JPS5923881Y2 - 重量物転倒装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は重量物を安全に転倒させるための装置に関する
。

重量物の転倒、起立作業としては、例えば鋼管水圧試験
機のパツキン取替え作業がある。

従来、この作業は次のようにして行われていた。

水圧試験機から取りはずしたパツキンホルダーをクレー
ン等によってスキッド上に運び、これを作業者が誘導し
て転倒させ、パツキンを取替えた後再度、クレーン等に
よって起立させ水圧試験機に運び取りつけていた。

しかし、このパツキンホルダーは重量が１トン近くもあ
るのでこれを転倒させる作業はクレーン等によって支え
つつ行っても非常に危険であり、しかも、このため作業
能率も低下するという問題があった。

本考案はこのような重量物を安全に転倒させることを目
的とするものであり、重量物を起立状態で保持枠に入れ
ると、該重量物を保持した保持枠が該重量物の自重によ
って自動的に安全な速度で転倒するように構成したもの
である。

その要旨とするところは鉛直面内で回動可能になした重
量物保持枠の底面中心線がら回動方向と反対側にずらし
た下部にウェイト及びシャフトを固設し、該シャフトを
基台上に軸着すると共に該シャフトに緩衝ドラムを囲繞
して設け、該緩衝ドラムを基台に固設するとともに該緩
衝ドラムを前記シャフトに固設した圧縮板と該緩衝ドラ
ム内面に固設した仕切板とで２室に区分し、前記圧縮板
又は仕切板に一方向液体流通孔及び両方向液体流通孔を
設け、さらに仕切板にシャフトと当接するパツキンを設
けてなる重量物転倒装置である。

以下、本考案装置を図面に示す実施例装置に従って詳細
に説明する。

第１図は本考案装置の斜視図、第２図は側面図、第３図
は正面図である。

第１図、第２図、第３図において、３は重量物の保持枠
であり、第２図の如く、この保持枠３の下部に該保持枠
底油の中心線Ｃよりも左側に寄せてシャフト４が固設さ
れ、シャフト４より左側にウェイ） ２０が固設されて
いる。

シャフト４は基台１の両端に設けたシャフト受け２に軸
着され継手５を経て両側に突設されている。

また、第１図、第３図に示すようにシャフト４の両端に
はこれを囲繞する緩衝ドラム６が基台１に固定されてい
る。

この緩衝ドラム６内には油等の液体が入っており、シャ
フト４に固着された圧縮板８と、該ドラム内面９に固着
された仕切板１０とが内設されＡ、Ｂ２室に区分されて
いる。

第４図は緩衝ドラム６の断面図であり、第５図、第６図
は圧縮板８の側面図と正面図である。

緩衝ドラム６内の圧縮板８には、第３図、第６図に示す
如く数個の両方向液体流通孔１１と該液体流通孔１１よ
り大きい孔径の数個の一方向液体流通孔１２が孔設され
ている。

また、圧縮板８にはＡ室側からパツキン１４がボルト１
６とナツト１８によって固設され、一方向液体流通孔１
２、圧縮板８とドラム内面との隙間をふさいでおり、ま
た仕切板１０には同様にＡ室側からパツキン１５か゛ボ
ルト１７とナツト１９によって固設され、仕切板１０と
シャフト４との一方向液体流通孔２４をふさいでいる。

第１図、第２図に示す７は保持枠３を固定するための止
め金、１３はストッパーで、２１は安全面から取付けら
れた防護枠、２２は取扱い重量物の一例であるパツキン
ホルダー２３は重量物吊り上げ用ワイヤーである。

次に本装置の作用を説明する。

パツキンホルダー２２をクレーン（図示せず）によって
吊り上げ、保持枠３内に挿入、載置する。

ついで止め金７を外すと、第２図の如くシャフト４が保
持枠３底面の中心線Ｃに対し、左側に寄せて固設されて
いるため保持枠３が右側に傾動し、第４図のシャフト４
は矢印りの方向へ廻る。

すると、該シャフト４に固設された圧縮板８がＡ室の液
体を圧縮する。

このとき一方向流通孔１２、圧縮板８とドラム内面との
隙間及び仕切板１０とシャフト４との一方向液体流通孔
２４はパツキン１４．１５でふさがれているので、Ａ室
の液体は小径の両方向流通孔１１のみを通ってＡ室から
Ｂ室に流れ込む。

従ってパツキンホルダー２２を乗せた保持枠３は緩衝ド
ラム６の作用によりシャフト４を中心として矢印りの方
向に緩慢な速度で回動し、当初の垂直面が基台１上面に
当接することにより停止する。

パツキンホルダーのパツキン取替作業を終えると第２図
のようにパツキンホルダー２２をクレーンで矢印Ｅの方
向へ吊り上げる。

この動作に伴いシャフト４も第４図の矢印Ｅの方向へ回
転し、圧縮板８がＢ室の液体を圧縮する。

このときパツキン１４．１５がＢ室の液体に押されるの
で一方向流通孔１２、圧縮板８とドラム内面との隙間及
び仕切板１０とシャフト４との一方向液体流通孔２４が
開きＢ室の液体がＡ室に迅速に流れ込みシャフト４が矢
印Ｅの方向へ回動し、保持枠３が元の位置に迅速に復帰
する。

保持枠３が垂直に起立した時点でストッパー１３に当接
して停止する。

次に止め金７を保持枠３にかけこれを固定する。

次にパツキンホルダー２２を保持枠３から吊り上げて持
ちさる。

なお、保持枠３がある程度立ち上った時点ではパツキン
ホルダー２２をクレーンで吊り上げて運び去っても、ウ
ェイ） ２０の働きにより保持枠３は元の位置まで復帰
する。

この場合、保持枠３自体は比較的軽いので、重量物を運
び去った後はウェイト２０がなくても人力で容易に保持
枠３を起立させることができる。

また、本例では圧縮板８に各液体流通孔を設けたが、該
液体流通孔を仕切板１０に設けてもよいし、又圧縮板８
、仕切板１０の双方に設けてもよい。

本例では重量物として水圧試験機のパツキンホルダーに
ついて説明したが、本考案装置はこれに限定するもので
なく保持枠の形状を種々変更することにより他の重量物
にも適用可能である。

以上のように本考案装置によれば重量物の転倒作業が非
常に容易となり、また従来の如く人手による危険な転倒
作業から開放されるため安全上多大の効果を発揮する。

また、これに伴い転倒時間の短縮が可能であるため生産
性向上の効果も得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の転倒装置の斜視図、第２図はパツキン
ホルダー保持枠の側面図、第３図は保持枠とドラムを接
続した部分図、第４図はドラムの断面図、第５図、第６
図は圧縮板の詳細図である。 １・・・・・・基台、２・・・・・・シャフト受け、３
・・・・・・重量物保持枠、４・・・・・・シャフト、
５・・・・・・継手、６・・・・・・緩衝ドラム、７・
・・・・・止め金、８・・・・・・圧縮板、９・・・・
・・ドラム内面、１０・・・・・・仕切板、１１・・・
・・・両方向液体流通孔、１２・・・・・・一方向液体
流通孔、１３・・・・・・ストッパー、１４．１５・・
・・・・パツキン、１６．１７・・・・・・ボルト、１
８、１９・・・・・・ナツト、２０・・・・・・ウェイ
ト、２１・・・・・・防護枠、２２・・・・・・パツキ
ンホルダー、２３・・・・・・パツキンホルダー吊り上
げ用ワイヤー、２４・・・・・・一方向液体流通孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 鉛直面内で回動可能になした重量物保持枠の底面中心線
   がら回動方向と反対側にずらした下部にウェイト及びシ
   ャフトを固設し、該シャフトを基台上に軸着すると共に
   該シャフトに緩衝ドラムを囲繞して設け、該緩衝ドラム
   を基台に固設するとともに該緩衝ドラムを前記シャフト
   に固設した圧縮板と該緩衝ドラム内面に固設した仕切板
   とで２室に区分し、前記圧縮板又は仕切板に一方向液体
   流通孔及び両方向液体流通孔を設け、さらに仕切板にシ
   ャフトと当接するパツキンを設けてなる重量物転倒装置
   。