JPS591252B2 - ナフトキノンとフタル酸との分離方法 - Google Patents

ナフトキノンとフタル酸との分離方法

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JPS591252B2
JPS591252B2 JP54051258A JP5125879A JPS591252B2 JP S591252 B2 JPS591252 B2 JP S591252B2 JP 54051258 A JP54051258 A JP 54051258A JP 5125879 A JP5125879 A JP 5125879A JP S591252 B2 JPS591252 B2 JP S591252B2
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naphthoquinone
phthalic acid
solution
aqueous
aqueous slurry
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立美 小松
健二 臼井
亨 佐藤
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C46/00Preparation of quinones
    • C07C46/10Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C51/00Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides
    • C07C51/42Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives
    • C07C51/48Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives by liquid-liquid treatment

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
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  • Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 この発明はナフトキノンとフタル酸との分離方法、更に
詳しくはナフタリンの接触気相酸化反応で得られる生成
ガスを水洗捕集して得た1、4一ナフトキノン(以下単
にナフトキノンと記した場合は1、4−ナフトキノンを
表わす)を含む水性スラリーからナフトキノンをできる
だけ高純度で分離する方法に関する。
ナフタリンの接触気相酸化反応で得られる酸化反応生成
ガスを水性媒体と接触させてナフトキノン及び無水フタ
ル酸を水洗捕集して得られる水性スラリーからナフトキ
ノンとフタル酸を分離する方法としては、例えばキシレ
ンなどの芳香族炭化水素溶媒を用いて、上記水性スラリ
ーからナフトキノンを抽出し、フタル酸水溶液とナフト
キノン溶液とを分離し、ナフトキノン溶液を減圧濃縮す
る方法が提案されている(特公昭53−20026号公
報参照)。
また、特公昭53−9209号公報には、接触酸化反応
生成ガスの水洗捕集に際して、捕集用水性媒体にアルカ
リを添加し、捕集したフタル酸をフタル酸モノ塩として
溶解し、不溶性のナフトキノン結晶を分離する方法が提
案されている。しかしながら、これらの方法により得ら
れるナフトキノンの純度は何れも低いものである。即ち
、前者の方法では、ナフタリンの接触気相酸化反応の生
成ガスを水洗捕集して得たナフトキノン及びフタル酸の
水性スラリー中に含まれる、キノン類の重縮合物やハル
ツ(樹脂)状物質が抽出に用いた芳香族炭化水素溶媒に
溶解し、ナフトキノン溶液は不純分を含有することにな
る。また後者の方法では同明細書実施例に示されるよう
に、水溶液相に不溶な重縮合物やハルツ等の不純物がナ
フトキノン結晶に5%前後混入し、高純度のナフトキノ
ンが得られない。ナフトキノンは従来より染顔料中間体
又は農薬の原料として極めて重要な工業薬品であり、高
純度の製品が要望されているが、上述の例で見られるよ
うに、ナフタリンの接触酸化反応生成物から工業的有利
に高純度のナフトキノンを製造することができなかつた
本発明者等はか\る背景にかんがみ、ナフタリンの接触
気相酸化反応生成物から高純度のナフトキノンを製造す
る方法につき鋭意研究を重ね、その結果、ナフトキノン
の重縮合を阻止するため、特定のPH範囲に調整したナ
フトキノン−フタル酸の水性スラリーからナフトキノン
を抽出する際、従来ナフトキノンの溶解度が低いために
使用されなかつた飽和炭化水素を抽出溶剤として用いた
ところ、従前技術の芳香族炭化水素使用時にナフトキノ
ン溶液に溶解混入してきた不純物、即ち重縮合物、ハル
ツ状物質が飽和炭化水素溶媒層には殆んど溶解せず、ナ
フトキノンが溶媒側に選択的に抽出され、しかも重縮合
物及びハルツ状物質などの不純物が不溶物となつて容易
に分離されることを見出し、本発明を完成した。
本発明はナフタリンの気相接触反応生成物から再結晶等
の精製工程を要せず、直接的に高純度ナフトキノンを工
業的有利に製造する方法を提供することを目的とするも
のであつて、この目的は本発明に従い、ナフタリンの接
触気相酸化反応によつて得られるナフトキノン、無水フ
タル酸並びに無水硫酸及び/又は硫酸を含有する反応生
成ガスを水性媒体と接触させ、ナフトキノン及び無水フ
タル酸を捕集して得た水性スラリーからナフトキノンと
フタル酸とを分離するに当り、水性スラリーのPHl.
2〜5に調整し、フタル酸を溶解し又は溶解せずして該
水性スラリーと鎖状及び/又は環状の飽和炭化水素類か
らなる溶媒とを、60〜110℃において接触させ、最
終的にフタル酸を実質上全部溶解させた後、生成するナ
フトキノン溶液、フタル酸水溶液及び何れの層にも不用
なハルツ状物質等を夫々分離することによつて達成さ
(れる。
以下杢発明方法を詳細に説明する。
本発明方法におけるナフタリンの接触気相酸化反応は通
常用いられ又は知られている如何なる方法によつてもよ
く、一般的には、例えば五酸化バナジウム一硫1酸カリ
系の触媒上で酸素含有ガス、通常は空気を用いて行なわ
れ、主としてナフトキノン、及び無水フタル酸、そして
少量の無水マレイン酸を含む反応生成ガスが得られる。
原料のナフタリン中にはチオナフテンなどの硫黄化合物
が含まれており、これが酸化されて無水硫酸及び/又は
硫酸となり、反応生成ガス中に含まれてくる。反応生成
ガスは約200℃まで冷却された後、スクラバーにおい
て水性媒体と接触させ、ナフトキノン及びフタル酸の水
性スラリーとして捕集される。この際、無水マレイン酸
はマレイン酸に、無水硫酸は硫酸となつて溶解する。そ
して水性媒体はその後のナフトキノン及びフタル酸分離
後、再びスクラバーに送られ循環使用される。また、酸
化反応生成ガスから水性スラリーを生成させるのに気泡
塔を用いる場合には気泡塔内に水性媒体(連続的に操業
が続けられるときは水性スラリーになつている)中に酸
化反応生成ガスを導入し、水性スラリーの一部を抜き出
し、ナフトキノン、フタル酸を除いた後、その淵液(母
液)を気泡塔に循環して使用する。
このように本発明方法で用いられる水性媒体としては、
本発明方法に従つてナフトキノン、フタル酸を分離した
後の母液を循環使用するのが工業的に有利である。しか
し水性媒体として新しい水を用いても勿論差支えない。
母液を循環使用する場合には、副生するマレイン酸、硫
酸の蓄積が起り、水性媒体や水性スラリーのPHは次第
に低下する。このような水性媒体をそのま\使用し続け
るときは、ナフトキノン及び無水フタル酸を含有する高
温の酸化反応生成ガスを水洗捕集し、得られた水性スラ
リーからナフトキノンを溶剤抽出する際、加熱すると、
ナフトキノンの重縮合などの反応が急速に進行し、ナフ
トキノンの変質をもたらす。フタル酸水溶液中における
ナフトキノンの変質に及ぼす温度及びPHの影響を第1
図及び第2図に示す。
この実験ではナフトキノン2.4%(重量%、以下同じ
)、フタル酸6.5(f)、硫酸1、2(:fl)、マ
レイン酸1,4(Ft)を含む水スラリーからなる試験
液(PHl.O)を用いた。第1図は横軸が泥度(℃)
、縦軸がナフトキノンの変質率(モル%)である。図中
、A線は未調整の試験液、B線はこの試験液のPHを1
.5に調整したもの、C線は同じくPHを2.1に調整
したもの、夫々について、横軸の各温度で夫々4時間反
応させたときのナフトキノンの変質曲線である。第2図
は縦軸をナフトキノン変質率(モル%)、横軸をPHと
し、第1図におけると同じ試験液を用い、これに水酸化
ナトリウム水溶液を添加してPHを調節した。
処理瀞度は80℃とし、処理時間は夫々のPHのものに
つき4時間とした。第1,2図から、PHが1,2より
酸性側、特に60℃以上のときナフトキノンの変質が激
しく進行することがわかる。そして60゜C以上、特に
80℃以上の温度で処理する場合には、水性スラリーの
PHを12以上、好ましくは1.5以上に調整すること
により上記変質を極めて有効に阻止することができるこ
とがわかる。ナフトキノン抽出後、冷均して析出するフ
タル酸を分離した後の淵液を中和することによつても極
めて合理的に同じ目的は達せられる。PHの上限は5で
ある。
好ましくは3以下、一層好ましくは2.5以下、更に特
別好ましくは2.2以下であり、この範囲に調整するこ
とにより、実質的にフタル酸を中和することなく実施し
得るのでフタル酸の回収が極めて有利に行なわれる。P
Hを3〜5に調整した場合には、ナフトキノンの重縮合
をほぼ完全に阻止することができるが、フタル酸の回収
には、フタル酸塩の酸析用の強酸が必要となる。このた
めには例えば硫酸のような鉱酸で酸性化し、フタル酸と
した後に回収する。PHが5以上になると塩基性物質及
び上記酸析用の強酸を多量に必要とし、工業上実用的で
ない。本発明方法における水の量は60〜110′C、
好ましくは70〜100℃に水性スラリーを加熱したと
きにフタル酸が完全に溶解し得る量以上であるが、ナフ
トキノン溶液との成層分離が容易になるよう、ナフトキ
ノン溶液との比重差を考慮した適正な量が選ばれる。P
Hが2.5以下ではフタル酸の7〜30重量倍、好まし
くは10〜20重量倍である。前述の特公昭53−92
09号公報記載のようにフタル酸モノ塩の領域までPH
を調整すれば、溶解度に合わせて水の使用量を少くする
ことができる。水性スラリーのPH調整は水性スラリー
又はフタル酸晶出淵液に(フタル酸結晶を除去した母液
)に、直接、塩基性物質をそのま\又は水溶液で添加し
て行なうことができる。
PH調整用の塩基性物質としては、水酸化ナトリウム、
炭酸ナトリウムなどのアルカリ性物質、重炭酸ナトリウ
ム、フタル酸ジナトリウム、マレイン酸ジナトリウムな
どの弱酸のアルカリ塩、アンモニア又はアミン類などが
適宜用いられる。一般的には水酸化ナトリウム、炭酸ナ
トリウムの水溶液が取扱上、好ましい。本発明方法にお
いて用いられる有機溶媒は、鎖状及び/又は環状の飽和
炭化水素類から選ばれるが、抽出の際の処理湿度におい
て液状であることが必要である。
一般的には常圧において沸点60゜C以上であつて、常
泥で液状のものが好ましい。更に好ましいのは常圧にお
いて沸点80〜300℃の範囲内のものである。また脱
溶媒によりナフトキノンを回収する場合には、特に沸点
180℃以下のものがナフトキノンの蒸発損失を抑える
上で好ましい。常圧において沸点が60′C以下では蒸
気圧が高すぎて損失量が増加し、取扱いが難しい。また
常泥で固状のものは溶媒として工業的に取扱いにくい。
飽和炭化水素溶媒として具体的にはn−ヘキサン、n−
ヘプタン、n−オクタン、n−ノナンなどの直鎖脂肪族
炭化水素、イソヘキサン、イソヘプタン、イソオクタン
などの分枝脂肪族炭化水素又はシクロヘキサン、シクロ
ヘプタン、シクロオクタン或いはそのアルキル置換体な
どの飽和環式炭化水素が挙げられる。その他パラフイン
系灯油、軽油も用いられる。そしてこれらは単一物又は
2種以上め混合物として用いてもよい。溶媒の使用量は
、抽出条件にもよるが、ナフトキノンを溶解させる量以
上、通常ナフトキノンの10重量倍以上、好ましくは1
5〜50重量倍である。
本発明において、ナフトキノン及びフタル酸のスラリー
からナフトキノンを溶媒で抽出する際の温度は60〜1
10℃の範囲内から選ばれる。
その際、水性スラリー中のフタル酸を溶解することなく
、溶媒と接触させた後、所望温度に上げることができる
し、またフタル酸を溶解した後、抽出を行なわせること
もできる。ナフトキノン及びフタル酸が存在する水性ス
ラリーからフタル酸の回収を効率よく行なわせるために
は、フタル酸の濃度を高めることが望ましく、従つて処
理温度は高い方が望ましい。しかし、一方淵度を上げる
とナフトキノンの重縮合が著しくなるので、加熱前に予
め溶媒を添加してナフトキノンを溶媒中に移行させた後
に加熱するのが良好である。従つて最高処理温度として
は110゜Cが採られる。一方60゜C未満では、水に
対するフタル酸の溶解度及び溶媒に対するナフトキノン
の溶解度が低く、溶媒量が多くなるので実用的でなくな
る。以上の理由により抽出温度は60〜110℃の範囲
内から選ばれ、特に良好なのは70〜10『Cの範囲で
ある。抽出工程における水性スラリーと溶媒との接触方
法は例えばラインミキサー又は攪拌槽などを用いて連続
的又はバツチ式で行なうなど、一般的に用いられる如何
なる方法によつてもよい。この抽出操作で、例えば攪拌
槽を用いるときは、攪拌を止めて静置すると、上部にナ
フトキノンの溶液層、下部にフタル酸の水溶液層という
ように二層に分かれ、更にハルツ状物質は小粒状となり
、水溶液層の下部に集まるので、ハルツ状物質を分離し
、次いで高純度のナフトキノン溶液及びフタル酸水溶液
とに液々分離することができる。勿論、接触、加熱及び
分離の各操作を連続的に組合わせることもできる。第3
図は本発明方法を連続的に操作する実施態様例を示すフ
ローシートである。
第3図において、1はスクラバー、2はナフタリンの接
触気相酸化反応の生成ガスをスクラバー1に導入する導
入管、3はPH調整用の塩基性物質の導入管、4は水性
媒体の導人管、5は水性媒体の放出管、6はオフガスの
排出管、7はスクラバー1で生成したナフトキノン、フ
タル酸の水性スラリーの導出管、8は飽和炭化水素溶媒
の導人管、9はパイプ状の混合器、10はナフトキノン
の抽出器で適温に加熱されるようになつている。
11は分離槽、12は攪拌機、13はハルツ排出管、1
4はハルツ貯槽、15はナフトキノン溶液の導出管、1
6はナフトキノン溶液の貯槽、17及び18は導管、1
9はナフトキノンの減圧乾燥器、20はナフトキノン排
出管、21は溶媒蒸気の導出管、22は冷却器、23は
溶媒貯槽、24は浩媒の移送管、25はフタル酸水溶液
の導出管、26は向流抽出塔、27は攪拌機、28はフ
タル酸水溶液の取出管、29はフタル酸の晶析槽、30
は晶析したフタル酸含有液の導管、31はデカンタ一
32はフタル酸結晶の取出管、33はデカンタ一31か
ら淵液を取出し、これをスクラバー1へ戻す導管、34
は洛媒を補充するための導入管である。
この装置で高純度のナフトキノンを製造する方法を説明
する。
ナフタリンの接触気相酸化反応による生成ガスは導人管
2からスクラバー1へ導人される。一方後に更に説明さ
れるが、フタル酸水溶液からフタル酸を晶出させ、この
結晶を除いた沢液(母液)を、導管33及ひ導人管4を
経て、放出管5からスクラバー1へ噴出させて上記酸化
反応の生成ガスを水洗捕集し、ナフトキノン及びフタル
酸の水性スラリーを生成させる。この水性スラリーに導
入管3から塩基性物質を添加し、水性スラリーをPHl
.2〜5の範囲内に調整し、次でこの水性スラリーを導
出管7を経てパイプ状の混合器9へ連続的に送る。導出
管7から排出される水性スラリーの一部は場合によりス
クラバー1へ循環される。上記混合器9へは同時に飽和
炭化水素溶媒が導入管8を経て導入され、水性スラリー
と混合され、この混合物はナフトキノン抽出器10へ送
られ、ここで60〜110℃、好ましくは70〜100
℃、一層好ましくは80〜95℃の範囲に加熱され、水
性スラリー中のナフトキノンの70〜80重量%が溶媒
に抽出され、分離槽11へ送られる。分離槽11ではゆ
るやかな攪拌が行なわれ、上部にナフトキノ7の飽和炭
化水素溶液層、その下部にフタル酸の水溶液層が成層分
離され、更にその何れの層にも溶解しないハルツ状物質
が凝集沈降し、この沈降したハルツ状物は排出管13を
経てハルツ貯槽14へ送られる。分離槽11内の上層の
ナフトキノン溶液は導出管15を経て貯槽16へ送られ
る。このナフトキノン溶液はナフトキノンに対し1%程
度の不純分しか含まず、特に従来知られている芳香族炭
化水素溶媒を使甲して抽出を行なつた場合に比べ、酸分
含量が極めて少量であるので、そのま\次の工程の原料
として使用することができる。例えばデイールスアルダ
一法によるアントラキノン製造工程に使用するときは、
高純度のアントラキノン中間体、例えば1,4,4a,
9a−テトラヒドロアントラキノン又はその塩を殆んど
定量的に製造することができる。このような目的に用い
る場合にはナフトキノン溶液の貯槽16から導管17を
経てその製造工程に送りこむ。またナフトキノンを高純
度製品にするには、ナフトキノン溶液を、その貯槽16
から、導管18によつて取出し、減圧乾燥器19に送り
、ここで攪拌下、加熱して溶媒を蒸発除去し、粉末状に
する。
粉末状のナフトキノンは排出管20から取出される。一
方溶媒蒸気は導出管21を経て冷却器22に人り、ここ
で液化して溶媒貯槽23に貯えられる。このように溶媒
を除去してナフトキノンを粉末として取得する場合には
、溶媒としてその沸点が常圧で180℃以下のものを使
用するのが好ましい。分離槽11の下部から排出される
フタル酸水溶液はさきに述べた温度に維持される向流抽
出塔26の上部に供給され、この塔26の下部に供紹さ
れる溶媒(さきに説明した溶媒貯槽23に貯えられてい
る溶媒を移送管24によつて、且つ導入管34から供給
される補充の溶媒を、これに合せて送給する)と向流接
触させられ、フタル酸水溶液中に残留するナフトキノン
を完全に除いた後、向流抽出塔26の下部からフタル酸
の晶析槽29へ送る。
ここで冷却を行ない、フタル酸を晶出させ、次いでデカ
ンタ一31によつてその結晶を分別し、取出管32から
取出す。一方デカンタ一31から取出された淵液は導管
33により、導入管4を経てスクラバー1へ循環する。
この循環の途中で必要に応じPHを調節してもよい。向
流抽出塔26の上部から排出される溶媒は溶媒導人管8
に連結し、混合器9に循環使用する。フタル酸は、水性
スラリーのPH調整の際、モノアルカリ塩が生成する範
囲にPH調整を行なうとモノ塩の水溶液が得られ、この
水溶液を冷却、晶析させるとフタル酸モノ塩の結晶が回
収される。
上記モノ塩水溶液に酸を加えるとフタル酸になるので、
これを冷却、晶出させればフタル酸の結晶が得られる。
また以上のようにして得られたフタル酸から無水フタル
酸を取得したい場合は、常法に従つて脱水及び蒸留すれ
ばよい。ナフトキノンは、上述のように溶液のま\必要
に応じ利用することもでき、或いは減圧蒸発乾固して粉
末とし取得することもできるが、その純度は約99%と
いうような従来得られなかつた高純度のものを直接且つ
高収率で製造することができる。
次に本発明の実施例を説明する。
なお以下の例において、部及び%は夫々重量部及び重量
%である。実施例 1 ナフタリンの接触気相酸化反応による反応生成ガスを水
洗捕集し、得られる水性スラリー324部(ナフトキノ
ン10.5部、フタル酸27.5部、マレイン酸5.6
部、硫酸5.3部、残余は水)(PHl.O)を液湖3
0℃において4%水酸化ナトリウムによりPH2.2に
調整する。
この水性スラリーにn−オクタン194部を加え、85
℃に昇瀞し、約5分間攪拌した後、更に5分間ゆるやか
に攪拌するとナフトキノン溶液層、フタル酸水溶液層及
びハルツとに分れるので、下部からフタル酸水溶液とハ
ルツを抜き出し、上部のナフトキノン溶液と分離する。
上記フタル酸水溶液からハルツを分離した後、フタル酸
水溶液を、100部のn−オクタンを使用して向流抽出
し、得られた、ナフトキノノを含有するn−オクタンを
先のナフトキノン溶液に合わせて熱水洗浄した後、瀞度
70℃、減圧度70トールで減圧濃縮乾固し、ナフトキ
ノン10.5部を得た。このナフトキノンの純度は99
.2%であり、含存するフタル酸は0.01%であつた
。比較例 実施例1において用いたと同じ水性スラリー(PHl.
O)322,4部を、PH調整を行なうことなく、且つ
抽出溶媒としてオルト−キシレン322部を使用して抽
出操作を行なう以外は実施例1と同様に実施した。
得られたナフトキノンの収量は11.0部、純度は90
.5%であり、フタル酸が0.3%含まれていた。また
実施例1で用いた水性スラリーをPH22に調整する以
外は全べて上記比較例の方法と同様な条件で実施した。
ナフトキノンの収量は11,1部、純度は93.5%で
あつた。実施例 2 実施例1において用いたと同じ水性スラリー366部を
使用し、液温30゜Cにおいて4%水酸化ナトリウム水
溶液でPHを1.8に調整した。
次いでこのスラリーにシクロヘキサン151部を加え、
2Kf/CTl(ゲージ圧)の窒素ガス加圧下、90℃
に昇淵し、約5分間攪拌した後、ゆるやかに攪拌してナ
フトキノン洛液層、フタル酸水溶液層とハルツに分離し
た。以下実施例1と同様にして夫々を分取した。ナフト
キノンの収量は11,8部、純度は98,5(Ft)で
あつた。実施例 3 実施例1で用いたと同じ水性スラリー335部を使用し
、液温30℃において、4%水酸化ナトリウム水溶液を
使用してPH4.5に調整し、以下実施例1と同様に実
施した。
得られたナフトキノンの収量は10.9部、純度は99
.0%であつた。以上説明し、実施例に挙げたところは
本発明の理解を助けるための例示であり、本発明はこれ
らの場合に制限されるものでなく、本発明の要旨内でそ
の他の変更、変形例をとることができるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図はフタル酸水溶液中におけるナフトキノンの変質
に及ぼすPHと温度との影響を示す図表、第2図は温度
80℃、4時間処理におけるナフトキノンの変質率に与
えるPHの影響を示す図表である。 第3図は本発明方法の実施態様の一例を示すフローシー
トである。第1図において横軸は温度(℃)、縦軸はナ
フトキノンの変質率(モル%)、第2図において横軸は
PH、縦軸はナフトキノンの変質率(モル%)である。 第3図において、1はスクラバー、2はナフタリノの気
相接触酸化反応生成ガスの導入管、3は塩基性物質の導
人管、4は水性媒体の導人管、8は抽出用溶媒の導入管
、9はパイプ状の混合器、10はナフトキノンの抽出器
、11は分離槽、13はハルツ排出管、19はナフトキ
ノンの減圧乾燥器、26は向流抽出塔、29はフタル酸
の晶析槽、31はデカンタ一である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 ナフタリンの接触気相酸化反応によつて得られるナ
    フトキノン、無水フタル酸並びに無水硫酸及び/又は硫
    酸を含有する反応生成ガスを水性媒体と接触させ、ナフ
    トキノン及び無水フタル酸を捕集して得た水性スラリー
    からナフトキノンとフタル酸とを分離するに当り、水性
    スラリーのpHを1.2〜5に調整し、フタル酸を溶解
    し又は溶解せずして該水性スラリーと鎖状及び/又は環
    状の飽和炭化水素類からなる溶媒とを、60〜110℃
    において接触させ、最終的にフタル酸を実質上全部溶解
    させた後、生成するナフトキノン溶液、フタル酸水溶液
    及び何れの層にも不溶なハルツ状物質等を夫々分離する
    ことを特徴とするナフトキノンとフタル酸とを分離する
    方法。
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