JPS5918097B2 - 粉末原料の仮焼装置における燃料供給量制御方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、セメント原料粉末のような分解物質を含む予
熱された粉末原料を仮焼する装置において、燃料供給量
を制御する方法に関する。

セメント原料を、中間製品であるセメントクリンカ−に
するために必要な熱の大部分は、吸熱反応である原料中
の石灰石の分解（ＣａＣＯ３→ＣａＯ＋Ｃ０２）に費さ
れる。

一般に、この反応を仮焼と呼ぶが、ロータリキルンの前
段工程の予熱装置における仮焼反応の進行度、効率が、
全体のセメントクリンカ−焼成のための熱効率を大きく
左右することが知られており、そのため助熱設備を備え
た仮焼装置つきの予熱装置が数多く提案され、実施され
ている例も多い。

これらの例における、予熱装置出口の原料の仮焼率は７
０〜９０％と高率ではあるが、熱効率は必ずしも満足で
きるものではなく、また局部過熱による耐火ライニング
の損傷、コーチングの付着などの問題も残っている。

そこで、本出願人はかかる問題を解決し、さらに熱効率
を向上させる装置として、仮焼室底部中央に接続された
高温の酸素含有ガスを吹き込むための導管中に、予熱さ
れた原料を投入し、ガス中に浮遊させて仮焼室に供給す
る一方、前記ガス導管に設けられたバーナーより燃料を
供給して燃焼させ、かつ仮焼室内筒部側壁および／また
は仮焼室上部の下方および内方へ傾斜した環状底壁に設
けられた少なくとも１個のバーナーより、仮焼室内部へ
向けて燃料を吹き込み燃焼させることにより、原料をほ
ぼ完全に仮焼した後、仮焼室上部に接続された導管より
、前記原料を燃焼排ガス、分解ガスとともに排出する装
置を提案している（特願昭５４−２９０８号）。

本発明は、上記の特願昭５４−２９０８号の発明の粉末
原料の仮焼装置を改良するためになされたもので、その
目的とするところは、上記発明の装置において、仮焼室
内の温度を比較的低温かつほぼ均一に保つことにより局
部加熱による耐火ライニングの損傷やコーチング付着の
防止および熱効率の向上をはかることにあり、この目的
を達成するために、仮焼室底部中央に接続された高温の
酸素含有ガスを吹き込むための導管中のガス温度および
仮焼室上部に接続された導管中のガス温度を検出し、仮
焼室本体に設置されたバーナーの燃料供給量と、仮焼室
底部中央に接続された導管に設置されたバーナーの燃料
供給量の比率を制御する方法である。

即ち本発明は、分解性物質を含む予熱された粉末原料を
仮焼する装置の仮焼室底部中央に接続された、高温の酸
素含有ガスを吹き込むための導管中に、前記予熱された
原料を投入し、ガス中に浮遊させて仮焼室へ供給する一
方、前記ガス導管に設けられたバーナーより燃料を供給
して燃焼させ、かつ仮焼室内筒部側壁および／または仮
焼室上部の下方および内方へ傾斜した環状底壁に設けら
れた少なくとも１個のバーナーより、仮焼室内部へ向け
て燃料を吹き込み燃焼させることにより、仮焼室内部に
生ずるガスの渦流により懸濁された状態にある原料を、
はぼ完全に仮焼した後、仮焼室上部に接続された導管よ
り前記原料を燃焼排ガス、分解ガスとともに排出する装
置において、前記仮焼室底部中央に接続された高温の酸
素含有ガスを吹き込むための導管中のガス温度および、
前記仮焼室上部に接続された排出用導管中のガス温度を
検出することによって、仮焼室本体に設置されたバーナ
ーの燃料供給量と、仮焼室底部中央に接続された導管に
設置されたバーナーの燃料供給量の比率を制御し、仮焼
室内の温度分布を比較的低温かつほぼ一定に保つことを
特徴とする粉末原料の仮焼装置における燃料供給量制御
方法を提供するものである。

本発明の燃料供給量制御方法は、仮焼室底部中央に接続
された導管中の温度を測定し、その温度変化に制御演算
を施す。

また仮焼室上部に接続された導管中の温度を測定し、設
定値との偏差を取り、その偏差に制御演算を施す。

これら２つの制御量のどちらかを燃料総供給量の設定値
として使用し、燃料総供給量との偏差を取り、この偏差
に制御演算を施す。

この制御量に比率を掛けて、仮焼室本体に設置されたバ
ーナーへの燃料供給量と仮焼室底部中央に接続された導
管に設置されたバーナーへの燃料供給量に対する操作量
を決定する。

ここで燃料総供給量の設定値を決めるために、仮焼室上
部に接続された導管中の温度と、仮焼室底部中央に接続
された導管中の温度を監視するのである。

本発明は、このように燃料供給量を制御する方法に係わ
る。

前述の如く、本発明に係わる仮焼装置は、上部および下
部に、原料を含むガスの、それぞれ排出用および導入用
の導管が接続されたほぼ円筒状の仮焼室と、原料を仮焼
室へ供給するための原料用導管およびバーナー等より成
る。

本発明の目的はこの仮焼装置のバーナーへの燃料供給量
を制御することにより、燃料消費量（発熱量換算）当り
の処理量を増大させることである。

以下、図面を参照して、本発明を具体的に説明する。

まず、第１，２，３図を参照して本発明の方法を実施す
るのに使用される粉末原料の仮焼装置の概略を説明する
。

第１図は本発明の第−例の対象となる仮焼装置の説明図
で、高温の空気の主流をほぼ円筒状の仮焼室１下部の下
方および内方に傾斜した底部中央に連結されたガス導入
管３より吹き込み、さらに原料供給管５より予熱された
原料を前記ガス導入管３へ投入してガス中に浮遊させる
ことにより、仮焼室へ原料を供給する方式のもので、燃
料の一部は仮焼室上部に生じた渦流により形成される原
料濃度の濃いゾーンに向けて仮焼室内筒部の円周に設け
られた２個のバーナー４Ａ中の液体燃料吹込管６Ａによ
り、斜め上方より吹き込まれる。

燃料の残りは前記ガス導入管３に、原料供給管５の近傍
よりバーナー４Ｂ中の液体燃料供給管６Ｂによって斜め
上方より吹き込まれ、原料と密に混合した状態で仮焼室
に供給される。

第２図、第３図は、本発明の第二例の対象となる仮焼装
置のそれぞれ正面図および平面図である。

第二例の対象となる仮焼装置は、仮焼室への原料の供給
方法、仮焼室内における原料およびガスの挙動、原料の
仮焼反応過程については、第−例の対象となる仮焼装置
とほぼ同様であるが、燃料供給管６が仮焼室内筒部の円
周を等分割するように３本設けられていること、原料供
給管５に固形燃料供給管７が連結されていることが異な
る。

第−例の制御方法を第４図を参照しながら説明する。

仮焼室１の上部に接続された導管２中の温度８を測定し
、調節計１３に入力する。

調節計１３において、外部からの設定値１９との偏差を
取り、制御演算を施し、切換器１５へ出力する。

また、仮焼室１の底部に接続された導管３中の温度９は
、導管３に接続された原料供給管５やバーナー４Ｂより
も下方で測定される。

この温度９を調節計１４に入力し、制御演算を施し、切
換器１５へ出力する。

切換器１５において、導管中の温度８，９により、調節
計１３と１４の出力のどちらを使用するかを決め、調節
計１６における設定値として出力する。

液体燃料の総供給量１２を調節計１６へ入力する。

調節計１６において、液体燃料の総供給量測定器１２と
切換器１５からの出力との偏差を取り制御演算を施し、
比率設定器１Ｔと１８に出力する。

比率設定器１７および１８では、それぞれ調節計１６か
らの出力に適切な比率を掛けて液体燃料供給量調節器１
０および１１を操作する操作量として出力する。

次に第二例の制御方法を第５図を参照しながら説明する
。

第−例と異なる点は原料供給管５に、固形燃料供給管１
が連結されていることにより、固形燃料定量供給機１１
から固形燃料の供給量を検出し、これをバーナー４に供
給される液体燃料に換算するため、演算器２１に入力す
る。

演算器２１からの出力とバーナー４に供給される液体燃
料の供給量測定器１２からの出力とを加算器２２に入力
し、燃料総供給量として調節器１６へ入力する点と、比
率設定器１８からの操作量によって固形燃料定量供給機
１１を操作する点である。

第三例として、制御用計算機を用いる場合で、第−例の
第４図中の計器１３〜１８での処理や、第二例の第５図
中の計器１３〜１８，２１，２２での処理を制御用計算
機を用いて行なう。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の第−例の対象となる仮焼装置の説明
図、第２図、第３図は第二例の対象となる仮焼装置の正
面図および平面図、第４図は第−例の計装フロー、第５
図は第二例の計装フローを示す。 １・・・・・・仮焼室、２・・・・・・排出管、３・・
・・・・導入管、４・・・・・・バーナー、５・・・・
・・原料供給管、６・・・・・・液体燃料供給管１．１
・・・・・・固形燃料供給管、８・・・・・・排出管中
の温度測定点、９・・・・・・導入管中の温度測定点、
１０・・・・・・燃料供給量調節器、１１・・・・・・
第４図：燃料供給量調節器、第５図：固形燃料定量供給
機、１２・・・・・・第４図：燃料総供給量測定器、第
５図：バーナー４への燃料供給量測定器、１３，１４゜
１６・・・・・・調節計、１５・・・・・・切換器、１
７，１８・・・・・・比率設定器、１９・・・・・・排
出管中の設定温度、２０・・・・・・燃料供給装置、２
１・・・・・・演算器、２２・・・・・・加算器。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 分解性物質を含む予熱された粉末原料を仮焼する装
   置の仮焼室底部中央に接続された、高温の酸素含有ガス
   を吹き込むための導管中に、前記予熱された原料を投入
   し、ガス中に浮遊させて仮焼室へ供給する一方、前記ガ
   ス導管に設けられたバーナーより燃料を供給して燃焼さ
   せ、かつ仮焼室内筒部側壁および／または仮焼室上部の
   下方および内方へ傾斜した環状底壁に設けられた少なく
   とも１個のバーナーより、仮焼室内部へ向けて燃料を吹
   き込み燃焼させることにより、仮焼室内部に生ずるガス
   の渦流により懸濁された状態にある原料を、はぼ完全に
   仮焼した後、仮焼室上部に接続された導管より前記原料
   を燃焼排ガス、分解ガスとともに排出する装置において
   、前記仮焼室底部中央に接続された高温の酸素含有ガス
   を吹き込むための導管中のガス温度および、前記仮焼室
   上部に接続された排出用導管中のガス温度を検出するこ
   とによって、仮焼室本体に設置されたバーナーの燃料供
   給量と、仮焼室底部中央に接続された導管に設置された
   バーナーの燃料供給量の比率を制御し、仮焼室内の温度
   分布を比較的低温かつほぼ一定に保つことを特徴とする
   粉末原料の仮焼装置における燃料供給量制御方法。