JPS5916082B2 - 長時間蓄熱器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、長時間熱を蓄えることができ、この蓄えられ
た熱を、例えば発電所に、その最大負荷運動状態の間で
も長時間、均一に利用することができる長時間蓄熱器に
関する。

水を加熱することに基く蓄熱器は公知である。

しかしながらこれらは長時間蓄熱器として産業的に一般
に使用されていない。

その理由は、必要な容器体積と使用中に出会う内圧によ
ってその設計が決まる蓄熱容器に対する投資が蓄熱器の
使用を不経済的なものにしているからである。

例えば原子力発電所に蓄熱エネルギを供給するための、
−週間分の容量を有する蓄熱器に使用される鉄鋼の重量
は、蓄熱器の内部に蓄えられるべき水の重量よりも大き
い。

本発明によれば、蓄熱器の内部に大量の熱水を収容する
壁構造と、蓄熱器に熱水を満たしかつ噴水をそこから排
出する装置を備える長時間蓄熱器であって、壁構造が、
引張りロープを有して、これでもって垂直方向の動きに
対して保持されるフレキシブルなカバーを一部備え、蓄
熱器が水中に完全に沈められるのに適しておシ、これに
よって壁構造に力を及ぼす熱水の圧力が、壁構造に力を
及ぼす蓄熱器の外側の水圧によって一部相殺され゛るこ
とを特徴とする長時間蓄熱器が提供される。

湖水が使えるかまたは発電所が大洋の近くにあるときは
、本発明によると、蓄熱器容器が、特にその底部におい
て、閉じ込められた蓄熱用水の圧力が外部の水圧によっ
て補償される程度の水面下の深さに配置される。

これによって、プラスティツク箔を蓄熱器の壁として構
成することが可能である。

比重の軽い熱水が比重の重い海水の下に層をなすので、
上部のカバーは不安定な膜を形成する。

この理由からして比重が１ｇ／ｃｒＩｔ以上の膜が選ば
れる。

ガスが蓄熱器の絶縁のため使用されるとき、このガスは
、本発明によれば、蓄熱器の内、外圧と同一圧力になる
ように圧縮される。

しかし、本発明によればまた、熱絶縁は周囲の水によっ
てなされる。

このようにして、本発明によれば、水容器はさらに絶縁
をすることなく下方へ開いたままである。

壁およびカバーへ向って壁の近くに、壁の近くの水の層
の対流を妨げる構造物が入れられるので、この構造物に
侵入する水は絶縁の役をする。

蓄熱器の内部において支配的な、流入または流出する水
流の下方に向って低下する温度に最もよく適合するため
に本発明は、高さが調整可能な開口を有する管を設けて
いる。

以下、本発明を、実施例の図面を参照しながら説明する
。

第１図は、海底１６０に設置される本発明による蓄熱器
を示す。

外壁１６１は回転体として形成され、上方に向ってその
壁厚が増大する。

その理由は、上部に向えに従って増大する内圧に外壁１
６１が耐えなければならないからである。

外壁１６１は、本発明によれば、特にガラスファイバー
で強化された合成樹脂のバンドから成るのが好ましく、
その内側は絶縁層１６２でおおわれている。

箔１６３と海底１６０の間の室１６５は、蓄熱室１．６
６に密閉された水の密度の調整室の役を果す。

蓄熱器は交互に一定量を以て運転される。密閉された蓄
熱室の水はまた除去することもできる。

このためには、箔１６３の膨張可能なベロー領域１６７
が大体、外壁１６１の範囲を持つことが条件となる。

蓄熱器容器のカバーは、特にプラスチック箔で形成され
たフレキシブルな外壁１６８から成るのが好ましい。

この外壁１６８には、ステーチルの金網１７０を支持す
る引索１６９が取シ付けられている。

金網１７０は細かい網み目の金網１７１で仕切シがつけ
られている。

この上に砂または石から成る層１７２があり、この層１
７２の上にはさらに、鉱物ウールから成る層１７３があ
る。

層１７２の浮力によって減少された層１７３の重量は、
金網１７０と海底１６０の間の測地学的高度１７４に関
連して、容器中の熱水と容器外の海水との間の密度差か
ら生ずる圧力差よりも単位面積当り大きいに違いない。

差圧の存在する場合には、差圧はポンプ１６４によって
除去される。

蓄熱器に負荷をかけたシ負荷をはずす際には、熱水がパ
イプライン１７５′を通って導かれる。

タービン駆動のポンプ１７６は深海に位置することによ
って生ずるパイプライン１７５′の中の過圧を補償する
。

パイプライン１７７はタービン駆動のポンプ１７８によ
って軽減される。

海面下の深さは沸騰圧に応じて選ばれなければならない
。

例えば３５０℃の水温においては、必要な深さは約１６
５０ｍに達する。

第２図は、湖にお杆る蓄熱器の変形例を示す図である。

湖底が利用できるならば、アンカーボルト１８０が湖底
に固定きれる。

索１８１によって蓄熱器をおおう箔１８２が水平位置に
保たれる。

この箔１８２の下方に金網１８３が吊されるのが好まし
い。

形成される空間１８４の中には、鉱物ウールまたは低温
においては有機繊維のウールが置かれる。

蓄熱器の内部には高度が調整可能な、開口を有する管１
８５が設けられている。

湖底が泥土のときは、図の右方に示された配置を使用す
る。

箔１８６は、一様に分布配置されたおもり１８８によっ
て加重されている。

各おもシ１８８にはフローＮ８７が付いており、その体
積はおもり１８８の残重量に相応するものよシも大きい
。

第３図は蓄熱器の別の配置を示し、所望の蓄熱器の体積
にほぼ等しい空間の湖に沈めることができるものである
。

湖底１９９には前と同様にアンカーボルト１８０または
おもり１９０が設置される。

蓄熱器１９２の内部で貯蔵された水の沸騰圧よりも高い
圧力に蓄熱器１９２内の予備圧力を至らしめる深さ１９
１に力・ミー１８２，１８３゜１８４が配置されている
。

上部領域１９３は冷たい湖水が満されたま＼である。

これら雨水層を互いに分離する箔の包囲線１９４が湖岸
をシールするように設けられている。

第４図は、本発明による低温蓄熱器２００の使用例を示
しており、それは河川２０２とつながっている湖２０１
に配置される。

蒸気パイプライン２０３’ 、 ２０３”＄−よび２０
３％（コンデンサ２０４’。

２０／および２０４’％それぞれ連結されている。

さらに、給水予備温水器２０５’、２０ダトよび２０５
”’が設けられ、それらは弁２０６’、２０６”および
２０６”の適当な条件の下に取出蒸気を受は入れること
ができる。

主コンデンサ２０７はパイプライン２０８を経由して低
温蓄熱器２００の下部領域２０９’と連結されている。

管２１０′の揺動によって所望の水温の水が供給され得
る。

最大負荷の運転の間、冷水は、主コンデンサ２０７、弁
２１１、ポンプ２１２、管２１３を通って低温蓄熱器２
００の中間領域２０９”に達する。

十分に低い発電所の負荷において、凝縮はコンデンサ２
０４の一つにおいて行われる。

−凝縮温度が十分に高いならば、冷水は、中間領域２０
ｓ％−ら抜きとられ、弁２１４′も：閉じられている
間は、弁２１４′を経てパイプライン２０８に導かれ、
加熱後にポンプ２１２とパイプライン２１５を経て蓄熱
器の上部領域２０９“′に運ばれる。

最大負荷の運転においては、そのほかに熱水は、上部領
域２０９”’からパイプライン２１５、弁２１６、ポン
プ２１７を経由して給水の加熱のために熱交換器２１８
に導かれる。

熱を奪うために、ポンプ２１９は熱水を遠隔の加熱ネッ
トワーク２２０に運び、この熱水は弁２２１′および２
２１”の適当な制御により下方領域２０９′または中間
領域２０ ｓ’ｆ７）いずれかに再び導かれる。

遠隔の加熱ネットワーク２２０忙よる熱の奪堆が十分で
ないときは、パイプライン２２２を介して、蓄熱器の水
は河川に放出され、しかも河川の負担をできるだけ少く
するという観点から、河川の水が特に冷いとき、または
河川の水が特に多いときに放出される。

パイプライン２２３を通って相当量の新しい水が湖から
蓄熱器に再度ポンプで送られる。

本発明は特許請求の範囲に記載した＃１か、以下の実施
態様をとることができる。

（１）蓄熱器の外側で壁構造に接する岩石を有する特許
請求の範囲記載の長時間蓄熱器。

（２）壁構造が土壁を一部有し、岩石がこの上壁に在り
、岩石の重量が熱水によって土壁に働く力とほぼ等しい
前記第１項記載の長時間蓄熱器。

（３）カバーの垂直方向の動きを防ぐためにカバーに結
合されたおもシを有する特許請求の範囲記載の長時間蓄
熱器。

（４）おもシが引張りロープによってカバーに結合され
ている前記第３項記載の長時間蓄熱器。

（５）蓄熱器の外部の水中に、カバーを支持するために
カバーに結合された複数のフロートを有する前記第３項
記載の長時間蓄熱器。

（６）カバーが、熱水よシも比重の大きい膜の形をして
いる特許請求の範囲記載の長時間蓄熱器。

（７）フレキシブルなカバーが蓄熱器の外側に面するプ
ラスティックの箔の層を有する特許請求の範囲記載の長
時間蓄熱器。

（８）蓄熱器の内部に面するカバーに接する絶縁層を有
し、この絶縁層が、熱水が浸透する、耐水および耐熱性
の物質からなる特許請求の範囲記載の長時間蓄熱器。

（９）熱水に面する壁構造の部分が金網を有する特許請
求の範囲記載の長時間蓄熱器。

００）壁構造が水平壁を一部有し、これに加えて、蓄熱
器内に種々の体積の熱水を収容するためにこの水平壁と
連らなったベロータイプのボディを有する特許請求の範
囲記載の長時間蓄熱器。

α１）蓄熱器の内部を熱シンクと連結させる流れ機械と
蓄熱器の内部を熱源と連結させる流れ機械を有し、蓄熱
器の沈められる深さを越える外部の水の静圧が、蓄熱器
にさらに圧力を及ぼさない程の蓄熱器が沈められる深さ
にほぼ対応する蓄熱器内の熱水の圧力の変化を両流れ機
械が生じさせる特許請求の範囲記載の長時間蓄熱器。

α２）一方の流れ機械がポンプで、他方の流れ機械がタ
ービンで、これら両流れ機械が単一のシャフトによって
結合される電動発電機を有する前記第１１項記載の長時
間蓄熱器。

α３）壁構造が、フープ負荷容量が上方に増大するリン
グを特徴とする特許請求の範囲記載の長時間蓄熱器。

０４）フレキシブルなカバーが熱水よりも比重が小さい
膜の形をし、引張りロープがカバーを蓄熱器の底部と結
合させている特許請求の範囲記載の長時間蓄熱器。

Ｑの蓄熱器に熱水を満し、かつ熱水をそこから排出する
装置が、熱水を満し蓄熱器内の種々のレベルから熱水を
排出するための、垂直方向に調整可能なパイピングを有
する特許請求の範囲記載の長時間蓄熱器。

０６）蓄熱器内からその低いレベルにおいて排出される
水で冷却されるのに適した熱源を有し、この熱源によっ
て加熱された水が蓄熱器にその高いレベルにおいて注入
される前記第１５項記載の長時間蓄熱器。

０７）発電所に使用されるのに適しており、最大負荷状
態で運転時に蓄熱器の低いレベルから発電所へ熱水を冷
却するため熱水を排出し、中間のレベルにおいて蓄熱器
に熱水を注入するために水を戻す装置と、低負荷運転状
態で熱水を冷却するために蓄熱器の中間レベルから水を
排出して発電所に運び、そして高いレベルにおいて蓄熱
器に水を満すために水を戻す装置を特徴とする特許請求
の範囲記載の長時間蓄熱器。

０８）蓄熱器を河川に連絡させるための連絡パイプライ
ンを有し、これによって、河川が高い熱負荷を吸収でき
る間、蓄熱器内に含まれる熱水の一部がパイプラインを
通って河川に排出される特許請求の範囲記載の長時間蓄
熱器。

【図面の簡単な説明】

第１図は、海底に設置された本発明の長時間蓄熱器の実
施例を示す図、第２図は海底に設置された本発明の長時
間蓄熱器の他の実施例で、特に低温用のものを示す図、
第３図は湖底に設置された本発明の長時間蓄熱器の実施
例を示す図、第４図は余熱蓄熱器を有する発電所の装置
を示す図である。 １６０・・・海底、１６１，１６８・・・外壁、１６２
・・・・・・絶縁層、１６３，１８２，１８６・・・箔
、１６４゜１７６．１７８，２１２，２１７，２１９・
・・ポンプ、１６５・・・室、１６６・・・蓄熱室、１
６９・・・引索、１７０．１７１．１８３・・・金網、
１７２ 、１７３・・・層、１１４・・・測地学的高度
、１７５’、１７７゜２０８．２１５，２２２，２２３
・・・パイプライン、１８０・・・アンカーボルト、１
８１・・・索、１８２゜１８３．１８４・・・カバー、
１８５，２１０’、２１３・・・管、１８７・・・フロ
ート、１８８，１９０・・・おもシ、１９２・・・蓄熱
器、１９３・・・上部領域、１９４・・・包囲縁、１９
９・・・湖底、２００・・・低温蓄熱器、２０１・・・
湖、２０２・・・河川、２０３’ 、 ２０３”。 ２０３′−一・蒸気パイプライン、２０４’、２０４”
。 ２０４′久・コンデンサ、２０ ｓ’ 、 ２０５”、
２０ ｓ′′−′−・給水予備温水器、２０６′、２
０６″、２０６“′、２２１−２２１・・・弁、２０７
・・・主コンデンサ、２０９・・・下部領域、２０９′
ζ・・中間領域、２１８・・・熱交換器、２２０・・・
遠隔の加熱ネットワーク。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 蓄熱器の内部に大量の熱水を収容する壁構造と、蓄
   熱器に熱水を満たしかつ温水をそこから排出する装置を
   備える長時間蓄熱器であって、壁構造が、引張りロープ
   を有して、これでもって垂直方向の動きに対して保持さ
   れるフレキシブルなカバーを一部備え、蓄熱器が水中に
   完全に沈められるのに適しており、これによって壁構造
   に力を及ぼす熱水の圧力が、壁構造に力を及ぼす蓄熱器
   の外側の水圧によって一部相殺されることを特徴とする
   長時間蓄熱器。