JPS5919702Y2 - 水砕製造設備 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、各種溶鉱炉から産出する高温（約１５００°
Ｃ）の溶融スラグに対し大量の水を噴射して砂状スラグ
（水砕という）を作る水砕製造設備に関する。

従来の水砕製造設備は第１図に示すように溶鉱炉より副
成流出する約１５００°Ｃの高温溶融スラグ流が樋を通
って吹製函１に入り、ここで多量の噴射水と接触して破
砕冷却され、更に攪拌槽２に導入されるようになってい
る。

約３ｍｍ以下の粒径に破砕冷却された水砕粒子は水中で
沈降し槽底に達し、濃縮スラリーの形でポンプ３によっ
て揚水され分配槽４を経由して脱水槽５内へ流入する。

攪拌槽２の余水は溢水して樋中を流送されて沈降槽・６
へ流入する。

脱水槽に入った水及び水砕の混合スラリーはここで水は
槽壁に設けられた脱水網７を通り、樋８を経由して集水
樋９に集約され、沈降槽６内に収容され、更にその溢流
は温水槽１０に流入する。

温水槽内の水温は約７０°Ｃ〜９０’ Ｃで高温度であ
る。

なお、ポンプ１１及び冷却塔１２を経て５０°Ｃ程度ま
で冷却されて冷水槽１３に流入する。

この氷はポンプ１４によって揚水されて再び吹製函１へ
循環使用される。

従って、温水槽１０及び冷水槽１２は循環水のための溜
めの役目を果している。

沈降槽６内に沈降した微粒子はポンプ１５により分配槽
４まで揚水され、水砕スラリーと合流する。

このような運転が炉からの出滓が完了するまでの時間（
例えば３０分〜１時間）続行される。

出滓完了後は水の循環は直ちに停止されるが、脱水槽５
内に溜った水砕は引続き脱水されるので、脱水は引続き
集水樋９及び沈降槽６を経由して温水槽１０に戻される
。

所定時間経過後、脱水完了した水砕は脱水槽底に設けら
れた切出し弁１６から例えばトラック上に排出積込まれ
る。

このようにして１回の出滓に対する運転サイクルは終了
するが、１日７〜１２回この様な運転サイクルが繰返さ
れる。

この間、水は一部の蒸発損失分以外は終始循環して使用
されるためスラグの成分が水に溶は込み、循環水は高ア
ルカリ性（ｐＨ９〜１０）であり且つ相当に高い硫黄酸
化物を含む汚水であり、系外へ流出することは厳に避け
なければならない。

従来の水砕設備は水の循環中沈降槽７で沈降不能の微粒
子は温水槽１０及び冷水槽１３の底に時間の経過と共に
沈澱累積される。

通常１〜２ケ月に１回この沈澱物を除去しなければ運転
続行できないため、この水を系外に出して温水槽及び冷
水槽を空にして沈澱物を除去している。

本考案はこの汚水を系外に出さずに系内に移動貯水して
前記槽内の沈澱物の除去作業を行ない得る水砕製造設備
を提供することを目的とする。

第２図及び第３図は本考案による水砕製造設備の一例を
示す概略系統配置図及び側面図である。

図中、第１図と同じ符号は第１図の装置と同様の構造を
有し且つ同様の作用をする装置を指示している。

前記した例におけるように、攪拌槽２からの濃縮スラリ
ーは分配槽４によってそれぞれの脱水槽２０へ分配され
る。

それぞれの脱水槽２０は第４図に示すように分配槽４か
らの流入樋２１及び受は皿２２を介して導入された水と
砂状物質の混合物は脱水槽中に投入されるが、槽の周壁
面２３には脱水金網は全く装着されておらず、脱水金網
２４及び２５は槽下部にのみ集約して装着されており、
その網面積は従来の脱水槽のそれに比較して約１０分の
１以下である。

金網２４は図示したように槽下部の逆円錐部２６の下方
に角筒又は円筒の形で分割して装着されており、また金
網２５は最下部の絞り部分２７に図示したように装着さ
れている。

このような構成により、槽内の砂状物質の層より浸透落
下する水は金網２４及び２５を通りそれぞれの排水管２
８を通って外部へ排水される。

脱水完了後の砂状物質は圧縮空気作動シリンダ２９によ
って開閉動作する切出し弁３０を通って外部へ排出され
る。

上部脱水金網２５は外壁３２によって囲まれており、外
壁３２と金網２４との間の空間は集水空間３１を構成し
ている。

また、外壁３２の周囲には環状主管３３があり、外部の
水源より圧力水がこの主管３３に給水されるようになっ
ている。

主管３３からは円周を数分割にした岐管３４が設けられ
ており、その先端に圧力水噴射ノズル３５が装着されて
いる。

槽が砂状物質を排出して空になった時、圧力水上弁３６
を開いて数分間ノズル３５より水を噴射することにより
金網２４の微粒子による目づまりは完全に除去すること
ができる。

また、脱水槽の上部周辺には溢流樋３７が設けられてお
り、砂状物質層の上にたまる上澄水を溢流させて系外へ
排出する。

上記した構成により、この脱水槽では、砂状物質層内の
水は粒子の間を通って重力により下方へ落下していくが
、その層内を浸透する水量は粒子間の空隙及び層の厚さ
などにより構成される濾過抵抗によって決まるものであ
って、網面積に支配されるものではない。

従って、自然に浸透してくる水を妨げずに網を通して外
部へ排出し得るに充分な網面積を保持できれば充分であ
り、従来の脱水槽の網の面積の約ＩＯ分の１以下の網を
設けるだけで充分な脱水効果を上げると共に網の目づま
り除去を容易に行なうことができ、また排水管２８の遮
断弁３８及び切出し弁３０を全て閉じることによって脱
水槽２０内の内容物を貯溜することができる。

脱水槽２０で脱水された水は弁３８から集水樋９を通っ
て温水槽４０へ送られる。

温水槽４０は冷水槽４１と共に１つのコンクリートタン
ク４２の中に中間壁４３に仕切られて形成されている。

タンク４２には１つの集泥機４４が設けられており、槽
４０及び４１の底に沈澱するスラッジを一方へ掻集めて
ポンプ４５によりこれを分配槽４まで圧送するようにな
っている。

槽４０及び４１中の循環水はポンプ１４存び３を使用し
て短時間の間に全て貯水可能の脱水槽２０へ送水して貯
溜され、槽４０及び４１を空にすることができる。

温水槽４０、冷水槽４１に沈澱したスラグは、集泥機４
４によって、一方向へかき集められ、排泥ポンプ４５、
又は給水ポンプ１４によって取出され処理されるため、
この限りでは、槽４０．４１を空槽にする必要は生じな
い。

しかしながら木枠設備の循環水中に混入するスラグはＣ
ａＯ９ＳｉＯ２，Ａｌ２Ｏ３等を主成分とする高炉スラ
グめ微粒子である。

この水枠スラグは潜在水硬性を有するため、高炉セメン
ト用原料として利用される程水和反応性に富み、特に水
温が５０〜９０°Ｃもある槽４０．４１内では、その反
応が１走進されるため、槽４０．４１の底部、側壁部、
ポンプのサクションウェル、集泥機４４の水中浸漬部等
に固着、堆積し、設備の正常な運転を阻害することにな
る。

かかる状態に到った時、高炉から排出される溶融スラグ
の処理を円滑にするためには、槽４０．４１内部の固着
、堆積物を速やかに除却する必要が生じ、槽４０．４１
内の貯水を排出及び再び貯水することを、迅速に行なわ
なければならない。

その外、集泥機４４の水中浸漬部分の故障修繕時にも、
同様な要求が生ずる。

また、木枠設備で用いた循環水はＳＳ分Ｃａ＋＋、５Ｏ
２−が高く、系外へ排出するためには、水処理量が膨大
となるため、中々困難である。

このような状況の下で本考案の設備が効力を発揮する。

脱水槽２０（通常２つから４つ）の合計容量を槽４０及
び４１の合計容積よりやや大きく選定しておけば上記操
作は簡単にできる。

例えば通常の４０００ｍ３の高炉の場合、温冷水槽の合
計容積は１２００〜１６００ｍ３でポンプ能力は少なく
とも１８００ｍ３／ｈを有しているので４５分〜６０分
でこの操作を完了することかで゛きる。

以上の如く、本考案によれば、温冷水槽内の水を一時的
に脱水槽内に移して温冷水槽を空にすることか゛できる
ので、汚水を系外に排出することなく系内に保持したま
まで温冷水槽内のスラッジ除去作業及び集泥機の保守点
検作業を行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の水砕製造設備の一例の概略系統配置図で
あり、第２図は本考案にょる水砕製造設備の一例の概略
系統配置図であり、第３図はその側面図であり、第４図
は第２図及び第３図の設備の部分の拡大図である。 １・・・・・・吹製函、２・・・・・・攪拌槽、４・・
曲分配槽、９・・・・・・集水樋、２０・曲・脱水槽、
２４．２５・・間脱水金網、３１・・・・・・集水空間
、３２・・・・・・外壁、４ｏ・・曲温水槽、４１・・
・・・・冷水槽。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 分配槽から水砕を受入れて水砕を脱水するための複数の
   脱水槽と、前記脱水槽からの脱水を集水樋を通して受け
   る温水槽と、前記温水槽から冷却されて流入する水を受
   ける冷水槽と、前記冷水槽の水を吹製函へ戻す循環水戻
   し流路とを有する水砕製造設備において、前記脱水槽の
   周囲が水封壁構造になっており、その下方の小径筒状部
   分内にその周壁に沿って且つそれより内方へ離隔して網
   面を設けて前記周壁及び前記網面の間に集水空間樋を形
   成し、前記集水空間及び前記温水槽の間を遮断弁を設け
   た集水樋で連通し、前記温水槽の水を前記分配槽へ圧送
   する装置を設けるとともに前記温水槽冷水槽に集泥機を
   配し、且つ前記脱水槽の容積が前記温水槽及び前記冷水
   槽の合計容積より大きいことを特徴とする水砕製造設備
   。