JPS5856519Y2 - 太陽熱集熱器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は平板型太陽熱集熱器の改良に係り、特に外観に
優れ、実効集熱面積を最大に取り得る太陽熱集熱器を得
んとするものである。

一般に平板型太陽熱集熱器は第１図及び第２図に示す如
く、上面を開口した筐体１、該筐体１内に収納された集
熱板２、筐体１の開口部を密閉する透過板３及び断熱材
８から構成されている。

さらに集熱板２は集熱管７と該集熱管の上面を被覆する
吸熱板９及び該集熱管と連通して水を給排水するヘッダ
ー６とから構成されている。

また、集熱板２は通常ヘッダー６と集熱管７をリン銅ろ
う等で接合した後、集熱管７と吸熱板９を半田等で接合
することにより形成される。

従来このような集熱板２においては、その製造上の容易
さから吸熱板９とヘッダー６との間には僅かな隙間を設
けることが多く、そのため外観上好ましいものではなか
った。

さらに集熱管７とヘッダー６との接合部１０はろう付け
されるため長期間の使用において腐食生成物が発生する
恐れがある。

例えば熱媒体として水を使用する場合には、腐食を考慮
して鋼管を使用することが多いが、銅は緑青を発生する
ものであり、この緑青が外観上見苦しく、従来から問題
となっていた。

上記問題点を解決せんがため、第２図に示すごとくヘッ
ダー６と吸熱板９との隙間を覆うヘッダーカバー４を取
付けた太陽熱集熱器が考案された。

この考案のへラダーカバー４は筐体１に固定する方法な
ので、透過板３を透過して−＼ジッダ−バー４に当った
太陽光は集熱板２には伝わらず全て筐体１に伝わり熱の
損失がある。

即ち通常ヘッダー６は外径２０ｍｍ前後あり、該ヘッダ
ーと集熱管７との隙間をカバーするには上部ヘッダー及
び下部ヘッダー各々３Ｑｍｍ以上の幅のへラダーカバー
が必要であり、この部分の面積は集熱面積としては有効
に利用されていなかった。

そして、太陽光透過面積に占めるヘッダーカバーの有効
面積は全体面積の３％にも達するのである。

また、太陽熱集熱器を運搬したり据付したりする際の振
動等によりヘッダーが上下運動を繰り返し−＼ジッダ−
集熱管との接合部１０が破損し水洩れを起す要因ともな
っていた。

本考案は斜上の欠点に鑑みてなされたものであり、優れ
た外観を呈し、実効集熱面積を最大限に得、しかもヘッ
ダ一部を補強させた太陽熱温水器を安価に提供せんこと
を目的としたものでその要旨とするところは、−吉例に
ヘッダーの外径より狭い開口部を有し且つ上方が下辺よ
り長く形成させた断面コ字状のヘッダーカバーを熱絶縁
材を介して該ヘッダーに挟着させるとともに筐体内側壁
に固定され、集熱板下方の底部に至って該カバーとの間
に間隙を設けて配設されたヘッダー支え端部と該カバー
の上辺端部とを吸熱板及び集熱板を介して締結し該支え
と集熱間に熱絶縁材を挿入してなることにある。

以下本考案の実施例を第３図、第４図に基き説明する。

所定の間隔毎に複数本の集熱管７を並設してなる集熱板
２の該集熱管７の両端部にヘッダー６をリン銅ろう等で
接合し、該集熱管７の両端部の一部を残して他の全面に
吸熱板９を半田等で接合し形成させてなる太陽熱集熱器
の集熱板２において、一方にヘッダーの外径寸法よりや
や狭い開口部を有する断面略コ字状の対向する上辺が下
辺より長く形成させてヘッダー６の長さと略々間等の長
さを有するアルミ、ステンレス等の金属よりなり、少な
くとも表面が吸熱板の表面と同一な金属材料よりなるヘ
ッダーカバー４を形成する。

そして、ヘッダー６にヘッダーカバー４の開口部を、ヘ
ッダーカバー４の長辺の端部が吸熱板９上の一端に重な
る如く、またへラダーカバー４の内部側壁及び下辺がヘ
ッダー６に直接当接する如くヘッダー６とへラダーカバ
ー４間に熱絶縁材１１を介して挿入挟着させる。

さらに、金属板状体等を折曲し断面略り字状に形成させ
たヘッダー支え１２を筐体１内側壁及び集熱板２端部下
方に至ってヘッダーカバー４と間隔を設けて配設し、ヘ
ッダーカバー４の上辺端部とヘッダー支え１２端部とを
吸熱板９及び集熱板２を介して、また該支え１２と集熱
板２間には熱絶縁材１１を介してビス１３等で固定させ
るとともに該支え１２の他端を筐体１内側壁にビス１３
等で固定する。

即ち、ヘッダー６は常にヘッダーカバー４及びヘッダー
支え１２によって固定されている。

尚、ヘッダーカバー４の材料はヘッダー６が銅の場合に
は異種金属による電蝕を考慮して銅メッキ鋼板を用いる
とよい。

また、ヘッダー支え１２の一部を第４図に示すごとく筐
体１の側壁方向へ折返して折曲片１４を設けることによ
り集熱器の運搬等における断熱材８のずれを防止するこ
とができる。

従って、本考案は上記構成よりなるので下記の効果を奏
するものである。

（１）へラダーカバーを断面コ字状に形成しコ字状内部
にヘッダーを挟着させヘッダーカバーの端部を吸熱板端
部に接続させたので、ヘッダーカバーで吸収した熱をヘ
ッダーの側部、底部及び吸熱板の両方に伝え実効集熱面
積が３％以上多くなり透過面積当りの集熱効率が向上す
るとともにヘッダーカバーによってヘッダーが固定され
振動等に起因する集熱管のヘッダーとの接合部の破損は
なく水洩を起す心配はない。

さらにヘッダーと吸熱板との隙間が隠蔽されヘッダーと
集熱管との接合部に腐蝕生成物が発生したとしても見え
ないので外観上好ましい。

（２）ヘッダー上部とへラダーカバー間に熱絶縁材を挿
着させたので、ヘッダーカバーが高温時ヘッダー内に冷
水が流入しても熱絶縁材によりヘッダ−が結露せずヘッ
ダー及びヘッダーカバーの結露による腐蝕を防止するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の実施例を示す平面図。 第２図は第１図のＡ−Ａ断面図。 第３図は本考案の実施例を示す平面図。 第４図は第３図のＢ−Ｂ断面図。符号の説明 １・・・
・・・筐体、２・・・・・・集熱板、３・・・・・・透
過板、４・・・・・・ヘッダーカバー、５・・・・・・
透過板押え、６・・・・・・ヘッダー、７・・・・・・
集熱管、８・・・・・・断熱材、９・・・・・・吸熱板
、１０・・・・・・接合部、１１・・・・・・熱絶縁材
、１２・・・・・・ヘッダー支え、１３・・・・・・ビ
ス、１４・・・・・・折曲片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 複数本並設した集熱管を有する集熱板の該集熱管両端部
   にヘッダーを接合し該集熱管上面に吸熱板を設けた太陽
   熱集熱器において、−吉例にヘッダーの外径より狭い開
   口部を有し且つ上方が下辺より長く形成させた断面コ字
   状のへラダーカバーを熱絶縁材を介して該ヘッダーに挟
   着させるとともに筐体内側壁に固定され集熱板下方の底
   部に至って該カバーとの間に間隙を設けて配設されたヘ
   ッダー支え端部と該カバーの上辺端部とを吸熱板及び集
   熱板を介して締結し該支えと集熱間に熱絶縁材を挿入し
   てなることを特徴とする太陽熱集熱器。