JPS585842B2 - 高純度次亜塩素酸カルシウム二水化物のスラリ−の収得方法 - Google Patents

高純度次亜塩素酸カルシウム二水化物のスラリ−の収得方法

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JPS585842B2
JPS585842B2 JP2615179A JP2615179A JPS585842B2 JP S585842 B2 JPS585842 B2 JP S585842B2 JP 2615179 A JP2615179 A JP 2615179A JP 2615179 A JP2615179 A JP 2615179A JP S585842 B2 JPS585842 B2 JP S585842B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、高純度次亜塩素酸カルシウムニ水化物の収得
方法に関するものである。
次亜塩素酸カルシウムニ水化物は強力な酸化剤であり、
広く研究されており、その製造方法は多岐にわたってい
る。
又、高度さらし粉の重要な中間体もしくは主成分であり
、その殺菌・漂白効果からプール、上下水道等の水処理
、バルプ等の漂白等に広く用いられている。
又、次亜塩素酸カルシウム三水化物は正方晶系に属し、
その形状は通常偏平な四角板状晶である。
高度さらし粉を製造する時、次亜塩素酸カルシウムニ水
化物のスラリーは沖過され、次いで得られた湿潤ケーク
は乾燥され製品になるが、スラリー中の水難溶性固体の
濃度が高いと、製品中の水難溶性固体の濃度が高くなり
、製品品質が粗悪化する。
つまり、高度さらし粉の主な用途がプールの殺菌用であ
り、プールに用いた時、水難溶性固体の多くは溶解せず
プールに沈殿、蓄積する。
これは泳者に不快感を与えるだけでなく、プールの管理
の弊害になる。
したがって、水難溶性固体の少ない製品を得ることは誠
に重要であり、従来より多くの試みがなされた。
従来法について述べる前に、水難溶性固体の由来に若干
触れる。
本発明における水難溶性固体とは、水酸化カルシウム、
炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、水酸化マグネシウム
、シリカ(Si02)、水酸化アルミニウム、水酸化鉄
等、水に対する溶解度が低く、概略5g/l以下のもの
を示す。
これらは原料である消石灰、苛性ソーダ、塩素、水等、
特に消石灰に含まれる不純物によるところが大きい。
又、この外に装置材料に由来するものもある。
例えば鉄、クロム、ニッケル等の水酸化物、酸化物が挙
げられる。
更に、大気中の炭酸ガスを吸収して炭酸カルシウムを生
成する場合もある。
これは乾燥工程において顕著である。
次に解決策であるが、高純度の原料を用いる方法、例え
ば、JIS特号消石灰、水銀法苛性ソーダ、イオン交換
膜法苛性ソーダ、液体塩素のごとき不純物の少ない原料
を用いる方法がある。
しかし、この方法は水難溶性固体の濃度を下げる面では
効果は大きいし、従来より指向されてきた。
しかし、これら高純度原料の入手が難しいのみならず、
非常に高価であり、非経済的である。
又、大気中の炭酸ガスの吸収を防ぐため、タンク等を密
閉する方法もあるが効果は小さく根本的対策とはならな
い。
又、乾燥時に増加する炭酸カルシウムの増加を防ぐため
には、乾燥用空気から炭酸ガスを除けばよい。
これは乾燥時の有効塩素の分解を抑制することにもなる
しかし、原料に由来する水難溶性固体を除くことになら
ないのは自明である。
又、次亜塩素酸カルシウムニ水化物のスラリーの水酸化
カルシウム濃度を下げるには水酸化カルシウムがなくな
るまで塩素化すれば良いが、過塩素化の危険性があり難
しい。
又、特開昭49−69580号公報に提案されているよ
うに、希薄な石灰乳を塩素化して次亜塩素酸カルシウム
と塩化カルシウムの水溶液を形成し、水難溶性固体をろ
過して除く方法もある。
この操作を行えば確かに水難溶性固体は少なくなる。
しかし、次亜塩素酸カルシウムの飽和溶解度内で操作す
るため、系内に入る水の量が膨大になる。
したがって、水バランスからパージすべき水の量が増す
この水のパージを母液をパージすることで対応すれば母
液に付随する有効塩素量が多くなる。
一方、濃縮操作を行う方法では、そのための設備及びエ
ネルギーが必要になる。
又、この操作を行っても水難溶性固体の除去は充分では
ない。
それは原料の全てをこの操作でできないからである。
以上のように、いずれの方法においても効果は小さいか
、非経済的であり、根本的解決策とは成り得ないのが現
状である。
本発明者等は、高純度の次亜塩素酸カルシウム二水化物
のスラリーを経済的に得る方法を見い出すために鋭意検
討した結果、ついに本発明を完成するに至ったのである
即ち、本発明は、 水難溶性固体の少ない、高純度次亜塩素酸カルシウムニ
水化物のスラリーを得るに際して、分級槽上部より水難
溶性固体を含む次亜塩素酸カルシウムニ水化物のスラリ
ーを供給し、かつ、分級槽下部から次亜塩素酸カルシウ
ムを含む水溶液又は次亜塩素酸カルシウムニ水化物を含
むスラリーを供給し上昇流を与えつつ、分級槽内温度1
0〜35℃で水難溶性固体を多く含むスラリーを取り出
すと共に、水難溶性固体が少なく、かつ高濃度の高純度
次亜塩素酸カルシウム三水化物のスラリーを取り出す方
法を提供するものである。
本発明による高純度次亜塩素酸カルシウムニ水化物のス
ラリーのもたらす効果は、製品中の水難溶性固体の濃度
を経済的に低下させ、品質の向上を達成ならしめたこと
にあるが、検討過程において次の驚くべき効果をも兼ね
備えていることが判った。
(1)ろ過性が著しく向上する。
(2)製品の貯蔵安定性が増す。
(1)のろ過性が向上する理由として定かではないが、
水難溶性固体が微細であるがために、ろ布の目に強く付
着して母液の流れを阻害するからではないかと考えてい
る。
ろ過性が向上したことにより、得られる湿潤ケークの付
着母液率 が低くなり、製品に付随する塩化ナトリウム、塩化カル
シウム等の不純物量が減少し、有効塩素含量の高い高度
さらし粉が得られる。
又、乾燥が容易になり、乾燥に要するエネルギーが少な
くて済む。
加えて、乾燥時の有効塩素の分解が小さくなる。
更には、ろ過機の負担が軽減し、設備費が少なくて済み
、従来の遠心分離機から運転管理の容易な真空ろ過機に
替えることができる。
(2)の貯蔵安定性が増す理由としては、定かではない
が、鉄、銅、ニッケル等(有効塩素の分解を促進する重
金属の酸化物が除去されたためと考えている。
又、次亜塩素酸カルシウム三水化物の製造に低品位の原
料の使用が可能であることも大きな効果である。
尚、高純度次亜塩素酸カルシウムニ水化物のスラリーの
水難溶性固体の濃度が次亜塩素酸カルシウムニ水化物を
100重量部として5重量部以下である時、前記した効
果、即ち、製品品質の向上、ろ過性の向上、更には本発
明によって得た高純度次亜塩素酸カルシウムニ水化物の
スラリーをろ過、乾燥して製造した高度さらし粉の貯蔵
安定性の向上、は更に大きくなる。
又、水難溶性固体と次亜塩素酸カルシウムニ水化物との
分離を助けるため、分級槽下部から供給する次亜塩素酸
カルシウムを含む水溶液の水難溶性固体の濃度か1.5
%以下のとき、又、次亜塩素酸カルシウムニ水化物を
含むスラリーの水難溶性固体が次亜塩素酸カルシウムニ
水化物を100重量部として5重量部以下であるときこ
の操作は一層容易になる。
又、次亜塩素酸カルシウムを含む水溶液が分級槽下部よ
り取り出される高純度次亜塩素酸カルシウム二水化物の
スラリーを炉過して得られる母液の一部又は全部である
とき、又、次亜塩素酸カルシウムニ水化物を含むスラリ
ーが分級槽下部より取り出される高純度次亜塩素酸カル
シウムニ水化物のスラリーの一部であるとき、一層合理
的になる。
次に、本発明による高純度次亜塩素酸カルシウムニ水化
物の収得方法について、更に、詳細に説明する。
次亜塩素酸カルシウムニ水化物のスラリーの製造方法と
しては数多くの方法があるが、本発明ではどのような製
造方法で得られた次亜塩素酸カルシウムニ水化物のスラ
リーでもよい。
本発明の目的から言って、特に該次亜塩素酸カルシウム
ニ水化物のスラリーの水難溶性固体の濃度が次亜塩素酸
カルシウムニ水化物を100重量部として5重量部より
多い場合に効果的である。
更に、10重量部以上になるとその効果は顕著に彦る。
本発明でいう水難溶性固体とは、前記したように、水に
対する溶解度が低く、概略5g/l以下のものであるが
、これらの溶解度は次亜塩酸カルシウム、塩化ナトリウ
ム及び/又は塩化カルシウムよりなる水溶液においては
更に小さくなる。
又、鉄のように酸化物として沈殿するものもある。
該水難溶性固体は原料、次亜塩素酸カルシウム二水化物
の製造方法等により異なるが、主成分は水酸化カルシウ
ム、炭酸カルシウムである。
これら水難溶性固体は次亜塩素酸カルシウムニ水化物と
比べて微細であり数ミクロン以下である。
したがって、原理的には沈降速度差を利用して次亜塩素
酸カルシウムニ水化物と分離できるはずである。
試みに、水酸化ナトリウム水溶液と水酸化カルシウムの
混合スラリーを塩素化して得た10 %の次亜塩素酸カ
ルシウムニ水化物(幅が20〜100ミクロン、厚みが
10ミクロン以下の偏平な四角板状晶)のスラリー(次
亜塩素酸カルシウムニ水化物100重量部に対し水難溶
性固体10重量部を含む)を静置させ、沈降速度の差を
利用して両者の分離を行った。
しかし、次亜塩素酸カルシウムニ水化物と水難溶性固体
の比率は、上部も下部も変らず、両者の分離は全くでき
なかった。
それは、両者共に沈降速度が遅いことに加えて水難溶性
固体が次亜塩素酸カルシウムニ水化物に付着して共沈し
ているのではないかと思われる。
そこで本発明では、この操作過程で次亜塩素酸カルシウ
ムニ水化物の濃度上昇を図りながら、しかも高純度次亜
塩素酸カルシウムニ水化物のスラリーの取り出し口と異
なる下部から次亜塩素酸カルシウムを含む水溶液又は次
亜塩素酸カルシウム二水化物を含むスラリーを供給する
ことにより水難溶性固体の分離を可能にしたのである。
次亜塩素酸カルシウムニ水化物の濃度上昇を図ると、た
とえ水難溶性固体の濃度低下が小さくても次亜塩素酸カ
ルシウムニ水化物に対する水難溶性固体の比率が小さく
なり、製品品質の向上、涙過性の向上等の効果は大きい
又、次亜塩素酸カルシウムを含む水溶液又は次亜塩素酸
カルシウムニ水化物を含むスラリーの供給は、水難溶性
固体との分離を可能にする。
ここで用いる該水溶液は次亜塩素酸カルシウムニ水化物
に対して飽和が良いが、少し過飽和でも、又、少し未飽
和な状態でも良い。
過飽和が大きすぎると操作中に微細な次亜塩素酸カルシ
ウムニ水化物が晶出して分離が悪くなる。
又、未飽和が大きすぎると多量の次亜塩素酸カルシウム
ニ水化物が溶解してしまう。
又、該水溶液の水難溶性固体の濃度は1.5 %以下
が良い、望ましくは1.0 %以下、更に望ましくは0
.5w%以下である。
又、次亜塩素酸カルシウムニ水化物を含むスラリーの水
難溶性固体は、次亜塩素酸カルシウムニ水化物100重
量部に対して5重量部以下が良い、更に望ましくは3重
量部以下である。
水難溶性固体の濃度が高すぎると分離を阻害してしまう
尚、分級槽下部から供給する水溶液またはスラリーとし
て水難溶性固体を多く含むことはあまり好ましくない。
そのため得,られた高純度次亜塩素酸カルシウムニ水化
物のスラリーをろ過して得られる母液の一部又は全部を
用いるのが最も合理的で良い。
又、高純度次亜塩素酸カルシウム三水化物のスラリーの
一部を用いることもできる。
その供給量は、分級槽下部から取り出される高純度次亜
塩素酸カルシウムニ水化物のスラリー中の母液に対して
0.5〜10倍容量が良い。
但し、スラリーを供給する場合は、スラリー中の母液に
ついてである。
この供給量が少なすぎると水難溶性固体との分離が難し
くなり、又、多すぎると分級槽の容量が増す。
高純度次亜塩素酸カルシウムニ水化物のスラリーの収得
は、通常のコーンタイプのセットラー又はスーパーデカ
ンター又はこれらに類したものが用いられる。
遠心力を利用した液体サイクロンは、分級効率が悪く使
用は難しい。
但し、あらかじめ水難溶性固体を含む次亜塩素酸カルシ
ウム三水化物のスラリーを粗分級分離するには効果的で
ある。
説明のために、本発明の一実施態様に用いる分級槽の断
面図を第1図に示した。
分級槽は分級帯1を有し、上部中心に分級槽外壁より高
く位置し、かつ分級帯1に至る内管を有する水難溶性固
体を含む次亜塩素酸カルシウムニ水化物のスラリーの上
部供給口2、分級槽外壁にそって設けられた水難溶性固
体を多く含むスラリーのいつ流液取り出し口3、分級槽
最下部より一定の距離を有する高さに位置する高純度次
亜塩素酸カルシウムニ水化物のスラリーの取り出し口4
、分級槽最下部に次亜塩素酸カルシウムを含む水溶液又
は次亜塩素酸カルシウムニ水化物を含むスラリーの下部
供給口5を備えている。
分級槽内で上昇流速が最も遅い部分6の上昇流速は、水
難溶性固体が上昇し、次亜塩素酸カルシウムニ水化物が
降下する速度に調節するが、これは下部供給口5の面積
および上部供給口2、いつ流液取り出し口3、スラリー
の取り出し口4、下部供給口5から出入する母液やスラ
リーの流量によシ調節できる。
上昇流速が大きすぎると水難溶性固体と次亜塩素酸カル
シウム三水化物との分離は容易になるが、いつ流液取り
出し口3からのいつ流液に多量の次亜塩素酸カルシウム
ニ水化物が付随することになる。
逆に、上昇流速が小さすぎるといつ流液取り出し口3か
らのいつ流液に付随する次亜塩素酸カルシウムニ水化物
の量が少なくなるが、水難溶性固体が高純度次亜塩素酸
カルシウムニ水化物のスラリーに付随することになる。
又、いつ流液取り出し口3からのいつ流液は、その一部
又は全部をパージしても、又、水難溶性固体を除くため
に、いつ流液取り出し口3からのいつ流液の一部又は全
部を沖過し、F液は次亜塩素酸カルシウムニ水化物の製
造工程に循環してもよい。
又、このいつ流液に水酸化カルシウムを加え、二塩基性
次亜塩素酸カルシウムを晶出させた後の母液を水難溶性
固体とともにパージしてもよい。
又、本発明は温度が10〜35℃で行う。
温度が35℃よりも高くなると次式(1)及び(2)で
示すように次亜塩素酸カルシウムの分解が激しくなると
同時に分級分離操作がすこぶる難しくなる。
Ca(C/O)2→CaCl2 +O2 (1
)3Ca(C/0)2→Ca(Cl03)2+2CaC
l2 (2)前述の分級分離操作がすこぶる難しくな
る理由としでは明確ではないが次のように考えている。
即ち、前記(1)式により発生する酸素ガスの量が急増
し、この酸素ガスに水難溶性固体だけでなく次亜塩素酸
カルシウムニ水化物も付着してしまう。
その結果、次亜塩素酸カルシウムニ水化物の見掛結晶密
度が減少して、液との密度差が小さくなり、又、水難溶
性固体と次亜塩素酸カルシウムニ水化物とが酸素ガスに
混合付着しているため、これらの分級分離が難しいので
ある。
一方、温度が10℃よりも低くなると前記(1)式及び
(2)式による次亜塩素酸カルシウムの分解は小さくな
るが、分級槽内外における温度差が著しくなり、分級槽
内の温度分布が激しくなる。
そのため、液の対流が起きて分級分離が難しくなる。
又、たとえ分級分離ができたとしても、断熱が必要にな
り、そのためのエネルギー、設備費が増す。
更には、液の密度及び粘度が増す、これは分級分離操作
を阻害する。
ところが、温度が10〜35℃では次亜塩素酸カルシウ
ムの分解が小さいだけでなく、水難溶性固体と次亜塩素
酸カルシウムニ水化物との分級分離が予想以上に良かっ
た。
これは前記(1)式により発生する酸素ガスの量が分級
分離に適当であり、酸素ガスに付着した次亜塩素酸カル
シウムニ水化物は分級分離時に離脱し降下する。
一方、酸素ガスに付着した水難溶性固体は離脱すること
なく上昇流によりそのままいつ流するためと考えている
つまり、酸素ガスが選択的に水難溶性固体に付着するた
めと考えられる。
特に、温度が15〜30℃が分級分離はより効果的であ
った。
本発明は、水難溶性固体を含む次亜塩素酸カルシウム三
水化物のスラリーの次亜塩素酸カルシウム三水化物が既
に出願人が出願している特願昭53−35357号(特
公昭57−244号公報参照)において提案している種
晶として次亜塩素酸カルシウムニ水化物のa,b,c各
軸の比が0.5≦b/a≦2.0,c/a≧1.5であ
り、かつ、C軸が5ミクロン以上である柱状次亜塩素酸
カルシウムニ水化物の添加により得られた粗大な次亜塩
素酸カルシウムニ水化物であるとき、水難溶性固体との
分離はすこぶる容易になり、その効果は著しく向上した
得られた高純度次亜塩素酸カルシウムニ水化物のスラリ
ーの水難溶性固体の濃度は次亜塩単酸カルシウムニ水化
物100重量部に対して通常5重量部以下である。
特に3重量部以下にすることが効果大であり、望ましく
、本発明では容易に達成できる。
又、該高純度次亜塩素酸カルシウムニ水化物のスラリー
のろ過性は非常によく、通常用いられている遠心分離機
はもとより真空ろ過機をも適用できる。
又、この際、水、次亜塩素酸ナトリウム等で洗浄しても
よい。
涙過により得られる湿潤ケークの付着母液率は、次亜塩
素酸カルシウムニ水化物の結晶粒径、形状、水難溶性固
体の濃度、母液組成等により異なるが、既に出願人が出
願した特開昭52−93694号公報及び特開昭52−
134895号公報で示した二塩基性次亜塩素酸カルシ
ウムを含むスラリー又はケークに前記水溶液よりも次亜
塩素酸カルシウムの濃度が低く、かつ塩化ナトリウムを
含有する水溶液に苛性ソーダを加えて塩素化し、析出す
る塩化ナトリウムを分離除去したろ液を加えて塩素化し
て得られる次亜塩素酸カルシウム結晶および二塩基性次
亜塩素酸カルシウムのスラリーに苛性ソーダを加え塩素
化、次いで分級分離して得られる次亜塩素酸カルシウム
結晶は四角板状晶であり、その付着母液率は遠心分離機
を用いた場合が30W%以下、20W%にも達し、真空
ろ過機を用いた場合が40W%以下、30W%にも達す
る。
又、前記特願昭53−35357号(特公昭57−24
4号公報参照)で示した粗大な次亜塩素酸カルシウムニ
水化物では付着母液率は、遠心分離機を用いた場合が1
5W%以下、5W%にも達し、真空ろ過機を用いた場合
が25W%以下、10W%にも達する。
ろ過及び/又は洗浄して得られた母液及び/又は洗浄母
液は、通常水難溶性固体の濃度か1.5%以下、1.0
W%以下にもなるが、これは水難溶性固体と次亜塩素酸
カルシウム三水化物との分離を助けるために分級槽下部
に供給するのがよく、合理的である。
一方、湿潤ケークの水難溶性固体の濃度は5w%以下、
3W%以下にもできるが、該湿潤ケークの乾燥は容易で
あり、一般に用いられている気流乾燥機、流動乾燥機で
処理して有効塩素含量が55W%以上、水難溶性固体の
濃度は7W%以下、1W%以下にも達する高度さらし粉
が得られる。
尚、乾燥用空気中の炭酸ガスをあらかじめ水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、アミン等のアルカリで除去して
おくと、炭酸カルシウムの増加は防げ、又乾燥時の有効
塩素の分解は少なくなる。
次に、本発明の実施例及び比較例を示すが、全ての%は
重量に基づくものである。
実施例 1 第1図において、分級槽外管直径Φ=200mm、分級
槽内管直径φ=70mm、靜定部高さS=100mm、
分級槽高さH=3 00mm、高純度次亜塩素酸カルシ
ウムニ水化物のスラリーの取得位置h=75mで20℃
に維持した分級槽の上部供給口2に、水難溶性固体を含
む次亜塩素酸カルシウム二水化物のスラリー(Ca(C
lO)2・2H2O;幅が50〜100ミクロン、厚み
が10ミクロン以下の四角板状、濃度が12.0%、N
aCl結晶が2.0%、Ca(OH)20.3%、Ca
C030.5%、その他の水難溶性固体が0.2%、母
液組成がCa(ClO)210.0%、NaCl20.
0%)を3820g/hr、分級槽の下部供給口5から
Ca(ClO)210.0%、NaCl20.0%、C
a(OH)20.1%、CaCO30.2%の母液を1
240g/hrで連続的に供給した。
水難溶性固体と次亜塩素酸カルシウムニ水化物との分級
分離は順調に進み、分級槽のいつ流液の取り出し口3か
ら水難溶性固体を多く含むスラリー(Ca(ClO)2
・2H2O0.8%、Ca(OH) 20.3%、Ca
C030.6%、その他の水難溶性固体が0.2%)を
2880g/hrで得、分級槽のスラリーの取り出し口
4から高純度次亜塩素酸カルシウムニ水化物のスラリー
(Ca(ClO)2・2H20=20.0%、NaCl
結晶が3.5%、Ca(OH)20.2%、CaCO3
0.3%、その他の水難溶性固体が0.1%)を218
0g/hrで得た。
次に、得られた高純度次亜塩素酸カルシウム二水化物の
スラリーをバスケットタイプの遠心分離機で処理してC
a(ClO)252、6%、Ca(OH)20.2%、
CaCO30.4%、その他の水難溶性固体4が0.1
%で付着母液率が25.0%の湿潤ケークが6 60g
/hrで得られた。
次に、この湿潤ケークを通常の熱風乾燥機で乾燥した。
乾燥は容易であり、有効塩素含量が71.5%、Ca(
OH) 20.6%、CaC030.8%、その他の水
難溶性固体が0.2%、NaCl23.3%の高度さら
し粉が469g/hrで得られた。
尚、遠心分離して得られた母液の一部(1240g/h
r)は分級槽の下部供給口5に循環使用した。
実施例 2 第1図において、Φ=100m、φ=40mm、S=1
00mm,H=200mm,h=30mmで20℃に維
持した分級槽の上部供給口2に特願昭53−3537の
製造方法である種晶として次亜塩素酸カルシウムニ水化
物のa,b,c各軸の比が0.5≦b/a≦2.0,c
/a≧1.5であり、かつ、C軸が5ミクロン以上であ
る柱状次亜塩素酸カルシウムニ水化物の添加により得ら
れた水難溶性固体を含む次亜塩素酸カルシウムニ水化物
のスラリー(Ca(ClO)2・2H20;幅20〜3
00ミクロン、厚みが20〜100ミクロンの四方両錐
台状濃度20.0%、Ca(OH)20.7%、CaC
O31.2%、その他の水難溶性固体が0.5%、母液
組成がCa(ClO)24.7%、CaCl232.0
%)を4710g/hr、分級槽の下部供給口5からC
a(ClO)24.7%、CaCl231.7%、Ca
(OH)20.3%、CaCO30.5%、その他の水
難溶性固体が0.2%の母液を1110g/hrで連続
的に供給した。
水難溶性固体と次亜塩素酸カルシウムニ水化物との分級
分離はすこぶる容易であり、分級槽のいつ流液の取り出
し口3から水難溶性固体を多く含むスラリー(Ca(C
lO)2・2H2O0.2%、Ca(OH)20.8%
、CaC031.3%、その他の水難溶性固体が0.6
%)を3508g/hrで得、分級槽のスラリーの取り
出し口4から高純度次亜塩素酸カルシウムニ水化物のス
ラリー(Ca(ClO)2・2H2O40.5%、Ca
(OH)20.3%、CaCO30.7%、その他の水
難溶性固体が0.2%)を2310g/hrで得た。
次に、高純度次亜塩素酸カルシウム三水化物のスラリー
を真空ろ過機(Δp=400mmHg)で処理してCa
(ClO)26 3.3%、Ca(OH)20.4%、
CaCO30.8%、その他の水難溶性固体が0.3%
で付着母液率が20.5%の湿潤ケークが1200g/
hrで得られた。
次に、この湿潤ケークに塩化ナトリウム粉末を1 2
3g/hrで添加混合して、通常の熱風乾燥機で乾燥し
た。
乾燥は容易であり、有効塩素含量が72.5%、Ca(
OH)20.8%、CaCO31.3%、その他の水難
溶性固体が0.4%の高度さらし粉が1010g/hr
で得られた。
尚、真空炉過して得られた母液は、分量分級槽の下部供
給口5に循環使用した。
比較例1 実施例1の水難溶性固体を含む次亜塩素酸カルシウムニ
水化物のスラリーをそのままバスケットタイプの遠心分
離機で実施例1と同様に処理した。
得られた湿潤ケークはCa(ClO)240.3%、C
a(OH)20.7%、CaCO31.1%、その他の
水難溶性固体が0.5%で付着母液率は45.0%であ
った。
次に、この湿潤ケーク100gを実施例1と同様に乾燥
した。
乾燥は難しく、長時間要し、得られた製品は61.5g
であり、有効塩素含量は59.0%、Ca(OH)21
.3%、CaCO33.4%、その他の水難溶性固体は
0.8%、NaCl27.5%であった。
比較例2 実施例2の水難溶性固体を含む次亜塩素酸カルシウムニ
水化物のスラリーをそのまま真空戸過機で実施例2と同
様に処理した。
得られた湿潤ケークはCa(ClO)247.8%、C
a(OH)21.3%、CaCO32.2%、その他の
水難溶性固体が0.9%で付着母液率は38.0%であ
った。
次に、この湿潤ケーク100gを実施例2と同様にして
乾燥した。
乾燥は難しく、長時間要し、得られた製品は67.2g
であり、有効塩素含量が63.2%、Ca(OH)23
.0%、CaCO34.5%、その他の水難溶性固体が
1.4%であった。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施態様に用いられる分級槽の断
面図である。 1・・・分級帯、2・・・上部供給口、3・・・いつ流
液の取り出し口、4・・・スラリーの取り出し口、5・
・・下部供給口、6・・・上昇流速が最も遅い部分。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 水難溶性固体の少ない高純度次亜塩素酸カルシウム
    三水化物のスラリーを得るに際して、分級槽上部より水
    難溶性固体を含む次亜塩素酸カルシウム三水化物のスラ
    リーを供給し、かつ、分級槽下部より次亜塩素酸カルシ
    ウムを含む水溶液又は次亜塩素酸カルシウムニ水化物を
    含むスラリーを供給して上昇流を与えつつ、分級槽内温
    度10〜35℃で、水難溶性固体を多く含むスラリーを
    取り出すと共に水難溶性固体が少なく、かつ、高濃度の
    高純度次亜塩素酸カルシウムニ水化物のスラリーを取り
    出すことを特徴とする高純度次亜塩素酸カルシウムニ水
    化物のスラリーの収得方法。 2 分級槽下部より供給する次亜塩素酸カルシウムを含
    む水溶液が水難溶性固体を1.5w%以下で含有する次
    亜塩素酸カルシウムを含む水溶液である特許請求の範囲
    第1項記載の高純度次亜塩素酸カルシウムニ水化物のス
    ラリーの収得方法。 3 分級槽下部より供給する次亜塩素酸カルシウムニ水
    化物を含むスラリーが次亜塩素酸カルシウムニ水化物1
    00重量部に対して水難溶性固体を5重量部以下含有す
    る次亜塩素酸カルシウムニ水化物を含むスラリーである
    特許請求の範囲第1項記載の高純度次亜塩素酸カルシウ
    ムニ水化物のスラリーの収得方法。 4 分級槽下部より供給する次亜塩素酸カルシウムを含
    む水溶液が高純度次亜塩素酸カルシウム二水化物のスラ
    リーをろ過して得られる母液の一部又は全部である特許
    請求の範囲第1項または第2項記載の高純度次亜塩素酸
    カルシウムニ水化物のスラリーの収得方法。 5 分級槽下部より供給する次亜塩素酸カルシウムニ水
    化物を含むスラリーが収得した高純度次亜塩素酸カルシ
    ウムニ水化物のスラリーの一部である特許請求の範囲第
    1項または第3項記載の高純度次亜塩素酸カルシウムニ
    水化物の収得方法。
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