JPS5913420Y2 - ホ−ス - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は可撓性のある輸送用ホース、とくにその改良
構造に関するものである。

本考案はとくに長尺の、船から岸へ、あるいは船間に燃
料を輸送するに適したホースに関するものである。

他の船あるいは容器その他から燃料を供給されるような
場合、船同士あるいは容器との間をカップリングに結合
した長尺のホースを使用するのが普通であった。

このような長いホースを使用するさい、これに過剰な張
力がかかるのを防ぐために、このホースラインに平行に
はしる銅線ケーブルを配して、これをホースのカップリ
ングにもうけたはと目にとおして該ケーブルの作用で上
記のような過剰な張力を生ずるのを阻止するようになっ
ている。

しかしこのような方法は、ホース用とケーブル用の２個
のリールが必要であり巻回、巻きほどきにも困難や危険
がともなう。

さらに、展張するさいにしばしばケーブルがホースをす
りむいてきづつけることがある。

また燃料補給の他の手段として利用されている、ホース
を船尾がらつぎつぎにのばしてゆくような仕方では摩擦
によってホースラインに生ずる引張り力のためにホース
がのびてその内径が小さくなってしまうおそれがあった
。

このためにホースの開口がせまくなって燃料の送給量が
減少することになる。

ホースが大きな応力を受けるので、この種の燃料補給用
のホースにはこれにワイヤがちなる補強部材を配装する
のが常であった。

しがしながらこのような構成のホースは波によって張力
やくりがえし曲げ力をうけて変形したりねじれたりする
おそれがあった。

この種の先行技術としては、たとえば米国特許第３６１
３７３６号に記載されているような、ホースの軸線方向
に平行に、補強用のワイヤーを円周方向に沿ってホース
端部に配設したものがある。

このような構成はたしかにホース端を補強するけれども
、これをホースの全長にわたってほどこすことは、これ
によってホースが剛強になってリールに簡単に巻回する
ことが不可能となるので、必ずしも適当ではない。

したがってこのような構成のホースは内径６ないしフッ
インチ（１５ないし１８ｃｍ）までの軽中量級までのホ
ースには適していない。

このような先行技術の欠点は以下に説明する本考案によ
って解消されるものである。

本考案の目的は、長手方向に大きい強度と安定性を有し
ながら同時に可撓性をも維持しておりこれによって変形
したりねじれたりすることなく容易に巻回することの出
来るホースを提供することにある。

本考案の他の目的は、使用中にホースに余分な張力がか
かることによって伸長されたりすることがなく、しかも
充分な可撓性を保持していて、容易にリールに巻回する
ことのできるホースを提供することにある。

さらに本考案の他の目的は、巻回する場合には変形やね
じれを生ずるおそれが少なくがっ容易にリールに巻回可
能であるように充分な可撓性を維持しながら同時に長手
方向の引張り応力にもたえられる構成の燃料補給用のホ
ースを用いて燃料を移送するシステムを提供することに
ある。

その他の本考案の目的、利点は以下の説明ならびに特許
請求の範囲の記載から明らかになると考える。

以上説明した目的を達成するための一体構造をそなえた
ホースは、可撓性のある弾性材料からなるホース本体と
、該本体の相互に反対の対向位置に配装されていて本体
中にホース軸線に平行に埋設されてホースの長手方向の
強度を増大させるそれぞれ少なくともひとつの補強部材
からなる２対の補強部と、該補強部材を有せず前記補強
部に隣接した残余の部分とからなるものである。

前記の長手方向の補強部材はホースの外周に沿ったその
巾が前記の残余の部分の外周方向に沿った巾にひとしい
かあるいはそれ以下となっておりこのように構成された
少なくとも全周の半分の部分によってホース自体はねじ
れ等を生ずることなくリールに容易に巻回できるものと
する。

以上説明した目的および利点はまた可撓性の弾性材料か
らなる断面はぼ円形のホースを用い、このホースの断面
上直径方向対抗位置に長手方向に１対の補強ストリップ
部を配することによって得られるものである。

前記ストリップ部は複数本のコードをホース本体内に埋
設配装し、このコード層を少なくとも１層ホースの長手
方向軸線に平行に配置してその長手方向の強度を増大せ
しめることによって開口面積の、伸張等による好ましが
らざる減少を阻止するものである。

ホース断面のその他の位置には前記の補強用ストリップ
部を設けない。

前記補強用ストリップ等の円周方向における巾はそれ以
外の残余部の円周方向の巾と同等がまたはより小さくし
ておき、これによってホースは全体として長手方向に充
分な可撓性を保有しており、変形やなじれを生ずること
なく容易にリール１２巻回可能となっている。

前記本考案の目的および利点はまた、前述のごときホー
スを複数個、継手部材を用いて互に端部を連結し、使用
後あるいは使用前におけるホースを連結したまま巻回で
きるリールを用い、船へ燃料を供給しあるいは船から岸
あるいは他の船に燃料を供給するシステムを構成するこ
とによって得られるものである。

第１図には本考案による輸送ホースを用いた燃料補強シ
ステムの一部が示しである。

多数のホースをその両端のカップリング３によって連結
して海上にうかべてその一端を燃料貯蔵部（図示してな
い）へ、また他端を船Ｓへ接続する。

石油系の燃料がこれによって船と燃料庫、あるいは船か
ら船へと供給される。

ホースの構成は第２および第３図に示しである。

図示のホースは燃料輸送用のもので、内径がほは゛６イ
ンチ（約１５ｃｍ）の円形断面形状に形成されている。

もちろん断面形状に図示のような円形以外に、たとえば
楕円、長方形等であってもかまわない。

本体即ちホース本体４は、繊維で補強された天然ないし
は合成ゴムなどの弾性部材からなっている。

このホースは主として海水中で使用するのでその内部チ
ューブおよびカバー６は上記のような材料でつくるのが
好適である。

さらにいえばチューブ５はニトリルゴムで、またカバー
はニトリルゴムとポリ塩化ビニールとをブレンドした材
料でつくることがのぞましい。

ホース本体４にはさらに、その直径方向対向位置にホー
ス長手方向に補強用ストリップ部７，７が配装しである
。

各補強用ストリップ部７，７′はホース本体内に埋設さ
れてホースの長手方向軸線に沿って少なくとも一層の補
強部材８からなっていてホースに長手方向に強度をあた
えている。

前記の補強部材８は、ホースや導管の補強に通常使用さ
れているコード用材料を使用するものとする。

たとえば、ナイロン、レーヨン、ポリエステル、ガラス
繊維ならびに金属繊維から選択された一種の材料を使用
する。

補強部材たるコード８はホース本体４の中に一本づつ各
別に、あるいは編成ないし織成してストリップとして封
入されている。

ホースに対称的な強度を保持させるために、各ストリッ
プ部７，７′には同数のコードを配装するとよい。

またコードは前述のようにストリップ部内に一層に配し
ても、あるいは２ないしそれ以上多層に配装してもよい
。

たとえば、第４図に示す実施例においては、ホース本体
９の直径方向対向位置には補強部１０．１０’が形成さ
れており、各補強部には２層になった補強部材１１．１
２がコード１３で形成されていてポース１４にさらに大
なる強度をあたえている。

ホース本体４にはさらに、補強ストリップ部７゜７′以
外の部分１５．１５’があり、この部分には前述の補強
部材たるコード８がなく、ストリップ部７゜７′に隣接
した位置にある。

補強ストリップ部７，７′は、ホース本体の断面でみて
その他の部分１５．１５’よりも円周方向にみてその長
さはひとしいかあるいは小さくなっており、これによっ
てホース２の少なくとも半分の部分は通常の可撓性を有
したままとなっているので、容易にリールに巻回収納す
ることもできるようになっている。

第２図に示すように、補強ストリップ部７，７′はホー
スの中立軸線Ｎの位置に配置されている。

上記の中立軸線なる字句は、ホースが巻回あるいは使用
のためにひきのばされるときに伸び縮みしない部分を示
すものとする。

ホース２が水に浮かばされる場合とは上記中立軸線の位
置は種々変化するが、第２図にはホースの長手方向軸線
に関して中立軸線は垂直位置になるように図示しである
。

ホースが第５および第６図に示すように巻回されている
ときには中立軸線は巻回が容易になるように、実質的に
水平になるように位置せしめられるものとする。

ホースの断面が円形の場合には、補強ストリップ部７，
７′の弧Ａ＋Ａ’は１８０°ないしそれ以下となってい
る。

この弧Ａ＋Ａ’が１８０°をこえると、ホースの可撓性
が不充分になり巻回が容易にはできなくなったり、ゆが
んだり、ねじれたりしやすくなる。

したがって、このような欠点を排除するためには中立軸
線Ｎの両側にある角度“ａ”ａ′”をそれぞれ４５°な
いしそれ以下とし、ストリップ部はこれに相当する皿上
にあるようにするとよい。

さらにまたストリップ部７，７′の弧の合計Ａ＋Ａ’は
１２０゜ないしはそれ以下とし中心角“ａ”、“ａ′”
は３０°ないしはそれ以下にするのが好適である。

以上説明した弧の大きさはストリップ部を形成するコー
ドの材質によってほぼ決定される。

たとえば、よく伸長するナイロンの場合には弧の合計が
１８０°に近いように構成し、一方ポリエステルあるい
はレーヨンの場合には１２０°以下にする必要がある。

ガラス繊維あるいは鋼繊維を使用する場合にはこの弧を
含む角度はさらに小さく、２０°ないしそれ以下とする
。

ホース２にはさらに、ホース本体４内に、ホースの半径
方向に対する力に対抗するための補強用の織物即ち補強
材料層を内蔵している。

この補強材料層即ち織成物は平織りあるいはコード状の
構成であって通常チューブ５の外周にスパイラル状に巻
回しである。

長手方向に配した補強用コード８は上記織成材の上側、
下側どちらでもよいが、織成物を数層巻回する場合には
その任意の２層の間に挟持させるのが好適である。

たとえば、ホース本体上に４層の織成物１６．１７．１
８および１９を巻回する場合には、コード８を層１７．
１８の間に、第３図に示すように配するのがよい。

実際の場合、スパイラル状の織成物はナイロンで、軸方
向配置の補強用コードはポリエステルとすると好結果が
得られることが判っている。

この場合、コードの径は０．０５インチ（約１．３ｍｍ
）、スパイラル状に巻回する織成物その厚みあるいは直
径（コード形態の場合）は０．０３８インチ（約０．９
７ｍｍ）補強ストリップ部７，７′の円周方向の巾はそ
れぞれおよそ２インチ（約５０ ｍｍ）で合計４インチ
（約１００ ｍｍ）となっており、ホースの内径６イン
チ（約１５ｃｍ）の場合その壁厚は０．４４インチ（約
１１．２ ｍｍ）、補強ストリップ部７，７′の間に位
置する部分１５．１５’の円周方向の長さはそれぞれお
よそ８インチ（約２０ｃｍ）、計１６インチ（約４０ｃ
ｍ）となっている。

この場合、補強ストリップ部７，７′に対する中心角“
ａ”、“ａ′”は中立軸線の両側にそれぞれ１８°とな
り、弧Ａ＋Ａ’ははパ２°となっている。

以上から明らかなようにホース本体４の断面においてコ
ード８を内蔵する補強ストリップ部７，７′の円周方向
の長さの合計は、それ以外の部分の円周方向の長さより
も小さいから、ホース２はその断面でみて大部分のとこ
ろで充分な可撓性を保持しているから、ねじれたりする
ことなく容易に巻回することが可能である。

第５および第６図には、ホース２を、使用後あるいは前
におけるリール２０に巻回しである状態を示しである。

前述のように、この場合にはホースの中立軸線は水平と
なっており、ホースの可撓性の部分１５．１５’がほぼ
平担な状態となってたやすくリールに巻回し得る。

本考案によるホースを製作するには、この種のホースを
製造するさいにおける公知の手段が利用される。

すなわちホースを形成するに必要なすべての部材がマン
ドレル上に所定の順序に結合され、ついでスチームその
他適宜の手段で加硫がおこなわれてホースが形成される
。

本考案は相当大きい長手方向の張力に耐えることができ
、かつ圧縮にも対抗できてその一方長手方向に充分な可
撓性を保持していて、これによって歪みやねじりなどを
生ずることなく容易にリールに巻回し得るホースを提供
するものである。

本考案によるホースは前述のように燃料を補給するため
のホースとして用いられるばかりで゛なく、上記のよう
なホースの特性を必要とする多くの場合に利用すること
がで゛きる。

たとえば゛このホースはセメントのごとき固形物ないし
は半固形物の輸送にも適するものである。

以上の本考案の実施例について説明したが、本考案はそ
の考案の範囲ないし精神の範囲内で種々な変形が可能で
あることはもちろんである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案のホースを用いて船と岸壁あるいは船
と船との間で燃料を補給しているところを示す一部の側
面図、第２図は、第１図２−２線に沿って示した拡大断
面図、第３図は、本考案の構成を明示するために一部を
破断して示したホースの平面図、第４図は、第２図に示
したものとは異なる実施例を示す図、第５図は、第１図
に示すホースを、その使用前あるいは使用後にリールに
巻回したところを示す側面図、第６図は、第５図６−６
線に沿って示した拡大断面図である。 図中、符号１・・・・・・燃料補給システム、２・・・
・・・ホース、３・・・・・・カップリング、４・・・
・・・ホース本体、５・・・・・・チューブ、６・・・
・・・カバー、７，７′・・・・・・補強用ストリップ
部、８・・・・・・コード、１０．１０’・・・・・・
補強ストリップ部、１１．１２・・・・・・織成物の層
、１５．１５’・・・・・・残余部（通常の補助部）、
１６．１７．１８．１９・・・・・・織成物層、２０・
・・・・・リール。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 材料を輸送するための一体化した構造のホースに於いて
   、 可撓性のある弾性材料の本体であって、ホースの長手方
   向軸線に対し斜めの角度で配置された要素を備えほぼ円
   周方向に延在する補強材料の少なくとも一つの層と、上
   記斜めの角度と逆の角度でホースの長平方向軸線に対し
   斜めの角度で配置された要素を備えほぼ円周方向に延在
   する少なくとも一つの他の層と、上記補強材料を取り囲
   む外側カバーと、内部チューブと、過度の端部負荷によ
   り引き起こされるホースの開口の収縮及びホースの伸び
   に対し主要な抵抗をもたらす一対の円周方向に隔置され
   長手方向に補強された部分とを有する上記本体を備え、 上記補強された部分は、上記補強材料の層の２つの間に
   配置されそれによりホースの横断面の両側で完全に上記
   本体内に配置され、且つ、該補強された部分のそれぞれ
   は本体内に埋め込まれた少なくとも１つの細長い且つ応
   力に対して抵抗する補強部材を有し、この補強部材はホ
   ースの長手方向軸線に対しほぼ平行に延在しそれにより
   補強材料の上記要素に対しかたよった関係にあり、該補
   強部材はホースの端部に付加される長手方向の実質的な
   引張り応力に耐えることが可能でありそれによりホース
   に長手方向の強度を与え、 更に上記本体は上記補強部材のない上記本体の残部分を
   有し、該残部分は、上記長手方向に補強された部分のそ
   れぞれの側で該長手方向に補強された部分に隣接して配
   置され、且つ本体の横断面のうち上記長手方向に補強さ
   れた部分の円周方向長さの合計は上記残部分の円周方向
   長さの合計に等しいかあるいはそれより小さく、それに
   よりホースの少なくとも半分は長手方向に可撓性を有し
   その結果ホースはそれ自体容易に巻くことができ且つも
   つれることが少ないホース構造を備える、上記残部分を
   有することを特徴とする上記ホース。