JPS5924150Y2 - ピンプラグ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ラジオ、テレビ、レコードプレイヤ、音声ア
ンプ等の回路接続に使用するピンプラグに関するもので
ある。

従来、多く用いられているピンプラグは、第１図に示す
ように、ピンの形状をした内部接点部材１と、内部接点
部材１の周囲に設けた略円筒状の外側接点部材２とを、
ベークライト製等の円形基板状の内部絶縁部材３，４を
介して離隔的にかつ同心的に組立ててから、導線５の導
体６，７をそれぞれ内部接点部材１、外側接点部材２に
半田付けし、必要に応じてこれらの周囲に合成樹脂製の
外側絶縁部材８をモールド成型したものである。

しかしながら、このピンプラグの製造工程上の最大の障
害は半田付けにある。

即ち、内部接点部材１と外側接点部材２とを内部絶縁部
材３，４を介して組立てた後に半田付けを実施しなけれ
ばならず、手内職的な作業となる上に、半田付けそのも
のの不良率が高い。

この半田付は作業を避けるために、予め内部接点部材１
及び外側接点部材２のそれぞれにＵ字状圧着板を附設し
、導体６，７に圧着式に接続するものも開発されている
が、導体の接続後に組立てを行うために強度的な問題も
あって一長一短がある。

本考案の目的は、これら両者の長所を採り入れて、内部
絶縁部材を用いて予め内部接点部材と外側接点部材とを
組立てておく方式でありながら、導体の接続は機械的圧
着方式により行い、工程的にまた強度的に優れているピ
ンプラグを提供することにあり、その内容は、導電材料
よりなるピンの形状をし、中央部に外側に脹らんだ環状
の条溝を設けた中空状の内部接点部材と、絶縁部材を介
して前記内部接点部材の外側に隔離的にかつ同心的に配
置した導電材料よりなる略円筒状の外側接点部材と、一
端に圧着板を有し他端を前記外側接点部材と機械的に接
続した導電材料よりなるラグ端子部材とを備え、導電材
料よりなり中央部周囲にほぼ環状の隆条を設けると共に
、幅のある割れ目を長手方向に設けて半径方向に弾撥性
を与えた略円筒状の形状を有し、後端に附設した圧着板
に予め第１の導線を圧着接続したスリーブ部材を、前記
内部接点部材の内部に押し込み内部接点０部材の前記条
溝内に該スリーブ部材の隆条を嵌合することにより該内
部接点部材へ第１の導線を接続し、前記ラグ端子部材の
圧着板に第２の導線を圧着接続して前記外部接点部材へ
第２の導線を接続することを特徴とするものである。

本考案を第２図以下の実施例に基づき詳細に説明する。

図面において′、１１はピンの形状をし先端を半球状に
閉塞した中空の金属導体からなる内部接点部材であり、
その中央部には外側に環状に脹らんだ条溝１２が設けら
れている。

この内部接点部材１１の外側には段部１３を有し、内部
接点部材１１よりは長さの短かい略円筒状の金属導体か
らなる外側接点部材１４が離隔的に配置されている。

この外側接点部材１４の先端部には弾撥性をもたせるた
めの数枚のひれ１５が設けられ、内部接点部材１１との
結合は２枚の例えばベークライトからなるドーナツ状の
第１及び第２の絶縁部材１６．１７を介してなされてる
。

第１の絶縁部材１６は外側接点部材１４の内部の段部１
３まで挿入され、外側接点部材１４の一部を切込んで折
り曲げた数個の折片１８によってかしめ止めされている
。

外側接点部材１４の基部１９には、一端にこの基部１９
と嵌合する曲縁環２０を有し他端にＵ字状圧着板２１を
有するラグ端子部材２２の、前記曲縁環２０が嵌め込ま
れていて、外側接点部材１４とラグ端子部材２２とは電
気的に良好に接続されている。

ラグ端子部材２２の曲縁環２０の背部には第２の絶縁部
材１７が第１の絶縁部材１６と同心的に当接されており
、これら絶縁部材１６．１７に内部接点部材１１が挿通
されている。

内部接点部材１１はその中央部に設けた外側に脹らんだ
条溝１２によって第１の絶縁部材１６と係止され、さら
にその基部２３を外側に折り返すことにより第２の絶縁
部材１７と係止されている。

従って内部接点部材１１と外側接点部材１４とは、電気
的には絶縁状態でありながら機械的に強固な結合となっ
ている。

導線の接続には、第３図に示すように、幅のある割れ目
２４を長手方向に有しかつ中央部にほぼ環状に隆条２５
が設けられた円筒状の導電金属からなるスリーブ部材２
６を、これに附設したＵ字状圧着板２７を用いて、例え
ば同軸ケーブル２８の芯線２９に接続されたものを使用
する。

即ち、第４図に示すように、スリーブ部材２６は内部接
点部材１１の中に挿し込まれ、スリーブ部材２６の隆条
２５が内部接点部材１１の条溝１２と嵌合されていて、
一旦嵌合すれば容易には差し抜くことができないように
なっている。

また、ラグ端子部材２２のＵ字状圧着板２１は、第５図
に示すように、同軸ケーブル２８のシールド編導体３０
に外側から圧着されている。

スリーブ部材２６は幅のある割れ目２４を有するので半
径方向に弾撥性があり、内部接点部材１１とは電気的に
良好な接続状態が得られる。

前述したように、同軸ケーブル２８の芯線２９に圧着接
続されたスリーブ部材２６を、既に第１及び第２の絶縁
部材１６．１７を介して外側接点部材１４と結合されて
いる内部接点部材１１中に押込み、ラグ端子部材２２の
圧着板２１を同軸ケーブル２８のシールド編導体３０に
捲回するように圧着接続することによってピンプラグが
完成する。

スリーブ部材２６の芯線２９への接続は、多数個並列に
連結されているスリーブ部材２６を用いて既知の機械的
手段により自動的になされる。

またラグ端子部材２２の圧着板２１のシールド編導体３
０への接続も同様に行われる。

外側接点部材１４等の外周に通常被覆する外部絶縁部材
は必ずしも必要はなく、例えばこのピンプラグが回路内
における接続部品として用いる場合には外側接点部材１
４等が露出していても支障はない。

第６図に示す実施例は、内部接点部材１１の向きと同軸
ケーブル２８の向きとを直角にするために、ラグ端子部
材２２の接続片の曲げ角度を変えたものである。

実施例においては、使用する電線を同軸ケーブルとした
が、必ずしも同軸ケーブルでなくとも通常の一芯被覆電
線であってもよい。

同軸ケーブルを用いる場合に、シールド編導体へのＵ字
状圧着板２１の圧着に際して、シールド編導体３０に予
め銅箔などを巻回しておくとか、或いはシールド編導体
３０の内側に金属製スリーブを挿入しておいてもよい。

これは後に至って経年変化によって芯線２９を被覆する
絶縁体が収縮することにより、シールド編導体３０とＵ
字状圧着板２１との電気的接続状態が劣化するのを防止
する効果がある。

以上説明したように本考案に係るピンプラグは、内部接
点部材と外側接点部材とを絶縁部材を用いて強固に結合
するとともに、導線との接続は圧着方式によるものであ
って、従来のピンプラグの各長所を採り入れ、機械的強
度、電気的特性に優れ、半田付けを用いることもなく製
造工程的にも有利である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のピンプラグの一部切欠斜視図、第２図以
下は本考案に係るピンプラグの実施例を示すものであり
、第２図はその主要部の縦断面図、第３図は使用する導
線の斜視図、第４図は内部接点部材と導線導体との接続
状態を示す縦断面図、第５図及び第６図は完成したピン
プラグの斜視図である。 符号１１は内部接点部材、１２は条溝、１４．は外側接
点部材、１６は第１の絶縁部材、１７は第２の絶縁部材
、２１はＵ字状圧着板、２２はラグ端子部材、２４は割
れ目、２５は隆条、２６はスリーブ部材、２７はＵ字状
圧着板、２９は芯線、３０はシールド編導体である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 導電材料よりなるピンの形状をし、中央部に外側に脹ら
   んだ環状の条溝を設けた中空状の内部接点部材と、絶縁
   部材を介して前記内部接点部材の外側に隔離的にかつ同
   心的に配置した導電材料よりなる略円筒状の外側接点部
   材と、一端に圧着板を有し他端を前記外側接点部材と機
   械的に接続した導電材料よりなるラグ端子部材とを備え
   、導電材料よりなり中央部周囲にほぼ環状の隆条を設け
   ると共に、幅のある割れ目を長子方向に設けて半径方向
   に弾撥性を与えた略円筒状の形状を有し、後端に附設し
   た圧着板に予め第１の導線を圧着接続したスリーブ部材
   を、前記内部接点部材の内部に押し込み内部接点部材の
   前記条溝内に該スリーブ部材の隆条を嵌合することによ
   り該内部接点部材へ第１の導線を接続し、前記ラグ端子
   部材の圧着板に第２の導線を圧着接続して前記外部接点
   部材へ第２の導線を接続することを特徴とするピンプラ
   グ。