JPS5924195B2

JPS5924195B2 - 複極式電解槽

Info

Publication number: JPS5924195B2
Application number: JP56177045A
Authority: JP
Inventors: 嘉一郎鈴木; 興司斉藤; 幹夫鈴木
Original assignee: Asahi Glass Co Ltd
Current assignee: AGC Inc
Priority date: 1981-11-06
Filing date: 1981-11-06
Publication date: 1984-06-07
Also published as: JPS5881983A

Description

【発明の詳細な説明】本発明は複極式電解槽、特には単板型のフィルタープレ
ス式複極電解槽に関する。

フ複極式電解槽として従来知られているものは陽極と
陰極の間に隔壁を配置し、陽極と陰極とを隔壁と電気的
に接続し、隔壁を通して陰極から陽極に電流を通ずるも
のである。

しかしながら、この従来の複極式電解槽におい５ては
、隔壁の片面は陽極液と接し、他面は陰極液と接するこ
とになるため、通常、陽極室電解条件下に耐食性のある
金属と陰極室電解条件下に耐食性のある金属との張り合
わせ構造とせざるを得なかつた。

この２種の金属間の電気的導通住を確保フすること自
体かなり困難な上に、アルカリ電解の場合、陰極室で発
生する水素ガスによる金属中を水素脆性の問題や、金属
中の水素が透過して、隔壁中の２種の金属の接合面に到
達し、この水素ガスにより、接合面が剥離したりすると
いう問題か５生じ、隔壁の構造について種々の提案が
なされてきた。しかしながら、これらの改良方法は、い
たずらに隔壁の構造を複雑にするのみで、実効上余り大
きな改良効果はみられず、単にカロエコストを上昇９
させるのみというものが多かつた。

本発明者等は、これに対し、大きく発想の転換を行い、
いわゆる隔壁を全く使用しない方式の複極式電解槽につ
いて種々検討を行い、従来と異つた電流の流し方により
、隔壁を用いずとも複極式５電解槽が可能であること
に想到し、本発明に至つたもので、本発明は、（ａ）１
枚の陽極板の端部と１枚の陰極板の端部が）０一接合さ
れてなる実質的に平板な陽極と陰極の複合電極板（ｂ）
陽極室を形成する開口部と陰極室を形成する開口部が交
互に水平方向に配置され、各開口部の上下には小さい開
孔部が各２個ずつ配置されており，各開口部は各々上下
各１個の開孔部と連通する連通部を有する室枠ガスケツ
ト（ｃ）陽イオン交換膜を．複合電極板／室枠ガスケツト／陽イオン交換膜の配列を
１つの繰返し単位とするか、複合電極板／室枠ガスケツ
ト／複合電極板／陽イオン交換膜の配列を１つの繰返し
単位として６これら繰返し単位を複数個２枚の端板の間
にはさんで締付けてなる電解槽であつて．陽イオン交換
膜をはさんで隣接対置する繰返し単位中の複合電極板の
極件が反対極件になるように複合電極板が繰返し単位内
で多数配置され，陽極側導電部材と接続された陽極板及
び陰極側導電部材と接続された陰極板が．該繰返し単位
の１つおきに．該繰返し単位の両端，あるいは１つの繰
返し単位の１端と隣接する繰返し単位の他端に各各設け
られてなることを特徴とする複極式電解槽を要旨とする
ものである。

以下．本発明を図面をもとに説明する。

第１図は．複合電極板／室枠ガスケツト／陽イオン交換
膜を繰返し単位とする本発明電解槽の部分斜視図でちる
。

まず．複合電極板について説明する。

複合電極板１は、公知の多孔板電極からなる陽極２及び
陰極３を実質的に平面姓を保持するようにその端部同志
を結合した平板な陽極／陰極複合体である。

この結合方法については．特に限定されるを要しないが
，長方形の薄い多孔註陽極と同様の多孔性陰極の一辺を
．薄い銅等の細長い金属片を間においてわずかに重ね合
わせ加熱加圧して拡散接合法により接合するのが好まし
い方法である。この方法による場合は、接合部分がわず
かに段がつくが、電極板及び金属片は非常に薄いために
接合して得られる複合電極板は実質的に平板註を維持し
ているため．実用上何ら問題（まない。このわずかな段
をも避けたい場合には．陽極板と陰極板とを突き合わせ
、その部分をロウ付け法等で接合することによつてなし
うる。陽極板及び陰極板の形状（１通常のエキスパンド
メタルのような多孔件のものでもよいが．電極平板に縦
方向にスリツトを入れ，これをねじつて得られるルーバ
一状のもの，あるいは．このスリツトによつて形成され
る短冊部分を一つおきに電極面の一面の側にプレスして
押し出すか．一つおきに電極面の両側に交互に押し出し
たもの力５後述の理由から．より好ましい。

室枠ガスケツト４は．ＥＤＰＭなどの弾力性を有するゴ
ムあるいは塩ビ等の合成樹脂で製作することが可能でち
る。

室枠ガスケツト４は複合電極板の陽極部分及び陰極部分
の大きさに相当する開口が水平方向に複数個設けられて
おりこれらの開印は順次陽極室５及び陰極室６を形成す
る。室枠ガスケツトの開口の上部及び下部には．各々２
個の開孔部か設けられる。上部に設けられる開孔部は、
陽極生成物の通路７及び陰極生成物の通路８に分れ．陽
極生成物の通路７は陽極室５と連通部９によつて通じて
おり、陰極生成物の通路８は．陰極室６ど連通部１０に
よつて通じている。下部に設けられる開孔部（は陽極液
供給通路１１と陰極液供給通路１２に分れ、陽極液供給
通路１１（は陽極室５と連通部１３によつて通じており
、陰極液供給通路１２は陰極室６と連通部１４によつて
通じている。また．室枠ガスケツトには、隣りちつた一
対の陽極室と陰極室をカバーするような大きさで複合電
極板の大きさ、厚みに相当する切欠き部１５を設けてお
くのがよい。

複合電極板を室枠ガスケツトに接して配置する場合，上
述の室枠切欠き部に複合電極板を（１め込むことにより
６室枠のゴム弾註によつて液密効果が得られるため，別
途パツキングを配置する必要がないこと．複合電極板自
体は電解液及び電解生成物通液用の開孔部を設ける必要
力５ないことから好ましい。このように．室枠に切欠き
部を設ける場合，対の陽極室、陰極室を含む切欠き部と
隣りの対の陽極室，陰極室を含む切欠き部は連続した状
態でなく分離されていることが必要である。

また、電極室と連通する連通部９，１０，１３，１４（
は室枠にくりぬいた孔でもよいし、室枠面に設けた溝で
もよい。

本発明に用いられる陽イオン交換膜１６としては．イオ
ン交換基としてカルボン酸基、スルホン酸基．ホスホン
酸基等の１つないし２つ以上を含むパーフルオロカーボ
ン膜力Ｓ好ましく．このような陽イオン交換膜としては
、例えば．特開昭５２一４８５９８号公報．特開昭５３
−２２１９４号公報に開示される如きものが好ましく用
いられる。

また、上記のような陽イオン交換膜の表面に酸化ナタン
，炭化ケイ素などのような電極活件を有しない粒子から
なるガス及び液体透過肚の多孔質層を設けたものも電解
電圧を下げるためにより好ましいものとして用いられる
。次に．上述の複合電極板、室枠ガスケツト、陽イオン
交換膜を用いて本発明電解槽を組立てる方法について説
明する。

室枠ガスケツトの切欠き部に複合電極体をはめ込む電解
槽への給電部及び電流の取出部は、各々１枚の陽極板２
汲び陰極板３′にそれぞれ導電部材１７，１８を取付け
、この電極を．陽極板及び陰極板の大きさに相当する室
枠ガスケツトの切欠き部にはめ込む．以上の電極の配置
に際しては．陽イオノ交換膜をはさんで対置する電極は
極囲が反対になるようにする。

次に、室枠ガスケツトの電極のある反対側の而に陽イオ
ン交換膜を面接すると、第１図の繰返し単位Ａ又はＢが
得られる。

そして，繰返し単位を第１図に示すようにＡＢＡＢ・・
・・・・の順序で配列し，両端に端板を設けて．フイル
タープレス式に組み立てると、本発明の電解槽が得られ
る。そして．繰返し単位の１つおきに設けられる導電部
材１７，１８をそれぞれ陽極ブスバ一及び陰極ブスバ一
と接続することにより．電流は、まづ、単位Ｂの陽極板
から陽イオン交換膜を通して，これと対置される単位Ａ
の複合電極板の陰極板に流れ，この電流は次にこの複合
電極板の陽極板から、陽イオン交換膜を通してこれと対
置される単位Ｂの複合電極板の陰極板に流れる。このよ
うにして電流は．第１図の太い矢印で示されるように．
フイルタープレス型電槽の締め付け方向とは直角．かつ
水平方向に単位Ｂ−＋Ａ→Ｂ→Ａ→Ｂ・・・・・・とい
うように流れ，給電側と反対側に設けられた陰極の導電
部材１８を経て陰極側のブスバ一に流れる。陽極液及び
陰極液の流し方は公知の方法を採用すればよく．第１図
に従つて説明すると．陽極液は．陽極液供給通路１１か
ら連通部１３を経て陽極室５に供給され．そこで電解さ
れた電解生成物は連通部９を経て陽極生成物の通路７に
排出され９この通路から電解槽外部に取り出される。

一方、陰極液は陰極液供給通路１２から連通部１４を経
て陰極室に供給され．そこで電解の結果生成した陰極生
成物は連通部１０を経て陰極生成物の通路８に排出され
．そこから電槽外部に取り出される。次に、本発明電解
槽に好適な電極の構造について説明する。第２図は、第
１図の電解槽に好適に用いうる電極の構造を示す部分斜
視図である。

第３図は今１つの好ましい電極構造を示す斜視図でちる
。

第２図の場合．平板の電極に細い巾のスリツトを入れ、
この短冊を１つおきに一方の側にプレスして押し出して
簡単に製作される。

この場合．押し出し高さは室枠ガスケツトの切欠き部の
残存厚み相当とすると．それより若干小さくする方力ｊ
よい。かくして、得られる電極（ま，押し出された短冊
部分１９と平担な短冊部分２０力３交互に配置されたも
のとなる。

そして．この電極を第１図の電解槽に用いる場合は、押
し出された短冊部分１９が電極室内に置かれるように配
置する。第３図の電極（は、第２図の電極の場合と同じ
ようにして細い巾のスリツトを入れ．この短冊を交互に
電極面の反対側にプレスして押し出すことによつて容易
に製作が可能でちる。

かくして得られる電極は一方の面側に押し出された短冊
部分２１と反対面側に押し出された短冊部分２２からな
るランタン型の電極となる。

この電極を用いる電解槽（ま．第１図の電解槽を少し変
更して陽イオン交換膜の両側に室枠ガスケツトを配置し
たような電槽に好適に用いられる。以上の説明から分る
ように．第２図、第３図の電極を用いると．電極（嘘陽
イオン交換膜に近接ないし接触することになり、その結
果として稲極聞距離が減少し，電解電圧が小さくなると
いう利点力３得られる。

かくして．本発明の電解槽は製作の容易な優れた複極型
電解槽であつて．各種の電解．合成反応に用いられるが
、ことにハロゲソ化アルカリ水溶液電解．水電解に好適
なものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明電解槽の１例を示す部分斜視図である。

Claims

【特許請求の範囲】１（ａ）１枚の陽極板２の端部と１枚の陰極板３の端
部が接合されてなる実質的に平板な陽極と陰極の複合電
極板１。（ｂ）陽極室５を形成する開口部と陰極室６を形成する
開口部が交互に水平方向に配置され、各開口部の上下に
は小さい開孔部７，８，１１，１２が各２個ずつ配置さ
れており、各開口部は各々上下各１個の開孔部と連通す
る連通部９，１０，１３，１４を有する基枠ガスケット
４。（ｃ）陽イオン交換膜１６を、複合電極板／基枠ガスケ
ット／陽イオン交換膜の配列を１つの繰返し単位とする
か、複合電極板／基枠ガスケット／複合電極板／陽イオ
ン交換膜の配列を１つの繰返し単位として、これら繰返
し単位を複数個２枚の端板の間にはさんで締付けてなる
電解槽であつて、陽イオン交換膜をはさんで隣接対置す
る繰返し単位中の複合電極板の極性が反対極性になるよ
うに複合電極板が繰返し単位内で多数配置され、陽極側
導電部材１７と接続された陽極板２′及び陰極側導電部
材１８と接続された陰極板３′が、該繰返し単位の１つ
おきに、該繰返し単位の両端、あるいは１つの繰返し単
位の１端と隣接する繰返し単位の他端に各々設けられて
なることを特徴とする複極式電解槽。