JPS588779Y2 - 電解処理中に発生するガスの捕捉収集装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、電解処理中に発生するガスの捕捉収集装置に
係り、とくにアルミニウム材などの電解処理中に発生す
るガス又は硫酸ミスト等を収集するのに好適な電解処理
中に発生するガスの捕捉収集装置に関する。

一般に、アルミニウム材などの電解処理においては人体
に有害な水素ガス又は硫酸ミストが主に電極部から発生
する。

これに対して通常なされているガス捕捉方法としては、
電解液生金域に亘って一度拡散されたガスが電解液全体
から工場内へ放散されるがこれをその上方において工場
内の多量の空気と一緒に膨大な吸引風量をもって捕捉し
、しかるのち、その多量の空気を洗浄するか又は建物の
天井に換気扇等を設けて工場内全体に浮遊している□ス
トを排出するという手法が採られている。

しかしながら、工場内へ一度放散されたミストは工場内
全域にわたって拡散され浮遊することがら、比重その他
の関係で捕捉洩れが生じる。

このため、かかる手法では工場内汚染を防ぐのが困難で
あり、作業者の環境衛生上好筐しくない事態を招来して
いる。

また、最近のアルミニウム材処理工程の内の最終工程で
ある電着塗装にむいては、処理液中又は空気中にて、当
該被処理物に対し浮遊ミストが付着する。

これは、その後の水洗処理を経ても微細な斑点となって
製品の表面上に残り、次工程の焼付乾燥後の最終段階に
おいて不良品として発見される。

かかる不良品の発生は、前述した従来技術においては比
較的多く、最近にむける省資源、省エネルギー等の観点
かりみても大きな不利益となっている。

本考案の目的は、上記従来技術に鑑み成されたもので、
処理工程にて発生したミストの大部分を工場内へ放散す
ることなく電解液中で、しかも当該電解液中へ拡散させ
ずに略完全に捕集することを可能とした電解処理中に発
生するガスの捕捉収集装置を提供することにある。

本考案は、陰極部側に発生する気泡が電解液中に拡散す
るのを防止するための遮蔽膜を、当該陰極部と陽極部と
の間に施設し、この遮蔽膜部材を耐薬品性があり且つ電
解液中で通電性ある部材によって形成すると共に、前記
ダクト機構の電解槽側の吸気ダクト部を、前記遮蔽膜部
材と陰極部の上端全域とを取り囲むように配設し、同時
に当該吸気ダクト部の開口部を前記電解液内に水没せし
めた構成とし、これによって前記目的を達成しようとす
るものである。

以下、本考案の一実施例を第１図ないし第３図に基づい
て説明する。

第１図ないし第３図において、１は電解液ＩＡの入った
電解槽である。

この電解槽１の第１図における両側にはオーバーフロー
堰２，２が設けられている。

昔た、前記電解槽１内には陰極部３が三列に配設されて
お９、当該各陰極部３の相互間には被処理材が陽極部４
として搬入されて配設され、これによって従来と全く同
様に当該被処理材が電解処理さ４するようになっている
。

前言皺極部３の陽極部４に対向する各側面には、電解液
面から陰極部３の最下部に至る壕で、耐薬品性で且つ液
通型に支障をきたさない遮蔽膜５が設置されている。

筐た、各陰極部３の上方には、当該各陰極部３と遮蔽膜
５とを囲んだ排気フード６が装備されており、この各排
気フード６には各陽極部４の方向に向いた吸込口Ｉが形
成されている。

さらに、前記各排気フード６の第１図における開口端６
Ａは、電解槽１内の電解液２内へ水没された構成となっ
ている。

そして各排気フード６はダクト８によって洗浄塔９に連
結され、洗浄塔９を通った排気フード６内の空気は排気
ファン１０によって大気中に放散されるようになってい
る。

１１は前記各排気フード６と共に電解槽１の上方部分全
体を密閉する機能金儲えた開閉扉を示す。

この開閉扉１１は、電解処理中に捕捉もれのガスが外部
へ拡散さｌしるのを防止し、又、被処理材の出し入れに
際しては開かれるがその他の場合は閉じられて工場内汚
染の防止が図られている。

このため、アルミニウム材の電解処理工程中に釦いては
、例えば１（ＡＨ）の通電量につき約０．７ｔ／Ｈｒの
微細水素ガスが発生し、硫酸外を伴って電解槽中全域に
拡散するのであるが、上記の如く陰極部３と陽極部４の
間で該ガスを遮蔽する遮蔽膜５より成るガスの遮断シス
テムを用いる事により、該水素ガスの電解槽全域への拡
散を防ぐ事が出来る。

そして陰極に沿って上昇した水素ガスは排気フード６に
至り、排気ファン１０によって吸引され、洗浄塔９を通
過した後に放散されるようになっているため従来より極
めて少風量で水素ガスを確実ｐ去する事のできるもので
ある。

さらに、電解液攪拌及びエア攪拌によっても液面から大
気へガスが放散されるのであるが、これは、排気フード
６に形成された吸込ロアより吸収され、陰極で発生した
ガスと同様に容易に排徐出来るものである。

以上のように本考案によると、電解槽の電解液内に、陽
極部としての被処理物とこれに対応する陰極部とが配設
され、こ（１極部に発生する水素ガス等を捕捉して当該
ガスを洗浄塔へ送り込むダクト機構を備えた電解処理中
に発生するガスの捕捉収集装置にむいて、前記陰極部側
に発生する気泡が電解液中に拡散するのを防止するため
の遮蔽膜を、当該陰極部と陽極部との間に施設し、この
遮蔽膜部材を耐薬品性があり且つ電解液中で通電性ある
部材によって形成すると共に、前記ダクト機構の電解槽
側に装備された排気フードを、前記遮蔽膜部材と陰極部
の上端全域とを取シ囲むように配設し、同時に当該排気
フードの開口端を前記電解液内に水没せしめた構成とし
たので、陰極部から発生する作業者の健康や製品に悪影
響を及ぼす硫酸ミストを含んだ水素ガスを、電解液中に
むいて略完全に捕捉し収集して取り出すことができ、こ
れによって電解処理中に生じる硫酸ミストが水素ガスと
共に工場内へ拡散するのを略完全に防止することができ
るという従来にない優れた電解処理中に発生するガスの
捕捉収集装置を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る装置を装備した電解処理装置を示
す一部省略した縦断面図、第２図は第１図の■部分を示
す拡大部分断面図、第３図は第１図の■１部分を示す拡
大部分断面図である。 １・・・・・・電解槽、３・・・−・・陰極部、４・・
・・・・陰極部、５・・・・・・遮蔽膜、６・・・・・
・排気フード、６Ａ・・・・・・排気フードの開口端、
８・・・・・・ダクト、９・・・・・・洗浄塔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 電解槽の電解液内に、陽極部としての被処理物とこれに
   対応する陰極部とが配設され、この陰極部に発生する水
   素ガス等を捕捉して当該ガスを洗浄塔へ送り込むダクト
   機構を備えた電解処理中に発生するガスの捕捉収集装置
   にネ・いて、前記陰極部側に発生する気泡が電解液中に
   拡散するのを防止するための遮蔽膜を、当該陰極部と陽
   極部との間に施設し、この遮蔽膜部材を耐薬品性があり
   且つ電解液中で通電性ある部材によって形成すると共に
   、前記ダクト機構の電解槽側に装備された排気フードを
   、前記遮蔽膜部材と陰極部の上端全域とを取り囲むよう
   に配設し、同時に当該排気フードの開口端を前記電解液
   内に水没せしめた構成としたことを特徴とする電解処理
   中に発生するガスの捕捉収集装置。