JPS586385B2 - 電磁樋 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は移動磁界を２次導体としての溶湯に作用させて
溶湯の電磁搬送をなす電磁樋の全幅にわたる推力の均一
化をはかる構成に関するものである。

一般に電磁樋は溶湯を蓄えた容器より傾斜を全くつけず
あるいは僅かに傾針をつげてほぼ水平に配置し、底部に
配置されている移動磁界発生装置から発生する磁束の進
行に伴って溶湯に渦電流との相互作用によって溶湯は推
力を受け、溶湯供給を行うように構成されている。

このような電磁樋は多くの冶金学的処理、例えば合金材
の添加、他の金属部品の半田付、ロー付等の合理化設備
に広く採用されている。

しかるに電磁樋の幅が比較的大きい寸法、例えば２００
ｍｍ以上の場合、従来の平面電磁樋では幅方向に関し、
溶湯の流速の分布が一様とはならない。

この原理は第１図に示すように電磁樋においては溶湯通
路上の溶湯Ｐ中に誘導されるうず電流■の進行方向にお
ける電流密度成分が一様とはならない。

即ち、電流ベクトルとそれを貫く磁束の変化量のベクト
ル値の外積が推力を発生することになり、この磁界ベク
トルが比較的一様であるにしても電流ベクトルが渦電流
を対象とするため第１図矢印×で示すように溶湯通路の
中央部で流れが犬となり、幅方向の端部に向うにつれて
推力が小となるいわゆる横端効果をもたらす。

このような電磁樋の幅方向の推力の相違は溶湯の質を低
下させ、ひいてはこの溶湯によって形成される製品の品
質の低下をもたらすことになる。

即ち、上記幅方向の推力の相違によって、溶湯の推力に
基づく移行に際して乱流が生ずるに至り、これによって
一部の溶湯が外部に流出せず、そのまま電磁樋内に残る
。

よって、溶湯の酸化をもたらし、溶湯の品質の低下を来
す。

本発明の目的は電磁樋の幅方向の横端効果に基づく推力
の不均一を移動磁界発生装置の鉄心の配置を調整するこ
とにより補償し、電磁樋幅方向の推力の均一化をはかり
、溶湯の質の劣化を防止することにある。

以下、図示する実施例について具体的に説明する。

第２図は本発明の１実施例を示す電磁樋の断面図、第３
図は第２図Ａ−Ａ’断面図である。

各図中１は溶湯容器を形成する耐火壁で、溶湯２を収容
している。

３は電磁樋である。３ａは溶湯通路で、耐火壁３ｂによ
って形成されているものである。

３ｃはインダクターで、上記溶湯通路３ａに沿って耐火
壁３ｂ内に配置されている。

このインダクタ−３ｃはその詳細を示す第３図において
、鉄心３Ｃ１に形成されている溝に嵌込まれる交流巻線
３Ｃ２から構成されている。

そして、この鉄心３ｃ１は溶湯通路３ａの幅方向におい
て中央より両側に向うにつれて溶湯通路３ａにおげる溶
湯２に至るまでの距離が短くなるように組立てられてい
る。

上記構成において、交流巻線３ｃ２に交流電圧を印加す
ると、鉄心３ｃ１より磁束が発生する。

即ち、第４図に示すようにインダクター３０のボールピ
ツチτにて橋絡する磁束が発生し、この磁束は電磁樋３
の長手方向に沿って電源周波数で定まる速度で移動する
。

この際、溶湯２に推力をもたらす有効磁束φ１は上記鉄
心３ｃ１の配置に基づいて中央部より両側に向うにつれ
て増加する。

従って、移動磁界によって発生する磁束と、この磁束の
移動によってもたらされる溶湯通路３ａの幅方向の電流
成分の外積で定まる推力は特にうず電流の推力をもたら
す成分の少ない通路３ａの両側においては有効磁束が犬
となることに伴い、溶湯通路３ａの全幅にわたっての溶
湯２に与えられる推力がほぼ均一化し、溶湯通路３ａ内
において溶湯２が乱流を生ずる余地がない。

第５図は本発明の他の実施例を示すもので、前記第３図
に示す構成に比して幅全体の推力均一化は劣るにしても
極度に推力の低下をもたらす両端の推力を向上させ実質
的に溶湯通路３ａにおげる溶湯の乱流を防止するに充分
な作用をもたらす。

以上述べたように本発明に係る電磁樋は横端効果に基づ
《樋幅方向の推力が中央部に比して両端が徐々に減少す
る推力のアンバランスを、溶湯通路３ａにおげる溶湯２
と、インダクタ−３０の構成要素としての鉄心３Ｃ］と
の距離間隔を中央部より両側部を犬とするようにして両
側の有効磁束が中央部のそれに比して犬とし、溶湯の推
力に寄与するうず電流が溶湯通路３ａの中央部に比して
側方部が少ない現象を補償するようにしたものである。

このような構成に基づいて、電磁樋の全幅にわたって当
該電磁樋中におげる溶湯２への推力は均一化され、ひい
ては従来のように推力の不均一化に伴う乱流の発生を防
止することができるから溶湯の停滞の余地がなく溶湯の
劣化を起すという欠点が全て解決される特長を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の溶湯の流れを示す原理図、第２図は本発
明に係る装置の断面図、第３図は第２図Ａ−Ａ’断面図
、第４図は溶湯通路における磁束分布状態を示す説明図
、第５図は他の実施例を示す断面図である。 ２・・−・・・溶湯、３ａ・・・・・・溶湯通路、３ｂ
・・・・・・耐火壁、３ｃ・・・・・・インダクター、
３ｃ１・・・・・・鉄心。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 溶湯通路３ａを形成する耐火壁３ｂ内に配置される
   インダクター３ｃの鉄心３ｃ１が上記溶湯通路３ａ中の
   溶湯２に至るまでの距離が溶湯通路３ａの幅方向におい
   て中央部に比して両側部が短くなるようにした電磁樋。 ２ 鉄心３ｃ１の溶湯２に至るまでの距離を溶湯通路３
   ａの中央部より側方部に向うにつれて小となるようにし
   た特許請求の範囲第１項記載の電磁樋。 ３ 鉄心３ｃ１の溶湯２に至るまでの距離を溶湯通路３
   ａの両側部のみ他の部分より短くした特許請求の範囲第
   １項記載の電磁樋。