JPS5913674B2 - 低温乾燥装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は脱水機で脱水された後の汚泥等に好適の低温乾
燥装置に関する。

従来、浄水場等で得られた原汚泥を凍結再融解あるいは
薬品添加といった前処理を施した後脱水機で脱水するこ
とによって得られた汚泥の乾燥は、直火、蒸気あるいは
汚泥焼却時の高温排気を利用した高温乾燥が主であった
。

しかしながら、有機汚泥は高温加熱すると臭気が生じ、
また乾燥後の汚泥を農地に還元しようとする場合には高
温加熱すると肥料効果が減少することから、高温乾燥は
好まれていない。

本発明はかかる情況に鑑みてなされたもので、その目的
は脱水後の汚泥あるいは野菜、魚類など高温乾燥が好ま
れないものに適する低温乾燥装置を提供することである
。

この目的は本発明によれば、乾燥室から抽出した空気を
乾燥室を囲繞する外管中に温度上昇させて送り、前記外
管を通過した空気を冷却した後乾燥室中に導入するよう
にすることによって達成される。

以下、本発明を図面に示す実施例を基に詳細に説明する
。

なお、便宜上、脱水後の汚泥を乾燥する場合を例に採る
こととする。

図において、１は乾燥室であり、その内部には支え２と
モータ３間の軸４を中心にしてモータ３の駆動により回
転し乾燥に供された汚泥を攪拌しつつこれを排出扉５側
にゆっくりと送る攪拌板６が多数設けられている。

また、乾燥室１の外壁の適所には、乾燥に供される汚泥
の投入ロアおよび乾燥汚泥の投入口８が設けられている
。

さらに、乾燥室１を囲んで外管９が設けられており、こ
れの周囲には断熱材１０が備えられている。

外管９の内部は、単なる空洞であってもよいが後述する
暖空気の流通に便利なように例えば螺施状の仕切りを備
えてもよい。

乾燥室１中の空気はパイプ１１を通って空気圧縮機１２
に送られ、ここで圧縮されて温度が高くなる。

１３は冷凍機で、圧縮機１４、凝縮器１５、膨張弁１６
、および蒸発器１７を有している。

空気圧縮機１２でかなりの高温となった空気は、冷凍機
１３の凝縮器１５でさらに温度上昇した後、外管９中に
導入される。

外管９には空気温度の低下によって凝縮生成された水を
排水するためのドレン管９ａが設けられている。

空気圧縮機１２と外管９との間には、弁１８を有するバ
イパス用パイプ１９が配されており、弁１８を開閉する
ことによって外管９に流入する空気の温度を調節しうる
ようになっている。

冷凍機１３の蒸発器１７で、外管９を通過しパイプ２０
によって送られて来た空気は冷却され、空気中の水分が
凝縮されて、温度および湿度がともに低下する。

水はドレン管１７ａによって排出され、空気は、パイプ
２０を流れる空気の熱を利用した熱交換器２１で加熱さ
れてさらに低湿度となった後、パイプ２２を介して乾燥
室１に導入される。

なお、熱交換器２１で生じた水も、ドレン管２１ａによ
って排出される。

また熱交換器２１でパイプ２０を流れて来た空気の温度
がかなり低下するので、蒸発器１７の冷却能力は小さく
てもよい。

以上のような構成を有する本発明にかかる低温乾燥装置
の作用は次の通りである。

即ち、まず、投入ロアから乾燥に供される汚泥が適宜乾
燥室１中に供給され、攪拌板６がこの汚泥をを攪拌する
。

乾燥室１中の空気はパイプ１１により空気圧縮機１２に
送られ、ここで圧縮されて温度が上昇した後、冷凍機１
３の凝縮器１５でさらに高温となって外管９中に至る。

凝縮器１５で加熱された空気の温度が高すぎるときには
、弁１８を開いて凝縮器１５でさらに温度上昇する前の
空気を混ぜ、もって外管９に入る空気の温度を調節する
。

外管９に送られた空気は乾燥室１を暖めて汚泥中の水分
の蒸発をたすける。

外管９を通過することによって多少温度の下がった空気
はパイプ２０を介して蒸発器１γに至り、ここで冷却さ
れて水分が凝縮し、これによって湿度の低下した空気は
熱交換器２１で加温されてさらに湿度が低下した後、パ
イプ２２により乾燥室１中に導かれる。

乾燥室１中に導入される空気はその温度が４０℃〜６０
℃、相対湿度が１０％程度であるのがよい。

この低湿の空気が導入されたことにより、汚泥中の水分
の蒸発が促進される。

高湿となった空気はパイプ１１を通って空気圧縮器１２
に至る。

乾燥に供される汚泥の粘度が高く、搬送能率が悪い場合
には、投入口８より乾燥済の汚泥を投入する。

これにより、乾燥室１中が汚泥によって詰まることが防
止される。

かようにして乾燥した汚泥は、排出ｈ５が開かれること
により排出される。

以上は本発明の詳細な説明であり、本発明の趣旨を越え
ない範囲で構成を適宜変更することができる。

例えば、乾燥室１中での乾燥に供される物の搬送が能率
良く行なわれるよう？こすべく、乾燥室１を水平面に対
して斜設したりあるいは傾動自在に構成してもよい。

また暖空気を外管９に送るだけでなく、軸４中にあるい
は軸４と並行するようにパイプを設けてこれらにも暖空
気を送り、もって汚泥中の水分の蒸発をより能率良く行
なわせるようにすることができる。

蒸発器１７で冷却した空気は、熱交換器２１に代えて、
凝縮器１５により加熱するようにしてもよい。

さらに、空気圧縮機１２に代えて空気圧縮をしない単な
る送風ファンを設置し、外管９に送られるべき空気の昇
温は凝縮器１５のみで行なうようにしてもよいし、その
反対に、空気圧縮機１２のみで空気の昇温を行なうよう
にしてもよい。

以上の説明から明らかなように、本発明による低温乾燥
装置は高温乾燥が好まれない物を良好に乾燥することが
できる。

しかも、乾燥室の外側に外管を設け、これに暖空気を流
すようにしているから乾燥に供される物中の水分の蒸発
が促進され、また乾燥に供される物からの蒸気中の水分
はすべてドレンとして排出されるので、その処理が簡単
である。

【図面の簡単な説明】

図は本発明による乾燥装置の構成図である。 １・・・・・・乾燥室、９・・・・・・外管、１２・・
・・・・空気圧縮機、１３・・・・・・冷凍機、１５・
・・・・・凝縮器、１７・・・・・・蒸発器、１９・・
・・・・バイパス用パイプ、２１・・・・・・熱交換器
。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 乾燥室から抽出した空気を乾燥室を囲繞する外管中
   に温度上昇させて送り、前記外管を通過した空気を冷却
   した後乾燥室中に導入するようにしたことを特徴とする
   低温乾燥装置。 ２ 乾燥室から抽出した空気を乾燥室を囲繞する外管中
   に空気圧縮機で圧縮して温度上昇させて送り、前記外管
   を通過ｊ〜た空気を冷却した後乾燥室中に導入するよう
   にしたことを特徴とする低温乾燥装置。 ３ 乾燥室から抽出した空気を乾燥室を囲繞する外管中
   に空気圧縮機で圧縮して温度上昇させた後冷凍機の凝縮
   器でさらに温度上昇させて送り、前記外管を通過した空
   気を冷凍機の蒸発器で冷却した後乾燥室中に導入するよ
   うにしたことを特徴とする低温乾燥装置。 ４ 特許請求の範囲第３項記載の低温乾燥装置において
   、空気圧縮機から凝縮器に送られるべき空気がバイパス
   されうるように構成されていることを特徴とする低温乾
   燥装置。 ５ 特許請求の範囲第３項記載の低温乾燥装置において
   、蒸発器で冷却された空気を外管を通過した空気の熱を
   利用した熱交換器および凝縮器の少なくともひとつで加
   熱した後乾燥室中に導入するようにしたことを特徴とす
   る低温乾燥装置。 ６ 特許請求の範囲第３項記載の低温乾燥装置において
   、乾燥室が斜設されていることを特徴とする低温乾燥装
   置。 １ 特許請求の範囲第３項記載の低温乾燥装置において
   、乾燥室が傾動自在に構成されていることを特徴とする
   低温乾燥装置。