JPS58901Y2 - ガス絶縁開閉器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はガス絶縁開閉器に関し、特に小電流遮断性能が
向上するよう改良したものである。

最近の電力設備及び系統の増大に伴ない断路器において
もループ電流、充電電流若しくは励磁電流等の小電流遮
断能力の向上が強く要求されている。

また接地装置においても停止回線の接地時に他の健全回
線からの電磁誘導及び静電誘導により誘起される誘導電
圧・電流の遮断性能の向上が要求されている。

しかるに従来の断路器若しくは接地装置においては、ブ
レードを開路していく過程でこのブレードと固定接触子
との間のアー りを引き伸ばすことにより消弧を行なっ
ていたので、その遮断能力に限界があり、今日要求され
るようになってきた性能を満足させることは困難である
。

そこでこれに対する一つの手段として現在実用化されて
いるガス吹付形遮断器の原理により、バッファ方式のガ
ス吹付機構を備えた断路器若しくは接地装置が多用され
ている。

しかしながら、かかるバッファ方式のガス吹付機構を備
えた断路器若しくは接地装置はブレードを直線運動させ
るためのリンク機構やガイドが必要となるばがっでなく
、ガス吹付のためのシリンダやピストンが必要となり、
構造が複雑で高価になってしまうという欠点がある。

本考案は、上記従来技術に鑑み、構造が簡単で遮断性能
も向上せしめ得るガス絶縁開閉器を提供することを目的
とする。

以下本考案の実施例を図面に基づき詳細に説明する。

第１図に示すように、ＳＦ６ガス等の絶縁性ガス１が封
入されている密封容器２内には断路器若しくは接地装置
（図では断路器）等の開閉器３が配設されている。

この開閉器３は、この部分を特に抽出して第２図〜第５
図に詳細に示すように、次の様に構成されている。

即ち、前記密閉容器２の内側に装着された支持碍子４，
４ａの上端には端子台５．５ａが固着されている。

このうちの一方の端子台５に固着された断面コ字状のヒ
ンジ接触子６には軸７を介して２枚の月形形状のブレー
ド８がその基端部を支持されて回動可能となっており、
この回動に伴ない前記ブレード８が接離する固定接触子
９は前記端子台５ａに固着されている。

またブレード８の先端部、即ち前記固定接触子９と接離
する側には、ノズル１２が前記固定接触子９に固着され
た固定アーク接触子１３と接離するよう配設されている
。

このノズル１２は導電体で形成されるとともに、その反
固定接触子側の吸入口１０の断面積が固定接触子側の吹
付口１１の断面積よりも大であるようなラッパ形状のも
のとなっている。

かくて開路操作の際、開閉器３のブレード８が固定接触
子９と開離した後にノズル１２が固定アーク接触子１３
と開離するようになっている。

図中１４はスプリング装置で、前記ブレー ド８に装着
されこのブレード８と固定接触子９とを適度の接触圧力
で接触させるためのものである。

ここでかかるガス絶縁開閉器の作用をその動作時の態様
とともに説明しておく。

第２図は開閉器３の開路状態を示しており、この状態で
図示されない操作機構によりブレード８を軸７を中心に
反時計方向に回動すると、ブレード８の先端部が固定接
触子９から開離し、ノズル１２の吹付口１１と固定アー
ク接触子１３のみが接触している状態となる。

この状態からブレード８を更に反時計方向に回動すると
、ノズル１２の吹付口１１が固定アーク接触子１３から
開離して吹付口１１と固定アーク接触子１３の間にアー
クが発生する。

この状態を第４図に示す。

この際ブレード８の回動により密閉容器２内の絶縁性ガ
ス１がノズル１２の吸入口１０から流入して吹付口１１
からアークに向かって吹き付けられ、ノズル１２と固定
アーク接触子１３との間で良好に遮断される。

即ち、ノズル１２の吸入口１０の断面積は吹付口１１の
断面積より大であるので、ブレード８の回動によって吸
入口１０の断面積に相当する部分の絶縁性ガス１がこの
吸入口１０の断面積よりも小である吹付口１１に移動し
つ・圧縮されこの吹付口１１からアークに向かって吹き
付けられることになる。

第５図は本考案の第２の実施例を示すものである。

同図に示すように本実施例におけるブレード８の先端部
には可動アーク接触子１５が固着されており、ブレード
８が固定接触子９から離脱した後に、この可動アーク接
触子１５が固定アーク接触子１３と開離するようになっ
ている。

更に、ノズル１２ａは前記実施例と略同様に吸入口１０
の断面積が吹付口１１ ａの断面積よりも大となるよう
に形成され且つこの吹付口１１ ａの端部は前記可動ア
ーク接触子１５とアークコンタクト］３が開離した時に
発生するアークに対向するようになっている。

この場合ノズル１２ａは電気回路の一部となる必要はな
いので絶縁物で形成しても良い。

かかる実施例においてもブレード８の回動によってノズ
ル１２ ａの吸入口１０から流入した絶縁性ガス１が移
動しつつ圧縮されて吹付口１１ ａに至り、この吹付口
１１ ａから可動アーク接触子１５と固定アーク接触子
１３との間に生ずるアークに向かって吹き付けられるの
で良好に遮断が行なわれる。

この場合、本実施例ではノズル１２ ａとは別に可動ア
ーク接触子１５を設け、この可動アーク接触子１５と固
定アーク接触子１３との間で遮断を行なうので、アーク
の足が安定し、遮断位置が安定する上ノズル１２ ａの
吹付口１１ ａがアークと対向するように形成されてい
るので前記実施例に比して遮断性能が更に向上する。

なお、上記両実施例において開閉器３は何れも断路器と
して説明したが、支持碍子４を導体とし、この導体を接
地しておけば接地装置として機能することはいうまでも
ない。

第６図は本考案のガス絶縁開閉器の遮断性能を従来技術
のそれと比較するために行なった実験結果を示すもので
、負荷条件１５００ Ｖ、 ３００ Ａ及び２０００
Ｖ、 ４００ Ａにおいて従来技術に係るもの、第１実
施例に係るもの及び第２実施例に係るものについて夫々
各５回開路操作を行ないアークが消弧したときのブレー
ド８の開路角度を比較したものである。

なお、ブレード８の開路速度等、他の条件は全て同一で
ある。

第６図を参照すれば明らかな通り、本考案の実施例に係
るものは従来技術に係るものに較ベアークが消弧上たと
きのブレード８の開路角度は大幅に小さい値となってお
す、遮断性能が著しく向上することが判明した。

同時に第２実施例に係るものが第１実施例に係るものに
較べ遮断性能に優れることも判明した。

以上実施例とともに具体的に説明したように、本考案に
よれば従来のブレードを直線運動させてバッファシリン
ダにより消弧するものに較べ構造が簡単になるばかりで
なく、ノズルを有するのでこれを有しない従来技術のも
のに較べ消弧能力が格段に向上する。

したがってそれ史経済的なガス絶縁開閉器を提供するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す断面図、第２図はその
開閉器部分を抽出して示す断面図、第３図は第２図の側
面図、第４図は開路操作の途中を示す断面図、第５図は
本考案の他の実施例を示す断面図、第６図は本考案の効
果を比較するための実験結果を示すグラフである。 図面中、１は絶縁性ガス、２は密閉容器、７は軸、８は
ブレード、９は固定接触子、１０は吸入口、１１は吹付
口、１２はノズルである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 絶縁性ガスを密封した密封容器内に収納されるとともに
   基端部を軸に支持され回動可能となっているブレードの
   回動によりこのブレードの先端部が固定接触子に接離す
   るガス絶縁開閉器において、反固定接触子側の吸入口の
   断面積が固定接触子側の吹付口の断面積よりも大であり
   しかも前記吹付口が固定接触子に向かって開口している
   ラッパ状のノズルを前記ブレードの先端部に固着したこ
   とを特徴とするガス絶縁開閉器。