JPS588629B2 - 帯域圧縮伝送方式 - Google Patents

帯域圧縮伝送方式

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JPS588629B2
JPS588629B2 JP751506A JP150675A JPS588629B2 JP S588629 B2 JPS588629 B2 JP S588629B2 JP 751506 A JP751506 A JP 751506A JP 150675 A JP150675 A JP 150675A JP S588629 B2 JPS588629 B2 JP S588629B2
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JP751506A
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福岡謙二
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Olympus Optical Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明はファクシミリ白黒信号のような2進符号化した
情報信号を符号化し、帯域圧縮して伝送する方式に関す
るものである。
本発明者は、既に白黒ファクシミリ信号のような2値信
号に対する符号化帯域圧縮伝送方式を提案している(特
願昭49−22486号参照)。
この符号化帯域圧縮伝送方式においては、2値信号であ
るファクシミリ画像信号の白黒各レベルのランレングス
を4個の元から成る4進数に変換した後、前記4個の元
とランのレベル情報との組合せ8個を、3値符号の2デ
イジットの組合せであるいわゆるPT符号9個のうちの
8個と、第1図のごとく1対1に対応変換せしめ、前記
2値信号の不存在を示す空信号を残り1個のPT符号に
空符号として対応変換せしめ伝送するものである。
このような帯域圧縮伝送方式をファクシミリに適用した
場合には、符号化に伴ない各ライン(走査線)毎の区切
を表わす同期符号の形式が問題となる。
また、同期符号は単にライン同期のためだけでなく、Q
RPT符号化方式のように隣接した符号を2デイジット
ずつ組合せたブロック符号が有意となるような符号化方
式においては、ブロックの区切同期のためにも重要な役
割をもつ。
QRPT符号の場合、この区切同期がはずれると復号化
して全く意味のない情報しか得られなくなってしまう。
同期符号等の制御符号はランレングス(以下RLと略す
)符号にはない符号である空符号と他の符号の組合せに
よって作られる。
同期符号や制御符号の備えなければならない要件は次の
とおりである。
1.RL符号および他の制御符号との区別ができる。
2.RL符号および他の制御符号に誤りを生じたものと
の区別ができる。
ここに2は言いかえれば、それ自体に誤りを生じた場合
にその検出ができるということに他ならない。
また、RL符号の誤り処理に関連して同期符号は重要な
意味をもっている。
すなわち1ライン分のRL情報は同期符号と同期符号と
の間にはさまれているわけであり、この間のすべてのR
Lを合計すれば、1ラインの長さ、すなわち予め定めら
れた一定値となる。
ところがRL情報を表わすRL符号に符号誤りを生ずれ
ば一般には、同期符号と次の同期符号の間のすなわち1
ライン分のRLの合計(sum)は予め定められた一定
値とは異ってくる。
したがって同期符号毎にRLのサム・チェック(sum
check)を行なうことによってその同期符号以前
のラインに誤りを生じたか否かを知ることができる。
これに関連して同期符号の検出については次のような問
題が生ずる。
3.白(黒)のランの符号の終りは黒(白)のランの始
まりによって知られるのがふつうである。
これはQRPT符号化方式に限らず、ラン毎に終了符号
を与えると符号長が増して符号効率が低下する、すなわ
ち符号化の目的である圧縮率が悪くなるからである。
したがって1ラインの最後のラン(普通には白のラン)
の終りは同期符号の受信完了までわからない。
4.同期符号の構成中には一般に見掛上RLに対する符
号と同形式の符号が存在する。
このために同期符号の直前に位置する1ラインの最後の
ランが、同期符号の一部をそのランの構成符号の一部で
あるとみなされて誤ったり、偽のランが追加されたりす
ることのないように復号化しなければならない。
5.同期符号の構成のすべて、または少なくともその先
頭部分には、RL符号とは異なる符号を与えて、それを
検出することによって、1ラインの最後のランの終了を
知るようにすることはできる。
ただし同期符号に誤りを生じた場合には不可能である。
以上のような問題点は、同期符号の構成に関しては、他
の符号とははっきりと区別され、しかも誤りの検出訂正
能力を有し、またその検出方法に関しては、同期符号の
検出時点は等価的に直前のRL符号の受信処理直後とす
ることにより解決される。
符号誤りの検出能力をもたせるためには、換言すれば符
号に冗長度を持たせることであって、その符号語の長さ
がかなり長くなるのは避けられない。
受信装置の起動停止等の指令を与える制御符号はRL情
報の量に比べればはるかに使用度数が低いのであるから
かなり長いものであってもよい。
また同期符号について考えるとA4版でラインの長さ2
10mmに対して画素数1800とし、平均的な圧縮率
6分の1が得られたとすると、1ライン当りの符号数は
300デイジットであるから、同期符号としては10〜
30デイジットの長さを持っても差支えないと考えられ
る。
同期符号は前述の理由から、1デイジットのずれも生ず
ることなく検出されなければならない。
また符号化された信号は単一の伝送路を通じて送られ、
そして受けられるのであるから、予め定められた長さだ
けの符号を蓄えつつ、常に監視して、所定の符号が到来
したかを知る必要がある。
第2図は同期符号検出の回路例を示す。
この例では符号は3値形式であって、入力信号幻は“+
”を表わすビット、S−は“−”を表わすビットである
同期符号の長さは簡単のために4デイジットであるとす
る。
受信符号はシフトレジスク群1に入力され順次シフトさ
れて、連続する4デイジットの符号が同期符号であるか
ないかを検出器2によりつねに監視する。
シフトレジスタ群1のQ出力と対応する同期符号参照値
のビットとが一致するとそれらが接続された排他的論理
和回路の出力は“0”となる。
したがって全対応ビットが一致すると、同期出力は“1
”となる。
このような回路によれば受信符号の1デイジット毎にそ
れによって同期符号が構成されるか否かを調べているか
ら、同期符号の位置を正確に知ることができる。
しかしながら、伝送歪や雑音による影響のために同期符
号を構成する1デイジットに誤りを生ずると、その同期
符号全体を見落してしまうことになる。
1同期符号の見落しは、それに続く1ライン全体を落す
ことになるのでその画質に及ぼす影響は大である。
またQRPT符号化方式においては前述のように2デイ
ジットずつの区切も重要であってこの同期をとるために
も、同期符号については、ある程度の誤り訂正が欲しい
ところである。
従来いろいろなファクシミリ信号の符号化方式が提案さ
れている。
これらを見ると、同期符号に特別の注意を払ったものは
まだ見受けられない。
符号化の方法は、RLをいかに符号化すればよいかとい
う面からのみ決められている。
同期符号はRL符号と同一の形式であって、ある程度符
号長を大きくとることによってなるべく一般のRL符号
として発生確率の少ない符号を用いることにするのが普
通のようである。
この方法では、もちろん符号に冗長性がないから誤り訂
正はおろか、誤り検出さえ不可能である。
また、たまたま同期符号と同一のRL符号が発生した場
合には、それを同期符号として検出してしまうという誤
りが発生することになる。
本発明の目的は、帯域圧縮率を大幅に改善すると共に誤
り検出訂正可能な同期符号あるいは制御符号を使用する
ことにより信頼性を向上できるようにした帯域圧縮伝送
方式および装置を提供せんとするものである。
本発明は以下の認識に基づいて為したものである。
すなわち、QRPT符号化方式においては、RL符号と
して割当てていない空符号があることは前に述べた通り
であり、空符号は、送信機側において、バツファメモリ
への書込みに比べて読出し、すなわち符号送出の方が速
くなって、バツファメモリが空になった時に、アンダー
フローすなわち2重送出を避けて、空符号をdummy
codeとして送出するのに使われる。
空符号は“00”なるPT符号を割当てることによって
、無信号状態に一致させることができる。
空符号はこのような用途以外に、RL符号には使われて
いないことから、他のPT符号と組合せて、RLを表わ
す符号語と区別のできる符号語を構成することができる
またこの構成方法によって符号誤りの検出、訂正を可能
とすることができる。
本発明帯域圧縮伝送方式は、伝送すべき情報信号を2進
符号化した符号列を3ビット毎に区切り、3ビットの組
合せ8種類品各々3値符号の2デイジットの組合せであ
るPT符号9個のうちの1個を除いた8個に1対1に対
応変換せしめ、かつ前記除いたPT符号を前記情報信号
の不存在を表わす空信号に空符号として対応変換せしめ
ると共にこの空符号と前記8個のPT符号との周期性を
持たない組合せにより作った制御符号と一緒に、伝送す
ることを特徴とするものである。
以下、本発明を図面を参照して詳細に説明する。
今、3値符号化を行ない、同期符号の長さは20デイジ
ットとし、例えば“000000+0−00+0−00
0000”としよう。
これを第1図の記号で表わせば(〜〜〜2200〜〜〜
)となる。
この符号語を見れば明らかにRLを表わす符号語と異っ
ていることがわかる。
すなわちRLを表わす符号語においては、空符号が存在
しないこと、(0)と(0)との連続が存在しないはず
であることなどから一見して区別がつく。
この符号はまた数ビットの誤り検出、訂正能力を有する
ものである。
たとえば、第3番目のデイジットを表わす“0”が何ら
かの原因で誤って“−”と受信されたとしよう。
この受信符号は(〜2〜2200〜〜〜)となって、や
はりRLを表わすべき符号語とは明らかに異なっている
RLを表わす符号に誤りを生じた結果、このような符号
が生じたとするには余りにも大きな誤りを生じたと考え
なければならなくなる。
たとえば、(■■■2■■■■■■)なるRLを表わす
符号が誤って(〜2〜2200〜〜〜)になったとする
と3値信号の7デイジットが誤ったと考えなければなら
なくなる。
(数字の下の点は誤ったデイジットに対応する。
)ゆえに(〜2〜2200〜〜〜)が受信された場合に
は、同期符号が1デイジット誤ったものと解する方が妥
当である。
ここで同じ1デイジットの誤りであっても、3値すなわ
ち3レベル伝送という点を考慮すると、その誤り方によ
る重み付けをした方が良いように思われる。
“+”,“0”,“−”の3値信号の間での誤り方のう
ち、“0”が“+”または“−”に誤った場合(または
この逆の場合)に比べて、“+”が“−”にまたは“−
”が“+”に誤るのは、レベル的に見て2倍異なる。
したがって前者の誤り方を大きさ1の誤り、後者の誤り
方を大きさ2の誤りと便宜的に呼ぶことにする。
“+”,“0”,“−”を表わすのに2進符号2ビット
をもってそれぞれ“10”,“00”,“01”とすれ
ば、上述の誤りの大きさは、これらの2進表示符号間の
Hammingの距離に一致する。
このことから上の考え方はハードウエア化をより容易に
するものである。
ここで3値符号“+”,“0”,“−”は符号自体とし
ては各々対等の重みを持っているので、本来は“+”が
“0”に誤っても“−”に誤っても、同じ大きさの誤り
である。
しかし、本発明では誤りの大きさを符号間のHammi
ngの距離で定義する。
3値信号を2デイジット組合せたいわゆるPT符号のH
ammingの距離を模式的に表わすと、第3図の如く
なる。
6個の正3角形はPT符号の内の1デイジットが共通の
レベルを持つものであり、各辺は距離1を表わす。
当然のことながら符号間の最大距離は2である。
PT符号についてこのような定義に基づいたHammi
ngの距離は第4図によって簡単に表わすことができる
各格子点は符号点を表わし、隣接符号点間を結ぶ線分は
距離1を表わす。
したがって符号間の最大距離は4である。
さて、RLを表わす符号語は第4図において、中心に位
置した空符号(〜)を除いたPT符号のみによって構成
されるのが特徴である。
同期符号としては空符号(〜)を用いることによってR
Lを表わす符号と区別され得ることはすでに述べた通り
である。
空符号1個を入れることによってRLを表わす符号語と
は距離1〜2だけ離れた符号語を作ることができる。
ここで上述した特願昭49−22486号に記載されて
いるのと同様に20デイジットの“0”の連続すなわち
空符号(〜)を10個連続したものを用いればすべての
RL符号と少くとも距離10だけ離れることになる。
しかしながらこのような符号語は次のような理由によっ
て同期符号としては不向きである。
同期符号は既に述べたように、1デイジットの受信毎に
参照値と照合することになる。
したがって同期符号のうちの最初の、例えば18デイジ
ットを受信した状態では、残り2デイジット分がRLを
表わす符号であって、この2デイジット以外は同期符号
に一致していることになる。
すなわち同期符号とは最小で距離1、最大で距離2の符
号語を受信した状態にはなっているが、まだ同期信号発
生の2デイジット手前である。
2デイジット手前でありながら最悪状態で同期符号との
距離が1であるということは誤り発生に対して余祐を持
っていないことに他ならない。
このことをもう少しわかりやすくするために例をあげて
説明しよう。
例えば 同期符号の直前のデータ(4進表示) ・・・・・・・・・1121021132同期符号の直
後のデータ(4進表示) 1321301202・・・・・・・・・とする。
これらをQRPT符号化すると次のようになる。
最初にすでに同期符号直前の20デイジットのデータは
受信され、入力シフトレジスタに蓄えられているものと
する。
蓄えられた符号語と同期符号との距離は“+”と“−”
の数の和で与えられるから16である。
次に受信する信号は、同期符号を構成する先頭デイジッ
トの“0”であって、これを受信すると、先に一番最初
に受信された信号“−”は捨てられる。
したがって距離は15となる。
次に同期符号の第2デイジットの“0”を受信し、入力
シフトレジスタ中の一番古いデータ“+”がすてられ、
距離14が検出される。
以下同様にして、第5図のようなグラフが得られる。
このグラフによって次のようなことがわかる。
すなわち空符号のみから成る同期符号を用いたのでは、
同期符号の検出が正規の位置の直前にも行なわれ得るの
で唯一点に確定しないこと、入力シフトレジスタ中の値
からは、誤り発生のないにもかかわらず、同期符号から
の距離が0,1,2,3,・・・・・・・・・のものが
検出され、誤り検出能力はおろか、誤り発生さえ生じ、
同期符号としては全く適さない。
これに対し、前述した符号語“000000+0−00
+0−000000”は同期符号として十分に用い得る
ものである。
先のRL符号データの例を用いて同様に同期符号の前後
における受信符号のHammingの距離を求めると第
6図のようになる。
なおこの場合の受信符号例は下のようになる。
第6図に示す結果は単に本発明の一例にすぎないが、適
切な同期符号を用いて、それに対する受信符号のHam
mingの距離を監視することによって同期符号が正確
に検出できることを示している。
しかも同期信号点の前後で急峻に落ちる信号を得ること
ができ、例の場合、距離が8以上であることからある程
度の誤り訂正の可能性のあることがわかる。
どの程度の誤りまで訂正が可能であるかは、あらゆる種
類のRLを表わす符号系列の中において上例と同様にH
ammingの距離を調べてみなければならない。
20デイジットから成る3値符号の符号系列の種類は3
20≒109.54)108である。
■系列についての距離計算処理時間が10μSであった
としても1010μs以上、すなわち160分以上を要
し実質的には計算不可能である。
画像電子学会ファクシミリテストチャートNo.2を原
画として、ファクシミリ・スキャナーにかけ得られたビ
デオ信号、同期信号(多数例)をQRPT符号化して、
20デイジットずつの受信符号例と同期符号とのHam
mingの距離に対する頻度をミニコンピュータで集計
した結果を、第7図および第8図に示す。
また第9図は極めて大きな文字を含んだ原画(OLYM
PUS英文社名指定書体)との比較の結果である。
同一の原画であっても原画のスキャナーへの挿入の仕方
によって若干異なる分布が得られ、RL生起分布の異な
る原画では更に変わる可能性がある。
テストチャートを主原画に選んだのは、1ライン当りの
白黒変化点の平均数が約100と他の一般の書画に比し
複雑であり、長いRLの黒も有していることがら長短含
めいろいろなRL符号の発生源として適当だと思われる
からである。
第7〜9図に示した集計データは、各データ共A4版の
原稿についての結果を同期符号2000個すなわち走査
線2000本に規格化したものである。
なお規格化に伴なう端数は切上げとした。走査線ピッチ
は125μm(1/8mm)走査線方向標本化ピッチは
111μm(1/9mm)である。
上述した同期符号の例は、第7図においては(10)で
ある。
(10)についての結果は1例しか挙げていないが、種
々の原画について調べた結果大体同様であって、距離1
〜4のものは現われず、距離5のものは1〜2であった
すなわち同期符号とこれに最も近い符号語(以下、最似
符号と呼ぶことにする)との距離(最似符号距離と呼ぶ
ことにする)は5であることが実験的に判明した。
この場合、どの程度まで誤り検出・訂正が可能かを考え
てみよう。
まず同期符号とその最似符号の生起確率は大幅に異なる
ことに注意する必要がある。
すなわち(10)の場合、同期符号2000に対して、
その最似符号は高々2であった。
すなわち最似符号は同期符号の1/1000の割合でし
か発生しない。
またこのような最似符号に誤りを生じて、同期符号に距
離1だけ近ずく確率を求めてみよう。
誤りの発生は完全にランダムであるとする。
本発明で定義したHammingの距離の算出方法から
扱う符号の長さは40ビットとみなすことができる。
すなわち同期符号とその最似符号とは40ビットの内5
ビット以外はすべて一致していることになる。
すなわち一致している35ビットに誤りを生ずれば同期
符号から距離1だけ遠去かり、一致していない5ビット
に誤りを生ずれば距離1だけ近付くことになる。
すなわち距離1だけ近付く確率は誤り率をpとしてp×
5/40=p/8で、距離5の最似符号が誤ることによ
って、距離4の符号の発生する確率は同期符号に対して
総合的にはp/8000となる。
かりに誤り率p=10−2(回線としては極悪でまった
く実用できない程度)としても、上の発生解率は1ライ
ンにつきおよそ10−6,A4版1ページにつきおよそ
2×10−3で実用的に無視しうる。
次にバースト誤り等により大きさ4の誤りが発生する場
合を考えてみよう。
同期符号はこの種の誤りによって距離4だけ同期符号か
ら離れることはいうまでもない。
問題は同期符号から距離8だけ離れた符号に大きさ4の
誤りが発生した場合である。
同期符号と一致していないビットの数は40ビット中8
ビットであって、この8ビットのうちの4ビットが誤る
と同期符号からの距離4の符号となり、同期符号が4ビ
ット誤ったものと区別がつかなくなる。
ではこのようなことが起る可能性はどの位あるかを検討
する。
40ビット中4ビットの誤りの発生の仕方は40C4で
ある。
また4ビットの誤りが特定の8ビットに発生する仕方は
8C4である。
したがって同期符号から距離8の符号に大きさ4の誤り
が発生したと仮定したとき、それが同期符号から距離4
の符号となる確率はとなる。
同期符号から距離8の符号の発生頻度は同期符号200
0に対して3812であるから、同期符号の約1.9倍
で総合的には 0.77×10−3×1.9≒1.5×10−3 ・・
・・・・(2)となる。
この数値の意味するところはすなわち、同期符号から距
離4の符号が発生した場合、それが同期符号でない確率
は0.15%であるということである。
換言すれば危険率0.15%で同期符号であると判定す
ることになる。
すなわち(10)の同期符号を用いると大きさ4の誤り
訂正が行えることが予想される。
もう少し一般化して詳しく考察してみる。
同期符号の長さは3値符号20デイジットで、これまで
と同様に便宜的に2値40ビットとして取扱う。
同期符号からの距離dの符号に誤りを生じて、同期符号
からの距離sの符号となる確率p(d,s)は次式で与
えられる。
ただしd>sとする。これより次の漸化式を得る。
(3)式自体はd=sについては不定であるが、物理的
な意味を考えて次式のようにおいても矛盾しない。
具体的な初期値として 誤り発生がない時には現われないはずの、同期符号から
距離sの符号が誤り発生に伴って現われる確率Psを求
めるには種々のdについての頻度を求めてそれらの和を
作らねばならない。
同期符号からの距離がdである符号の発生頻度を1ライ
ン当り(1同期符号発生当り)にf(d)としよう。
dは第7〜9図の横軸と同様に同期符号語からの距離を
表わし、f(d)は第7〜9図の縦軸を総ライン数20
00で割って規格化したものに相当する。
また大きさrの誤りの発生する確率分布をe(r)とす
る。
Psは次式により与えられる。(Psは1ライン当りの
期待値となる) 一方同期符号が大きさSだけ誤まると同一の符号が発生
することになる。
この確率は定義によりe(s)となる。
以上から、同期符号よりの距離Sの符号が受信された場
合に、この符号を同期符号であると看做すことの危険率
εSは次のようになる。
回線の状況に応じてe(r)の分布を仮定し、しかもf
(d)の分布によって(9)式を詳しく計算するのはか
なり面倒となる。
そこでg(d,s)=p(d,s)f(d)・・・・・
(10)とおき、g(d,s)の分布の様子からおよそ
の見当をつけることにする。
第10図にp(d,s)の計算結果、第11図〜第14
図にはg(d,s)=p(d,s)f(d)の計算結果
の例を示す。
以上の結果から最似符号距離未満の距離の符号が現われ
た場合はその符号は確率的に同期符号であるとしてよい
ことがわかる。
上述したように第7〜9図は20デイジットの3値符号
から成る符号語を同期符号として、実際の原画から得ら
れる画像信号をQRPT符号化した結果を集計したもの
であって、横軸は発生した20デイジットの符号列と同
期符号との間のHammingの距離d,縦軸は同一距
離の符号の発生頻度がある。
上述した解析結果から、発生頻度が零である距離範囲の
符号語が発生した場合は雑音回線歪等により同期符号が
誤ったものとして訂正が行なえる。
まず第7図の結果を各符号語毎に少し詳しくみてみよう
(1)“0+−”を基本として繰返した符号である。
自己周期性があるために不適当な符号である。
例えばこの符号語のうち3デイジット未受信、または受
信後に3デイジットをさらに受信した状態は、同期符号
の前または後の連続3デイジットに誤りがあったものと
区別がつかないからである。
(2) “0+0−0”を基本として繰返した符号であ
る。
(1)と同じく周期性をもっているために誤り訂正能力
はない。
周期が(1)よりは大きいので良くなる傾向はある。
空符号を含んでいる。(3) 周期性による弊る避ける
ために(1)の中央の10デイジットを“0”としたも
のである。
これによって大きさ3の誤り訂正が可能となった。
これに対して(10)は(1)の前後の5デイジットを
各各“0”としたもので、この方が誤り訂正能力が大き
く、大きさ4まで訂正可能である。
(空符号の連続) (4)2デイジットずつの区切同期の良、不良にかかわ
らず空符号(すなわち“0”の連続)を含まない。
すなわちすべてRL符号で構成されている。
ただし、黒または白のランの数値の先頭が0となる部分
も含んでいる。
後半の10デイジットは前半の10デイジットの極性を
反転することによって周期性を排除している。
RL符号で表わせば(2130121301)となる。
第7図の結果では大きさ3までの訂正が可能となってい
るが、符号の構成具合から見て、もっと悪くなる可能性
がある。
(5) 符号の周期性をなくす意味で、前後4デイジッ
トずつ“0”としたが中央12デイジットは周期性をも
っている。
このため誤り訂正能力は3とあまり大きくない。
(10)の中央部分の周期的部分の周期数はこれより小
さく、誤り訂正能力も大である。
このことは部分的周期性も排除すべきことを物語ってい
る。
(6) 符号の周期性を排除するために前後各々5デイ
ジットを“0”とし、中央部前半5デイジットと同部後
半5デイジットとの極性を反転関係にした。
これによって期待通り大きさ4までの誤り訂正能力をも
ち、同じ誤り訂正能力4の(10)よりも危険率が小さ
いことがうかがえる。
これは第8図における比較から一層はっきりと知ること
ができる。
(7) PT符号9種類をすべて有した符号であって、
区切同期のはずれた状態であっても、PT符号9種類す
べてを有している。
すなわち、誤り訂正能力は3であまり良くない。
(8) これは(10)を多少変形したものであるが、
誤り訂正能力3とかえって悪くなっている。
(9) 全部“0”の符号である。
“0”を20周期繰返したものとも見ることができ、同
期符号としては既に述べたように全く不適当である。
(10) 前述したように(2)を変形した符号で誤り
訂正能力4で比較的良好である。
(11)(8)にさらに変形を加えたものであるが、周
期性をさらに帯びてくるために良くない。
(12) (6)を多少変形したものであるが、良くは
ならない。
(13) これも(6)を変形したものであるが、やは
り良くはならない。
(12),(13)とも誤り訂正能力4であるので、比
較的良い符号ではある。
以上のように誤り訂正能力の高い符号を作るための条件
としては、まず周期性を持たぬ符号であること、また部
分的にも周期性の少ない符号であることがあげられる。
また全長20デイジットのうち前後各4デイジット程度
を“0”とすることは周期性の排除という点や、またこ
れが空符号の連続であってRLを表わす符号語にはない
という点で、最似符号距離を大きくとるのに有効で、従
って効果的に誤り訂正能力を増すことができる。
この様に構成した同期符号の中央部分12デイジットも
できるだけRLを表わす符号形式にならないようにすべ
きである。
また区切同期のずれている状態では同期符号それ自身に
近い符号であってはならない。
言換えれば周期性が小さいものであるべきことも含めて
、自己相関の小さい符号でなければならない。
RLを表わす符号からなるべく離れた符号を作るために
は、おのずから空符号(〜)と白の零(0)と黒の零面
を多用すればよいことになる。
このことは第7図において良好な結果を得た(6),(
10),(13),(12)の符号語を次のように書き
直してみると了解しやすい。
以上の結果に基いて作成した符号が第8図の(14),
(15),(16)に示す符号語であって、それぞれ誤
り訂正能力4,5,4を有している。
(第12図参照)次にもう一つの同期符号構成方法につ
いて検討する。
RLを表わす符号の長さは、1ラインの画素数を178
5(4進数で123321)とすると最大12デイジッ
トとなり、丁度上述した同期符号の中央部分12デイジ
ットに一致する。
この様子を第15図に図解する。
RLを表わす符号が同期符号の中央部分に一致した符号
となると、図中の符号X部分を受信した時に同期符号と
誤ることになる。
RLの最大値は4進数で(123321)であって、し
かも黒の長いRLは確率的に非常に少ない。
そこで例えば同期符号の中央部分を黒を表わすRL(1
23321)とすることが考えられる。
このようにして得た符号を第8図の右下部に示した。
ただこの符号は直流成分を持つので、伝送路の直流遮断
の影響を避けるために若干補正すべきである。
第8図中の(17),(18),(19)の符号語はそ
の例である。
すなわち、これらの符号の誤り訂正能力は第8図,第1
2図から判るように期待通り4以上と大きな値が有られ
た。
特に(18),(19)の符号語では大きさ5の訂正能
力がある。
上記の各符号のRL記号表示から、同期符号の中央部1
2デイジットは全部黒を表わすようにした方がよい結果
となっていることがわかる。
もちろん、これらの中央12デイジットについては一般
的には自己相関が小さい方がよい。
第14図は第9図の結果を変換して求めたg(d,s)
である。
これによると、原画をファクシミリテストチャートとし
た場合と、これに対してかなり粗いバタンから成る原画
(OLYMPUS英文指定書体)とした場合とでは多少
の変化はあるが、テストチャートによってほゞその傾向
をつかむことができ、誤り訂正能力を推定できる。
なお同期符号を含めて、2種類以上の制御符号を用いる
場合には、それら相互間の相関係数は小さなものでなけ
ればならず、これまで述べたと同様に、一つの制御符号
と他の制御符号を用いた場合に現われる符号とのHam
mingの距離についても検討しなければならない。
以上のようにQRPT符号化方式においては、かなり大
きな誤り訂正能力を持った符号語を構成することができ
る。
次に、このような誤り訂正を行ない得る具体的な符号語
検出装置について述べよう。
同期符号検出についての問題点はすでに述べた通りであ
り、ここに説明するものはもちろんこれらを解決できる
よう考慮している。
第16図はQRPT方式受信機における同期符号検出装
置の位置づけを説明するための構成図の一例である。
伝送路10から受信された三値信号は、デイジタル化回
路11で2ビットから成る符号にデイジタル化され、2
列のシフトレジスタ群12の入力に加えられる。
三値信号を1デイジット受信するごとにシフトレジスタ
群12は1ビットずつ右方向にシフトする。
したがってシフトレジスタ群12の内容は、受信信号が
受信された順に右から左に詰められたものであり、三値
信号を1デイジット受信する毎に右に1ビットシフトし
、左端の入力ビットには新たなデータが読込まれる。
シフトレジスタ群12の右端のビットの内容はRL符号
選別、内部符号作成回路13によりRLを表わす有効な
符号のみが選別され、内部符号に変換され、バツファメ
モリ14に書込まれる。
一方、シフトレジスタ群12の内容は同期符号検出回路
15により、参照符号語源16から供給される予め定め
られた同期符号と一致する参照符号と並列に比較され、
同期符号の検出が行なわれる。
この際前に詳述したごとき原理に基いて、誤り検出・訂
正が行なわれる。
この具体的な方法については後述する。
同期符号が検出された場合には、内部符号作成回路17
により内部符号としての同期符号が作成され、バツファ
メモリ14に書込まれる。
また同期符号検出と同時に、シフトレジスタ群12に同
期のための信号を送る。
この信号によってシフトレジスタ群12のシリアル出力
はこの時点から20デイジット分だけRL符号としては
無効とされる。
同期符号検出時点においてシフトレジスタ群12に入っ
ている内容は、同期符号を構成するものであって有効な
RLを表わすものではないからである。
シフトレジスタ群12の内容を無効符号とする方法の一
つは、シフトレジスタの内容をクリアすることである。
これによって20デイジットの“0”すなわち10個の
空符号(〜)がシフトレジスタ群12にセットされたこ
とになり、これはRLを表わす符号とはならないので、
RL符号選別の際には無視される。
またシフトレジスタ群12の内容を無効符号とするもう
一つの方法は、シフトレジスタ群12のシリアル出力に
ゲート回路を設けると共に、シフト回数を20回数える
カウンタを設けて、シフトレジスタ群の出力を20デイ
ジット分阻止する方法である。
またもう一つの方法は同様のゲート回路とカウンタによ
り、RL符号選別・内部符号作成部の動作機能を20デ
イジット分だけ停止させることが考えられる。
以上のような方法によってシフトレジスタ群12の内容
は20デイジット分無効とされ、それ以降の分が次のラ
インのRLのデータとして復号化され、内部符号に変換
されてバツファメモリ14に書込まれることになる。
2デイジットずつの区切同期がずれていた場合は、RL
としてのデータは正しく復合化されない。
しかしながら、1デイジットの受信毎に同期符号の比較
検出を行なっているので、少くとも同期符号を検出した
後は、2デイジットずつの区切同期も再び正しくとられ
ることとなる。
内部符号についてはいろいろな方法が考えられる。
第17図はその一例である。この符号構成は上述した特
願昭49−22486号明細書中に述べたものと対応す
る。
画頭符号は、送画開始信号に対応し、画尾信号は送画終
了信号に対応する。
ER符号は1ラインのデータの受信結果に誤りがあった
場合に、その1ライン分のRLのデータにおきかえてバ
ツファメモリに書込むための符号である。
第17図における内部符号の組立方は、基本的にはRL
を白,黒別に4進値で表現した各桁の数を4ビット構成
の1語に割当てたものである。
これに対して内部符号の別の作り方として、RLを各位
桁毎に分割符号化するのでなく、白黒等を表わすフラグ
ビットを付した2進数で表わす方法も考えられる。
例えばメモリの1語を16ビットとして第18図のよう
に表わす。
先頭の4ビットは白,黒を表わし、以下の12ビットは
RLの場合はその大きさを2進数で表わす。
制御符号としては、4ビットのフラグ部分を例えば第1
7図の例と同一としてもよい。
下位12ビットをも利用することもできる。
以上でQRPT方式受信機における同期符号検出装置の
位置づけが明らかになったがなお同期符号以外の制御符
号の検出についても全く同様であることはいうまでもな
い。
次に同期符号検出装置について具体的な一例を挙げて説
明する。
第19図において3値信号入力は、デイジタル化回路1
1において信号クロツクレートで標本化され、s+,s
−の2ビットの2値符号にデイジタル化される。
S+は三値信号が“+”のときに1、s−は“−”のと
きに1となり、“0”のときはs+,s−共に0となる
第19図の例においては簡単のためシフトレジスタ群1
2は4デイジット分から成っているが、同期符号を20
デイジットとする時は、それに合わせて20デイジット
分すなわち20ビット2列のシフトレジスタを用意する
シフトレジスタ群12には常に同期符号の長さだけのデ
ータが蓄えられる。
シフトレジスタ群12の内容は常に比較器20によって
同期符号参照値との比較監視が行なわれている。
第19図では比較器20は排他的論理和回路から成って
おり、シフトレジスタ群12の各出力ビットと対応参照
値が一致するときは0、一致しない時は1なる出力が各
々対応する排他的論理和回路出力に得られる。
すなわち完全なる同期符号が検出された時はすべての排
他的論理和回路の出力は0となる。
雑音や伝送上の歪に伴い符号誤りを発生すると、誤りの
大きさに応じて、排他的論理和回路の出力が1となるも
のができる。
すなわち出力1なるものの数によって誤りの数を知るこ
とができる。
比較器20の各出力は判定器21の入力に導かれ、比較
器20の出力のうち、出力値が1となっているものの数
が、予めブリセットされた数値より小さいかどうかを判
定する。
プリセット値は誤り訂正の大きさを決定するものであっ
て、所定の同期符号の最似符号にプリセットする。
例えば同期符号として上述した10を用いれば最似符号
距離は5であり、この値が判定器にプリセットされる。
そして比較器20の出力のうち4出力以下が1であった
場合判定器21は出力として同期パルスを発することと
なる。
判定器21は純粋にデイジタル回路で構成することも可
能であるが、同期符号の長さが20デイジットという風
に長い場合には回路が極めて複雑化してしまう。
したがってこの様な場合には第19図のようにアナログ
回路を併用した方が得策である。
すなわち比較器20の各出力線は判定器21の入力段に
設けられたアナログ加算器に導かれる。
アナログ加算器の入力抵抗R1〜R8はすべて同一抵抗
値である。
同期符号の長さが20デイジットの時は入力数は40と
なり40個の同一抵抗値の抵抗を介して演算増幅器AM
Pに入力することになる。
プリセット調整は演算増幅器AMPの入力につながれた
抵抗Roの他端の電位を町変抵抗Rvを調整して変化さ
せることにより行なう。
抵抗Rfはこのように構成されたアナログ加算器の利得
を決める帰還抵抗である。
アナログ演算増幅器AMPの出力は同期符号もしくは類
似符号が検出されると高電位となる。
すなわち第20図におけるaのような出力波形を得る。
これは第6図の図形に相当する。
同期符号と判定するか否かの閾値は上述した検討結果か
ら4〜5であろうから、演算増幅器AMPの帰還抵抗R
fの値を適当に定め、アナログ加算器の利得を適度に高
くとって10程度以上の値に対しては出力を飽和させて
しまってもよい。
アナログ加算器の出力aはシュミット回路SCHによっ
て閾値をプリセット値4として整形され、bのようにな
る。
出力bは同期符号の存在を表わすものであって、これま
での説明から明らかなように、符号誤り4以内に対して
は、同期符号を正確に検出できたことになる。
シュミット回路SCHの出力bの前縁に相当するパルス
をワンショットマルチパイブレークMYによって作り、
これを同期パルス信号として用いることができる。
以上ここに述べた同期符号検出装置およびその方式はQ
RPT符号化方式に限らず、同期符号(制御符号)と他
の符号とのHammingの距離が離れていることが保
証されれば、他の符号化方式においても応用できること
はいうまでもない。
誤り訂正町能な同期符号,制御符号等の特定の符号の検
出方法は、QRPT符号化方式以外にも適用することが
できる。
既に論じたように、誤り検出訂正の町能な符号を作るこ
とのできる根本的な原理は、画像信号を表わしていない
、すなわち画像信号の不存在を表わす空符号を利用した
ことである。
空符号を表わすPT符号以外の8個のPT符号がどのよ
うに画像信号を符号化するのに用いられているかという
ことに直接係わりがない。
一方、帯域圧縮伝送においては、2値伝送方式よりも多
値伝送方式を用いた方が伝送情報密度の点から有利であ
る。
どの程度の多値伝送とすることが可能であるかは、伝送
路の雑音レベル等の品質に依存する。
3値伝送については従来種々提案研究がされておりその
符号形式は複流RZ符号,差動2進3値符号,PST符
号,擬3進平衡符号等がある。
しかしこれらの符号は伝送路の直流遮断の影響を少なく
したり、デイジット同期をとりやすくする等の点では良
いが、情報密度の点では純2進符号に優るものとは言え
ない。
通常ファクシミリ帯域圧縮伝送において3値伝送を行な
う場合は、画像信号を一旦2進符号化してから、3値符
号に変換して伝送する。
そこで効率的な変換方式が望まれるわけであるが、先に
説明したQRPT方式はこの一例である。
2進符号を3値符号に変換する方式として、なるべく情
報量を損なわず、しかも上述したような誤り検出訂正可
能な同期符号や制御符号を作ることのできる変換方式を
次に説明する。
第21図はその変換方式の具体的な一例を説明する図表
である。
符号列は前述したファクシミリの画像信号を何らかの方
法で2進符号化したものであって、この符号列を先頭か
ら3ビット毎に区切る。
次に各々区切られた3ビットの符号を例えば第22図の
表に従がって3値符号に変換して得た3値出力を伝送す
る。
第22図の変換表は1例であるが、2進符号3ビットの
組合せの8種類は、表の様に3値符号を2デイジット組
合せたPT符号9個のうちの中間レベル(“0”と書く
)の連続である空符号(〜)1個を除いた8個と1対1
に対応づけることができる。
ここで空符号は画像信号の不存在を表わすものとするこ
とができる。
またこのように画像信号を意味しない符号を設けること
によって、これを利用してすでに述べたようにして誤り
検出訂正が可能となるわけである。
また空符号以外のPT符号はすべて画像信号を意味する
符号で、縮退がないので情報密度変換の効率が高く、こ
の変換方式によって、3ビットの符号が2デイジットの
3値符号になるのであるから、圧縮率の改善率は1.5
と極めて効率的になる。
第23図は具体的な帯域圧縮装置の一例である画像信号
は2進符号化回路31に入り符号化された後、例えばシ
フトレジスタの様な分割回路32で3ビットが分割選択
される。
分割されたb1,b2,b3の3ビットの信号は変換マ
トリクス回路33で第22図の変換表に従って変換され
、符号s(s1+,s1−,s2+,s2−)となる。
ここにsn+(n=1.2)はPT符号の第nデイジッ
トの“+”か否かを、sn−は同じく“−”か否かを表
わすビットである。
符号sはデイジット選択回路34によって、PT符号の
第1デイジットを表わすs1+,s1−を、次いで第2
デイジットを表わすS2+,S2−を順次選択する。
こうして選択された符号s+,s−は3値化回路35に
よって3値符号に変換される。
次に再び2値信号の直列入力が分割回路32で分割され
以下同様に繰返す。
以上のようなファクシミリ帯域圧縮方式によれば、帯域
圧縮率の大幅な改善と、誤り検出訂正町能な同期符号あ
るいは制御符号の使用による信頼性の向上が行なえる。
第25図は第23図に示す送信機と共働するファクシミ
リ帯域圧縮伝送方式の受信機の構成例を示すものである
受信側においては送信側と逆の処理を行なえばよいので
その説明は簡単にする。
伝送路を介して受信した3値符号入力信号を2値化回路
41に供給し、3値符号を2値符号s+,S−に変換す
る。
次にこの2値符号s+,s−をデイジット合成回路42
に送り、PT符号の第1デイジットおよび第2デイジッ
トを表わす2進4桁の符号s1+,s1−,s2+,s
2−に変換する。
次に変換マトリックス回路43において、送信側におけ
る変換マトリックス回路33と逆の変換を行ない、3ビ
ットの2進符号b1,b2,b3に変換する。
更にこの3ビットの2進符号を合成回路44に供給し、
2進符号に変換する。
この2進符号を復号器45で復合し、ファクシミリ画信
号を再生する。
このファクシミリ画信号を走査器46に供給し、記録紙
47上に記録する。
上述したところは誤り訂正の原理を3値符号について述
べた。
同様の誤り訂正は3値符号においてのみならず、原理的
にはさらに多値符号においても可能なことはいうまでも
ない。
3値より大なるm値符号伝送においても、伝送上の誤り
の大きさとしては、伝送路上のレベルに対応した重みづ
けをして考えた方がよい。
m値符号を(m−1)ビットの2進符号で表わすことに
よって、符号間の重みの差を容易に、それらの2進符号
の間のHammingの距離として求められるようにす
ることができる。
3値符号の場合については、既に述べたので、4値と5
値の場合の例を第24図に掲げる。
このようにして、2つのm値符号の重みの差は2進化m
値符号の各対応するビットの不一致の数、すなわちHa
mmingの距離として簡単に求められるようになる。
m値符号を使用した場合においても適当な形式の同期符
号あるいは制御符号を用いて、他のあらゆる符号のうち
最似符号との距離がある程度離れるようにすることがで
きるので、これを利用して誤り検出訂正を行なうことが
できる。
同期符号あるいは制御符号がnデイジットのm値符号よ
り成る場合の検出装置は第19図およびそれと関連する
説明によって容易に理解できよう同図はm=3,n=4
の場合の例である。
説明は重復するので避ける。
【図面の簡単な説明】
第1図はQRPT符号化帯域圧縮伝送方式におけるPT
符号への変換動作を説明するための図表第2図は従来の
同期符号検出回路の一例の構成を示す回路図、第3図は
PT符号のHammingの距離を模式的に表わす図表
、第4図は本発明において定義したHammingの距
離を表わす図表、第5図は空符号のみより成る同期符号
語の受信完了前後におけるHammingの距離の変化
の状況を示すグラフ、第6図は空符号を含む同期符号語
の受信完了前後におけるHammingの距離の変化の
状況を示すグラフ、第7図、第8図および第9図はファ
クシミリテストチャートNo.2等に対し、種々の同期
符号語を使用した場合の同期符号語から距離dだけ離れ
た符号語の発生頻度を示すグラフ、第10図は同期符号
語から距離dの位置にある符号語に誤りが生じて同期符
号語から距離sの符号語となる確率p(d,s)を示す
グラフ、第11図〜第14図は横軸に同期符号語からの
距離dをとり、縦軸にg(d,s)=p(d,s)・f
(d)をとり、種々の同期符号語に対し、同期符号語を
誤って検出する確率を示すグラフ、第15図は同期符号
語の中央にRL符号と一致した部分を含む符号語を示す
図表、第16図は本発明による受信機の一例の構成を示
すブロック線図、第17図は同じくその内部符号の構成
の一例を示す図表、第18図は同じく内部符号語の他の
構成例を示す図表、第19図は本発明による同期符号語
検出装置の一例の構成を示すブロック線図、第20図は
同じくその動作を説明するための波形図、第21図は本
発明において利用することができる2進符号を3値符号
に変換する方式の一例を説明するための図表、第22図
は同じくその変換表を示す図表、第23図は帯域圧縮装
置の一例の構成を示すブロック線図、第24図は4値符
号および5値符号と2進化4値符号および2進化5値符
号とのそれぞれの対応関係を示す図表、第25図はファ
クシミリ帯域圧縮伝送方式の受信機の一例の構成を示す
ブロック線図である。 10・・・・・・伝送路、11・・・・・・デイジタル
化回路、12・・・・・・シフトレジスタ群、13・・
・・・・RL符号選別、内部符号作成回路、14・・・
・・・バツファメモリ、15・・・・・・同期符号検出
回路、16・・・・・・参照符号源、17・・・・・・
内部符号作成回路、20・・・・・・比較器、21・・
・・・・判定器、31・・・・・・2進符号化回路、3
2・・・・・・分割回路、33・・・・・・変換マトリ
ツクス回路、34・・・・・・デイジット選択回路、3
5・・・・・・3値化回路、41・・・・・・2値化回
路、42・・・・・・デイジット合成回路、43・・・
・・・変換マトリツクス回路、44・・・・・・合成回
路、45・・・・・復号器、46・・・・・・走査器、
47・・・・・・記録紙。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 伝送すべき情報信号を2進符号化した符号列を3ビ
    ット毎に区切り、3ビットの組合せ8種類の各々を3値
    符号の2デイジットの組合せであるPT符号9個のうち
    の1個を除いた8個に1対1に対応変換せしめ、かつ前
    記除いたPT符号を前記情報信号の不存在を表わす空信
    号に空符号として対応変換せしめると共にこの空符号と
    前記8個のPT符号との周期性を持たない組合せにより
    作った制御符号と一緒に伝送することを特徴とする帯域
    圧縮伝送方式。 2 特許請求の範囲1記載の帯域圧縮伝送方式において
    、制御符号を、5個以上のPT符号から成る符号語であ
    って、前記符号語の最初の部分は少くとも2個の連続し
    た空符号より成り、かつ最後の部分は少くとも2個の連
    続した空符号より成り、それ以外の部分は情報信号を符
    号化したものとしての意味をなし得ない構成の符号とな
    るように構成し、前記制御符号に対する最似符号距離未
    満の距離を基準距離とし、この基準距離以内の符号を前
    記制御符号として認識することを特徴とする帯域圧縮伝
    送方式。 3 特許請求の範囲1記載の帯域圧縮伝送方式において
    、制御符号を、5個以上のPT符号から成る符号語であ
    って、前記符号語の最初の部分は少くとも2個の連続し
    た空符号より成り、かつ最後の部分は少くとも2個の連
    続した空符号より成り、それ以外の部分は前記情報信号
    を2進符号化した符号列を3ビット毎に区切った符号の
    うちの確率的に発生頻度の少ない符号に対応したPT符
    号で主として構成し、前記制御符号に対する最似符号距
    離未満の距離を基準距離とし、この基準距離以内の符号
    を前記制御符号として認識することを特徴とする帯域圧
    縮伝送方式。
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Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4938042A (ja) * 1972-08-14 1974-04-09
JPS50116120A (ja) * 1974-02-26 1975-09-11

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