JPS586751Y2 - 流体圧制御系統における補助供給装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、少くとも二個の流体圧タンクを有し、２個の
独立した制御系統を有する流体圧制御系統における流体
の補助供給装置に関し、さらに望ましくは自動車のエア
ブレーキ系統におけるエアの補助供給装置に関する。

トラック、バス等の大型自動車ではエアブレーキ系統が
採用されている。

従来のエアブレーキ系統の一例を上げると第１図の如く
なっている。

すなわち、前輪用のエアブレーキチャンバ１／は前輪用
のエアタンク２′からエアが供給され、後輪用のエアブ
レーキチャンバ３′へは後輪用のエアタンク４′からエ
アが供給される。

エアの供給は夫々前輪用リレー５′及び後輪用リレー６
′によって行われ、前記両リレー５’、６’はブレーキ
バルブ７′によって制御される。

エアはニアコンプレッサ８′によって昇圧され、ウェッ
トタンク９′を介して夫々のエアタンク２’、４’へ供
給蓄えられる。

上記従来のエアブレーキ系統には次のような欠点がある
。

前輪用のエアブレーキ系統を後輪用のエアブレーキ系統
とが個別に独立しているため、前輪用あるいは後輪用の
エアタンクに故障が生じてエア圧が降下した場合、故障
の生じたエアブレーキ系統が作動不能あるいは作動性悪
化をきたすものとなる。

本考案の目的は、上記欠点を改善するものであり、一方
のエアタンクに故障が生じてエア圧が所定値以下となっ
たとき、他方のタンクのエアを供給して補完させた補助
供給装置を提供せんとするにある。

以下、第２図によって本考案の一実施例を説明する。

本考案になる補助供給装置は開閉弁機構１と逆止弁機構
２とからなっている。

開閉弁機構１は本体３内に形成されたシリンダ空間４と
該シリンダ空間４内で摺動自在に設けられたピストン５
を有している。

シリンダ空間４は一方のタンク、例へば前輪用のエアタ
ンク６の主供給通路７に開放されており、ピストン５の
一方の面Ｆ１には前記主供給通路７のエア圧が作用し、
他方の面Ｆ２には戻しスプリング８の弾性力が作用して
いる。

ピストン５のＦ１側端部には弁９が形成され、本体３内
に設けられた補助供給通路１０を開閉する。

補助供給通路１０へは後輪用エアタンク１１から圧力エ
アが導入される。

逆止弁機構２は、本体１２内に設けられたシリンダ空間
１３と、該シリンダ空間１３内を往復遊動可能に設けら
れたピストン１４とからなっている。

シリンダ空間１３は一方端においてパイプ１５を介して
主供給通路７と連通し、他方端においてパイプ１６を介
して補助供給通路１０と連通している。

シリンダ空間１３の中間付近には前輪制御系統Ｃ１への
エア供給通路１７が開口している。

第３図を参照して、前述の補助供給装置５ｌｊＳ２は前
輪用エアタンクＦＴと後輪用エアタンクＲＴ上に設けら
れ、ＳｌにはパイプＰ２を介してＲＴからの補助エアが
導入され、Ｓ２にはパイプＰ１を介してＦＴからの補助
エアが導入される。

ここで０１は前輪用制御系統であり、Ｃ２は後輪用制御
系統である。

次に第２図の補助供給装置の作用を説明する。

正常状態においては、前輪用エアタンク６からの圧力エ
アは、主供給通路７、パイプ１５、シリンダ空間１３及
びエア供給通路１７を介して前輪用制御系統へ供給され
ている。

この時には、主供給通路７のエア圧がピストン５の面Ｆ
１に作用し、該ピストン５がスプリング８の弾性力に抗
して摺動し、弁９が補助供給通路１０を閉じている。

さらにシリンダ空間１３内へ導入されたエアの圧力によ
ってピストン１４が図の上方へ移動し、パイプ１６との
連通開口を閉じている。

今、前輪用エアタンク６に故障が生じ、エア圧が降下し
たとすると、スプリング８の弾性力によりピストン５が
図の下方へ移動し、弁９が補助供給通路１０を開く。

すると、パイプ１６を介して後輪用エアタンク１１内の
エアがシリンダ空間１３へ導入され、ピストン１４が図
の下方へ移動させられる。

このため、ピストン１４によってパイプ１５の連通口が
閉じられ、前輪用制御系統Ｃ１へ後車輪用タンク１１内
のエアが供給される。

上述の作用は、後車輪用のエアタンク１１に故障が生じ
た時にも、前輪用エアタンク６からエアが補助供給され
るものであり、２個以上の独立制御系統を有する制御装
置の信頼性の向上を達成することができるものとなる。

又、大型車輛のエアブレーキ系統においては、前輪用と
後輪用とを夫々独立させて信頼性を向上させているが、
夫々独立した制御系統を互いに補完し合う構成とするこ
とにより、さらに信頼性を高めることができ、安全対策
面からみて非常に効果的なものとなる。

なお、第２図の逆止弁機構２は、主供給通路７に逆止弁
を設けることによって代行させることも可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は公知のエアブレーキ制御系を示す図、第２図は
本考案の一実施例を示す断面図、第３図は本考案の取り
付は状態を示す略図である。 ３：本体、４ニジリンダ空間、５：ピストン、６：前輪
用エアタンク、７：主供給通路、８ニスプリング、９：
弁、１０：補助供給通路、１１：後輪用エアタンク、１
２：本体、１３ニジリンダ空間、１４：ピストン、１５
及び１６：パイプ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 第１のエアタンク６と第２のエアタンク１１とを有し、
   前記第１のエアタンク６と第２のエアタンク１１内のエ
   アを独立した２制御系統Ｃ１，Ｃ２へ供給するようにし
   たエア制御系統において、第１のエアタンク６及び第２
   のエアタンク１１に夫夫開閉弁機構１及び逆止弁機構２
   を設け、夫々の開閉弁機構１は第１のエアタンク６及び
   第２のエアタンク１１と連絡する主供給通路７と、該主
   供給通路７とは逆の第２のエアタンク１１及びｉｆのエ
   アタンク６と連絡する補助供給通路１０とを有し、夫々
   の主供給通路７は前記逆止弁機構２に連絡し、前記夫々
   の開閉弁機構１は主供給通路７に第１のエアタンク６及
   び第２のエアタンク１１の所定値以上のエア圧が作用し
   ているときには補助供給通路１０と逆止弁機構２との連
   絡を遮断し、前記エア圧が所定値以下となったときには
   補助供給通路１０と逆止弁機構２とを連絡する開閉弁５
   を有し、前記夫々の逆止弁機構２は主供給通路Ｉ又は補
   助供給通路１０のうち開いた方と夫々の２制御系統Ｃ１
   ，Ｃ２とを連絡することを特徴とする流体圧制御系統に
   おける補助供給装置。