JPS5911358Y2 - 少なくとも１つのア−ク炉をもつ多室製鋼装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、アーク炉と、このアーク炉の上方の範囲を走
行する装入クレーンと、操炉床上にあって出鋼口を含む
アーク炉を包囲しかつ煙道ガス吸出し装置を備えた遮音
隔室と、操炉床より下の工場床面上を出鋼口の前まで移
動可能な取鍋移送車両とを有する、少なくとも１つのア
ーク炉をもつ多室製鋼装置に関する。

このような装置は例えば特開昭５０−１２１１０７号公
報から公知である。

このような装置では、操炉床上に固定される隔室が建屋
の天井近くまで高く延び、装入クレーンがこの隔室の中
へ出入りできるように、クレーン用レールが隔室の開口
を通って隔室の中まで入９込んでおり、この開口を閉じ
るため扉要素が設けられている。

このような構威では、隔室の容積が大きく、シたがって
多額の構造費を要するのみならず、クレーンあるいはそ
のレールが隔室内の塵埃流中に存在することになり、さ
らに高温の煙道ガスや火災に常にさらされて寿命を低下
する。

しかも隔室の容積が大きいため、煙道ガスの吸出し送風
機の出力を大きくせねばならない。

本考案はこれらの欠点のない製鋼装置を提供するもので
、アーク炉の周囲および上方を特定の間隔をおいて覆う
前壁、側壁、後壁および天井により形或される遮音隔室
（以下単に隔室と略称する）が操炉床上に固定され、天
井のうちアーク炉の上方範囲にある部分およびこれに続
く前壁の部分が切欠かれ、この切欠きを覆う天井部分と
前壁部分からなりかつ隔室の天井および前壁に沿って移
動可能な逆Ｌ形の門形構造体半休をなす可動隔壁体が設
けられ、装入クレーン用レールが隔室の天井から離れて
その上方に設けられている。

こうして本考案によれば、装入クレーンおよびそのレー
ルは隔室外にあるので、アーク炉だけを包囲する隔室を
こじんまりした構造にすることができ、構造費が低減さ
れるのみならず、煙道ガスの吸出し量が少なくなり、吸
出し用送風機の出力も小さくてすむ。

またクレーンおよびそのレールがアーク炉の操業に伴う
塵埃や煙道ガスあるいは火災による損傷を受けることも
ない。

本考案の実施例を図面について説明すれば、図示された
製鋼工場は、炉設置室１と鋳造室２とがらなる。

炉設置室１内には、複数のアーク炉３が列をなして設け
られており、そのうち１つが示されている。

アーク炉３は炉容器４と蓋５がらできており、この蓋に
電極６が通されている。

変圧器７がら給電ケーブル８が電極６へ導がれてぃる。

溶鋼を注出するため、炉容器４は傾動可能である。

溶鋼の注出は出鋼口９を経て取鍋１０へ行なわれる。

アーク炉３は、前方、後方、側方および上方に特定の間
隔をおいて隔室１１により包囲されている。

この間隔は、炉の機能が妨げられず、たとえば自由に傾
動でき、また隔室１１を開いた場合、蓋５を開いてアー
ク炉３への装入あるいは電極の交換等を行なうことがで
きるように選ばれている。

アーク炉５を開くため蓋５を水平面内でどの程度旋回さ
せねばならないかが、第１図に蓋の位置５′によって示
されている。

隔室１１は操炉床１２上に固定されている。

隔室１１の檗は、一部耐熱性の吸音材料から作られてい
る。

複数のアーク炉を設ける場合、各炉に対して固有の隔室
を設けることができる。

事情によっては、１つの隔室１１が複数のアーク炉を包
囲することもできる。

隔室１１は、接続導管１４を介して吸込み送風機に接続
されている吸出し管片１３をもっている。

送風機によって生ずる負圧は、隔室１１内に生ずる含塵
煙道ガスを吸出するのに充分なものとする。

煙道ガスの吸出しには数ｍｍ水柱のわずかな負圧で充分
なので、隔室１１は気密に構或する必要がない。

少量の空気漏れは障害とならない。隔室１１は複数部分
すなわち出鋼口９の側の前壁、後壁１９、２つの側壁２
０および天井２１により形威されている。

この隔室１１は、アーク炉３の上方にある天井部分およ
びこれに続く前壁部分を切欠かれ、この切欠きを覆う天
井部分１７と前壁部分１６からなる逆Ｌ形の門形構造体
半休が可動隔壁体として、隔室１１の天井２１および前
壁に沿ってローラ１８あるいは車輪により移動可能に設
けられている。

図示しない装入クレーンを案内するレール１５は、隔室
１１の天井から離れてその上方に設けられている。

隔室１１の下方に対する密閉は操炉床１２によって行な
われる。

可動隔壁体１６．１７は、隔室１１の固定部分１９，２
０．２１に対しラビリンスパッキン等の密閉装置を介し
て密閉されている。

可動隔壁体１６．１７を例えば第１図の鎖線で示す位置
へ移動した後、アーク炉３には自由に近づくことができ
、また操作することができる。

同様に装入パケットにより炉への装入を行ない、あるい
は炉容器４を修理し、蓋５あるいは電極６を交換するこ
ともできる。

変圧器７は隔壁１１の側壁２０に設けられている。

電極６への給電ケーブル８はしたがって隔室１１内にの
み延びている。

アーク炉３の出鋼口９から注出される溶鋼を受ける取鍋
１０を隔室１１の下へもって行くため、アーク炉３ρ出
鋼口９の前において工場床面２４上に敷設されている線
路２３上を移動可能な移動車両２２が用いられる。

炉室の後方にこれに対して平行に原料供給室２５が設け
られている。

この原料供給室２５は、溶剤および装入材料の貯蔵ホッ
パ２６を収容している。

アーク炉３へ溶剤を通常のように装入するために、隔室
１１の後壁１９に閉鎖可能な出入口２７が設けられてい
る。

炉蓋５を通して装入材料を連続装入する場合、この装入
は連続コンベヤ２８によって行なわれ、装入口２９への
移送のために、隔室１１の後壁１９に水門状供給口３９
が設けられている。

【図面の簡単な説明】

第１図はアーク炉装置の平面図、第２図はその縦断面図
である。 ３・・・・・・アーク炉、９・・・・・・出鋼口、１０
・・・・・・取鍋、１１・・・・・・隔室、１２・・・
・・・操炉床、１５・・・・・・装入クレーン用レール
、１６・・・・・・前壁部分、１７・・・・・・天井部
分、２２・・・・・・取鍋移動車両、２４・・・・・・
工場床面。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ アーク炉と、このアーク炉の上方の範囲を走行する
   装入クレーンと、操炉床上にあって出鋼口を含むアーク
   炉を包囲しかつ煙道ガス吸出し装置を備えた遮音隔室と
   、操炉床より下の工場床面上を出鋼口の前まで移動可能
   な取鍋移送車両とを有する製鋼装置において、アーク炉
   ３の周囲および上方を特定の間隔をおいて覆う前壁、側
   壁、後壁および天井により形或される遮音隔室１１が操
   炉床１２上に固定され、天井２１のうちアーク炉３の上
   方範囲にある部分およびこれに続く前壁の部分が切欠か
   れ、この切欠きを覆う天井部分１７と前壁部分１６から
   なりかつ遮音隔室１１の天井２１および前壁に沿って移
   動可能な逆Ｌ形の門形構造体半休をなす可動隔壁体が設
   けられ、装入クレーン用レール１５が遮音隔室１１の天
   井２１から離れてその下方に設けられていることを特徴
   とする、少なくとも１つのアーク炉をもつ多室製鋼装置
   。 ２ 可動隔壁体１６．１７がローラ１８あるいは車輪を
   備え、遮音隔室１１の固定部分１９，２０．２１または
   操炉床１２に対しラビリンスパッキン等の密閉装置を介
   して密閉されていることを特徴とする、実用新案登録請
   求の範囲第１項に記載の多室製鋼装置。