JPS586295B2 - 負荷時タツプ切換器用切換開閉器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、真空スイッチを電流開閉素子として用いた負
荷時タップ切換器用切換開閉器に関する負荷時タップ切
換器用切換開閉器の電流開閉素子として、従来、用いら
れていた油中スイッチや気中スイッチを真空スイッチに
置きかえれば切換性能、接点寿命、保守性等において極
めて大きい改善効果があることは良く知られている。

しかし、現在の真空スイッチは一般に耐インパルス強度
が低いという弱点をもっているがゆえに、タップ切換完
了後も、開極した真空スイッチが異なるタップ間に直接
つながったままであるような、あるいは、タップ切換中
に過渡的につながることがあるような回路構成を採るこ
とはできるだけ避けることが望まれる。

何故なら、タップ巻線に侵入したインパルス電圧によっ
て、この真空スイッチが絶縁破壊すれば、即タツプ間短
絡に発展する危険があるからである。

この問題を解決するには真空スイッチよりもインパルス
強度の高い断路スイッチを真空スイッチに直列に接続し
、真空スイッチに電流をしゃ断させた後に、この断路ス
イッチを開いて、インパルス電圧が真空スイッチに加わ
らぬようにすれば良いことは周知であり、その具体的方
法が既に提案されている。

しかし、従来の方法は、何れも、真空スイッチの他に
断路用の専用スイッチを設ける必要があり、従ってこの
ための駆動機構ならびにこれらを収納するスペースが特
別に必要になるなど、装置の単純化、小形化、経済化の
面で極めて不利であった。

本発明は、上記のような実状に鑑みて成されたもので外
力が作用しない時は開極状態となるよう構成した真空ス
イッチと、この真空スイッチを閉極させるときのみ、そ
の可動接触子系に接触・作用し、開極時は真空スイッチ
よりも大きな耐インパルス強度をもつような絶縁間隔を
保って離れているよう構成した真空スイッチ駆動機構と
を組合せ、この駆動機構と真空スイッチ可動接触子系と
を真空スイッチに電気的に直列接続することにより、耐
インパルス強度の高い、断路スイッチを特に設けること
なく、真空スイッチと、その駆動機構とのみで、耐イン
パルス強度の高い負荷時タップ切換器用切換開閉器を実
現しようとするものである。

以下、図面により、この発明の詳細について説明する。

第１図はこの発明の一実施例を示す２抵抗式負荷時タッ
プ切換器用切換開閉器の１相分を示す図であり、４組の
真空スイッチュニツト１ａ，１ｂ，１ｃ，１ｄ１ １つ
のカム２、２つの限流抵抗器３ａｂ，３ｃｄ，フレキシ
ブルリード４とから構成されている。

真空スイッチユニット１（真空スイッチユニットは４組
とも同一につき、特に区別の要のない限り、その構成部
品も含めて、添字ａ、ｂ、 Ｃ、ｄを省いて説明する
）は、真空スイッチ１１、カムフオロワー１２、押はね
１３，１４、上部固定板１５、下部固定板１６、フレキ
シブルリード１７より成る。

真空スイッチ１１は上方に固定接触子１１１、下方に可
動接触子１１２を有し可動接触子１１２は、その下端に
ツバ１１２１を有す。

上端と中ほどにツバ１２１および１２２を有し、下端に
、カムとの接触部を突出させた導電性カムフオロワー１
２はツバ１２２と上部固定板１５との間に挿入された押
ばね１４によって常に下降方向の力を受けている。

またカムフオロワー１２の上端のツバ１２１は、カムフ
オロワー１２の上降時のみ、真空スイッチ可動接触子の
ツバ１１２１に係合するよう構成されており、これによ
って、カムフオロワー１２の下降時に可動接触子１１２
が引下げられる。

すなわち真空スイツチ１１が開極させられる。

その開極距離は、カムフオロワー１２が下限、すなわち
ツバ１２２が下部固定板１６に当接する位置まで下った
ときに、Ｐ寸法になるよう設定されている（真空スイツ
チュニツト１ｃ，ｌｄ参照）。

押ばね１４は真空スイッチ１１の真空自閉力（真空力に
より閉極しようとする力）よりも大なるよう設定されて
いる。

従って、上昇方向の外力が作用せぬ限り、カムフオロワ
ー１２は、下限位置にあり、真空スイッチ１１は開極し
ている。

真空スイッチユニット１ｃ，ｌｄがこの状態である。

カム２は図示されない駆動機構でもって、実線の位置と
鎖線の位置との間を往復駆動され、その傾斜部２１１，
２１２および頂部２１３から成るカム山２１でもって、
カムフオロワー１２に接触し、押ばね１４の力に抗して
、それを押上げる。

その押上げ量Ｑは真空スイッチの開極距離Ｐよりも大き
く接定されている。

従ってカムフオロワー１２がカム山２１の頂部２１３に
乗り上げている状態ではカムフオロワーのツバ１２１と
真空スイッチ可動接触子のツバ１２１１との間には、Ｒ
＝Ｑ−Ｐなる間隙が発生し、可動接触子１１２を、下方
へ引く力はもはや存在せず、真空スイッチ可動接触子１
１２は、真空自閉力でもって、固定接触子１１１に接触
・・・・・・真空スイッチ１１は閉極している。

真空スイッチュニツト１ａ，１ｂがこの状態である。

可動接触子１１２と固定接触子１１１の接触力が真空自
閉力よりも犬であることが望まれる場合には、付加すべ
き接触力と同じ荷重をもつ、押しばね１３を、カムフオ
ロワー１２と、可動接触子のツバ１１２１との間に挿入
する。

１７は可動接触子１１２とカムフオロワー１２との電気
的接続を確実にするためのフレキシブルリードである。

真空スイッチユニット１ａ、１ｂ，１ｃ、１ｄの配置間
隔と、カム２の大きさとの関係は、第１にカム２が隣接
する２つの真空スイッチユニット、１ａと１ｂまたは１
ｂと１ｃまたは１ｃと１ｄに作用して、それらの真空ス
イッチ１１ａと１１ｂまたはｌｌｂと１１ｃまたは１１
ｃと１１ｄとを同時に閉極させるこきができること、第
２にカム２が隣接する３つの真空スイッチユニット１ａ
と１ｂと１ｃまたは１ｅと１ｃと１ｄとに同時に接触し
ないこと、第３にカム２が隣接する２つの真空スイッチ
ユニットに接触しているときに、その隣の、接触してい
ない真空スイッチユニット（例えば、カム２が真空スイ
ッチユニット１ｂと１０に接触しているときには、真空
スイッチユニット１ａおよび１ｄがこれに相当）とカム
２との間の間隙が、真空スインチよりも大きい耐インパ
ルス強度をもっことの３条件を満たす関係に設定されて
いる。

而して、真空スイッチ１１ｂおよび１１ｃの固定接触子
１１１ｂおよび１１１ｃは限流抵抗器３ａｂおよび３ｃ
ｄを介して真空スイッチ１１ａおよび１１ｄの固定接触
子１１１ａおよび１１１ｄにそれぞれ接続されており、
真空スイッチ１１ａおよび１１ｄの固定接触子１１１ａ
および１１１ｄは、図示されないタップ選択器を介して
、図示されないタップ巻線の互いに隣接するタップＳ１
と８２にそれぞれ接続されている。

また、カム２は、フレキシブルリード４を介して出力端
子Ｎに接続されている。

次に以上の構成より成る負荷時タップ切換器の動作につ
いて説明する。

第１図は、カム２が左方へ切換えを完了した状態を示し
ている。

すなわち、カムフォロワー１２ａ，１２ｂがカム２のカ
ム山２１の頂部２１３にあり真空スイッチ１１ａおよび
１ｌｂが閉極、またカムフオロワー１２ｃ，１２ｄがカ
ム２から離札真空スイッチ１１ｃと１１ｄが開極し、Ｓ
１→１２→２→４→Ｎの経路で負荷電流が流れている。

すなわちタップＳ１側で運転している状態を示している
。

この状態よりタップＳ２側へ切換えるには図示されない
駆動機構でカム２を右方向、鎖線の位置まで駆動する。

すると、次の順序で切換動作が進行する。

順１．カムフオロワー１２ａがカム２の傾斜部２１１に
さしかかる。

順２．押しばね１４ａの押下げ力によってカムフオロワ
ー１２ａが下降し始める。

順３．ツバ１２１ａとツバ１１２１ａとの間の間隙が０
となり、可動接触子１１２ａとカムフオロワー１２ａの
係合が始まる。

順４．真空スイッチ１１ａの真空自閉力よりも押ばね１
４ａの荷重が大であるから、可動接触子１１２ａもカム
フオロワー１２ａとともに下降を始める。

すなわち、真空スイッチ１１ａが開極を始めそこを流れ
る電流をしゃ断する。

順５．これによって負荷電流を限流抵抗器を通る経路、
すなわちＳ２→３ａｂ→１ｂ→２→４→Ｎの経路に移り
かわる。

順６．カムフオロワー１２ａがＱ寸法下るとツバ１２２
ａが固定板１６ａに当って下降を停止真空スイッチ１１
ａは開極を完了する。

順７．カムフオロワー１２ａはカム２の傾斜部２１１か
ら離れ、真空スイッチユニット１ａとカム２との接触は
断たれる。

順８．カム２の傾斜部２１２がカムフオロワー１２ｃに
接触を始める。

順９．カムフオロワー１２ｃが上昇し始める。

可動接触子１１２ｃも共に上昇を始める。

順１０．上昇寸法がＰに達すると可動接触子１１２Ｃは
固定接触子１１１ｃに当接し、真空スイッチ１１ｃは閉
極する。

これにより順１１．負荷電流はＳ１→３ａｂ→１ｂ→２
→４→ＮとＳ ２→３ ｃｄ −＋１ ｃ→２→４→Ｎ
の両経路を経て、タツプＳ１と８２の両タップから供給
される。

また、経路Ｓ１→３ａｂ→１ｂ→２→１ｃ→３ ｃｄ
−）Ｓ ２の経路には、タツプ橋絡電流が流れる。

順１２、可動接触子１１２ｃはもはや上昇せず、カムフ
オロワー１２ｃのみが上昇する。

上昇寸法がＱ寸法に達するとカムフオロワー１２ｃはカ
ム２の頂部２１３に至り上昇を終了する。

ツバ１２１ｃとツバ１１２１ｃとの間にはＲ寸法の間隙
があき、可動接触子１１２ｃと固定接触子１１１ｃとの
接触は安定したものとなる。

順１３．順１から順４と全く同じ要領にて、真空スイッ
チ１ｌｂが開極、負荷電流の一部とタツプ橋終電流をし
ゃ断する。

これによって負荷電流は、Ｓ ２−＋３ ｃｄ →１
ｃ−＋２→４−＋Ｈの経路でタツプＳ２側からのみ供給
されるようになる。

順１４．順６、順７と全く同じ要領で、カム２と真空ス
イッチュニツＮｂとの接触が断たれる。

順１５．順８から順１０と全く同じ要領にて、真空スイ
ッチ１ｄが閉極すると負荷電流は、Ｓ２→１ｄ→２→４
→Ｎの経路へ移る。

順１６．順１２と全く同じ要領にてカムフオロワー１２
ｄがカム２の頂部２１３にのりあげると、第１図と対称
の状態、すなわち、カムフオロワ−１２ｃ，１２ｄがカ
ム２の頂部２１３にあり真空スイッチＩｌｃ，１１ｄが
閉極、また、カムフオロワー１２ａ，１２ｂがカム２か
ら離れ真空スイッチ１１ａ，Ｉ１ｂが開極した状態とな
って、タップＳ１から８２への切換えを完了する。

以上の動作において各真空スイッチを通る電流通路には
、必らずカムフオロワーとカムとの接触点が直列に入っ
ており、しかもこの接触点は、当該真空スイッチが閉じ
る前に閉じ、開いた後に開くという断路スイッチとして
の働きを成している。

つまり、真空スイッチに直列に、断路スイッチが挿入さ
れたと等価となっており、従って開極した真空スイッチ
にタップ間の電圧が直接印加されることはもはやなくな
る。

しかも前記したようにこの接触点が開いたときの絶縁間
隙は、真空スイッチよりも大きな耐インパルス強度をも
つように構成してあるから、タップ巻線に侵入したイン
パルス電圧によって、耐インパルス強度の低い真空スイ
ッチが絶縁破壊を起すことはもはやなくなる。

そして、この接触点が開いたときの絶縁間隙の耐インパ
ルス強度を必要なだけもたせるようにすれば、真空スイ
ッチの耐インパルス強度に無関係に、いくらでも高い耐
インパルス強度をもった負荷時タップ切換器用切換開閉
器を実現することができる。

向，以上の説明では便宜上、同時に２つの隣接真空スイ
ッチを閉極させ得るが、同時に３つの隣接真空スイッチ
ユニットに接触せぬようなカムで構成した例で説明した
が代りに、同時に３つの隣接真空スイッチを閉極させ得
るが、同時に４つの真空スイッチユニットに接触せぬよ
うなカムで構成した場合でも、本発明の効果は損なわれ
ない。

また、第２図のように、真空スイッチユニット１ａ，１
ｂ，１ｃ，１ｄを円周上に配列し、往復回転軸５に取付
けられた面カム６で駆動するようにしてもよい。

また、真空スイッチユニットを第３図のように構成すれ
ば、すなわち、カムフオロワー１２を、固定ピン１８を
支点に回転し得るレバ一式にし、矢印の方向から押せば
真空スイッチが閉極するようにすれば第４図および第５
図に示すように第２図の面カム６を板カム７にすること
もできる。

またカムの代りに第６図に示すような転動扇形板（駆動
軸５に取付けられた腕３０の先端のピン３１にその扇形
円弧中心を回転自在に保持され、固定ピン３４にその扇
形外周中央部のガイド溝３３をスライド自在に保持され
、軸５の回転によって、鎖線面を転動ずるように動く扇
形板３２で駆動するようにもできる。

また、実施例として、２抵抗４真空スイッチ式の場合を
とりあげたが、真空スイッチユニットと限流抵抗器の数
を増減すればこれ以外の場合でも、同様に構成すること
が可能である。

以上のように本発明によれば、真空スイッチとその駆動
機構のみで、耐インパルス強度の高い断路スイッチを設
けた場合と同じ効果を得ることができる。

つまり、特別な断路スイッチとこれを駆動する駆動機構
および、これらを収納するスペースを一切要することな
く、耐インパルス強度の高い小形で経済的な真空スイッ
チ式負荷時タップ切換器用切換開閉器を得ることができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の一実施例を示す負荷時タップ切換器
用切換開閉器の構成図、第２図は、この切換開閉器の真
空スイッチユニットと駆動機構の具体的配置構造例を示
す図、第３図は、この切換開閉器の真空スイッチユニッ
トの別の構成例を示す図、第４図は、第３図の真空スイ
ッチユニットを用いた場合の真空スイッチユニットと駆
動機構との具体的配置構成例を示す図、第５図は、第４
図の断面ｖ−■を示す図、第６図は、第４、第５図の切
換開閉器の駆動機構を別の方法で構成した図である。 図中、ｌａ，Ｉｂ，１ｃ，１ｄは真空スイッチユニット
、１１ａ，１ｌｂ，Ｉｌｃ，１１ａは、真空スイッチ、
１２ａ，１２ｂ，１２ｃ，１２ｄはカムフオロワー、２
はカム、３ ａｂ ｐ ３ ｃｄは限流抵抗器、４はフ
レキシブルリード、５は駆動軸、６は面カム、７は板カ
ム、３２は転動扇形体である。 尚図中同一符号は同一又は相当部分を示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 外力が作用しない時は、開極状態となるようにその
   可動接触子系を構成した真空スイッチと、この真空スイ
   ッチを閉極させるときのみ、前記可動接触子系に接触作
   用し、開極時は真空スイッチよりも大きな耐インパルス
   強度をもつような絶縁間隔を保って離れているよう構成
   した真空スイッチ駆動機構とから成り、この駆動機構と
   、可動接触子系とを真空スイッチに電気的に直列接続を
   成した負荷時タップ切換器用切換開閉器。