JPS5921395B2 - アルミニウム若しくはアルミニウム合金材に木目模様を形成する方法 - Google Patents

アルミニウム若しくはアルミニウム合金材に木目模様を形成する方法

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JPS5921395B2
JPS5921395B2 JP9439178A JP9439178A JPS5921395B2 JP S5921395 B2 JPS5921395 B2 JP S5921395B2 JP 9439178 A JP9439178 A JP 9439178A JP 9439178 A JP9439178 A JP 9439178A JP S5921395 B2 JPS5921395 B2 JP S5921395B2
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茂樹 向山
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  • Electrochemical Coating By Surface Reaction (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、アルミニウム若しくはアルミニウム合金(以
下アルミニウム材又は被処理材と記す)の表面に、木目
模様を生成させる方法に関するもので、その目的は、圧
刻、蝕刻又は印刷などの手数を要する面倒な方法によら
ず、電気化学的の方法でアルミニウム材の表面に装飾性
に富んだ木目模様を形成する方法を提供することにある
従来、アルミニウム材の模様づけ方法としては、(2)
転圧ロールまたはプレス型などを用いて、アルミニウム
表面に模様を刻印する方法。(B)写真製版の手法によ
りアルミニウム表面を薬品を用いて、エッチングして模
様を蝕刻する方法。
(C)スクリーン法、転写法などの印刷手段によつて染
料などの着色料をアルミニウム表面に印刷する方法。
(l適当な遮蔽体でアルミニウムの表面を部分的にマス
キングして適宜の方法で塗装するか、化学的又は電解的
に着色する方法、又は、(D模様を印刷した紙又はフィ
ルムをアルミニウム表面に貼着する力法などがある。
これらの中(4)の方法は模様の形成に「ダイ」または
成形型で被処理材を強く圧するため平板状のアルミニウ
ム材にしか適用できないし、かつ又(有)の方法と同様
直接には色彩模様はえられない。
(0、(0の方法では色採模様の付与は可能であるが、
いづれも製版、マスキングのような面倒な工程を必要と
し、特に木目模様づけには不適である。(Dは模様形成
皮膜の耐久性に問題がある。これらの方法の実施には特
殊な機械、装置を必要とし加工経費の上からも不利であ
る。以上の諸法の問題点を解決するものとして、電解的
にアルミニウム材の表面に木目模様を生成する方法が提
案されている。
(昭和52年特許出願公開第60244号)。この方法
によると、(イ):アルミニウム材をアルカリ性電解浴
中で交流電解を行ない被処理材表面に木目模様を有する
バリヤー皮膜を生成させ次にこの被処理材を(ロ):水
酸化ナトリウム水溶液で軽くエツチングした後(ハ):
金属塩を含んだ無機着色浴中で交流電解するか、(ニ)
:無機酸、若しくは有機酸又はこれらの混酸を電解浴と
して陽極酸化した後、金属塩を含んだ無機着色浴中で交
流電解するか、(ホ):又は無機酸又は有機酸或いはこ
れらの混酸の電解浴中で陽極酸化した後、金属塩を添加
した無機着色浴又は染料若しくは顔料の溶液中に浸漬す
るものである。この出願の明細書の記載によると、「(
イ)の電解処理中に発生する水素ガスの気泡が被処理材
の表面に沿つて下方から水面に上昇し、その際この気泡
にトレースされた被処理材の表面と他の部分との間に電
解作用の差が生じ、気泡の通過部分は他の部分より多数
の細孔を有しかつ表面が凹状であるため、他の部分との
光輝性を異にし銀灰色の木目模様として観取される。し
かしながらこの木目模様は、本質的に天然の木目とは色
調を異にし、かつ他の部分(地)と単に光輝度の差違に
よつて判別されるものであるから模様とはいうものの鮮
明度に欠ける。
これを補なうため(イ)の処理につづいてさらに(口)
〜(ホ)の処理を施して、鮮明な木目模様を完成させる
。」ことがわかる。すなわち、地の部分に比してより多
孔の木目部分を形成させてその部分に比較的多量の着色
部分を沈着、附着せしめるものである。以上公知の電解
的木目模様形成方法は、従来の電解的方法以外の諸方法
に付随する問題点を解決するものではあるが、次記のよ
うな重大な欠陥を内臓している。この方法はまず、被処
理材の表面に交流電解で木目様条痕をもつたバリヤー皮
膜層を形成させた後、被処理材を着色処理して木目様条
痕部を他の部分より濃色に着色して木目模様を鮮明に観
取できるようにするものである。したがつてこの方法で
えられた模様は、木目部分と他の部分(地)との色調の
間にさ程大きな差異はなく、かつ模様部分は常に地色よ
り濃色を呈する故木目部分と地との色調のコントラスト
に制約をうけ、装飾性に富んだアルミニウム材を得がた
い。さらに、(ハ)〜(ホ)の工程で金属塩を使用して
いるが、般に金属塩着色は均一性に欠け、又排液の廃棄
にも問題を伴なう。本発明者らは、上記公知の電解的木
目模様形成法の問題点の解決、ならびに上記方法ではえ
られない好ましいコントラストの木目模様例えば、地色
がシルバ一色で木目部がアッパー〜ブロンズ色調の模様
の形成法に関して検討を行ない、先に新規の方法を提案
した。
これらの方法においては、時とすると、処理工程の進行
に伴なう木目着色部の僅かな淡色化傾向不適正なバリヤ
ー皮膜層除去条件による木目部着色酸化皮膜の溶出傾向
がみられた。
本願は、従来の方法にみられる上記のような傾向を全く
伴なわない極めて作業性に優れた、アルミニウム若しく
はアルミニウム合金材に木目模様を形成する方法を提供
するものである。
以下本発明の方法について詳述する。
本発明の方法は、まず(1)アルミニウム若しくはアル
ミニウム材から成る被処理材を電解浴中でパルスの極性
変換波形を用いて電解処理して、その表面に木目様条痕
を有するバリヤー皮膜を形成させる第1工程。
(2)次に、木目様条痕形成後の被処理材を着色能力を
有する有機酸を主体とする電解浴中で、第1工程で使用
した電圧より低い電圧を印加して、木目様条痕部に着色
酸化皮膜を生成させる第2工程、(3)次にこの被処理
材を、例えば沸騰水に浸漬して「水和処理」する第3工
程、(4)次にこの被処理材をアルカリ性水溶液中に浸
漬するか、又は硫酸水溶液を電解浴として陰極電解処理
してバリヤー皮膜層を剥離し、次に同一電解浴中で、被
処理材を陽極酸化するか、若しくは、第3工程終了後の
被処理材を、しゆう酸、スルホサリチル酸等アルミニウ
ムと錯塩を生成するような有機酸と硫酸との混合水溶液
を電解浴として、陽極酸化処理する第4工程から成る。
第1工程に先立つて、被処理材は通常の前処理力法によ
つて清浄化される。
すなわち、10〜30%硝酸水溶液による脱脂、水洗、
2〜7%水酸化ナトリウム水溶液によるエツチング、水
洗、10〜30%硝酸水溶液によるデスマツト、水洗す
るか、若しくは10〜15%の硝酸水溶液中に50〜8
0で5〜10分間浸漬して脱脂するか、又は同濃度の硫
酸水溶液中でアルミニウム材を陰極として20℃以上で
1〜7分間直流又はパルス波形を用いて脱脂を行なつて
もよい。第1工程の電解浴には、(1)ケイ酸ナトリウ
ム、メタほう酸ナトリウム、リン酸3ナトリウム、炭酸
ナトリウム等のアルカリ性電解液および、()ほう酸、
酒石酸、フタル酸、マロン酸等又はこれらの塩を含む水
溶液、いわゆるバリヤー型皮膜形成電解質から成る電解
液が用いられる。
これらを含んだ電解浴中で、アルミニウム材をパルスの
極性変換波形のようなピーク電圧を有する波形を用いて
電解処理を行なう。この処理中にアルミニウム材電極面
に吊り下げ方向に沿つて、大小多数の水素ガス気泡が発
生し、下方から上方に電極面上を移動しつつバリヤー皮
膜層の生成現象が進行する。かくて被処理材の表面は、
水素ガス気泡の航跡に沿つて木目様の条痕(凹部)を多
数有するバリヤー皮膜層で被覆される。なお、電解浴中
における(1)又は()の濃度は5〜100g/lが好
ましいが、10〜509/lが最適である。
なお()および()の混合溶液の場合は、(1):()
−10:1〜5:1の範囲が望ましい。電解浴の温度は
、実用的には10〜3『Cが便利である。本願の力法の
第1の特徴は上記第1工程に於て、パルスの極性変換波
形を使用する点にある。
すなわち、パルス電流の極性変換を行なうことによつて
衝げきエネルギーを伴なう電解反応が生起し、電極面に
おける水素ガス気泡の発生移動が活発化され、そのため
被処理材面に凹状をもつた木目条痕を備えたバリヤー皮
膜層を形成できる。なおバリヤー皮膜層における深い木
目様条痕は次の着色酸化皮膜生成工程実施に当つて好ま
しい効果をもたらす。また、本願方法における第2の特
徴は、後に詳しく述べる通りパルスの極性変換波形を使
用することによつて、第1工程で充分高い電圧でバリヤ
ー皮膜層を形成できる点にある。実用的にはパルス電流
のピーク電圧は40〜150が用いられるが好ましくは
40〜90Vが適当である。また、パルス波形は、交流
波、正矩形、又は不斉三角形何れでもよい。極性変換は
正を通電後その極性を変換して同様に負を通電する。あ
るいは、複数個のパルス波形から成る正を通電後その極
性を変換して同様に複数個のパルス波形から成る負を通
電する連続波形でもよい。要するにパルスの極性変換波
形を用いて電解を行ない、被処理材の表面にバリヤー皮
膜を形成できるものであればよい。第1工程につづいて
、第2工程が行なわれる。
すなわち、第1工程でえられた木目様条痕をもつたバリ
ヤー皮膜層で覆われた被処理材を、しゆう酸、スルホサ
リチル酸等の有機酸水溶液又はこれらの有機酸と硫酸と
の混合水溶液で、直流波形又はパルス波形を用いて陽極
酸化処理することによつて、木目様条痕部(バリヤー層
の凹部)にアッパー〜ブロンズの着色酸化皮膜を形成す
ることができる。アルミニウムの着色陽極酸化に用いら
れる有機酸として、上記しゆう酸の3〜5%、スルホサ
リチル酸の5〜10%水溶液、その他メタクレゾールス
ルフオン酸又はマレイン酸の5〜15?水溶液等が知ら
れているが、勿論これらは何れも本願の第2工程に使用
できる。この他、上記有機酸を3〜20%および有機酸
の1/20〜1/5量の無機酸を含んだ水溶液、例えば
、硫酸0.15%としゆう酸3%若しくは硫酸0.5%
、スルホサリチル酸5%又はメタクレゾールスルホン酸
5%との混合水溶液も使用できる。又供給電解波形は、
直流波形、矩形、脈動、又は三角形パルス波形何れのも
のでもよい。第2工程で使用する上記波形のピーク電圧
は必らず第1工程の際使用したピーク電圧より低くしな
ければならない。
何故ならば、一般にバリヤー皮膜を有するアルミニウム
材に、バリヤー皮膜の生成時に印加した電圧より高い電
圧を用いて陽極酸化を行なうと、バリヤー皮膜は破壊さ
れて、その部分に陽極酸化皮膜が形成されるからである
。本発明において、第1工程で生成したバリヤー皮膜層
は前記した通り、木目様条痕部(この部のバリヤー層は
他の部分より薄い)を有する故、陽極酸化の際の電圧を
バリヤー皮膜生成時の印加電圧より低くしても耐電圧の
低いバリヤー皮膜の凹部が侵食を受けて陽極酸化皮膜が
成長するため木目様条痕部分(他の部分より薄いバリヤ
ー皮膜層部分)にのみ着色陽極酸化皮膜を形成できるが
、若しこの際印加電圧を第1工程で用いたパルス電流の
ピーク電圧より高くすると、木目様条痕部分以外の部分
にも着色酸化皮膜が形成して、本願の目的とする効果は
著しく減殺される。ちなみに、普通平面の有機酸陽極酸
化では単調な色合しか得られないが、木目模様の場合は
色合に微妙な変化が現われ装飾性に富み、かつ耐食性、
耐候性に優れた皮膜が得られる。第2工程での印加電圧
は、第1工程の際の印加電圧より10〜30低くするの
が望ましい。
なお、電圧差が10V以下では、酸化皮膜の生成は不十
分であり、又30V以上では着色酸化皮膜が生成しない
。実際には印加電圧30〜80Vが好適である。電解浴
の温度は印加電圧に影響をもたらし、一般に浴温と印加
電圧とは逆比例の関係にある。一方陽極酸化皮膜の着色
度は、本願の方法の有機酸又は有機酸と無機酸とから成
る電解浴の場合には、印加電圧が高い方が濃くなり、逆
の場合は淡くなる。したがつて木目部が濃色の天然木に
近似の模様を望む場合は、浴温を下げて印加電圧を高め
るのが好ましい。浴温は実際には、0〜20℃が用いら
れるが、5〜10℃が最適である。第2工程終了後被処
理材は第3工程すなわち、「水和化処理」に移される。
水和化処理は被処理材を40℃以上特に、75℃以上の
水中に浸漬することによつて行なわれる力人この際酢酸
ニツケル又はケイ酸ナトリウム等を含有した熱水も使用
できる。この工程中に,被処理材の表面はノqヤライト
、ベーマイトのアルミニウム水和酸化物皮膜で覆われる
。ここで、注目すべき事実は被処理材表面に生成した水
和酸化物は全表面について均一ではないことである。す
なわち、第1工程においては既に述べたとおり、被処理
材表面は木目様条痕を有するバリヤー皮膜(木目部は凹
状である)で覆われ、次に第2工程でこの木目部は着色
酸化皮膜で覆われるが、木目部以外の部分(地)にはバ
リヤー皮膜がそのままに残存する。このように水和化処
理直前の被処理材の表面には木目部と地との異質部分が
存在する故、これら異質部面に生成した水和酸化物は木
目部と木目部以外の部分とにおいて、化学的、物理的に
何等かの差異を有するものと推定できる。このような推
定は実験的に確認され、かつこの現象を巧みに利用する
点が本法の第2の特徴である。第2工程で、上記の通り
木目部に着色酸化皮膜を形成させた被処理材を次に第3
工程で水和化処理すると、木目部にアルミニウム水和酸
化物皮膜が形成されると同時に、酸化皮膜面のボア一が
封孔されて、第3工程以後の処理に対して活性度を減少
する。
これに反し、木部以外の地の部分(第1工程のバリヤー
被膜形成処理の際の印加電圧と、第2工程の木目部の陽
極酸化処理の際の印加電圧との関係から、木目部以外の
地の部分にはバリヤー皮膜層が存在する)に形成された
アルミニウム水和酸化物は、第3工程以降の処理に対し
て、木目部の酸化皮膜上に形成された上記水和酸化物よ
り大きな活性度を有する。このように、「水和化処理」
により、木目部と木目部以外の地との間に化学活性度の
差違を与えることによつて、前記(1)〜(3)法に附
随する問題点[木目部の着色の淡色化」、「木目部酸化
皮膜の溶出化」は完全に防止できることが見出された。
さらに又、使用水中にFe,CUl又はこれらの酸化物
が夾雑する場合は、生成アルミニウム水和酸化物は褐色
に着色し易く、したがつて、水和化処理は木目部の濃色
化傾向をもたらす。水和化処理には通常の方法例えば、
被処理材を40℃以上特に75℃以上の熱水特に沸騰水
中に5分〜30分間浸漬するか、水蒸気特に2〜4at
wf)加圧水蒸気中で10〜30分間処理するか、若し
くは酢酸ニツケル0.5〜3%を含んだ80〜95℃の
熱水中に、又は水ガラス5〜10?含んだ40〜60℃
の熱水中に10〜30分間浸漬することによつて行なわ
れる。いずれの場合も、生成物はバイアライト(Al2
O3・3H20)、ベーマイト(Al2O3・H2O)
等のアルミニウム水和酸化物から成る。殊に、酢酸ニツ
ケル0.5〜3%を含んだ80〜95℃の熱水中に浸漬
し[水和化処理」を行なうと、木目部の酸化皮膜は封孔
が行なわれ、一方、木目部以外の地のバリヤー皮膜は溶
解される。この際には、次工程のバリヤー皮膜層を剥離
する必要がなく、通常行なわれている陽極酸化皮膜生成
法で処理できる。上記の第3工程につづく第4工程とし
ては、前にも述べた通り、被処理材を硫酸水溶液を電解
液として陰極電解処理して木目部以外の地の部分のバリ
ヤー皮膜層を剥離させ、つづいて同一浴中で陽極酸化処
理を行なつて、上記地の部分に酸化皮膜層を形成させて
もよい。
この際被処理材を一力の極として電解処理を行なつても
よいが、被処理材を両方の極に使用すると、陰極面にお
けるバリヤー皮膜層の剥離と、陽極面における陽極酸化
処理とが同時に進行させることもできるから有利である
。なお又、第3工程終了後の被処理材を、アルミニウム
と錯塩を形成するような有機酸、例えばしゆう酸、スル
ホサリチル酸の3〜10%水溶液、又はこれら有機酸と
その10〜20%量の硫酸混合水溶液を電解浴として陽
極酸化処理を行なう方法もある。
この方法では、「バリヤー皮膜の溶解」と「陽極酸化皮
膜の生成」の一見相反した現象が同一電解浴中で進行し
て、木目部の陽極酸化皮膜に何らの影響なしに木目部以
外の地の部分に陽極酸化皮膜を形成することができる。
この際、木目以外の地にアルミニウム固有のシルバ一色
を現出させるには、浴温を30〜50℃と幾分高めに保
つて、10〜25Vを印加するのがよい。又木目以外の
地を淡い黄色〜アッパー色に着色したい場合には、浴温
を15〜30℃と低くして30〜70Vを印加するとよ
い。上記の通り、本願の力法に於て、木目部の着色陽極
酸化につづく「水和化処理」の導入によつて木目部の淡
色化、木目部酸化皮膜の溶出が完全に防止できるのみな
らず、木目部の陽極酸化皮膜上に形成されたバイアライ
ト、ベーマイトのアルミニウム水和酸化物表面の凹凸に
原因する反射光のためと思われるが、木目部はむしろ濃
色化して観取される結果、より自然木に近似の木目模様
が現出できる。
更に又前述の通り木目部の陽極酸化皮膜面上に形成され
たアルミニウム水和酸化物は、木目部以外の地の部分の
バリヤー皮膜面に形成された水和酸化物に比し反応性が
低いため、「水和化処理」後のバリヤー皮膜層の除去処
理の際、木目部は変化をうけ難く、したがつて、木目部
を残して地の部分のバリヤー皮膜層が十分に除去できる
ため、木目部以外の部分(地)の陽極酸化が円滑に進行
して、耐食性、耐候性等に優れた美麗な木目模様皮膜が
えられることは本法の大きな効果である。また、金属塩
着色のもつ不均一性、排液の廃棄の問題もない。
以下実施例について説明する。
実施例 1 アルミニウムA6O63の押出型材を20%硝酸水溶液
に室温で15分間浸漬して脱脂した後、水洗し、5%水
酸化ナトリウム水溶液に60℃で1分間浸漬してエツチ
ング、水洗を行なつた後20%硫酸水溶液を用いて室温
で1分間デスマツトした後水洗した。
第1工程:上記被処理材を押出し方向に沿つて垂直に縦
吊りして、メタほう酸ナトリウム159/j、ほう酸2
.59/lの水溶液を電解液として、50Vの交流(ピ
ーク電圧68V)を用いて10分間定電圧電解処理を行
なつた。
被処理材の表面には木目様条痕が生成した。第2工程:
上記被処理材を水洗後陽極として、しゆう酸2。
5%、硫酸0,15%およびアルミニウムイオン0.1
8%を含んだ水溶液を電解浴として、50直流を用いて
10分間電解処理した。
木目部はブロンズ色に着色した。第3工程:被処理材を
沸騰蒸留水中に30分間浸漬して水和化処理した。
木目部は幾干濃色化した。第4工程:被処理材を水酸化
ナトリウム1%水溶液中に20℃で1分間浸漬してバリ
ヤー皮膜層(表面にアルミニウム水和酸化物をもつた木
目部以外の地の部分の)を除去した後水洗して、15%
硫酸水溶液を電解浴として、20〜22℃で15〜16
Vを印加して20分間陽極酸化処理した。
この結果、アルミニウム材の表面に、シルバ一色の地に
やや濃いブロンズ色の美麗な木目模様が形成された。実
施例 2 アルミニウムA6O63の押出型材を、実施例1と同様
前処理清浄した後、実施例1と同様第1工程〜第3工程
を行なつた。
第4工程:被処理材を陽極として、しゆう酸2.5%、
硫酸0.15%およびアルミニウムイオン0.18%を
含んだ水溶液を電解浴として、浴温を40±1℃に保つ
て25Vの直流を用いて30分間陽極酸化処理して、木
目部以外の地の部分についてバリヤー皮膜層の除去なら
び酸化皮膜生成を行なつた。
この結果、アルミニウム材の表面に、シルバ一色の地に
やや濃いブロンズ色の美麗な木目模様が形成された。実
施例 3 アルミニウムA6O63の押出型材を、実施例1と同様
前処理清浄した後、実施例1と同様に第1および第2工
程を実施した。
第3工程:この被処理材を水洗した後、90℃の酢酸ニ
ツケル2%水溶液に20分間浸漬して水和化処理を行な
つた。
木目部は幾干濃色となつた。第4工程:被処理材を3%
しゆう酸水溶液を電解浴として、浴温50℃で22〜2
5Vを印加して30分間陽極酸化処理した。この結果、
アルミニウム材表面にシルバ一色の地に濃いブロンズ色
の美麗な木目模様が形成された。実施例 4 アルミニウムA6O63の押出型材を、実施例1と同様
前処理清浄した後、実施例3と同様第1〜第3工程を実
施した。
第4工程:被処理材を水洗した後、無水炭酸ソーダ10
%溶液中に5分間浸漬してバリヤー皮膜層を溶出除去し
た。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 アルミニウム若しくはアルミニウム合金から成る被
    処理材を、アルカリ性電解質および有機酸又はその塩を
    含むバリヤー皮膜形成電解浴中で、ピーク電圧P_1を
    有するパルス極性変換波形電流を用いて電解処理する第
    1工程、ついで着色能を有する有機酸を含有する電解浴
    中で、P_1より低い電圧P_2を該被処理材に印加し
    て電解処理する第2工程、ついで該被処理材を水和処理
    する第3工程及び被処理材をアルカリ性水溶液に浸漬す
    るか、若しくは硫酸水溶液電解浴中にて陰極電解するか
    してバリヤー皮膜層を除去した後に陽極酸化するか、又
    は第3工程終了後バリヤー皮膜層を除去することなく、
    アルミニウム錯塩形成能を有する有機酸及び硫酸水溶液
    から成る電解浴中で該被処理材を陽極酸化する第4工程
    から成ることを特徴とするアルミニウム若しくはアルミ
    ニウム合金材に木目模様を形成する方法。 2 前記第3工程の水和化処理が、被処理材を40℃以
    上の熱水中に浸漬して行われることを特徴とする、特許
    請求の範囲第1項記載のアルミニウム若しくはアルミニ
    ウム合金材に木目模様を形成する方法。 3 前記第3工程の水和化処理が、被処理材を水蒸気中
    に曝露して行われることを特徴とする、特許請求の範囲
    第1項記載のアルミニウム若しくはアルミニウム合金材
    に木目模様を形成する方法。 4 前記第3工程の水和化処理が、被処理材を酢酸ニッ
    ケル、又はケイ酸ナトリウムを含有する水中に浸漬して
    行われることを特徴とする、特許請求の範囲第1項記載
    のアルミニウム若しくはアルミニウム合金材に木目模様
    を形成する方法。 5 前記第3工程の水和化処理が被処理材を沸騰水中に
    浸漬して行われることを特徴とする、特許請求の範囲第
    1項記載のアルミニウム若しくはアルミニウム合金材に
    木目模様を形成する方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0312155Y2 (ja) * 1984-12-24 1991-03-22
JPH0730865Y2 (ja) * 1987-03-24 1995-07-19 永大産業株式会社 鏡付き戸

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JPH0312155Y2 (ja) * 1984-12-24 1991-03-22
JPH0730865Y2 (ja) * 1987-03-24 1995-07-19 永大産業株式会社 鏡付き戸

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