JPS5911432Y2 - 内燃機関の点火プラグ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は火花点火式内燃機関に使用される点火プラグの
改良に関する。

火花点火式内燃機関にあっては、失火のおきやすい希薄
混合気域等においても着火が確実に行なわれるようにす
る必要があり、このような観点から、従来より着火性に
直接的な影響を与える点火プラグに関しても種々の改良
がなされている。

これらの改良の一例として、第１図に示すような点火プ
ラグが提案されている。

この点火プラグは、中心電極１と、側方電極２との間の
スパーク空隙をセラミック等の電気絶縁体３によって包
囲して小さな容積の放電空間４を形或し、スパーク放電
時にこの空間内に発生するプラズマ状ガスを噴出孔５よ
り燃料混合気内に噴出させるようにしたものである。

すなわち、この点火プラグはスパーク放電によって混合
気を直接的に加熱、点火する通常の点火プラグと異なり
、まず、中心電極１と側方電極２との間にスパークを発
生させて放電空間４内に高温、高エネルギーのプラズマ
状ガスを発生させ、次いでこのプラズマ状ガスの熱膨脹
による放電空間４内の圧力上昇によってプラズマ状ガス
を前記噴出孔５から混合気内へ噴出させ、この幸温、高
エネルギーの噴出ガス流によって混合気内に多数の火炎
核を形或させて着火が確実に行なわれるようにしよもの
である。

しかしながら、第１図に示すような従来の点火プラグに
おいでは、プラズマ状ガスの生或量を増すために、スパ
ーク放電距離を長くすると、放電のための要求電圧が上
がり、電極の消耗が著るしく増加する。

従って、従来の点火プラグでは、電極消耗の点から放電
距離を長くすることができず、そのプラズマ状ガス生或
量は制限され、点火能力を高めることができないという
問題点がある。

本考案はかかる従来の実情に鑑みなされたもので、点火
プラグを沿面放電の起り易い構造とすることにより、ス
パーク放電のための要求電圧を下げ、かつ、長距離放電
を可能にし、プラズマ状ガスの生或量を増加し、プラグ
の点火能力を高めることを目白勺としている。

以下、本考案を図面に基づいて説明する。

第２図は、本考案の一実施例を電源回路とともに示した
図である。

この実施例においては中心電極６のまわりをその頭部を
残してセラミック等の電気絶縁体７で包囲し、その絶縁
体７の外周の根元部に側方電極８を設ける。

電気絶縁体７の厚みを薄くすることにより、電気絶縁体
表面に沿面放電を起こし、かつ、長距離放電が可能な構
造とする。

さらに、両電極間のスパーク空隙に放電空間９を形或す
るために、セラミックなどの電気絶縁体からなるキャッ
プ１０を設け、このキャップの先端部に、放電空間９内
で発生したプラズマ状ガスを噴出孔１１を設けてある。

そして、電源回路２０は高電圧電源回路２０ ａと、低
電圧電源回路２０ ｂとから戒っている。

高電圧電源回路２０ ａは通常のスパーク放電型点火プ
ラグに用いられる電源回路と同様であって、機関回転に
同期して回転するカム２１と、コンタクトアーム２２及
び接点２２ ａと、イグニッションコイル２３と、電源
２４とから構或されている。

一方、低電圧電源回路２０ ｂは抵抗２５とコイル２６
とコンテ゛ンサ２７とを直列に接続すると共に、抵抗２
８と電源２９とからなる直列回路を前記コンデンサ２７
に並列に接続することによって構或されている。

そして、両電源回路２０ ａ及び２０ ｂは各々ダイオ
ード３０及び３１を介して、中心電極６に接続されてい
る。

今、機関回転に同期して回転するカム２１によってコン
タクトアーム２２が駆動され、接点２２ ａが開くと、
イグニッションコイル２３の一次側コイル２３ ａを流
れる一次電流が遮断され、二次側コイル２３ｂに高電圧
が発生するため、まず、中心電極６と側方電極８との間
の電気絶縁体７表面に沿面放電が発生する。

この沿面放電により両電極間の絶縁が一部破壊されるの
で、その後に続くスパーク放電のための要求電圧は下が
り、長距離のスパーク放電が行われる。

このスパーク放電により放電空間９内の絶縁は完全に破
壊されるので、低電圧でもスパーク放電が可能な状態と
なり低電圧電源回路２０ ｂから供給される直流電流に
よって放電空間９内で引き続き長距離のスパーク放電が
行われる。

すなわち、電源２９から抵抗２８を介してコンデンサ２
７に充電されていた電荷が、放電空間９、ダイオード３
１，抵抗２５及び、コイル２６を介して放電され、この
間、放電空間４内でスパーク放電が持続されることにな
る。

このため放電空間９内に多量のプラズマガスが生威され
、噴出孔１１より燃焼室に噴出してその高い熱エネルギ
ーにより、燃焼室の広い範囲に多数の火炎核を形或して
着火を確実に行なう事が出来る。

なお、第３図に示すように、プラグの先端に金属製のキ
ャップ１３を設け、このキャップの内側にセラミック等
からなる電気絶縁体１２を挿入し、この電気絶縁体によ
り放電空間を形或するようにしてもよい。

この場合には前記実施例に比較してキャップの保持強度
を増すことが出来る。

以上の説明から明らかなように、本考案の点火プラグに
よれば沿面放電を行なわせる事により、長距離のスパー
ク放電が可能となり、プラズマ状ガスが効率よく多量に
生或できるので点火能力を容易に、かつ大幅に向上させ
ることができる。

また、沿面放電によりスパーク放電のための要求放電圧
が下げられるため電極の消耗を減少し、プラグの寿命を
増すことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来構造を説明する一部縦断側面図、第２図は
本考案の一実施例を説明する一部縦断側面図、第３図は
本考案の他の実施例を説明する要部の断面図である。 ６・・・中心電極、７・・・電気絶縁体、８・・・側方
電極、９・・・放電空間、１０・・・キャップ、１１・
・・噴出孔、２０・・・電源回路。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）スパーク放電を行う内燃機関の点火プラグにおい
   て、中心電極を除いて電気絶縁体で包囲し、この絶縁体
   の外周基部に側方電極を設け、両電極間のスパーク空隙
   の周囲をセラミック等の電気絶縁体からなるキャップで
   包囲し、プラズマ状ガス発生用の放電空間を形或すると
   ともに、前記キャップに噴出孔を設け、スパーク放電時
   に前記放電空間内に発生したプラズマ状ガスを、この噴
   出孔より、燃料混合気内に噴出させるようにした事を特
   徴とする内燃機関の点火プラグ。
2. （２）電気絶縁体からなるキャップは、その外側を金属
   製のキャップで包囲されてなる実用新案登録請求の範囲
   第１項記載の内燃機関の点火プラグ。