JPS5919897Y2 - 電気絶縁ヒ−トパイプ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は電気絶縁ヒートパイプに係り、特に耐電圧を向
上するのに好適な構造の電気絶縁し−トパイプに関する
ものである。

電気絶縁ヒートパイプとは、高電位差を有する物体間を
電気的に絶縁しながら熱伝達を増大するために用いられ
るものであり、中間の筒をＦＲＰ（ｆｉｂｅｒ ｒｅｉ
ｎｆｏｒｃｅｄ ｐｌａｓｔｉｃｓ）などの電気絶縁物
とすることによって一応の目的を達成している。

しかし、従来のこの種電気絶縁し−トパイプは、中間の
筒内底部（高温側）に蒸発液を封入しただけの構造にな
っているため耐電圧が低く、物体間の電位差がある電圧
以上の場合は、実際上使いものにならなかった。

その上、上記したような誘電性液体の蒸発時における電
気物理学的な諸問題について十分解明されておらず、ま
た、マックスウェル力による液面の乱れ、突沸などの現
象についても未解明の問題があり、耐電圧を考慮した設
計がなされていないのが実情である。

本考案は上記に鑑みてなされたものであって、その目的
とするところは、耐電圧を向上することができる電気絶
縁ヒートパイプを提供することにある。

本考案は電気絶縁筒内の絶縁性蒸発液の液面の電界によ
る乱れにより破壊電圧が不安定になるという観点からな
されたものであって、液面を電界下におかないようにす
るため、蒸発液面より上部に金属製網を設け、この金属
製網を蒸発液に接触している電気絶縁筒の下端部に設け
た金属製キャップに電気的に接続したことを特徴として
いる。

以下本考案を図に示した実施例を用いて詳細に説明する
。

図は本発明の電気絶縁ヒートパイプの一実施例を示す断
面図である。

図において、１は、外径２５ｍｍ、長さ３ＱＱ ｍｍの
ＦＲＰよりなる電気絶縁筒で、それの下端部には銅製の
キャップ２が５Ｑｍｍ差し込んだ状態で固着しである。

また、絶縁筒１の上端部には銅製のキャップ３が３Ｑｍ
ｍ差し込んだ状態で固着してあって、キャップ３の外側
の放熱フィン４にネジ止めによって固定してあり、絶縁
筒１の下端部には蒸発液としてフレオン５が封入しであ
る。

ところで、本考案においては、キャップ２の絶縁筒１の
下端内にあたる底面に外径３ｍｍ、長さ４０ｍｍの銅ロ
ッド６の下端を固着し、銅ロッド６の上端には絶縁筒１
の内径にほぼ等しい大きさの２０メツシユの銅製網７を
取り付けた構成にしである。

このように構成された電気絶縁ヒートパイプのキャップ
１の部分を高温負荷に挿入すると、フレオン５が蒸発し
て絶縁筒１内を上昇し、キャップ３０部分で熱交換が行
われ、冷却されたフレオン５は再び液化してキャップ２
の部分に戻り、熱伝達が行われる。

ところで、いま、キャップ２の部分に１００ Ｗの負荷
を与えたときのキャップ２，３間の交流破壊電圧を測定
すると、５２〜５５ ＫＶが得られる。

これに対し、従来の銅ロッド６、銅製網７を設けていな
い電気絶縁ヒートパイプでは、それが８〜２２ ＫＶと
ばらつきが大きく、かつ、小さい値であった。

これより本考案になる電気絶縁ヒートパイプによれば、
耐電圧を著しく向上することがわがる。

このようになる理由は、銅製網７の電位をキャップ２と
同電位にしであるため、フレオン５の液面が電界より遮
へいされ、マックスウェル力による液面の乱れが防止さ
れ、破壊電圧が安定化するためと考えられる。

以上説明したように、本考案によれば、耐電圧を安定化
し、かつ、大きくできるという顕著な効果がある。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の電気絶縁ヒートパイプの一実施例を示す断
面図である。 １・・・・・・電気絶縁筒、２，３・・・・・・銅製キ
ャップ、４・・・・・・放熱フィン、５・・・・・・蒸
発液（フレオン）、６・・・・・・銅ロッド、７・・・
・・・銅製網。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上端部と下端部とにそれぞれ金属製キャップが設けられ
   た電気絶縁筒よりなり該電気絶縁筒の底部に絶縁性蒸発
   液が封入されているものにおいて、前記電気絶縁筒内の
   前記蒸発液の液面の上部に前記蒸発液に接触している前
   記電気絶縁筒の下端部の金属製キャップに電気的に接続
   された金属製網が設けであることを特徴とする電気絶縁
   ヒートパイプ。