JPS5918392Y2 - 擬似振り子時計 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、擬似振り子時計すなわち振り子が時間精度に
全く関与せずに単に装飾的な意味しか持たない形式の振
り子時計に関する。

この種の擬似振り子時計は従来より既に公知であって、
振り子は指針を運針せしめる時計機構と独立した振り手
駆動手段によってその往復揺動が維持される。

この場合時計機構の動力源としては時間精度が良好でか
つ連続的に回転する駆動手段、例えば水晶発振器や機械
振動子によってそれぞれ回転同期速度が制御される小型
モータや磁気脱進機などを使用することが多い。

しがしながら上記の如く構成すると、見かけ上は振り子
時計であるのに秒針は滑らかに連続的に回転するために
、奇異な感じを与えてしまう欠点があった。

このために、かかる擬似振り子時計では殆んどが２針式
であった。

本考案による擬似振り子時計は、時針と分針とを時間精
度が良好な時計機構によって運針せしめ、秒針のみが振
り子の動きの関係的に間欠回転するようにし、前記の欠
点を除去したものである。

以下図面に示す本考案の一実施例について説明する。

第１図において、１，２，３．４はそれぞれ地板である
。

地板１，２．３の間に以下の時計輪列機構Ａが組込まれ
ている。

時計機構Δは、時計用の連続回転モータ、三番車６．三
番車７．四番車８沖間車９９分針車１０、日の裏車１１
１時針車１２によって構成されている。

四番車８は、６０秒で１回転するものであって、本来な
らば秒針車と称すべきものであるが、本考案による擬似
振り子時計では四番車８がガンギ軸１３に対して回転自
在に嵌合されている。

分針車１０は、互いに摩擦結合する分針歯車１０ ａと
分針カナ１０ ｂとで構成されている。

分針カナ１０ ｂおよび時針車１２にはそれぞれ分針パ
イプ１０ Ｃおよび時針パイプ１２ ａが一体に形式さ
れている。

そしてガンギ軸１３２分針パイプ１０Ｃ９時針パイプ１
２ ａのそれぞれの先端に秒針１４９分針１５９時針１
６が圧入されている。

つぎに地板２，４間に組込まれている振り子装置Ｂにつ
いて説明する。

地板３から一体にベラ真ホルダ１７が形成されており、
このベラ真ホルダ内に、ペラ１８を挟着したベラ真１９
が挿入されている。

ペラ１８の下端には振ザオ体２０が固着してあり、その
下端部に設けられているフック部２０ ａに振り子（図
示せず）が掛けられる。

振ザオ体２０の往復揺動運動を持続させるための振り手
駆動装置２１は、地板３，４間に支承したアンクル真２
２と、このアンクル真に固着したアンクル体２３および
アンクル足２４．アンクルピン２５．２５が係合するガ
ンキ歯車２６．ゼンマイ２７とからなるものであって、
周知のアンクル式脱進機構と同じである。

しかしこの機構は時間精度を決定するものではなく、こ
の点については後の動作説明において明確にする。

アンクル足２４と振ザオ体２０は、アンクル足２４に突
設したピン２４ ａが振ザ第２０に穿設された長溝２０
ａに嵌合することによって、両者が関連揺動するよう
になっている。

またガンギ歯車２６は筒体２８に固着してあり、この筒
体がガンギ軸１３に固着されている。

すなわちガンギ歯車２６と秒針１４とは全く同じ回転運
動を行う。

筒体２８に巻回したゼンマイ２７の一端は、ガンギ歯車
２６に係止され、その他端が以下の伝達奏上機構によっ
て巻上げられる。

すなわち、ゼンマイ２７の他端が係止するピン２９を植
設した回転部材３０と伝達軸３１が共に秒針軸１３に回
転自在に遊嵌している。

回転部材３０と伝達歯車３１は、スリップバネ３２を介
して所定のスリップトルクをもって結合しており、伝達
歯車３１は三１番車７の軸に固着した伝達カナ３３によ
って回転される。

つぎに動作について説明する。

連続回転モータ５の回転によって、三番車６．三番車７
．四番車８．中間車９９分針車１０９日の裏車１１゜時
針車１１を介して分針１５および時針１６が所定の速度
比で回通せしめられ、所定の分と時がアナログ的に表示
される。

すなわち分と時の精度は連続回転モータ５によって決定
されるために高精度に保たれる。

一方振ザオ体２０に吊された振り子は、以下の如く揺動
される。

すなわちゼンマイ２７にて回転トルクを受けているガン
ギ歯車２６は、振ザオ体２０に連動するアンクルピン２
５がその歯部に出入することによって回転速度が一定に
保たれ、かつアングルピン２５はその出入り毎にガンギ
歯車２６から衝撃力をもらい、この衝撃力によって振り
子の往復揺動運動が維持される。

ゼンマイ２７は、ガンギ歯車２６の回転によって解ける
が、それと同時に回転部材３０によるゼンマイ巻上動作
が行なわれている。

すなわち伝達歯車３１の回転速度は、ガンギ歯車２６の
それよりも若干速く回転するように設定されており、こ
のためにゼンマイ２７の巻上量は恒常的にほぼ一定に保
たれる。

回転部材３０は前述のように伝達歯車３１に対してスリ
ップバネ３２を介して所定のスリップトルクを持って結
合しており、ゼンマイ２７の巻上量が一定になると、回
転部材３０とスリップバネ３２の接合面でスリップしな
がら回転する。

そしてガンギ歯車２６の上記の回転によって、ガンギ軸
１３を介して秒針１４が回転せしめられる。

つまり秒針１４は、振り子の運動に合わせて間欠的に歩
道せしめられるのである。

秒針１４の回転速度すなわちガンギ歯車２６の回転速度
は、振り子の周期によって決定するものであって、はぼ
６０秒で１回転するように定めであるが、既に明らかで
あるように振り子は分と時の精度には全く関与しない。

以上詳述した本考案による擬似振り子時計によれば、秒
針が揺り子の運動に合わせて間欠的に歩道せしめられる
ために、外見上は本当に時計機構が揺り子によって駆動
されているかの如く思え、従来のように奇異な感じを与
えることがなく、シかも時刻表示に不可欠な分と時は高
精度に保てるなど、その効果は誠に著大である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであって、第１図は
その断面図、第２図は振り手脂動部の正面図である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 連続回転モータによって駆動される時計輪列と、この時
   計輪列の高速段の歯車によって駆動される伝達歯車と、
   この伝達歯車と同心的にスリップ機構を介して連結する
   回転部材と、この回転部材と同心的に位置するガンギ歯
   車と、上記回転部材と上記ガンギ歯車とに掛止し上記ガ
   ンギ歯車に所定のトルクを付勢するゼンマイと、上記ガ
   ンギ歯車と係脱して揺動するアンクル体と、このアンク
   ル体に連動して往復揺動する振り子とを含み、上記振り
   子の揺動周期によって決定される上記ガンギ歯車の回転
   速度をほぼ１分間で１回転とし、 上記伝達歯車の回転速度を上記ガンギ歯車の回転速度以
   上とし、 上記ガンギ歯車に固着したガンギ軸が上記回転部材と上
   記伝達歯車とを回転自在に貫通して分針用の分針パイプ
   に挿通し、 上記ガンギ軸の端部に秒針が装着しであることを特徴と
   する擬似振り子時計。