JPS5918527Y2 - 紙幣鑑別装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は紙幣両替機、自動預金機あるいは紙幣を用いる
ことができる自動販売機等の紙幣取扱い装置における紙
幣鑑別装置に関する。

紙幣鑑別装置における紙幣の鑑別手段として、紙幣をそ
の長手方向に複数個の区域に区分けし、この紙幣区域の
各々の特徴要素を特徴検出センサで検出すると同時にこ
れらの各検出信号を前記各々の区域に対応する判定回路
で弁別し、それぞれの判定回路の総合弁別信号に基づい
て真偽鑑別を行うことが知られている。

そして、この種の紙幣鑑別装置では同期電動機を駆動源
とする紙幣の搬送機構を有し、この搬送機構による紙幣
の搬送中に前記紙幣の複数個の区域が所定の特徴検出セ
ンサ位置に達する毎に例えば前記判定回路のゲートを開
いて特徴検出センサからの検出信号を判定回路で弁別し
ている。

ところで前記判定回路のゲートを開くゲートパルスとし
てのタイミングパルス信号は紙幣の複数個の区域が特徴
検出センサ位置に達する毎に発生させねばならない。

このようなタイミングパルス信号を得る従来装置として
は次のようなものがある。

すなわち、紙幣の搬送路に多数の紙幣の位置検知用セン
サを配置し、これらの位置検知用センサの出力に基づい
てタイミングパルス信号を形成するようにした装置、あ
るいは１個の位置検知用センサの出力を入力とする多数
のタイマー回路を有し、この各々のタイマー回路の出力
に基づいてタイミングパルス信号を形成する装置がある
。

この従来装置のうち前者の装置においては、各々の位置
検知用センサの出力に基づいてタイミングパルス信号が
形成されるので、搬送機構による紙幣の搬送速度に係わ
りなく紙幣の複数個の区域が特徴検出センサ位置に達す
る毎に正確なタイミングパルス信号を形成することがで
きる。

しかしながら、この装置では紙幣の区分される区域の数
に相当する位置検知用センサが必要で、位置検効用セン
サが発光ダイオードとフォトトランジスタ等からなる光
センサの場合には光路合せ等の調整に長時間を必要とす
る。

また位置検知用センサがマイクロスイッチの場合には紙
幣搬送路のスペース上の問題から配置できる位置検知用
センサの数が限られ、特に多金種の紙幣の真偽鑑別を行
うことができるようにするために紙幣を多数の区域に区
分しなければならないような場合には位置検知用センサ
の配置が非常に困難となる欠点を有する。

更に位置検知用センサの数が多くなるに従い故障の発生
する割合が多くなり信頼性が悪く管理が面倒である欠点
を有する。

このような点に関し前記従来装置の後者の装置、すなわ
ち１個の位置検知用センサの出力を入力とする多数のタ
イマー回路を有し、各々のタイマー回路の出力に基づい
てタイミングパルス信号を形成する装置では、ただ１個
の位置検知用センサのみで良いことから前記の種々の問
題点は解決できる。

しかしながら、この装置ではタイミングパルス信号の発
生時期がタイマー回路の限時時間によって定められるの
で、搬送機構による紙幣の搬送速度に速度差が生じると
、例えば地域による電源周波数（５０Ｈｚ、 ６０Ｈｚ
）の相違によって、最早正確なタイミングパルス信号を
得ることができない欠点を有する。

また、紙幣の搬送に応じた同期パルスを得る従来装置と
して特開昭４８−５０７９８号公報（発明の名称：紙幣
投出機の投出紙幣判別方法）に記載された装置が知られ
ている。

この装置は１対のホイール間に紙幣を搬送するコンベア
を巻き掛け、ホイールを回転させることによりコンベア
を駆動して紙幣を搬送するものであって、紙幣の搬送に
応じた同期パルスの発生手段は前記ホイールの周縁部に
設けた突出子または孔と、この突出子または孔を検出し
て検出信号を発生する近接スイッチまたは光学センサに
より構成されている。

この装置は紙幣の搬送に応じた同期パルスを得るという
点では興味深い。

しがしながら、この装置を用いて紙幣の鑑別面を複数の
区域に区分けしようとすると次のような問題が生じる。

すなわち、紙幣の鑑別面を精度良く区分けしようとする
と紙幣の単位移動距離当りの同期パルス数が多くなけれ
ばならないのに対し、前記装置ではコンベアを駆動する
ホイールに突出子または孔が設けられているために突出
子または孔の数をそれ程多くすることができず紙幣の単
位移動距離当りの同期パルスの数が少ない。

紙幣の単位移動距離当りの同期パルスの数が少ないとい
うことは紙幣の鑑別面の区分けの精度が低下するばかり
か、紙幣の鑑別面を区分けするには同期パルスをカウン
ターで計数するのが一般的であるが、この同期パルスを
計数するカウンタの計数開始時点を定める紙幣検知セン
サが紙幣を検知したとき同期パルスが発生しているが否
かによりカウンタの計数値が異なるので紙幣の鑑別面の
区分は位置にもずれを生しるという欠点を有する。

そこで本考案の目的はこのような従来装置の欠点を除去
することにあり、紙幣の搬送速度に応じて紙幣の区域に
一致した正確なタイミングパルス信号を得ることのでき
る装置を提供することにある。

この目的は本考案によれば、紙幣挿入口より挿入された
紙幣を搬送する紙幣搬送機構と、この紙幣搬送機構の駆
動源としての電動機と、前記紙幣搬送機構により搬送さ
れる紙幣の特徴要素を検出する特徴検出センサと、前記
電動機の出力軸に連結され当該電動機の回転数に比例し
たパルス信号を発生するクロックパルス発生回路と、こ
のクロックパルス発生回路から送出されるパルス信号に
応じて前記紙幣搬送機構により搬送される紙幣の鑑別面
を複数の区域に分割するタイミングパルス発生回路と、
このタイミングパルス発生回路がら送出されるタイミン
グパルス信号に応じて、分割された紙幣の鑑別面の複数
区域における前記特徴検出センサからの検出信号を弁別
する判別回路およびこの判別回路の出力にもとづいて紙
幣全体の真偽判別を行なう総合判別回路を具備すること
により達成される。

前記クロックパネル発生回路としてはタコジェネレータ
を利用することができる。

このような本考案によれば、電動機の回転数に対して（
歯車機構により）減速された紙幣搬送機構によりクロッ
クパルスを得るのではなく、クロックパルスを電動機の
出力軸より取り出すことにより紙幣の単位移動距離当り
のクロックパルス数を多くすることが可能で、紙幣の搬
送速度に応じて正確なタイミングパルス信号を得ること
ができるので、紙幣の真偽別精度の向上を計れ信頼性が
良く、管理上好適な装置を提供できる。

次に本考案の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する
。

図は本考案の一実施例を示すブロック図である。

図において、１は電動機で紙幣の搬送を司どる図示しな
い紙幣搬送機構の駆動源である。

紙幣搬送機構は周知のとうり、紙幣鑑別装置の挿入口に
挿入された紙幣を鑑別位置に搬送する搬送ベルト等を有
し、電動機１から歯車機構を介して搬送ベルトに駆動力
が伝達され、この搬送ベルトの紙幣搬送速度は電動機１
の回転速度に比例している。

２はタコジェネレータを有するクロックパルス発生回路
としてのクロックパルス発生器で、永久磁石の磁場内を
電動機１の出力軸に固定された回転子が回転することに
よりその回転速度に比例した電圧を生じるタコジェネレ
ータを備え、このタコジェネレータの出力電圧を整流・
波形整形し前記電動機１の回転速度に比例したクロック
パルスを発生する。

３はタイミングパルス発生回路で、例えばカウンタ回路
からなり前記クロックパルス発生器２からのクロックパ
ルスを計数し、この計数値が所定の計数値に達する毎に
タイミングパルス信号この場合にはゲートパルス信号を
送出する。

４は判別回路で、紙幣の複数個の区域に区分された区域
数と同一の検定回路を備えている。

そして、この検定回路はゲート回路を有し、このゲート
回路が開かれることにより特徴検出センサ６の出力信号
が与えられるとともにその出力信号例えばパルス信号の
計数値が所定の範囲内であるか否かまたは基準値と一致
するか否かの検定を行なう。

５は総合判定回路で、アンド素子、オア素子等の論理回
路からなり判定回路４の各検定出力を論理処理して真偽
鑑別結果信号を端子７に送出する。

６は特徴検出センサで、例えば磁気センサあるいは光学
センサ（発光ダイオード・フォトトランジスタ等）から
なる。

前記電動機１の出力軸はクロックパルス発生器２に備え
られたタコジェネレータと連結され、その電動機１の回
転速度はタコジェネレータで検出される。

タコジェネレータで検出された電動機１の回転速度、す
なわち電動機１の回転速度に比例して生じる電圧は整流
・波形整形されてクロックパルスに変換される。

このようにクロックパルス発生器２で生じる電動機１の
回転速度に比例したクロックパルスはタイミングパルス
発生回路３に与えられる。

タイミングパルス発生回路３は前記クロックパルスを計
数し、この計数値が紙幣の複数個の区域に区分けされる
区域に応じて決定される所定の計数値に達する毎にゲー
トパルス送出端子３１□、３１□、・・・・・・３１
ｎよりゲートパルスを送出する。

この場合、ゲートパルス送出端子の数は紙幣の区分けさ
れる区域がｎ区域であると少なくともｎ個の端子数を必
要とする。

前記ゲートパルス送出端子３１１〜３１ ｎは判別回路
４と接続されるが、その場合それぞれのゲートパルス送
出端子は各検定回路のゲートに接続されている。

また、判別回路４には特徴検出センサ６の出力信号が（
図示しない増幅整形回路を介して）供給され、該特徴検
出センサ６の出力信号は前記各検定回路のゲートが開か
れると検定回路に与えられ、その出力信号が所定の範囲
内にあるか否かまたは基準値と一致するか否かの検定が
行なわれる。

そして判定回路４の出力、すなわち判定回路４内の各検
定回路の出力４１，４２・・・４ｎは総合判別回路５に
供給され、この総合判別回路５では各出力を論理処理し
、例えば判別回路４からの出力のうち一つでも「偽」信
号があれば端子７に「偽」信号を送出する。

この端子７からの信号は電動機１の駆動回路に供給され
ており、端子７から出力される真偽鑑別結果が「偽」の
場合には電動機１に逆転指令が与えられる。

次に動作について以下に説明する。

図示しない紙幣挿入口から紙幣が挿入され紙幣の挿入状
態を検知する位置検知センサが紙幣を検知することによ
り電動機１は回転を開始する。

この電動機１０回転により紙幣は紙幣鑑別機内に引込ま
れて搬送される。

そして電動機１の回転開始とともにクロックパルス発生
回路２では電動機１の回転速度に比例したクロックパル
スを発生し、このクロックパルスをタイミングパルス発
生回路３に供給する。

この場合タイミングパルス発生回路３は紙幣が特徴検出
センサ６の位置に達したときから計数を開始する。

タイミングパルス発生回路３では前記クロックパルスを
計数するが、その場合にその計数値により紙幣の搬送速
度と比例して移動する紙幣が所定位置に達したか否かを
検知できる。

従ってその計数値が予しめ定められた計数値に達する毎
にゲートパルスをゲートパルス送出端子３１□、３１□
・・・３１ ｎから送出する。

前記子しめ定められる計数値は紙幣を何区域に区分けし
て真偽を鑑別するかによって異なる。

また、ゲートパルスは、例えばクロックパルスの計数値
が１０だけ増加する毎にゲートパルスを発するように構
成したと仮定すれば、計数値が１０に達すると第１のフ
リップフロップをセットし、次に計数値が２０に達する
と第１のフリップフロップをリセットするとともに第２
のフリップフロップをセットするようにし、その第１の
フリップフロップ ス送出端子３１□とすることにより容易にゲートパルス
を得ることができる。

タイミングパルス発生回路３の計数値が所定の計数値に
達する毎にゲートパルス送出端子からゲートパルスが判
別回路４に与えられる。

判別回路４は紙幣の区分けされた区域数に対応する数の
検定回路を有し、この検定回路が対応するゲートパルス
によりゲートを開成される。

また判別回路４は紙幣の特徴要素を抽出する特徴検出セ
ンサ６からの出力信号が与えられている。

今例えば成る検定回路のゲートが開成されたとすると、
このゲートを介して前記特徴検出センサ６からの出力パ
ルス信号が検定回路に与えられ、この出力信号例えばパ
ルス信号の計数値が所定の範囲内にあるか否かが検定さ
れる。

このようにして、判別回路４ではゲートパルスが与えら
れる毎に紙幣の区域に応じてその特徴要素の検定を行な
い、その検定結果信号を総合判別回路５に送出する。

この総合判別回路５では判別回路４がら検定結果信号例
えば論理信号”ＩＪ ”ＯＪ （論理信号「０」を「偽
」と仮定する）が供給される毎に論理処理し、もし論理
信号「０」が供給されると直ちに端子７に「０」信号を
送出する。

以上のような本考案によれば、電動機の回転速度に対し
て減速歯車機構により減速された紙幣搬送機構によりク
ロックパルスを得るのではなく、このクロックパルスを
紙幣搬送機構の駆動源としての電動機の出力軸より得る
ようにしたので、紙幣の単位移動距離当りのクロックパ
ルス数を多くすることが可能で紙幣の搬送速度に応じて
紙幣の区域に一致した正確なタイミングパルス信号を得
ることのできる利点を有する。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示すブロック図である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 紙幣挿入口より挿入された紙幣を搬送する紙幣搬送
   機構と、この紙幣搬送機構の駆動源としての電動機と、
   前記紙幣搬送機構により搬送される紙幣の特徴要素を検
   出する特徴検出センサと、前記電動機の出力軸に連結さ
   れ当、該電動機の回転数に比例したパルス信号を発生す
   るクロックパルス発生回路と、このクロックパルス発生
   回路から送出される信号に応じて前記紙幣搬送機構によ
   り搬送される紙幣の鑑別面を複数の区域に分割するタイ
   ミングパルス発生回路と、このタイミングパルス発生回
   路から送出されるタイミングパルス信号に応じて分割さ
   れた紙幣の鑑別面の複数区域における前記特徴検出セン
   サからの検出信号を弁別する判別回路およびこの判別回
   路の出力にもとづいて紙幣全体の真偽判別を行なう総合
   判別回路を具備することを特徴とする紙幣鑑別装置。 ２ 実用新案登録請求の範囲第１項記載の紙幣鑑別装置
   において、前記クロックパルス発生回路は電動機の出力
   軸に連結され回転子の回転速度に比例した交流電圧を発
   生するタコジェネレータであることを特徴とする紙幣鑑
   別装置。