JPS5856234Y2 - 容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は角型の容器に関し、特には紙製の四角型の容器
に関する。

従来、例えばアイスクリーム等の糊状または粘稠状の内
容物の容器として一般に円型容器と称せられている紙製
の逆截頭円錐形の容器が、普通使用されており、その蓋
は耳片のついた円形のものが用いられている。

ところが近来このような糊状ないし粘稠状内容物をいれ
る容器としていわゆる角型容器を用いると消費者の視覚
に快適な感じを与えるところから角型容器が注目を惹く
ようになった。

角型容器の蓋には角型の蓋を用いれば良いのであるが、
本考案者は綿密な研究の結果、蓋と容器本体との間から
内容物の漏洩が少く、シかも製造工程において該角型容
器本体の上端に設けられているトップカールと称するフ
ランジ部が蓋が通過して容器本体内に内挿嵌合される際
に、フランジ部をなるべく抵抗少く通過するよう嵌合の
際の機械適性がよくいわゆる座屈現象の発生の少ない新
規な構造の蓋を考案するに至った。

すなわち本考案の目的は、蓋と容器本体との間からアイ
スクリーム等の内容物の漏洩が少なく、容器本体に蓋を
嵌合の際の機械適性がよくいわゆる座屈現象の発生が少
なく、シかも、蓋に折曲、メ゛クレ等の損傷が生じない
角型の容器を提供することにある。

以下本考案を、その一実施例について添付図面を参照し
つつ説明する。

第１図は本考案の一実施例を構成する蓋を嵌挿すべき角
型容器本体の一実施例の側面図、第２図は平面図を示す
。

この容器本体は紙その他の所要形状を維持しにくい強度
の低い材質で構成される。

容器内壁１は器底部２に連って四角の逆截頭四角雄型を
なしており側壁部および底部の四隅部はいわゆるアール
と称する側壁彎曲部３および底部彎曲部４が形成されて
いる。

容器本体上部にはトップカール５と称する上縁捲回部が
設けられて内容物の充填時に重ねられた空容器を１個１
個充填機に自動供給が出来るように、又容器本体の強度
を高めるようにしている。

ところで内容物を容器本体に充填する際、容器は第２図
に矢印にて示すように内圧を受けて外方に若干膨出する
。

次いで蓋をする工程において第３図に示すような四辺が
ほぼ正方形をなし四隅のみ彎曲部を有する従来の蓋を施
すと、前記のように容器側壁が内容物充填によって膨出
しているために、蓋の縁とカップ内壁とが密着せず、そ
の結果内容物が漏出する欠点があった。

また従来提案されている（例えば実開昭５２１２５５０
１号公報参照）第４図に示すような四辺を円弧状に形成
した蓋を用いると、こんどは容器本体膨出変形量と蓋の
円弧とが一致しない場合には、蓋の挿入が困難となりか
つ蓋の縁部がトップカール５にぶつかって容器本体を押
し潰すいわゆる座屈現象が生じ機械適性が悪いという欠
点があった。

そこで本考案によれば、これら従来の蓋の欠点を克服し
て、角型容器本体に内容物が充填されて容器本体側壁が
外方に膨出しても蓋と容器内壁との間隙から内容物が漏
出せずかつ施蓋工程においても蓋の縁部がトップカール
にぶつかって容器本体を圧潰し、座屈現象の生ずるおそ
れのない新規な容器が提供されるが、その一実施例を構
成する蓋が第５図に示されている。

紙製の正方形の蓋の四隅のうちの一隅の彎曲部６の端７
と隣の隅の彎曲部の端７′を結ぶ鎖線にて示す仮想線１
１を下辺とし前記彎曲部６，６′の端７，７′に続く側
辺８，８′、該側辺８，８′の端９，９′に続く上辺１
０によって台形が形成されている。

三角形状に形成することも考えられるが、このように台
形状に形成した理由は、容器本体に嵌着される際に頂点
にメクレ、折曲り等の損傷が生ずることを防止するため
である。

この蓋を用いると容器本体に充填した内容物が蓋と容器
内壁との間隙より漏洩することが、第３図に示す従来の
蓋に較べて著しく少ない。

なんとなれば、第６図に示されるように角型容器本体に
自動充填機により内容物が充填される際Ａ方向の力に対
する耐圧強度は弱く、逆にＢ方向の力に対する耐圧強度
は強い。

このため角型容器本体はＣ形状のように円弧状というよ
りむしろ二等辺三角形に近い形状に変形する。

このため第３図の従来の蓋を用いた場合に比較して内容
物が漏れることが著しく少ない。

実際に充填してみると第１表に示されるような結果とな
った。

また製造の際の施蓋工程においても、蓋の上辺１０が容
器本体のトップカールに当接し容器本体自体の有する弾
性によってトップカールを摺擦通過し容器内壁に嵌合さ
れるから、トップカールを圧潰するおそれがない。

従って第４図に示すものにくらべて蓋の容器本体内への
挿入が極めて容易で、そのうえ蓋の縁と容器内壁とが密
着する顕著な効果を有する。

なんとなれば、第４図の従来の蓋は第７図に示されるよ
うな状態で、第５図の本考案の一実施例は、第８図に示
されるような状態で角型容器本体のトップカール５上に
まず載置される。

このとき蓋とトップカール５との接触域を比較すると第
７図の従来の蓋を用いた場合は第９図に示されるような
接触域５Ａとなり、第８図の本考案の一実施例の場合は
第１０図に示されるような接触域５Ｂとなる。

本考案の一実施例の蓋の外縁はほぼ二等辺三角形に近い
台形状なので容器内壁１からこの二等辺三角形の頂点ま
での距離が同じ場合接触域５Ｂは接触域５Ａよりもその
面積は狭い。

このためトップカール５を圧下することにより角型容器
本体の側壁を押しつぶすいわゆる座屈現象がほとんど生
じないという利点が有る。

実際に充填してみると第２表に示されるような結果を生
じた。

実験データ：内容物アイスクリーム、オーバーラン９０
％、アイスクリームノ温度−６℃、Ｆｌｅｘ−ＥＦｉｌ
ｌ（登録商標）充填包装機（メリーランドカップコーポ
レーション製）で毎分１１０個充填包装した。

人の視覚によってアイスクリームの漏洩、および容器本
体の座屈現象の有無を判定した。

本願実施例を構成する蓋の仮想下辺１１から上辺１０ま
での高さは０．４８ｍｍとした。

第１表から明らかなようにアイスクリームの漏洩につい
ては本願実施例は第４図の実施例とほぼ同様であるが第
３図の実施例と比較すると明らかに漏洩率は少なく、ま
た第２表から明らかなように座屈現象については本願考
案は第４図の実施例と比較して少ないという利点が有る
。

本考案を構成する蓋は以上説明したように外縁はほぼ二
等辺三角形に近い台形状であり、角型の容器本体もほぼ
二等辺三角形状に変形するため蓋縁と容器内壁とが密着
し内容物の漏洩が極めて少なく、また装着の際にトップ
カールとの接触面積も少ないため機械適性がよく角型容
器本体の側壁を押しつぶすいわゆる座屈現象の発生が少
なく、また蓋の新曲、メクレ等の損傷も少ないという効
果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は角型の容器本体の一実施例の側面図、第２図は
第１図の平面図、第３図は従来の蓋の一例の平面図、第
４図は従来の蓋の他の例の平面図、第５図は本考案の一
実施例を構成する蓋の平面図、第６図は、角型の容器本
体における圧力方向の状態と変形状態を示す状態図、第
７図は、第４図の従来の蓋が角型の容器本体のトップカ
ールに載置された状態図、第８図は、第５図の本考案の
一実施例を構成する蓋が角型の容器本体のトップカール
に載置された状態図、第９図は、第７図における従来の
蓋と角型の容器本体のトップカールとの接触域を示す説
明図、第１０図は、第８図における本考案の一実施例を
構成する蓋と角型の容器本体のトップカールとの接触域
を示す説明図である。 １・・・・・・容器内壁、２・・・・・・器底部、３・
・・・・・側壁彎曲部、４・・・・・・底部彎曲部、５
・・・・・・トップカール、６・・・・・・蓋の隔雪曲
部、７・・・・・・６の端、８・・・・・・側辺、９・
・・・・・８の端、１０・・・・・・上辺、１１・・・
・・・仮想下辺。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 正方形の四隅を彎曲状に形威し、該正方形の各辺をそれ
   ぞれ底辺として該正方形の外側に頂点を有する高さの低
   い二等辺三角形の頂点を底辺に平行にわずかに切断した
   低い高さの台形の上辺と各側辺と該隅彎曲状部端とを結
   んでなる外縁とを有する蓋と、鉄蓋が着脱自在に内挿嵌
   合される角型の容器本体とから成ることを特徴とする容
   器。