JPS5912994Y2 - 高ダスト用反応器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は脱硝反応器等の反応装置に係り、特に多量のダ
ストを含有するガスを処理するに好適な高ダスト用反応
器に関する。

第１図は、従来技術に基づく脱硝装置等に使用する反応
器の概略構造を示す。

高ダスト含有排ガスを処理する場合は一般にダスト堆積
防止の点から反応器内のガスの流れは、垂直下方向で、
反応器の入口空間部７には触媒層５でのガス偏流を防止
するため、整流ベーン８が取りつけられ、さらに触媒層
５はダストの堆積による性能低下や圧力損失の増加が少
ないパラレルフロー型触媒が使用されていた。

しかしながら、石炭焚排ガス等、高ダスト含有排ガスの
処理においては、ガス中のダストが入口ダクト２のコー
ナ部や整流ベーン８、ケーシング内壁９等に堆積付着す
る。

これらのダストは、ある程度成長すると、その自重のた
め下側の触媒の最上部に落下する。

これに対し、従来は、第１図に示すように各触媒層５の
上部にパラレルフロー触媒の目開に相当する金網等をも
つダスト閉塞防止板４を設け、触媒層５への直接落下を
防止していた。

しかしながら、反応器上部へ堆積、付着しているダスト
が落下する際には、多量、且つ広範囲のダスト塊となっ
て、一度に落下するため、ダスト閉塞防止板を設けても
、その目開き以上で、且つ、広範囲のダスト塊である場
合には、ダスト閉塞防止板上に堆積し、その堆積ダスト
の下流側にある触媒層５は、ガスの流入が妨げられ、テ
゛ツドスペース１１を発生し、触媒の有効な利用ができ
なかった。

本考案の目的は、上記した従来技術の欠点をなくし、反
応器上部の比較的大型のダスト塊の落下による触媒のデ
゛ツドスペースや目詰りを防止できる高ダスト用反応器
を提供するにある。

本考案は、高ダスト含有排ガスが垂直下方向に流れるダ
クト垂直部に設けられたパラレルフロー型触媒層の上流
近傍部に上記パラレルフロー型触媒層の触媒の目開に相
当する金網等の多数の間隔を有するダスト閉塞防止板を
上記ダクト垂直部に設け、上記ダスト閉塞防止板の上流
部で、かつ上記ダクト垂直部に刃状の材料よりなる格子
状もしくは平行板状構造又は針状物を設けた格子状もし
くは平行板状構造のダスト破砕装置を設けたことを特徴
とする高ダスト用反応器である。

本考案は、反応器入口部にたとえば、刀の刃状の材料で
作った格子状又は平行板状のダスト破砕装置を設けるか
、又は格子等に針を植込んだ破砕装置を設け、大型で落
下するダスト塊を一度破砕し、小型のダストに細分化し
、且つ分散させ、触媒上を広範囲に覆いかぶさることを
なくした反応器である。

さらに、ダストを細分化しているため、比較的目間きの
小さいダスト閉塞防止板にもダスト破砕効果が現われ、
ダストの目詰りや、堆積によるデッドスペースの生成を
防止する効果もある。

以下に本考案の実施例を脱硝反応器の例をとって第２図
により説明する。

ボイラやその他の燃焼設備より発生した窒素酸化物を含
む燃焼排ガスは、所定の温度に排熱を回収した後、第２
図に示す反応器１の入口ダクト２より流入し、ダスト破
砕装置３、ダスト閉塞防止板４を通過し、触媒層５に流
入する。

この触媒層５で所定の脱硝反応を完了し、反応器１の出
口ダクト６より煙突等へ流出する。

一般に、高濃度のダストを含有した排ガスは、反応器１
の入口空間部７に設けられた整流ベーン８、入口空間部
７を包むケーシング内壁９に広範囲、且つ多量のダスト
塊１０を堆積付着させる。

これらのダスト塊１０は、自重や排ガスの温度変化等に
より、落下し始めると、大型のダスト塊となって一度に
落下する。

これらに対し従来装置の場合には、第１図に示すように
大型のダスト塊１０が直接、ダスト閉塞防止板４の上に
落下する。

一般にダスト閉塞防止板４は触媒層５の目開きと同等の
狭いピッチの目開としているため、大型のダスト塊１０
が直接落下するとそのままの状態で堆積し、その下側の
触媒にデッドスペース１１を発生させ性能低下や圧力損
失の上昇をきたす。

これらに対し、本考案においては、反応器１の入口空間
部７にダスト破砕装置３を設置し、大型のダスト塊１０
を一度このダスト破砕装置３にて破砕し、小さいダスト
にするとともに分散させるため、ダスト閉塞防止板４を
広範囲に覆いかぶさることはない。

さらにダストは細分化されているため、比較的小さい目
開きのダスト閉塞防止板４でもダストを破砕する効果が
あり、ダストの目詰りや堆積による触媒のデッドスペー
スの発生が回避できる。

第３図は、本考案の他の実施例を示す。

ダスト破砕装置３とダスト閉塞防止板４の間に回転式の
部分長抜き差し型のスートブロワ１２を設置し、比較的
大型のダストが堆積する可能性のあるダスト破砕装置３
は逆洗方式で、小型のダストが堆積するダスト閉塞防止
板４は並行流方式でダストの除去を可能としたものであ
る。

本考案により、高ダスト含有排ガスを処理する脱硝反応
器において生じる落下ダスト塊による触媒層のデッドス
ペースの発生や閉塞、それによる性能低下や圧力損失の
増加という問題が解決され長期の安定した運転が可能と
なった。

第４図イに本考案のダスＩ・破砕装置の平行板状３３構
造を例示する。

例示してないが格子状構造のものも同様に使用できる。

口に刃状３１材料よりなる平行板状構造を例示し、八に
針状３２物を設けた平行板状構造を例示する。

本願のダスト破砕装置３は明細書第５頁第４〜１０行に
記載の大型となったダスト塊１０が落下して来るのを前
記刃状又は針状構造物でうけて破砕しデッドスペース１
１の生成を防止する役目を果たす。

第５図は本考案に於けるダスト閉塞防止板４の構造を例
示する斜視図である。

第６図は本考案に於けるスートブロワの説明図で、前後
の運動と廻転運動ができ、圧気又は蒸気によりダストを
吹き払うことができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来の反応器構造を例示する。 第２図は、本考案による高ダスト用反応器構造を例示す
る。 第３図は、本考案の他の実施例を示す。第４図は本考案
に於けるダスト破砕装置の構造を例示する斜視図、第５
図は本考案に於けるダスト閉塞防止板の斜視図、第６図
は本考案におけるスートブロワの説明図である。 １・・・・・・反応器、２・・・・・・入口ダクト、３
・・・・・・ダスト破砕装置、４・・・・・・ダスト閉
塞防止板、５・・・・・・触媒層、６・・・・・・出口
ダクト、７・・・・・・入口空間部、８・・・・・・整
流ベーン、９・・・・・・ケーシング内壁、１０・・・
・・・ダスト塊、１１・・・・・・デッドスペース、１
２・・・・・・スートブロワ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 高ダスト含有排ガスが垂直下方向に流れるダクト垂直部
   に設けられたパラレルフロー型触媒層の上流近傍部に上
   記パラレルフロー型触媒層の触媒の目開に相当する金網
   等の多数の間隔を有するダスト閉塞防止板を上記ダクト
   垂直部に設け、上記ダスト閉塞防止板の上流部で、かつ
   上記ダクト垂直部に刃状の材料よりなる格子状もしくは
   平行板状構造又は針状物を設けた格子状もしくは平行板
   状構造のダスト破砕装置を設けたことを特徴とする高ダ
   スト用反応器。