JPS5854700Y2 - 内部液遠隔補充式分析計 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ＰＨ計、ＯＲＰ計など比較電極のための内部
液を必要とする分析計において、内部液の遠隔補充装置
を有する分析計に関するものである。

従来、第１図に示す如く、ＯＲＰ計など比較電極内部液
４を用いる分析計の検出部１では、この内部液４は徐々
に液絡部６から試料液２中に放出されるので、定期的に
内部液を補充することが必要である。

しかし放射性元素等を含む試料を測定する場合など保守
員が近づけない場所で使用するときには保守員の被曝低
減の立場から、この内部液４の補充操作の周期を長くす
るとか、あるいは、被曝の恐れのない遠隔地より補充す
るとかの措置を講じなければならない。

雨対策のうち、被曝量をゼロにできる遠隔地よりの補充
が望ましい。

一般に測定すべき試料液２はパイプライン中に密封され
てかなりの圧力を持っているため、第１図に示すように
、検出部１を外部空気源により加圧された圧力計７を有
する加圧空気室５内に設けて、内部液４に圧力補償を行
ない強制的に液絡部６より内部液を流出させている。

遠隔地より内部液４を補充する場合には空気源のほかに
内部液輸送用のパイプを付加する必要がある。

しかも、この内部液用パイプと空気用パイプの圧力は完
全にバランスした状態でなければならない。

すなわち、加圧空気室５に設けられる電極３はシール９
を貫通する外部へのリード線８と接続されているが、そ
の材質はガラスであるため、アンバランスな状態になる
と内外圧差により電極３が破損する恐れがあるからであ
る。

同圧の調整においては、それらが気相と液相の性質上の
差違をもっているので精度よく設定させ且つそれを維持
することは一般に極めて困難である。

本考案は上記の問題を考慮してなされたもので、簡単な
構成で空気圧と液圧とをバランスさせながら内部液を遠
隔補充できる分析計を提供せんとするものである。

以下本考案を図面を参照して説明する。

第２図に本考案による内部液補充タンクを用いて、遠隔
地より内部液を補充する分析計の構成の一例を示す。

第２図において分析計の検出部１は加圧空気室５内に設
けられ検出部１の内外を試料水２の圧力に対応する圧力
に保つ。

この場合加圧空気室５内の圧力は内部液４を液絡部６か
ら流出させる圧力源となるのではなく、ＰＨ複合電極３
の内外の圧力をバランスさせるためのものである。

すなわち内部液４と加圧空気室５の圧力を等しくして、
ガラス製のＰＨ複合電極３のガラス壁部に不要な圧がか
かるのを防ぎ、破損を防止する。

検出部１と内部液補充タンク１２との間には空気用およ
び送液用の２本のパイプが接続される。

パイプ１０は加圧空気室５に気圧を伝える空気用パイプ
であり、パイプ１１はＰＨ複合電極３の内部液４を送る
送液用パイプである。

空気用パイプ１０は内部液補充タンク１２の最上部に接
続され内部液補充タンク１２の気相部分に導通している
。

送液用パイプ１１は内部液補充タンク１２の底部近くま
で延びたパイプに接続されている。

内部液補充タンク１２自体は外部空気源に接続され加圧
状態となっている。

内部液補充タンク１２内の圧力は気相部と液相部とが完
全にバランス状態となっており、両方の圧力の設定は外
部空気源の圧力を設定するのみで可能である。

送液用パイプ１１は外部との絶縁を必要とするため、樹
脂製の材質が用いられている。

この場合、耐圧強度等の条件を満足できない事態が生じ
る可能性がある。

特に、本考案の如く、内部液４を遠隔補充する場合、こ
の可能性は大きい。

しかし、空気用パイプ１０は絶縁を必要としないため、
堅牢な鋼管等を用いることができるので、図に示すよう
に空気用パイプ１０の内部に液相パイプ１１を入れ２重
管として使用することができる。

この場合にはパイプ１１の内外は、内部液補充タンク１
２により圧力がバランスした状態となっている。

以上説明した通り、本考案によれば圧力補償方式のＰＨ
計、ＯＲＰ計などの分析計における遠隔地よりの内部液
４の送液が容易となる。

しかも、内部液圧と空気圧が完全にバランスした状態と
なるので、いずれか一方の圧力が設定値からずれてガラ
ス製のＰＨ複合電極３を破損する恐れは全くない。

また、内部液補充タンク１２は、任意の場所に設置でき
、容積もある程度大きくできるので内部液４の減量の確
認、追加補充の週期を自由に設定できる。

また両パイプを２重管構造とすることにより、シリコン
チューブ等の高絶縁ではあるが、耐圧強度が弱い材質の
使用が可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、空気圧を用いた試料圧力補償方式の分析計検
出部の従来の構成を示す図、第２図は本考案による内部
液遠隔補充式の分析計の構成の一例を示す図である。 １・・・・・・検出部、２・・・・・・試料水、３・・
・・・・ＰＨ複合電極、４・・・・・・内部液、５・・
・・・・加圧空気室、６・・・・・・液絡部、７・・・
・・・圧力計、８・・・・・・電極リード線、９・・・
・・・リード線シール、１０・・・・・・空気用パイプ
、１１・・・・・・送液用パイプ、１２・・・・・・内
部液補充タンク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 電極を一体に有する容器状に形成され内部に比較電極内
   部液が封入されかつ液絡部が試料水中に挿入されている
   検出部と、この検出部の前記電極が位置する部分の周囲
   を包囲する加圧空気室と、前記内部液が貯溜されており
   かつ残部空間は外部から所定圧力に加圧されている内部
   液補充タンクと、この内部液補充タンク内の内部液中に
   一端が開口し他端は加圧空気室内を通り検出部内に連通
   ずる送液用パイプと、この送液用パイプの外周を包囲し
   かつその一端は内部液補充タンク内の空間に開口し他端
   は加圧空気室内に連通ずる空気用パイプとを備えた内部
   液遠隔補充式分析計。