JPS587140B2 - チヨウリキ

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【発明の詳細な説明】本発明は調理物より発生する油煙等の浄化能力を備えた
調理器に関するものである。

一般に調理器は調理物より発生する油煙等の浄化能力が
なく、油煙等をそのまま室内に放出して室内を汚染した
り、健康を害したりする問題があった。

これを解決するため調理器に油煙等を除去する除煙装置
を設けることが考えられる。

そして除煙装置にたとえば触媒を用いた触媒酸化方式、
あるいは活性炭を用いた吸着方式等が考えられる。

しかし、いづれの場合においても、排気系中に圧力損失
となる物質を充填することになるので、排気ガスおよび
その一部である油煙等は除煙装置を円滑に通過しないよ
うになる。

その結果除煙効果が十分に発揮されず、白煙が残るよう
になっていた。

この白煙は非常に除去しにくく、種々の実験の結果から
その白煙は水蒸気を主成分としたものであることがわか
った。

そして上記白煙が残るのは、除煙装置を通る油煙等の量
が少なくなることによってその油煙中に含まれる水蒸気
成分の割合が高くなり、純粋な油煙成分は除去している
のにもかかわらずこの水蒸気成分の煙が白煙となって残
るこさが判明した。

そのためファンを用いて上記油煙等を強制的に排気し、
除煙装置を円滑に油煙等が通過するようにしてみたが、
これではコストが非常に高くつき、実用化の大きな障害
となってしまう。

そして何よりも、この方法によっても上記白煙はうまく
除去できなかった。

本発明はさらに実験を続けてこのような問題を解消し、
非常に安価で浄化能力の高い調理器を提供するもので、
以下その一実施例を図面とともに説明する。

図において、１は調理器の主体をなす加熱庫、２，３は
その上下部に設けたヒータ、４はヒータ２，３間に設け
た調理棚、５はその上に載せた調理物、６は加熱庫１の
上部より導出した排気通路で、調理物５より発生した油
煙ならびに臭気等７はこの排気通路６を通って排気され
る。

８はこの油煙ならびに臭気等を浄化する除煙装置で、排
気通路６の一部に設けてあり、二酸化マンガンを主成分
とした触媒で多孔板状に形成し、この触媒層を三段とし
たものである。

なお熱源はガス等であってもよい。

上記構成において、調理棚４上に置かれた調理物５は上
下に設置されたヒータ２，３により加演調理される。

そして調理物５と調理物より落下する油をうける受皿９
より油煙１が発生する。

発住した油煙７は上昇気流となり加熱庫１の天井部に至
る。

しかしながら、この油煙等は加熱庫１の入井近辺に停滞
し、気流の流れは除煙装置８の抵扮もあって非常に悪く
なる。

このため本発明では第１図に示す如く排気通路６の加熱
庫側開口縁に傾斜部を形成して排ガス案内部１０を設け
、油煙等が効率よく排気通路６へと流れ込むようにして
ある。

したがって加熱庫１に大きなドラフト効果が生じ、油煙
等が停滞して温度低下することなく高温度の状態で排気
通路６へと流れ、除煙装置８を通過して排気されるよう
になる。

その結果、除煙装置８を通る油煙等は速度が早くなって
その量が増加し、逆に油煙等に含まれる水分割合が少な
くなって水蒸気が主成分の白煙が少なくなる。

特に油煙等が高温のまま除煙装置８を通過するようにな
るのでその減少率は高いものとなり、さらに除煙装置８
を高温に加熱してそれ自身の除煙能力を向上させる利点
もある。

次に上記のようにしても白煙が残る理由を検討した結果
、以下のような理由によることが判明した。

それは除煙装置８ならびに加熱庫１の天井壁そして排気
通路壁には冷却作用があり、せっかく油煙等の排気ガス
を速く除煙装置８へ導くようにしても上記冷却作用によ
って温度が低下し、除煙装置８を通過した後の排気に水
蒸気成分の白い煙が残るのである。

このため種々の実験を行なった結果、排気ガスの通過速
度が一般的な０．０１ｍ／ｓｅｃ以上の時で少なくとも
１３０℃以上に排気ガス温度を維持する必要があること
がわかった。

これを確保するために本発明では上記各壁面に断熱ある
いは加熱等種々の手段で保温処理１１を施してある。

これは保温処理１１によって冷却作用の除去を期待した
ものであり、断熱処理しないものでは上記排気ガスの温
度を十分高く維持できなくなって浄化能力が低下し、白
煙を除去することができなかった。

次に上記本発明の効果を確認するためまず排ガス案内部
１０等を設けないものと本発明品との排気スピード結果
を示す。

なお本発明品は加熱庫の上部に１６０ｍｍφの穴をあけ
、これを４５°の傾斜で１２０ｍｍφの穴に絞り、この
１２０ｍｍφの穴に円管を取付け、その中に１１８ｍｍ
φ、厚み１５ｍｍの触媒を５ｍｍ間隔で装着したもので
、従来品は上記傾斜がないものである。

そしてデータは加熱庫内の炭化水素濃度と温度そして除
煙装置直下の及引圧ならびに排気口部での排気流速を測
定した。

次に保温処理して除煙装置部分での排気ガス温度を測定
したのでその結果を第３図に示す。

第３図中ａが本発明品、ｂが従来品である。

以上の結果からも明らかなように排気ガスはその通過が
速く多くなり、かつ温度も高くなって浄化効果が向上す
ることがわかる。

このように本発明によれば、調理器特有の水蒸気を主成
分とした白煙等も確実に除去することができ、その浄化
効果は著しく良好なものとなるとともに自然排気である
から安価にでき、信頼性、商品価値の高い調理器とする
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例における調理器の断面図、第
２図は同他の実施例を示す要部断面図、第３図は除煙装
置の温度を示すグラフである。１・・・・・・加熱庫、６・・・・・・排気通路、８・
・・・・・除煙装置、１０・・・・・・排ガス案内部、
１１・・・・・・保温処理。

【特許請求の範囲】