JPS5918813Y2 - ケ−ブル把持具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は通信ケーブル等のケーブルを布設または撤去
する際に、ケーブルをけん引するためにケーブルを把持
する把持具に関するものである。

従来、ケーブルをけん引するための装置として第１図に
示すように、機枠１に取付けた主油圧シリンダ２のロッ
ド２ａの先端部に移動ブロック３を固着するとともに、
この移動ブロック３に副油圧シリンダ４を主油圧シリン
ダ２と逆向きに取付け、さらにこの副油圧シリンダ４の
ロッド４ａの先端部に第２の移動ブロック５を前記移動
ブロック３と平行となるよう取付け、そして金属線を筒
状に編組してなるネット６の両端部に設けた支持環７ａ
、７ｂを前記移動ブロック３，５に取付けた構成のもの
が知られている。

このようなけん引装置においては、副油圧シリンダ４を
動作させれば、ネット６が長手方向に伸長すると共にそ
の径が縮小することによりネット６がケーブル８を全体
的に把持し、この状態で主油圧シリンダ２を動作させれ
ば、ネット６が移動ブロック３，５と共に移゛動するか
ら、ケーブル８をけん引することができる。

ところで従来、上記のようなけん引装置に使用するネッ
ト６としては、その金属線の端部を支持環７ａまたは７
ｂに溶接して固着したものが一般に用いられて”いるが
、このようなネット６にあっては溶着の際に金属線が相
馬高温にまで加熱されることにより金属線の抗張力が局
部的に低下し、その結果ケーブル８を繰返しけん引して
いる間にネット６の端部が早期に破断するなどの問題が
あった。

また、ネット６およびその支持環７ａ、７ｂはけん引す
べきケーブル８の径に合ったものを使用する必要がある
が、従来の支持環７ａ、７ｂは移動ブロック３，５に対
する着脱を確実に行なうことができるように特には構成
されておらず、ネット６の交換作業が面倒であるなどの
問題があつた。

この考案は上記の問題を有効に解消することのできるケ
ーブル把持具を提供することを目的とするものである。

以下この考案の実施例を第２図ないし第５図を参照して
説明すると、第２図はこの考案の一実施例を一部省略し
て示す側面図であって、符号１０はネットを示し、ネッ
ト１０の長平方向両端部に金属製の支持環１１ ａ、
１１ ｂが取付けられている。

各支持環１１ ａ、 １１ ｂの外周面中央部には全周
に亘って保合部として凹溝１２ａ、１２ｂが形成されて
おり、この凹溝１２ａ、１２ｂにケーブルけん引機にお
ける移動ブロック（それぞれ図示せず）に形成した凸状
部１３ａ、１３ｂを嵌め込むことにより、支持環１１
ａ、 １１ ｂを移動ブロックに着脱自在に取付けるよ
うになっている。

また、各支持環１１ ａ、 １１ｂには凹溝１２ａ、１
２ｂを形成するに伴って形成される鍔部に、第３図に示
すように多数の細孔１４ａ、１４ｂがそれぞれ穿設され
、さらに第２図における右側の支持環１１ ｂの外周面
にはその細孔１４ｂに連通する多数の凹部１５が形成さ
れている。

ところで、前記ネット１０は鋼線またはステンレス線等
の比較的高い抗張力を有する金属線１０ａ。

１０ ｂ、 １０ Ｃ，１０ｄを、筒状にかつ中心軸線
すなわちケーブル１６に斜行するように編組してなるも
のであって、ネット１０はその各金属線１０ａ、１０ｂ
、・・・を第２図における左側の支持環１１ ａの細孔
１４ ａに挿通して係合させることによりその支持環１
１ ａに取付けられており、また各金属線１０ａ。

１０ ｂの端部を他方の支持環１１ ｂの細孔１４ ｂ
に挿通するとともにその凹部１５に突出させ、かつその
突出した端部に金属片１７をがしめて固着することによ
り抜止めし、もってネット１．０の他方の端部が第２図
における右側の支持環１１ ｂに取付けられている。

なお、金属片１７としては、第５図に示すように二つ折
りした金属板、金属製円管または矩形管、切起こし部を
有する金属板等適宜のものを、使用することができる。

なお、第２図中符号１８はケーブル１６の急激な屈曲を
防止するために支持環１１ ｂの開口部上端に設けた案
内片である。

しかして、上記構成の把持具は各支持環１１ａ。

１１ ｂをけん引機の移動ブロックに取付け、各移動ブ
ロックと共に支持環１１ ａ、 １１ ｂが相対的に離
間してネット１０を伸長することによりネット１０の径
が縮小し、その結果ネット１０がその内部に挿通された
ケーブル１６を把持し、また逆に各支持環１１ ａ、
１１ ｂを相対的に接近させてネット１０を短縮させる
ことによりネット１０の径が拡大し、その結果ネツ）
１０によるケーブル１６の把持が解除される。

なお、上記実施例では第２図の右側の支持環１１ｂに対
するネット１０の取付は構造を、金属線１０ａ、１０ｂ
・・・の端部に金属片１７をがしめて固着する構造とし
たが、この考案においては第２図の左側の支持環１１
ａに対するネッ） １０の取付は構造も金属片を用いた
上記取付構造としてもよいことは勿論である。

以上の説明で明らかなようにこの考案のケーブル把持具
によれば、ネットを構成する金属線の端部を少なくとも
一方の支持環の側面がらその外周面に貫通させ、かつ貫
通した端部に金属片をがしめて固着し、もってネットを
支持環に取付けた構成としたから、従来の溶接によりネ
ットを支持環に取付ける構造とは異なりネットの抗張力
が低下するようなことはなく、したがってケーブルをけ
ん引している間にネットが破断するなどの不都合を防止
することができ、また支持環の外周面に保合部として凹
溝を形成し、この凹溝を介して支持環を例えばケーブル
けん引機の移動ブロックに着脱自在に取付けるようにし
たから、着脱操作を確実かつ迅速に行なうことができる
。

【図面の簡単な説明】

第１図はケーブルけん引機の略解側面図、第２図はこの
考案の一実施例を示す一部省略した側面図、第３図は第
２図のＩＩＩ−ＩＩＩ線矢視図、第４図は第２図のＩＶ
−ＩＶ線矢視断面図、第５図は金属片の例を示す斜視図
である。 １０・・・ネット、１０ ａ、 １０ ｂ、 １０ Ｃ
，１０ｄ・・・金属線、１１ ａ、 １１ ｂ−・・支
持環、１２ ａ、 １２ ｂ・・・凹溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ケーブルを囲繞し得るよう金属線を筒状に編組したネッ
   トの両端部に金属製支持環を取付けたケーブル把持具に
   おいて、少なくとも一方の支持環の外周面の全周に亘っ
   て凹溝を形成するとともに、前記金属線の端部を前記支
   持環にその側面から外周面に貫通させかつその貫通させ
   た端部に金属片をかしめて固着することにより前記金属
   線を支持環に係合させてなるケーブル把持具。