発明酵素膜を用いてD
−グルコース標準液を測定したときの電流値とグルコー
ス濃度の関係を示したグラフである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 電極に対向する膜面が電気化学的に検知可能な物質
    を選択的に透過させる高分子物質であり、被測定物質に
    接する膜層がアルデヒド基を有するラジカル重合可能な
    単量体をグラフト共重合させた高分子物質に酵素を結合
    させた基質透過性を有する膜層であることを特徴とする
    酵素電極用固定化酵素膜。
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