JPS5920857B2 - 自動車用車速制限装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は自動車用車速制限装置に関するものである。

従来の自動車ではアクセルペダルの踏み込み量に応じて
任意の車速を得ることができ、道路の制限速度を越える
走行が容易であり、また何らかの速度制御装置例えば定
速走行装置を備えた自動車においては、実車速と設定車
速との偏差に応じて作動するアクチュエータの作動方向
はスロットル弁を開く方向であり、したがってアクセル
ペダルを踏みこむことによりさらに車速を上げることが
できる構成である。

したがって、定速走行中にもかかわらず実車速はアクセ
ル操作によって制限速度を越えてしまうため、安全走行
上問題がある。

本発明は、上記のような問題を解決するため、自動車の
走行速度と最大速度を設定した設定車速とを比較し、走
行速度が設定車速を越えたときには、車速制御手段を減
速イ則に制御することにより、設定車速を上回って加速
することができないようにし、しかもその減速側への制
御を円滑に行い得るようにした自動車用速度制限装置を
提供することを目的とするものである。

さらに、本発明は上記の速度制限を行なうとともに定速
走行を行なうこともできるようにするとともに、速度制
限と定速走行とを選択可能にした装置を提供することを
目的とするものである。

以下本発明を図面に示す一実施例について説明する。

添付図面において、１はガソリンエンジン、２は気化器
、３はスロットル弁４を有する吸気管で、スロットル弁
４の開度に応じた量の混合気が気化器２からエンジン１
に供給される。

５はスロットル弁４と連動するスロットル操作レバー、
６は操作棒、７はエンジンオイルを作動流体とする油圧
アクチュエータで、８は油圧アクチュエータ７の筐体、
９は作用室、１０は可動壁である。

１１は電磁弁で作用室９よりエンジン１のもつ潤滑用エ
ンジンオイル圧力源に通ずる高油圧流路１２とエンジン
１のオイルパンに通ずる低油圧流路１３を開閉する三方
向切替弁である。

１４は可動壁１０の戻しばね、１５は可動壁１０の位置
変化に伴って操作棒６を介してスロットル弁４を操作す
る操作力を得る操作端である。

また１６はアクチュエータ位置検出器で可動壁１０の位
置に対応した位置電圧を発生するように操作棒６に連動
するポテンショメータよりなる。

１７は自動車の車輪回転数を検出し車速に応じた信号を
生ずる車速検出器、例えば回転数検出用の発電機にてパ
ルス信号を得るものである。

１８は走行速度の目標最大値を設定する車速設定器で設
定車速に応じた信号を発生する。

１９は制御回路で前記車速検出器１７からの信号と車速
設定器１８からの信号とを比較して両車速の偏差に応じ
た出力信号を発生する。

なお、この制御回路は公知であるのでここでは特に詳記
しない。

油圧アクチュエータ７は、電磁弁１１のコイル１１ａが
制御回路１９からのパルス信号によって通電されると、
エンジンオイル圧力源に通じる高油圧流路１２に導通し
、作用室９内にエンジンオイルの高油圧が入ることによ
り可動壁１０が図中矢印ａの方向に移動しスロットル弁
４を閉じるようにしである。

また、電磁弁１１のコイル１１ａが通電されない状態で
は、作用室９はエンジン１のオイルパンに通ずる低油圧
流路１３と導通し、戻しばね１４により可動壁１０は矢
印ａと反対の方向に移動し、操作棒６がスロットル操作
レバー５の当接部５ａから離れた状態になるようにしで
ある。

なお、操作棒ａの移動量は前記両車速の偏差に比例する
構成である。

２０は操作装置で、２１はアクセルペダル、２２は連結
リンク、２３はアクセルペダル２１の戻しばねである。

２４はリンケージスプリングで伸張しようとするたわみ
をもたせたばね２５、スロットル操作レバー５と連結し
たシリンダ２６、シリンダ２６内を移動するロッド２７
よりなる。

ここで、操作装置２０はアクセルペダル２１の踏みこみ
によって、またリンケージスプリング２４の伸張力によ
って、スロットル弁４に全開方向への操作力を与え、戻
しばね２３の復元力によって全閉方向への操作力を与え
るものである。

２８は定速走行の際にアクセルペダル２１を全開状態に
拘束するアクセルペダル拘束装置で、バッテリー２９、
アクセルペダル全開位置検出器３０、電磁石３１、ブレ
ーキペダルを踏むことにより開かれるキャンセルスイッ
チ３２よりなる。

なお、上記構成のうちスロットル弁４、およびスロット
ル操作レバー５は車速制御手段をなし、操作棒６、油圧
アクチュエータ７、および制御回路１９は制御手段をな
し、リンケージスプリング２４は加速無効手段をなすも
のである。

次に上記構成において全体の作動を説明する。

まず、車速が設定車速より低い場合、すなわち車速検出
器１１の信号が車速設定器１８の信号より極めて小さい
場合には、制御回路１９からの出力信号は電磁弁１１の
コイル１１ａに通電しない状態となっており、アクチュ
エータ７の可動壁１０は矢印ａと反対方向に動いた状態
に位置する。

したがって操作棒６はスロットル操作レバー５の当接部
５ａから離れた状態となっており、スロットル弁４は操
作装置２０のアクセルペダル２１と連動して開閉される
。

次に車速が設定車速をこえた場合には、制御回路１９か
らの信号により電磁弁１１のコイル１１ａが通電され、
油圧アクチュエータ７の作用室９内に高油圧のエンジン
オイルが流入し、可動壁１０並びに操作端１６は矢印ａ
の方向に移動し、操作棒６の先端部もスロットル操作レ
バー５を押す方向ａに移動する。

したがって、スロットル弁４は閉じる方向に動き、そし
てスロットル操作レバー５の軸５ｂを中心としだ回動範
囲は操作棒６に当接する範囲までに制限され、スロット
ル弁４の最高開度が決定されるが、スロットル弁５の開
度はこの最高開度から全閉までの範囲内において、操作
装置２０のアクセルペダル２１の操作により任意に得ら
れ、設定車速以下の任意の速度で走行可能である。

したがって、運転者がアクセルペダル２１を踏み込むと
、スロットル弁４は上述の如くスロットル操作レバー５
の当接部５ａが操作棒６に当接する最高開度まで開かれ
るが、それ以上アクセルペダル２１を踏みこんでも加速
無効手段であるリンケージスプリング２４のスプリング
２５がその弾性に逆らって縮むだけで、スロットル弁４
の開度は固定される。

すなわち、操作棒６は操作装置２０によるスロツｌ’
／Ｌ’Ｓ全開方向への操作力に抗して前記両車速の偏差
によって移動するから、運私考がアクセルペダル２１を
踏みこんだままの状態を維持すれば、車速は設定速度に
保持制御されるのである。

次に本発明装置を利用した定速走行装置について付随的
に述べると、運転者がアクセルペダル２１をいっばいに
踏み込むと、スイッチ３０が閉ざされ電磁石３１に電流
が流れてアクセルペダル２１は全開の位置に保持拘束さ
れる。

そのため車速が設定車速以下のときには車は加速され上
述の様に設定車速に保たれる。

この時運転者がアクセルペダル２１を離してもアクセル
ペダル拘束装置２８によりアクセルペダルは全開に保た
れ、リンケージスプリング２４のばね２５の弾性力と、
油圧アクチュエータ７の操作力とにより、スロットル弁
４の開度は、車速を設定車速に保つように操作される。

定速走行を解除する場合にはキャンセルスイッチ３０を
開（ことにより、すなわちブレーキペダルをふむことに
より、アクセルペダル２１は戻りばね２３により全閉の
位置に戻りスロットル弁４は一旦閉じるが、再びアクセ
ルペダル２１に連動して操作される。

なお上記実施例は毒一手段のうちでアクチュエータとし
て電磁弁１１にて制御する油圧アクチュエータ７を用い
たが、他のアクチュエータ例えば直流電動機を用いても
、またエンジン負圧を利用する空気圧アクチュエータを
用いても良い。

また、車速検出器１１は発電機にてパルス信号あるいは
直流電圧を得るものに限らず、点火系統の点火パルスを
利用するものを用いてもよい。

以上述べたように本発明においては、実車速と設定車速
とを比較し、実車速が設定車速を越えたときには車速制
御手段を減速側に制御するととも汽車速制御手段を減速
側に制御する際の操作力を無効にしているから、操作装
置の操作力により設定車速を越えて加速することを不可
能にし、しかも制御手段による車速制御手段の減速側へ
の制御とは相反する操作装置による加速側への操作力を
無効にすることにより、制御手段による減速制御を優先
して行わせることができ、制御手段と操作装置との間の
相互干渉をな（して円滑に車速制限を行わせることがで
きるという優れた効果がある。

また、本発明は、操作装置を選択的に拘束、解除する拘
束装置を備えることにより、車速制限と定速走行とを切
替えて行なうことを可能にできる。

【図面の簡単な説明】

添付図面は本発明になる自動車用車速制限装置の全体構
成図である。 １・・・・・・エンジン、４，５・・・・・・車速制御
手段をなすスロットル弁、およびスロットル操作レバー
、６．７，１９・・・・・・制御手段を構成する操作棒
、油圧アクチュエータ、および制御回路、１７・・・・
・・車速検出手段をなす車速検出器、１８・・・・・・
車速設定手段をなす車速設定器、２０・・・・・・操作
装置、２４・・・・・・加速無効手段をなすリンケージ
スプリング、２８・・・・・拘束装置。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 操作装置により操作力を受は自動車の走行速度を制
   御する車速制御手段と、前記自動車の走行速度を検出す
   る車速検出手段と、前記自動車の走行速度の目標最大値
   を設定する車速設定手段と、前記車速検出手段よりの検
   出車速と前記車速設定手段よりの設定車速とを比較し、
   検出車速が設定車速を越えるときには前記車速制御手段
   を減速側に制御する制御手段と、この制御手段が前記車
   速制御手段の減速側に作用している間は前記操作装置に
   よる前記車速制御手段の加速側への操作力を無効にし、
   前記操作装置による前記車速制御手段の減速側への操作
   を可能にする加速無効手段と、前記操作装置を前記車速
   制御手段が加速側への操作力を発生する位置に選択的に
   拘束、解除する拘速装置とを備えることを特徴とする自
   動車用車速制限装置。