JPS5858169B2 - 光フアイバ端面研磨装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、光フアイバケーブルの切断とその端面の正確
かつ迅速な研磨を行う方法に関するものである。

光フアイバケーブルは光伝送システムを実現するうえで
重要な要素であることは、すでによく知られているとこ
ろである。

光フアイバケーブルは、柔軟な材料で被覆した複数個の
ガラス繊維を束ねた導波管と考えられ、実際に使用する
場合には、その端面から光信号の送受を行うため、端面
は光学的に透明で、しかも均質でなければならない。

現在知られている端面の形成方法は、ガラス繊維に被覆
した材料を取り除き、ガラス繊維のもつ脆性破壊を利用
して、端面を形成すべき部分に人為的に傷をつけ、この
部分を割る方法である。

この方法は、ガラス繊維に被覆された材料を取り除かね
ば端面を形成することができず、また良好な端面を得る
には、かなりの熟練を要する欠点があるので、実用的な
方法ではない。

光フアイバケーブルの端面形成に関し、従来の研磨方法
を用いる場合には、まず必要な工程として、ケーブルの
切断、その端面の荒ずり、ラッピング、ポリシング等が
あり、これらの工程に際し、そのつと研磨剤の粒度を上
げるに従い、研磨盤を交換するか、充分洗浄するかの方
法をとるので、一つの試料の研磨に多大な時間と労力を
費やす欠点がある。

また、従来の研磨方法は本来の目的がレンズ、鏡等の研
磨に適するものであり、研磨する装置を固定化しておき
、研磨される物を回転させて行い、研磨される例えば、
レンズや鏡等の平面度を著しく向上させることに重点が
おかれていた。

本発明は従来のレンズや鏡等の研磨とは異なり、光フア
イバケーブルの端面研磨を目的とするもので、脆弱な光
ファイバの端部を破壊することなく研磨するためあらか
じめ端部を金属管又はガラス管からなるスリーブで被覆
し、スリーブと一体化された光フアイバ端部を保持して
スリーブごと光フアイバ端部を研磨することを特徴とす
るもので、その目的は、光フアイバケーブルの端面の切
断、研磨を正確かつ迅速に行うことにある。

第１図ａは光フアイバ１本について、その端面部分をフ
ァイバの長さ方向に切断した断面図であり、第１図すは
第１図ａの光ファイバを径方向に切断した断面図である
。

第１図ａ、ｂにおいて、１は光ファイバ、２は光ファイ
バの被覆でナイロン、ポリエチレン等が用いられるが、
光ファイバの端面での位置的な安定性を得るため、端面
付近にのみ、たとえばガラスか他の固定用接着剤を用い
てもよい。

３は端面付近の外側部分であって、金属管もしくはガラ
ス管からなる保持用のスリーブであり、数センチメート
ルの長さがあれば充分である。

４はスリーブ３と被覆２を固定する接着層を示している
。

第２図は本発明の研磨方法に用いる研磨装置の一実施例
の概要正面図で、第３図は第２図に示す本発明の装置の
概要側面図である。

第２図と第３図において、５は切断器、６は研磨盤、７
，８は仕上げ用研磨盤であり、光フアイバ保持用治具９
の移動方向に沿って直列に配設されている。

切断器５は切断器用プーリ１０を、また研磨盤６および
仕上げ用研磨盤７，８は研磨盤用プーリ１１を用いて電
動機１２により駆動用ベルト１３を介して回転力が伝達
される。

なお切断器５は研磨盤６〜８より高速で回転させるため
駆動プーリ１６の大径プーリと連結する。

また駆動プーリ１６の小径プーリは研磨盤６に連結し順
次研磨盤７，８へ伝達する。

次に光フアイバ保持用治具９は第１図に示した構造の光
フアイバ１本ないしは複数本を光フアイバ保持部１４に
より保持し、すべり案内台１５に結合されている。

このとき光フアイバ保持部１４は切断器５および研磨盤
６，７，８の面と垂直な位置に置かれ、しかも光フアイ
バ保持用治具９と、すべり案内台１５により前記研磨面
に平行に移動することが可能である。

光フアイバ保持部１４に保持された光ファイバは外側に
金属もしくはガラスからなるスリーブ３を有しており、
まずダイヤモンド製もしくはカーボランダムを用いたレ
ジノイド製の円形刃を備えた切断器５により、光フアイ
バ保持部１４より突出した部分がスリーブ３ごと切断さ
れる。

このとき切断器５を回転させるプーリ１０の径を適当な
大きさにすることにより、切断回転数は、研磨盤６．７
，８の回転数に独立に設定することができる。

次に光フアイバ保持用治具９を横方向へ移動し、研磨盤
６に対向させる。

研磨盤６は光ファイバの切断面の平面度、直角度を良好
にするため、比較的荒い研磨塗粒をもつダイヤモンド等
で作られており、光フアイバ保持部１４に保持された光
ファイバの切断された端面は、研磨盤６により荒く研磨
され、平面度、直角度が良好な端面となる。

同様にして光フアイバ保持用治具９を横方向へ移動させ
ることにより、通常の市販の研磨布を張り付けた仕上げ
用研磨盤７および８と対向させ、光フアイバ保持部１４
に保持された光ファイバの端面を鏡面に達するまで研磨
することができる。

なお、本実施例では図示していないが、光フアイバ端面
の研磨圧力の調整は光フアイバ端部の移動を軸方向にの
み可能とし、適当な張力のコイルバネを用いれば容易に
行え、かつ一般的な方法である。

この実施例により得られた光ファイバの端面の特性は平
面度１ミクロンメートル以下、直角度１度以下であった
。

このように構成された光フアイバ端面研磨方法によれば
切断の際スリーブの端が欠けても光フアイバ自身の端部
までは影響が及ばず、光ファイバの切断から仕上げの各
工程を連続して行うことができ、光ファイバを回転させ
ず、またねじらないので、従来の研磨装置による方法で
はほとんど不可能であった長尺光ファイバケーブルの端
面形成を、短時間に成し遂げることが可能である。

さらにスリーブの外径を規格化しておけば光フアイバコ
ネクタ用の端部としてそのまま用いることができる。

また光フアイバ保持部１４は光フアイバケーブルの大き
さに応じて取り替えることができ、複数の光ファイバの
端面研磨を行うことが可能であり、仕上げ用研磨剤の自
動供給装置を使用すれば、数分で端面を研磨することが
できる。

以上説明したように、本発明の光フアイバ端面研磨方法
は、光フアイバケーブルの端面を形成する際、切断、研
磨の各工程を連続して行うことが特徴であり、従来多大
な時間と労力を費やし、しかも短い光ファイバのみしか
研磨できなかった点を改良し、長尺の被覆ファイバにつ
いても正確かつ迅速に端面形成を実現することができる
。

【図面の簡単な説明】

第１図ａは光ファイバの端面部分をファイバの長さ方向
に切断した断面図、第１図すは第１図ａの光ファイバを
径方向に切断した断面図、第２図は本発明の一実施例の
概要正面図、第３図は第２図に示す本発明の装置の概要
側面図である。 １・・・・・・光ファイバ、２・・・・・・被覆、３・
・・・・・スリーブ、４・・・・・・接着層、５・・・
・・・切断器、６・・・・・・研磨盤、７．８・・・・
・・仕上げ用研磨盤、９・・・・・・光フアイバ保持用
治具、１０・・・・・、・切断器用プーリ、１１・・・
・・・研磨盤用プーリ、１２・・・・・・電動機、１３
・・・・・・駆動用ベルト、１４・・・・・・光フアイ
バ保持部、１５・・・・・・すべり案内台、１６・・・
・・・駆動プーリ、１７・・・・・・軸受は台。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 台の上に直線状に配設された切断器及び複数個の研
   磨盤からなる回転盤群と、前記台の上で前記回転盤群と
   すべり案内台により平行に移動可能でかつ研磨盤と光フ
   ァイバ軸が直交する光フアイバ保持用治具を有した光フ
   アイバ端面研磨装置を用い、研磨する光ファイバ端に光
   ファイバの外径よりわずかに大きい内径を有する金属管
   又はガラス管からなるスリーブを挿入し、光ファイバと
   該スリーブとを接着した後、このスリーブ付光ファイバ
   端部を前記光フアイバ保持用治具により保持し、前記切
   断器及び複数個の研磨盤の位置に順次、平行移動して、
   光フアイバ端部をスリーブと共に切断し、この切断した
   端面を研磨盤におしつけて研磨することを特徴とする光
   フアイバ端面研磨方法。