JPS591787B2 - 冷間成形高力ボルト用ステンレス鋼 - Google Patents
冷間成形高力ボルト用ステンレス鋼Info
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- JPS591787B2 JPS591787B2 JP5619576A JP5619576A JPS591787B2 JP S591787 B2 JPS591787 B2 JP S591787B2 JP 5619576 A JP5619576 A JP 5619576A JP 5619576 A JP5619576 A JP 5619576A JP S591787 B2 JPS591787 B2 JP S591787B2
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- steel
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Description
【発明の詳細な説明】
本発明は、食品工業、海水ポンプ、あるいは酢酸プラン
ト等に利用される耐食性が優れた冷開成形高力ボルト用
ステンレス鋼に関する。
ト等に利用される耐食性が優れた冷開成形高力ボルト用
ステンレス鋼に関する。
オーステナイト系ステンレス鋼として著名なSUS30
4、SUS316は各種化学装置用材として広範囲な用
途を有するが、その0.2%耐力値は約30に9/一程
度にすぎない。
4、SUS316は各種化学装置用材として広範囲な用
途を有するが、その0.2%耐力値は約30に9/一程
度にすぎない。
一方SUS630(17−4PH)、SUS631(1
7−7PH)のごとき析出硬化型ステンレス鋼の052
%耐力値は約100kg/一以上であるが、その耐食性
は上記SUS304またはSUS316にくらべてかな
り劣るほか、線材の製造や冷間成形性に問題を有してい
る。
7−7PH)のごとき析出硬化型ステンレス鋼の052
%耐力値は約100kg/一以上であるが、その耐食性
は上記SUS304またはSUS316にくらべてかな
り劣るほか、線材の製造や冷間成形性に問題を有してい
る。
かくしてSUS304、316相当の耐食性を有する一
方、0.2%耐力値が約60kg/一級の冷間成形高力
ボルト用ステンレス鋼は、未だ開発されていない。
方、0.2%耐力値が約60kg/一級の冷間成形高力
ボルト用ステンレス鋼は、未だ開発されていない。
またオーステナイト、フェライト組織からなる二相ステ
ンレス鋼としてSUS329JI(25Cr一5Ni−
2Mo)が知られているが、この鋼種は熱間加工性が悪
く且つ耐食性の点で十分ではない。
ンレス鋼としてSUS329JI(25Cr一5Ni−
2Mo)が知られているが、この鋼種は熱間加工性が悪
く且つ耐食性の点で十分ではない。
本発明は上記の問題点を解消することを主目的として開
発したもので、その要点は、化学成分の変動にともなっ
て変化するフェライト相とオーステナイト相とのバラン
スを適正範囲に調整して応力腐食割れ抵抗性を高め、0
92%耐力値が60に9/一級の冷開成形高力ボルト用
ステンレス鋼であって、その構成要件はつぎのとおりで
ある。Co、05以下、SiO、8%以下、Mn1.5
%以下、CuO、3%以下、Ni4〜7%、Cr21〜
26%|M00.5〜0.3%、Nbまたは(および)
Ta0.2〜096%、B0.001〜0.02%と残
余Feおよび不純物からなり、フェライトおよびオース
テナイトの2相組織を有し、式Cr当量二%Cに+5.
2X%Si+4.2x%Mo+4.5X(%Nb+%T
aノNi当量=40×%C+3×%Ni+2X%Mn十
%Cuから算出したCr当量およびNi当量が Cr当量一Ni当量−3〜20 を満足し、60kg/一級の0.2%耐力値を有する冷
間成形高力ボルト用ステンレス鋼。
発したもので、その要点は、化学成分の変動にともなっ
て変化するフェライト相とオーステナイト相とのバラン
スを適正範囲に調整して応力腐食割れ抵抗性を高め、0
92%耐力値が60に9/一級の冷開成形高力ボルト用
ステンレス鋼であって、その構成要件はつぎのとおりで
ある。Co、05以下、SiO、8%以下、Mn1.5
%以下、CuO、3%以下、Ni4〜7%、Cr21〜
26%|M00.5〜0.3%、Nbまたは(および)
Ta0.2〜096%、B0.001〜0.02%と残
余Feおよび不純物からなり、フェライトおよびオース
テナイトの2相組織を有し、式Cr当量二%Cに+5.
2X%Si+4.2x%Mo+4.5X(%Nb+%T
aノNi当量=40×%C+3×%Ni+2X%Mn十
%Cuから算出したCr当量およびNi当量が Cr当量一Ni当量−3〜20 を満足し、60kg/一級の0.2%耐力値を有する冷
間成形高力ボルト用ステンレス鋼。
本発明鋼の第一の特徴は、C,Cu,Nb(またはTa
)の成分を適正範囲の含有量とすることによって冷開成
形性が達成されたことであり、第二の特徴は機械的強度
、すなわち0.2%耐力及び疲労強度が高く、SUS3
O4およびSUS3l6の約2倍であり、食品工業、海
水ポンプ、酢酸ポンプ等各種の装置においてボルト用材
料として使用した場合、ボルトの締付け力が高められる
から使用中のボルトのゆるみが少ないこさである。
)の成分を適正範囲の含有量とすることによって冷開成
形性が達成されたことであり、第二の特徴は機械的強度
、すなわち0.2%耐力及び疲労強度が高く、SUS3
O4およびSUS3l6の約2倍であり、食品工業、海
水ポンプ、酢酸ポンプ等各種の装置においてボルト用材
料として使用した場合、ボルトの締付け力が高められる
から使用中のボルトのゆるみが少ないこさである。
さらに、本発明鋼の第三の特徴はCuの含有量を0.3
0%以下に低減するとともに、Cr当量とN1当量を調
整し、かつ耐孔食性に悪影響の因をなすTiの添加を排
除するとともに、Nbおよび(または)Ta,Bを添加
し、さらには、Cの微量化等により、耐食性を著しく改
善したことに存する。その外に、本発明鋼は、SUS3
l.6にくらべて約10倍の被剛性(工具寿命)を有す
るとともに、強磁性を有するため、欠損ボルトを磁気的
吸引力を利用して除去することができるので例えば食品
汚洗などを未然に防止することが可能である点に利点が
存する。
0%以下に低減するとともに、Cr当量とN1当量を調
整し、かつ耐孔食性に悪影響の因をなすTiの添加を排
除するとともに、Nbおよび(または)Ta,Bを添加
し、さらには、Cの微量化等により、耐食性を著しく改
善したことに存する。その外に、本発明鋼は、SUS3
l.6にくらべて約10倍の被剛性(工具寿命)を有す
るとともに、強磁性を有するため、欠損ボルトを磁気的
吸引力を利用して除去することができるので例えば食品
汚洗などを未然に防止することが可能である点に利点が
存する。
次に、本発明鋼の合金組成の限定理由を説明する。
C:0.05%以下
炭素は、強力なオーステナイト化元素であり、強度およ
び靭延性の点から相当量含有するとさが好ましいが、耐
食性およびボルト製造時の冷開成形性を確保するために
は0.05%以下の量で存在することが好ましい。
び靭延性の点から相当量含有するとさが好ましいが、耐
食性およびボルト製造時の冷開成形性を確保するために
は0.05%以下の量で存在することが好ましい。
Si:0.80%以下
ケイ素は、フエライト化元素であり、溶解精練時に脱酸
性元素さして作用するが、0.8%を越える多量添加は
ボルトの靭延性を害するから0.80%以下に限定した
。
性元素さして作用するが、0.8%を越える多量添加は
ボルトの靭延性を害するから0.80%以下に限定した
。
Mn: 1.50%以下
マンガンも、溶解精練時に脱酸性元素としての作用効果
のほか、熱間加工性の点で相当量含有することが好まし
いが、金属組織のバランス上1.50%以下の範囲がよ
い。
のほか、熱間加工性の点で相当量含有することが好まし
いが、金属組織のバランス上1.50%以下の範囲がよ
い。
Cu:0.30%以下
0.30%をこえる多量添加は、熱間加工性を低下させ
る傾向がみられ、さらに、ボルトの冷開成形加工性の点
から許容できる範囲として0.30%までに限定するこ
とが好ましい。
る傾向がみられ、さらに、ボルトの冷開成形加工性の点
から許容できる範囲として0.30%までに限定するこ
とが好ましい。
N1:4〜7%
ニッケルは、強力なオーステナイト安定化元素で、耐食
性改善に対して有効な元素であるため少くとも4%以上
含有することが好ましい。
性改善に対して有効な元素であるため少くとも4%以上
含有することが好ましい。
しかし、本発明鋼は2相ステンレス鋼を企図するもので
あり、そのためNi:Cr:MOの3成分がバランスし
た2相ステンレス鋼を得るために4〜7%の範囲に限定
した。Cr:21〜26% フエライト化元素で耐食性、耐酸化性を著しく改善する
ためには、少なくとも21%以上含有することか好まし
い。
あり、そのためNi:Cr:MOの3成分がバランスし
た2相ステンレス鋼を得るために4〜7%の範囲に限定
した。Cr:21〜26% フエライト化元素で耐食性、耐酸化性を著しく改善する
ためには、少なくとも21%以上含有することか好まし
い。
しかし本発明鋼では、Ni:Cr:MOの3成分がバラ
ンスした2相ステンレス鋼を得るために21〜26%の
範囲に限定した。
ンスした2相ステンレス鋼を得るために21〜26%の
範囲に限定した。
MO: 0.5〜3.0%
MOは2相ステンレス鋼の耐食性、特に耐孔食性の改善
に有効であり、少くとも0.5%含有させるこさが好ま
しい。
に有効であり、少くとも0.5%含有させるこさが好ま
しい。
他面3%を超える添加は、脆性を生じ易くかつ価格の面
から好ましくない。B:0.001〜0.02%耐食性
および熱間加工性の改善に有効であり、0.00i%未
満では効果を得難い。
から好ましくない。B:0.001〜0.02%耐食性
および熱間加工性の改善に有効であり、0.00i%未
満では効果を得難い。
一方、0.02%を越えると低融点化合物が生じ易く、
脆化の傾向が現われるから好ましくない。
脆化の傾向が現われるから好ましくない。
Nbまたは(および) Ta:0.2C)−0.60%
Nb,Taは、いずれもフエライト生成元素であり、鋼
中の遊離炭素および遊離窒素を固定するほか、結晶粒を
微細化し、耐粒界腐食割れ性、耐硫酸性、耐孔食性の改
善に有効であり、熱間圧延およびボルト製造時の冷開成
形性に寄与するため、0.20〜0.60%の範囲で含
有させることが好ましい。この効果は、NbまたはTa
をそれぞれ単独で添加しても、あるいはNbとTaとを
併用しても得られる。
Nb,Taは、いずれもフエライト生成元素であり、鋼
中の遊離炭素および遊離窒素を固定するほか、結晶粒を
微細化し、耐粒界腐食割れ性、耐硫酸性、耐孔食性の改
善に有効であり、熱間圧延およびボルト製造時の冷開成
形性に寄与するため、0.20〜0.60%の範囲で含
有させることが好ましい。この効果は、NbまたはTa
をそれぞれ単独で添加しても、あるいはNbとTaとを
併用しても得られる。
本発明鋼は、該鋼を構成する各元素の含有量が上記範医
内に存するこきに加えて、式Cr当量=%Cr+5.2
x%Si+4.2x%MO+4.5X(%Nb十%Ta
)Ni当量=40x%+3X%Ni+2x%Mn+%C
uから算出されるCra量及びNi当量がΔ=Cr当量
−Nia量=3〜20 を満足させることに特徴がある。
内に存するこきに加えて、式Cr当量=%Cr+5.2
x%Si+4.2x%MO+4.5X(%Nb十%Ta
)Ni当量=40x%+3X%Ni+2x%Mn+%C
uから算出されるCra量及びNi当量がΔ=Cr当量
−Nia量=3〜20 を満足させることに特徴がある。
この限定は、4〜9%Ni,2l〜26%Cr,O.5
〜3.0%MOの3成分をバランスせしめて、所望のオ
ーステナイト・フエライト2相組織を確保するために必
要であり、また本発明鋼の所望の性質はNi当量および
C「当量が上記の範囲内にあるときに得られる。
〜3.0%MOの3成分をバランスせしめて、所望のオ
ーステナイト・フエライト2相組織を確保するために必
要であり、また本発明鋼の所望の性質はNi当量および
C「当量が上記の範囲内にあるときに得られる。
すなわち0.2%耐力値が約60kg/一またはそれ以
上となるほか広い適正熱間加工温度領域およびボルトの
良好な冷開成形性が得られるものである。特に、Cr当
量一Ni当量が3〜20の範囲に存すると、インゴット
の圧延分塊が可能となり、鍛造分塊を行うことなく線材
の製造が可能となるという利点がある。
上となるほか広い適正熱間加工温度領域およびボルトの
良好な冷開成形性が得られるものである。特に、Cr当
量一Ni当量が3〜20の範囲に存すると、インゴット
の圧延分塊が可能となり、鍛造分塊を行うことなく線材
の製造が可能となるという利点がある。
以下、本発明を実施例により説明する。
第1表に示す化学成分を有する直径30mmの供試材を
1080℃で30分間保持後水冷する。
1080℃で30分間保持後水冷する。
溶体化処理を施し、機械的性質、耐硫酸性、耐孔食性、
熱間加工性の指標たる熱間破断ねん回値およびすえ込み
時の変形抵抗を求めた。その結果を第2表に示す。つぎ
に本発明の諸特性に関してC,Cu,Nb,Ti、およ
びΔ一Cr当量−Ni当量を変化させた場合.:!:B
添加有無の影響等について第3表の供試材を使用しての
試験結果により本発明の特徴を説明する。
熱間加工性の指標たる熱間破断ねん回値およびすえ込み
時の変形抵抗を求めた。その結果を第2表に示す。つぎ
に本発明の諸特性に関してC,Cu,Nb,Ti、およ
びΔ一Cr当量−Ni当量を変化させた場合.:!:B
添加有無の影響等について第3表の供試材を使用しての
試験結果により本発明の特徴を説明する。
本発明鋼の耐硫酸性、耐孔食性に及ぼすC(炭素)量の
影響を第1図にしめす。
影響を第1図にしめす。
C量が0.06%を越えるにしたがって耐硫酸性及び耐
孔食性いずれの場合も腐食度が著しく増大する。従って
、C量は0.05%以下に限定する必要があることがわ
かった。第2図は冷開成形ボルト用ステンレス鋼として
必須のボルト成形性に及ぼすC量の影響をしらべるため
、すえ込み試験を行なって圧縮歪ε=0.5及びε−1
.0のときのすえ込み変形抵抗を求めた結果である。
孔食性いずれの場合も腐食度が著しく増大する。従って
、C量は0.05%以下に限定する必要があることがわ
かった。第2図は冷開成形ボルト用ステンレス鋼として
必須のボルト成形性に及ぼすC量の影響をしらべるため
、すえ込み試験を行なって圧縮歪ε=0.5及びε−1
.0のときのすえ込み変形抵抗を求めた結果である。
図は明らかにC量の多い程すえ込み変形抵抗が増大し、
且つ歪の大きい程その影響が著しいことを示している。
ボルト用ステンレス鋼としてもつとも一般的につかわれ
ているSUS3O4の圧縮歪ε−1.0のときのすえ込
み変形抵抗は約160kg/一であり、本発明鋼の上限
のC量0.05%のときと同じ値は約130kg/一で
ある。この値はSUS3O4よりさらにきびしい変形を
行う際に利用されるSUS3O5と同等であり、本出願
においてC量の上限を0.05%とする理由の1つもこ
の点にある。第3図及び第4図はそれぞれ熱間ねじり試
験で求めた最大トルク及び破断ねん回値をCu量に対し
て表わしたものである。
且つ歪の大きい程その影響が著しいことを示している。
ボルト用ステンレス鋼としてもつとも一般的につかわれ
ているSUS3O4の圧縮歪ε−1.0のときのすえ込
み変形抵抗は約160kg/一であり、本発明鋼の上限
のC量0.05%のときと同じ値は約130kg/一で
ある。この値はSUS3O4よりさらにきびしい変形を
行う際に利用されるSUS3O5と同等であり、本出願
においてC量の上限を0.05%とする理由の1つもこ
の点にある。第3図及び第4図はそれぞれ熱間ねじり試
験で求めた最大トルク及び破断ねん回値をCu量に対し
て表わしたものである。
最大トルクは、試験温度が低い程、Cu量が多い程増大
しており、破断ねん回値はCu量1.0%まではCu量
が多い程急激に減少しそれ以上Cuが増えてもほとんど
変化がない。これらの最大トルク及び破断ねん回値は線
材の製造工程において鋼塊の圧延、ボルトの熱開成形な
どの熱間加工に際しての所要エネルギーや熱延割れ性な
どを判断する指標となる値である。図からCu量は少な
い方が望ましいこさは明らかであるが、安定して線材を
製造するために必要な破断ねん回値及び不純物さして不
可避的に混入し得るCu量を考慮する(l!:Cuの上
限を0.3%に規定した。第5図は耐食性に及ぼすNb
,Ti,Cuの影響をしめしたものであり、5%H2S
O4沸騰液に対してNbがもつとも顕著な改善効果があ
り、かつその効果は0.7%以上でほぼ御和の傾向がみ
られる。
しており、破断ねん回値はCu量1.0%まではCu量
が多い程急激に減少しそれ以上Cuが増えてもほとんど
変化がない。これらの最大トルク及び破断ねん回値は線
材の製造工程において鋼塊の圧延、ボルトの熱開成形な
どの熱間加工に際しての所要エネルギーや熱延割れ性な
どを判断する指標となる値である。図からCu量は少な
い方が望ましいこさは明らかであるが、安定して線材を
製造するために必要な破断ねん回値及び不純物さして不
可避的に混入し得るCu量を考慮する(l!:Cuの上
限を0.3%に規定した。第5図は耐食性に及ぼすNb
,Ti,Cuの影響をしめしたものであり、5%H2S
O4沸騰液に対してNbがもつとも顕著な改善効果があ
り、かつその効果は0.7%以上でほぼ御和の傾向がみ
られる。
TiはNbについで耐硫酸性向上に対来がある。しかし
ながらNbが孔食に対しても改善効果があるのに対しT
iは逆は耐孔食性を劣化せしめる。Cuは耐孔食性、耐
硫酸性いずれに対しても全く影響がみられない。したが
って、Tiは本発明鋼の特長である耐孔食性を劣化させ
鋼の清浄度に対する悪影響も考慮すると好ましくなく、
Cuは耐食性に効果がないのみならず、熱間加工性など
の製造性を劣化せしめる点で好ましい元素ではないこと
は以上の説明で明らかである。またNbは0.20%以
下の添加量ではその効果が少なく、0.60%を越える
添加は経済的でないばかりか過剰の添加は清浄度、製造
性などの点から好ましくない。つきに、第6図は破断ね
ん回値とΔ=Cr当量−Ni当量との関係をしめしたも
のである。
ながらNbが孔食に対しても改善効果があるのに対しT
iは逆は耐孔食性を劣化せしめる。Cuは耐孔食性、耐
硫酸性いずれに対しても全く影響がみられない。したが
って、Tiは本発明鋼の特長である耐孔食性を劣化させ
鋼の清浄度に対する悪影響も考慮すると好ましくなく、
Cuは耐食性に効果がないのみならず、熱間加工性など
の製造性を劣化せしめる点で好ましい元素ではないこと
は以上の説明で明らかである。またNbは0.20%以
下の添加量ではその効果が少なく、0.60%を越える
添加は経済的でないばかりか過剰の添加は清浄度、製造
性などの点から好ましくない。つきに、第6図は破断ね
ん回値とΔ=Cr当量−Ni当量との関係をしめしたも
のである。
温度が高い程破断ねん回値が大きいこと、しかして、Δ
=10において破断ねん回値にピークが認められる。し
かし、Bを0.00s%添加することによって破断ねん
回値が大巾に増加するか破断ねん回値が5以上、すなわ
ちΔ一Cr当量−Ni当量が3〜20の範囲にあるもの
はボルトの全製造過程を通じて良好な熱間加工性を示し
た。本発明鋼はまた良好な被削性及び耐疲労性を有して
おり、一例きして第1表のA6の供試材についてSUS
3O4と比較した結果を第7図及び第8図に示した。
=10において破断ねん回値にピークが認められる。し
かし、Bを0.00s%添加することによって破断ねん
回値が大巾に増加するか破断ねん回値が5以上、すなわ
ちΔ一Cr当量−Ni当量が3〜20の範囲にあるもの
はボルトの全製造過程を通じて良好な熱間加工性を示し
た。本発明鋼はまた良好な被削性及び耐疲労性を有して
おり、一例きして第1表のA6の供試材についてSUS
3O4と比較した結果を第7図及び第8図に示した。
ボルトの主製造工程は、頭部の冷間成形加工→熱処理→
六角頭のトリミング→裏面取り→先付加工(ねじ端面取
り)→ねじ切削または転造→脱脂→検査などの各工程を
へて量産される。
六角頭のトリミング→裏面取り→先付加工(ねじ端面取
り)→ねじ切削または転造→脱脂→検査などの各工程を
へて量産される。
したがって素材自体は熱間加工性、冷間すえ込み加工性
などのほか被削性の高いこさが要求される。この意味か
らも本発明鋼は冷間成形ボルト用鋼として適しているこ
とが明らかである。つぎに実体ボルトについてJISZ
237l−1955の規定に準拠した塩水噴霧試験を行
った。
などのほか被削性の高いこさが要求される。この意味か
らも本発明鋼は冷間成形ボルト用鋼として適しているこ
とが明らかである。つぎに実体ボルトについてJISZ
237l−1955の規定に準拠した塩水噴霧試験を行
った。
その結果、第4表に示すさおり、本発明冷間成形ステン
レス鋼ボルトの発銹状況は、比較鋼材ボルトよりも良好
である。以上のとおり、本発明に関する冷間成形ステン
レス鋼ボルトは、SUS3l6と同等以上の耐食性、耐
孔食性、被剛性を具備する。
レス鋼ボルトの発銹状況は、比較鋼材ボルトよりも良好
である。以上のとおり、本発明に関する冷間成形ステン
レス鋼ボルトは、SUS3l6と同等以上の耐食性、耐
孔食性、被剛性を具備する。
また、本発明ステンレス鋼は、0.2%耐力値が約60
kg/一以上であり、更に著しく改善された熱間加工性
および冷間すえ込み加工性を有する。本発明鋼は、SU
S3O4,3l.6鋼に比しNi量が少なく材料価格が
より安価な良質のステンレスボルトを製造可能であると
吉もに、ボルトの締付力が大きくすることができるので
、ボルトの締付ゆるみが少いという利点を有する。
kg/一以上であり、更に著しく改善された熱間加工性
および冷間すえ込み加工性を有する。本発明鋼は、SU
S3O4,3l.6鋼に比しNi量が少なく材料価格が
より安価な良質のステンレスボルトを製造可能であると
吉もに、ボルトの締付力が大きくすることができるので
、ボルトの締付ゆるみが少いという利点を有する。
また強磁性を有するので欠損ボルトを磁気的吸引力を利
用して除去し、食品汚洗などを未然に防止することが可
能であり、食品工業・海水ポンプ・醋酸プラント等への
ステンレスボルトとして技術的効果大である。
用して除去し、食品汚洗などを未然に防止することが可
能であり、食品工業・海水ポンプ・醋酸プラント等への
ステンレスボルトとして技術的効果大である。
第1図は、沸騰5%硫酸における腐食度に対するC量の
影響をしめしたものである。
影響をしめしたものである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 C:0.05%以下、Si:0.8以下、Mn1.
5%以下、Cu:0.3以下、Ni:4〜7%、Cr:
21〜26% Mo:0.5〜3.0%、Nbまたは(
および)Ta:0.2〜0.6%、B:0.001〜0
.02%と残余Feおよび不純物からなり、フェライト
およびオーステナイトの2相組織を有し、式Cr当量=
%Cr+5.2×%Si+4.2×%Mo+4.5×(
%Nb+%Ta)Ni当量=40×%C+3×%Ni+
2×%Mn+%Cuから算出したCr当量およびNi当
量が Cr当量−Ni当量=3〜20 を満足し、60kg/mm^2級の0.2%耐力値を有
する冷開成形高力ボルト用ステンレス鋼。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5619576A JPS591787B2 (ja) | 1976-05-17 | 1976-05-17 | 冷間成形高力ボルト用ステンレス鋼 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5619576A JPS591787B2 (ja) | 1976-05-17 | 1976-05-17 | 冷間成形高力ボルト用ステンレス鋼 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS52138422A JPS52138422A (en) | 1977-11-18 |
JPS591787B2 true JPS591787B2 (ja) | 1984-01-13 |
Family
ID=13020320
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5619576A Expired JPS591787B2 (ja) | 1976-05-17 | 1976-05-17 | 冷間成形高力ボルト用ステンレス鋼 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS591787B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
UA111115C2 (uk) * | 2012-04-02 | 2016-03-25 | Ейкей Стіл Пропертіс, Інк. | Рентабельна феритна нержавіюча сталь |
CN111705271A (zh) * | 2020-04-27 | 2020-09-25 | 江苏萌达新材料科技有限公司 | 一种低振实密度316粉末及其制备方法 |
-
1976
- 1976-05-17 JP JP5619576A patent/JPS591787B2/ja not_active Expired
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPS52138422A (en) | 1977-11-18 |
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