JP3955663B2 - アルミニウム電解コンデンサ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルミニウム電解コンデンサ(以下、電解コンデンサと略す。)に関するものである。さらに詳しくは、電解コンデンサにおける放熱効率の向上技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
大型の電解コンデンサは、民生機器および産業機器など幅広い分野で使用されており、その代表的な構造を図9に示す。この図に示すものでは、陽極箔、陰極箔およびセパレータを巻回したコンデンサ素子2と、該コンデンサ素子2を収納した有底筒状のコンデンサケース3と、該コンデンサケース3の開放端側を塞ぐ封口体4とから構成され、コンデンサ素子2には電解液が含浸されている。大型の電解コンデンサでは、コンデンサ素子2が重いため、コンデンサケース3内で振動しやすいなど、耐振動特性が低く、電極リード板21の断線やショートなどが発生するおそれがある。そこで、従来は、コンデンサケース3内にポリプロピレンなどの高分子固定材30を充填し、この高分子固定材30によってコンデンサ素子2を固定する方法が採用されている。
【0003】
このような構成の電解コンデンサ1において、リップル電流を流すと、温度上昇が起こり、その温度上昇が高いほど、寿命が低下する。そこで、電解コンデンサ1を設計するにあたっては、如何にリップル温度上昇を抑えるから重要な課題である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、基本的な構造を変えずに電解コンデンサ1のリップル温度上昇を抑えるにも限界がある。また、従来のように、コンデンサケース3内に充填したポリプロピレンなどの高分子固定材30を用いてコンデンサ素子2を固定する方法では、内部空間が狭くなるので、内圧上昇を抑えるという観点からみて好ましくない。さらに、高分子固定材30を溶融炉内で加熱、溶融してコンデンサケース3内に注入した後、それを冷却する必要があるので、大型の生産設備が必要であるとともに、生産性の向上を妨げているという問題点もある。
【0005】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、ポリプロピレンなどの高分子固定材を用いずにコンデンサ素子を固定し、かつ、そのリップル温度上昇を抑えることもできるアルミニウム電解コンデンサを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明では、陽極箔、陰極箔およびセパレータをパイプ状コアを中心に巻回したコンデンサ素子と、該コンデンサ素子を収納した有底筒状のコンデンサケースと、該コンデンサケースの開放端側を塞ぐ封口体とを有するアルミニウム電解コンデンサにおいて、前記パイプ状コアは、一方側端部が螺着機構によって前記コンデンサケースの底面に固定された状態で、他方側端部が前記封口体側に支持されているとともに、当該パイプ状コアの内部には、作動液が真空封入された液封式のヒートパイプが配置されていることを特徴とする。
【0007】
本発明において、ヒートパイプの一方の端部はコンデンサ素子で発生した熱を受けて内部の液が気化し、気化した液はコンデンサケースの底面側に位置するヒートパイプの他方の端部で凝結するとともに、ヒートパイプの一方の端部の方へ戻る。このようなサイクルを繰り返すことによって、コンデンサ素子内で発生した熱はコンデンサケースの底面側から放出される。従って、同一のリップル電流を流したときは温度上昇が抑えられる。言い換えれば、許容される温度上昇が一定であれば、許容リップル電流値を大きくできる。また、前記パイプ状コアは、両端が前記封口体側および前記コンデンサケースの底面側にそれぞれ支持されていることから、ポリプロピレンなどの高分子固定材を用いずにコンデンサ素子を固定することができる。その結果、コンデンサケースの内部空間が広くなるので、内圧上昇を抑えることができる。また、高分子固定材を溶融炉内で加熱、溶融してコンデンサケース内に注入した後、それを冷却するなどといった工程が不要である。また、パイプ状コアの一方側端部を螺着機構によってコンデンサケースの底面に固定したので、嵌め込み構造を採用した場合に比較して、パイプ状コアを介してのコンデンサケースの底面側への熱伝達がよいという利点がある。また、大型の電解コンデンサにおいてコンデンサ素子をコンデンサケース内に確実に固定できる。
【0008】
本発明において、前記パイプ状コアは、前記他方側端部も前記封口体側に螺着機構により支持されていることが好ましい。このように構成すると、大型の電解コンデンサにおいてコンデンサ素子をコンデンサケース内に確実に固定できる。
【0009】
本発明において、前記ヒートパイプは、前記パイプ状コアと一体に構成されていることが好ましい。
【0010】
また、前記パイプ状コアは、前記ヒートパイプの容器自身であってもよい。
【0011】
本発明において、前記ヒートパイプは、端部が前記コンデンサケースの底面部近傍に位置することにより、該ケース底面部に対して放熱するように構成される場合がある。このように構成すると、該ケース底面部は、従来の電解コンデンサと同様に平坦な構造であるなど、電解コンデンサの外観形状が従来のものと変わらないので、従来の電解コンデンサと同様に機器に組み付けることができる。
【0012】
本発明において、前記コンデンサケースは、該ケース底面部より外側に突出する放熱部を備えている場合もある。この場合には、ユーザが電解コンデンサを機器に搭載する際に放熱部に対して放熱フィンなどを取り付けることになる。前記放熱部には、放熱フィンを予め構成しておいてもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】
図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の説明においては、説明の重複を避けるために、図9に示した従来の電解コンデンサと共通の機能を有する部分には同一の符合を付してある。
【0014】
[実施の形態1]
図1は、本形態に係る電解コンデンサの構造を模式的に示す縦断面図、図2(A)、(B)、(C)はそれぞれ、本形態に係る電解コンデンサに用いた封口体、コンデンサ素子、コンデンサケースの説明図である。
【0015】
図1および図2(A)、(B)、(C)に示すように、本形態に係る電解コンデンサ1は、従来の電解コンデンサと同様、陽極箔、陰極箔およびセパレータを巻回したコンデンサ素子2と、該コンデンサ素子2を収納した有底筒状のアルミニウム製のコンデンサケース3と、該コンデンサケース3の開放端側を塞ぐ合成樹脂製の封口体4とを有している。封口体4の外端面には外部端子41が構成され、この外部端子41の下端部は、内部端子42としてコンデンサ素子2から引き出された電極リード板21が電気的に接続されている。また、コンデンサ素子2において、陰極箔を巻ずらして陰極箔がコンデンサケース3の底面部31に接触するようにし、リップル温度上昇やインピーダンスを小さくしてある。
【0016】
このような電解コンデンサ1は、放熱という面から封口体4を下向きに使用されるのが一般的である。
【0017】
コンデンサ素子2は、陽極箔、陰極箔およびセパレータがアルミニウムなどの金属製パイプからなるパイプ状コア5を巻心として巻回され、このパイプ状コア5はコンデンサ素子2の中心部分に位置する。
【0018】
本形態において、パイプ状コア5は、両端部51、52が封口体4の側およびコンデンサケース3の底面部31の側にそれぞれ支持され、素子固定用には高分子固定材などが使用されていない。すなわち、封口体4の内面にはその中央部分に固定用突起44が形成され、この固定用突起44は、側面が錐面で構成されているので、その先端部分がパイプ状コア5の一方の端部51から内部に嵌まっている。一方、コンデンサケース3の底面部31において内面側にはその中央部分にねじ軸35が形成されているのに対して、パイプ状コア5の他方側端部52の内周面には雌ねじ520が形成され、この雌ねじ520内に前記のねじ軸35が螺着している。
【0019】
また、本形態の電解コンデンサ1では、図3(A)、(B)に示すように、パイプ状コア5の内部には液封式のヒートパイプ6が配置されている。このヒートパイプ6とパイプ状コア5とはそれぞれ別体のものであるが、本形態では、コンデンサ素子2を巻回した後、ヒートパイプ6をパイプ状コア5に挿入、固定したものである。
【0020】
図4にヒートパイプ6の構造および原理を示すように、アルミニウムなどの金属製の筒状の容器61内に空気成分を完全に追い出して真空状態にした後、水やフロロカーボンなどの作動冷媒を少量密封したもので、容器内には、液の沸騰・凝縮および毛細管現象を促進させるためのグルーブ(溝)などのウイック62が形成されている。このため、コンデンサ素子2の軸線方向における中央付近において、ヒートパイプ6の一方の端部がコンデンサ素子2から熱を受けると、内部が減圧状態になっているため、液はその沸点よりも低い温度で蒸発・沸騰し、その蒸気は圧力波となって、コンデンサケース3の底面側に位置する他方側の端部(放熱部64)に向けて音速に近い速度で移動し、そこで冷却される。ここで冷却されて凝縮した液は、潜熱を放出して液化し、凝縮液はウイックを通じて入熱部63としての一方の端部の方に向けて移動する。
【0021】
このようなサイクルが外力なしに繰り返される結果、本形態の電解コンデンサ1では、コンデンサ素子2内で発生した熱がコンデンサケース3の底面部31に効率よく伝わり、そこから放熱される。従って、同一のリップル電流を流したときは温度上昇が抑えられる。言い換えれば、許容される温度上昇が一定であれば、許容リップル電流値を大きくできる。また、パイプ状コア5は、両端が封口体4の側およびコンデンサケース3の底面部31の側にそれぞれ支持されていることから、ポリプロピレンなどの高分子固定材を用いずにコンデンサ素子2を固定することができる。その結果、コンデンサケース3の内部空間が広くなるので、内圧上昇を抑えることができる。また、高分子固定材を溶融炉内で加熱、溶融してコンデンサケース3内に注入した後、それを冷却するなどといった工程が不要である。しかも、高分子固定材を充填しない方が同一のリップル電流を流したときの温度上昇が低い傾向にある。
【0022】
さらに、電解コンデンサ1内にヒートパイプ6を配置するにあたって、パイプ状コア5の内部を利用しているため、ヒートパイプ6を内蔵させたとしても、コンデンサ素子2の形状などは従来のものと変わらない。従って、コンデンサ素子2を巻き取るための巻取り機は従来のもので十分対応できる。
【0023】
さらにまた、パイプ状コア5を封口体4の側およびコンデンサケース3の底面側にそれぞれ支持されている構成とするにあたっては、パイプ状コア5とコンデンサケース3の底面部31の側とは雌ねじ520とねじ軸35とからなる螺着機構を採用している。このため、長さ寸法が300mmを越えるような大型の電解コンデンサ1においてもコンデンサ素子2をコンデンサケース3内に確実に固定できる。また、コンデンサケース3の底面側に螺着機構を採用したため、パイプ状コア5を介してのコンデンサケース3の底面部31への熱伝達もよいという利点がある。
【0024】
[実施の形態2]
図5は、本形態に係る電解コンデンサの構造を模式的に示す縦断面図、図6(A)、(B)、(C)はそれぞれ、本形態に係る電解コンデンサに用いた封口体、コンデンサ素子、コンデンサケースの説明図である。
【0025】
図5および図6(A)、(B)、(C)に示すように、本形態に係る電解コンデンサ1も、実施の形態1に係る電解コンデンサと同様、陽極箔、陰極箔およびセパレータを巻回したコンデンサ素子2と、該コンデンサ素子2を収納した有底筒状のアルミニウム製のコンデンサケース3と、該コンデンサケース3の開放端側を塞ぐ合成樹脂製の封口体4とを有している。封口体4の外端面には外部端子41が構成され、この外部端子41の下端部(内部端子42)にはコンデンサ素子2から引き出された電極リード板21が電気的に接続されている。このような電解コンデンサ1も、放熱という面から封口体4を下向きに使用される。
【0026】
コンデンサ素子2は、陽極箔、陰極箔およびセパレータがアルミニウムなどの金属製パイプからなるパイプ状コア5を巻心として巻回され、このパイプ状コア5はコンデンサ素子2の中心部分に位置する。
【0027】
パイプ状コア5は、両端部51、52が封口体4の側およびコンデンサケース3の底面部31の側にそれぞれ支持されている。すなわち、封口体4の内面にはその中央部分に固定用突起44が形成されている。この固定用突起44は、側面が錐面で構成され、その先端部分がパイプ状コア5の一方の端部から内部に嵌まっている。一方、コンデンサケース3の底面部31はやや肉厚に形成され、その中央部分にはねじ穴38が形成されている。これに対して、パイプ状コア5の他方側端部52の外周面には雄ねじ521が形成され、この雄ねじ521の部分がケース底面のねじ穴38に螺着されている。
【0028】
また、本形態の電解コンデンサ1でも、パイプ状コア5の内部には、図4を参照して説明した液封式のヒートパイプ6が配置されている。
【0029】
従って、本形態の電解コンデンサ1でも、コンデンサ素子2内で発生した熱がコンデンサケース3の底面に効率よく伝わり、そこから放熱される。従って、同一のリップル電流を流したときは温度上昇が抑えられ、許容される温度上昇が一定であれば、許容リップル電流値を大きくできる。また、パイプ状コア5は、両端が封口体4の側およびコンデンサケース3の底面側にそれぞれ支持されていることから、ポリプロピレンなどの高分子固定材を用いずにコンデンサ素子2を固定することができるなど、実施の形態1と同様な効果を奏する。
【0030】
[実施の形態3]
図7は本形態に係る電解コンデンサの構造を模式的に示す縦断面図である。
【0031】
図7に示すように、本形態に係る電解コンデンサ1も、実施の形態1に係る電解コンデンサと同様、陽極箔、陰極箔およびセパレータを巻回したコンデンサ素子2と、該コンデンサ素子2を収納した有底筒状のアルミニウム製のコンデンサケース3と、該コンデンサケース3の開放端側を塞ぐ合成樹脂製の封口体4とを有している。封口体4の外端面には外部端子41が構成され、この外部端子41の下端部(内部端子42)には、コンデンサ素子2から引き出された電極リード板21が電気的に接続されている。このような電解コンデンサ1も、放熱という面から封口体4を下向きに使用される。
【0032】
コンデンサ素子2は、陽極箔、陰極箔およびセパレータがアルミニウムなどの金属製パイプからなるパイプ状コア5を巻心として巻回され、このパイプ状コア5はコンデンサ素子2の中心部分に位置する。
【0033】
パイプ状コア5は、両端部51、52が封口体4の側およびコンデンサケース3の底面部31の側にそれぞれ支持されている。すなわち、封口体4の内面にはその中央部分にねじ穴45が形成されている一方、パイプ状コア5の一方の端部51にはその内周面に雌ねじ510が形成されている。封口体4のねじ穴45を貫通するように止めたアルミニウムなどの金属製のボルト7は、軸部71がパイプ状コア5の内周面に形成した雌ねじ510に螺着している。これに対して、コンデンサケース3の底面部31において内側にはその中央部分にねじ軸35が起立している一方、パイプ状コア5の他方側端部52の内周面には雌ねじ520が形成され、この雌ねじ520にケース底面のねじ軸35が螺着している。
【0034】
また、本形態の電解コンデンサ1でも、パイプ状コア5の内部には、図4を参照して説明した液封式のヒートパイプ6が配置されている。
【0035】
さらに、本形態では、図7からわかるように、コンデンサケース3には、底面部31より外側に突出する放熱部8が形成され、この放熱部8は複数枚の放熱フィン81を備えている。
【0036】
このように構成した電解コンデンサ1でも、コンデンサ素子2内で発生した熱がコンデンサケース3の底面の側に効率よく伝わり、ケース底面部31、および放熱部8に形成した放熱フィン81から放熱される。従って、同一のリップル電流を流したときは温度上昇が大幅に抑えられ、許容される温度上昇が一定であれば、許容リップル電流値を大幅に大きくできる。また、パイプ状コア5は、両端部51、52が封口体4の側およびコンデンサケース3の底面側に螺着機構により固定されていることから、長さ寸法が300mmを越えるようなコンデンサ素子2であっても、ポリプロピレンなどの高分子固定材を用いずにコンデンサ素子2を確実に固定することができるなど、実施の形態1と同様な効果を奏し、かつ、その効果も大きい。
【0037】
なお、ケース底部に形成した放熱部8については、放熱フィン81を形成しておかずに、ユーザが電解コンデンサ1を機器に搭載する際に放熱部8に対して放熱フィン81を後付けする構成の他、機器のシャーシなど放熱効果を高める部材を放熱部8に連結してもよい。
【0038】
[その他の実施の形態]
図8(A)、(B)、(C)、(D)は、それぞれパイプ状コア5およびヒートパイプ6の説明図である。
【0039】
図8(A)に示すものは、図4を参照して説明したヒートパイプ6の筒状の容器61自身がパイプ状コア5になっている。従って、このヒートパイプ6を用いて陽極、陰極およびセパレータを巻回すれば、実施の形態1ないし3と比較して、ヒートパイプ6をパイプ状コア5に装着する工程を省くことができる。また、ヒートパイプ6の容器61はコンデンサ素子2に直接、接することになるので、コンデンサ素子2からヒートパイプ6への熱伝達がより向上する。
【0040】
図8(B)に示すものは、ヒートパイプ6をパイプ状コア5に嵌めた後、スウェージング加工により、ヒートパイプ6とパイプ状コア5とを一体化し、しかる後に、それを用いて陽極、陰極およびセパレータを巻回してコンデンサ素子を製造するタイプのものである。
【0041】
図8(C)に示すものは、パイプ状コア5を用いて陽極、陰極およびセパレータを巻回してコンデンサ素子2を製造した後、その内側にヒートパイプ6を嵌め込むタイプのものである。
【0042】
これらいずれのタイプのものでも、実施の形態1ないし3と同様、嵌め込み式、あるいは螺着式でパイプ状コア5(ヒートパイプ6)の両端を封口体4の側およびコンデンサケース3の底面部31にそれぞれ支持させることができる。
【0043】
図8(D)に示すものでは、図8(A)に示したものと同様、ヒートパイプ6の筒状の容器61自身がパイプ状コア5になっている。但し、その両端には小さな突起66、67が形成されている。このような構造の場合でも、その端部に雄ねじを形成すれば、螺着式で封口体4の側およびコンデンサケース3の底面部31の側にそれぞれ支持させることができる。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る電解コンデンサでは、コンデンサ素子中央のパイプ状コアは、両端が封口体側およびコンデンサケースの底面側にそれぞれ支持され、かつ、このパイプ状コアの内部には液封式のヒートパイプが配置されていることを特徴とする。従って、本発明によれば、コンデンサ素子内で発生した熱はヒートパイプを介してコンデンサケースの底面側から効率よく放出される。従って、同一のリップル電流を流したときは温度上昇が抑えられ、許容される温度上昇が一定であれば、許容リップル電流値を大きくできる。また、パイプ状コアは、両端が封口体側およびコンデンサケースの底面側にそれぞれ支持されていることから、ポリプロピレンなどの高分子固定材を用いずにコンデンサ素子を固定することができる。それ故、コンデンサケースの内部空間が広くなるので、内圧上昇を抑えることができる。また、高分子固定材を溶融炉内で加熱、溶融してコンデンサケース内に注入した後、それを冷却するなどといった工程が不要である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る電解コンデンサの構造を模式的に示す縦断面図である。
【図2】(A)、(B)、(C)はそれぞれ、図1に示す電解コンデンサに用いた封口体、コンデンサ素子、およびコンデンサケースの説明図である。
【図3】(A)、(B)はそれぞれ、図1に示す電解コンデンサに用いたパイプ状コアおよびヒートパイプの説明図である。
【図4】本発明に係る電解コンデンサに用いたヒートパイプの構造および原理を示す説明図である。
【図5】本発明の実施の形態2に係る電解コンデンサの構造を模式的に示す縦断面図である。
【図6】(A)、(B)、(C)はそれぞれ、図5に示す電解コンデンサに用いた封口体、コンデンサ素子、およびコンデンサケースの説明図である。
【図7】本発明の実施の形態3に係る電解コンデンサの構造を模式的に示す縦断面図である。
【図8】(A)、(B)、(C)、(D)はそれぞれ、本発明に係る電解コンデンサに用いることのできるヒートパイプの説明図である。
【図9】従来の電解コンデンサの構造を模式的に示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 電解コンデンサ
2 コンデンサ素子
3 コンデンサケース
4 封口体
5 パイプ状コア
6 ヒートパイプ
7 ボルト
8 放熱部
21 電極リード板
31 コンデンサケースの底面部
35 ケース底面のねじ軸
38 ケース底面のねじ穴
41 外部端子
42 内部端子
44 固定用突起
45 封口体のねじ穴
61 ヒートパイプの容器
81 放熱フィン
510 パイプ状コアの端部の雌ねじ
520 雌ねじ
521 パイプ状コアの端部の雄ねじ
Claims (7)
- 陽極箔、陰極箔およびセパレータをパイプ状コアを中心に巻回したコンデンサ素子と、該コンデンサ素子を収納した有底筒状のコンデンサケースと、該コンデンサケースの開放端側を塞ぐ封口体とを有するアルミニウム電解コンデンサにおいて、
前記パイプ状コアは、一方側端部が螺着機構によって前記コンデンサケースの底面に固定された状態で、他方側端部が前記封口体側に支持されているとともに、
当該パイプ状コアの内部には、作動液が真空封入された液封式のヒートパイプが配置されていることを特徴とするアルミニウム電解コンデンサ。 - 請求項1において、前記パイプ状コアは、前記他方側端部も前記封口体側に螺着機構により支持されていることを特徴とするアルミニウム電解コンデンサ。
- 請求項1または2において、前記ヒートパイプは、前記パイプ状コアと一体に構成されていることを特徴とするアルミニウム電解コンデンサ。
- 請求項1または2において、前記パイプ状コアは、前記ヒートパイプの筒状の容器自身であることを特徴とするアルミニウム電解コンデンサ。
- 請求項1ないし4のいずれかにおいて、前記ヒートパイプは、端部が前記コンデンサケースの底面部近傍に位置することにより、該ケース底面部に対して放熱するように構成されていることを特徴とするアルミニウム電解コンデンサ。
- 請求項1ないし4のいずれかにおいて、前記コンデンサケースは、該ケース底面部より外側に突出する放熱部を備えていることを特徴とするアルミニウム電解コンデンサ。
- 請求項6において、前記放熱部は、放熱フィンを備えていることを特徴とするアルミニウム電解コンデンサ。
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