JPS5854255Y2 - ドウリヨクイドウノウキ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、機体前後方向一箇所に配置した推進車輪の前
方に、前処理部を設け、前記推進車輪の駆動用伝動ケー
スを、上端側入力部が前記車輪よりも上方へ突出する状
態で設け、エンジン及び前記前処理部に対する駆動用油
圧ポンプ夫々を、前記伝動ケース入力部の後方箇所に設
けた動力移動農機に関する。

かかる動力移動農機は、前処理部とエンジンとを前後に
振分は配置して、機体前後の重量バランスを良好に保つ
ことができるようにし、しかも、エンジンに対して前方
に大きく離れて位置する前処理部を油圧ポンプからの圧
油によって駆動させるようにして、エンジン動力を前処
理部に伝動する構造の簡素化を図るようにしたものであ
る。

ところで、エンジン、油圧ポンプ、及び、エンジン動力
を伝動ケース入力部に伝動する構造夫々を、伝動ケース
入力部の後方に配設するに、大型で重量大なるエンジン
を油圧ポンプよりも機体後方側に位置させるようにした
方が、上述の如く機体前後の重量バランスを保つうえに
おいて好都合となる。

その結果、油圧ポンプ及びエンジン動力を伝動ケース入
力部に伝動する構造夫々を、エンジン前方側箇所に設け
ることになるが、その場合、油圧ポンプ及び前記伝動構
造を上下中のコンパクトな状態で設けて、油圧ポンプ及
び前記伝動構造を泥水等による汚損回避のために地上高
く位置させながらもそのために機体重心が高くなること
を抑制できるようにすることが望まれるものとなり、又
、油圧ポンプ及び前記伝動構造を、できるだけエンジン
の横巾内に位置させた横巾コンパクトな状態で設けて、
油圧ポンプ及び前記伝動構造が他物との接当により損傷
することを抑制できるようにすることも車重れるものと
なる。

尚、上述の如くエンジンを機体後方側に配設するに、機
体前後長さのコンパクトを図る都合上、エンジンの設置
箇所も制約されることは勿論である。

又、一般に、油圧ポンプは、吐出圧の安定化を図る等の
ために、高速駆動させる必要があるものの、反面、圃場
内を低速で走行しながら作業する動力移動農機において
は、エンジン動力を減速して車輪に伝動する必要がある
。

本考案は、上記実状に鑑みて為されたものであって、そ
の目的は、エンジンの前方側に油圧ポンプを配設する形
態を採りながら、油圧ポンプ及びエンジン動力を伝動ケ
ース入力部に伝動する構造を、上下上下田コンパクトに
、且つ、できるだけエンジン横巾内に位置させるように
した横巾コンパクトな状態で設けるようにし、しかも、
そのための構成を有効利用しながら、油圧ポンプを高速
駆動すること、及び、エンジン動力を減速して車輪駆動
用ケースに伝動すること夫々を、簡素な構成で満足させ
る点にある。

本考案による動力移動農機の特徴構成は、前記エンジン
の動力を前記伝動ケース入力部に伝動する変速径路を構
成するに、エンジン動力を受ける機体前後方向に沿う入
力軸を、前記エンジンの前方側に位置させ、且つ、前記
伝動ケース入力部に対して後方側に間隔を隔てる状態で
設けると共に、機体前後方向に沿う変速軸を、前記入力
軸に減速ギヤを介して連動連結させ、且つ、前記伝動ケ
ース入力部に出力する状態で、前記入力軸及び前記伝動
ケース入力部の夫々に対して横−面側に偏位させて設け
て、前記変速径路をクランク状に形成し、前記前処理部
、駆動用油圧ポンプを、前記変速径路における伝動ケー
ス入力部と入力軸との間の凹入空間内に入り込み配置す
る状態で前記入力軸に連動連結した点にある。

次に、本案特徴構成にする作用幼果を述べる。

すなわち、エンジンの前方側に油圧ポンプを配置し、そ
のポンプを凹入空間内に人込１せるクランク状、換言す
れば、そのポンプを迂回するクランク状に変速径路を構
成して、エンジン動力を伝動ケース入力部に伝動するよ
うにしてあり、そして、変速径路を油圧ポンプの横側部
を迂回させるようにすることによって、例えば変速径路
を油圧ポンプの上部あるいは下部を迂回させるに較べて
、油圧ポンプ及びエンジン動力を伝動ケース入力部に伝
動する構造の上下巾をコンパクトにすることができるよ
うにしである。

しかも、油圧ポンプと変速径路を機体横巾方向に並設す
るものでありながらも、上述の如く、油圧ポンプをクラ
ンク状変速径路の凹入空間内に人込み配置させ、且つ、
油圧ポンプの横側部に並ぶ変速径路部分を横中小さくで
きる変速軸にて構成することによって、油圧ポンプ及び
エンジン動力を伝動ケース入力部に伝動する構造の横巾
を、できるだけエンジン横巾内に位置させるように小さ
くできる。

さらに、エンジン動力を受ける入力軸そのものに油圧ポ
ンプを連動連結させて、油圧ポンプを高速駆動させるよ
うにし、且つ、入力軸と変速軸とを減速ギヤを介して連
動連結させて、エンジン動力を減速して伝動ケース入力
部に伝動させるようにする、簡素な構造で油圧ポンプ高
速駆動及び車輪低速駆動の夫夫を所望通り行なえるよう
にしである。

従って、エンジンを油圧ポンプよりも機体後方側に配置
して、機体の前後重量バランスを良好に保つことができ
るようにする利点を活かすと同時に、油圧ポンプ及びエ
ンジン動力を伝動ケース入力部に伝動する構造を上下巾
、横巾コンパクトに配置して、機体の安定性を損うこと
を回避しながら、油圧ポンプ及びエンジン動力を伝動ケ
ース入力部に伝動する構造夫々が汚損あるいは損傷され
難いようにすることができ、そのうえ、油圧ポンプを高
速駆動すること、及び、エンジン動力を減速して伝動ケ
ースに伝動すること夫々を、簡素な構造で行なえるに至
ったのであり、もって、実用上の利点犬な動力移動農機
を得るに至った。

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

例示図は、動力農機の一例としてのバインダーを示し、
機体前後方向一箇所に左右一対の推進車輪Ｓを設け、そ
れの前方に引起し装置４、刈取装置５、及び、結束装置
６等からなる前処理部の一例としての刈取結束部を設け
、前記車輪Ｓの駆動用伝動ケース２ｂを、上端側入力部
が車輪Ｓよりも上方へ突出する状態で設け、エンジン１
、及び、刈取結束部に対する駆動用油圧ポンプ２１夫々
を、前記伝動ケース入力部の後方箇所に設け、さらに、
操縦バンドル３を設けである。

前記エンジン１に直結される車輪駆動用のミッションケ
ース２を構成するに、第２図及び第３図に示すように、
前記エンジン１からの出力を受け、且つ、内装変速機構
７によって所望変速する上部ケース部分２ａと、この上
部ケース部分２ａからの変速動力をチェーン８を介して
下部車軸９に伝達するための伝動機構２８が内装される
、前記伝動ケース２ｂとを設けである。

すなわち、前記上部ケース部分２ａ内の変速機構７は、
エンジン１の前方側に位置し且つエンジン１の出力を受
入れて高速回転する機体前後方向に沿う入力軸１０に固
着された小径ギヤ１１と、前記入力軸１０及び伝動ケー
ス入力部の夫々に対して横−面側に並設される機体前後
方向に沿う変速軸１２に固着された大径ギヤ１３とによ
って所望減速を行なうように構威しである。

そして、この減速動力が、変速軸１２の前端部に固着し
たベベルギヤ１４から前後進変速機構１５に伝達され、
さらに、上部ケース部分２ａの前端部とそれの横側部に
位置する伝動ケース入力部とに亘って架設された横回転
軸１６を介して、入力軸１０の略延長線上に位置して配
備される前記伝動ケース２ｂ内の車軸９駆動用の伝動機
構２８に伝達されるように構成してあり、もって、エン
ジン動力を伝動ケース入力部に減速伝動する変速径路を
、クランク状に構成しである。

前記前後進変速機構１５は、第３図に示すように、前記
横回転軸１６に遊嵌軸支され、且つ、ベベルギヤ１４に
咬合された一対のベベルギヤ１７ａ。

１７ａ及び前記横回転軸１６に摺動自在に軸支された可
動クラッチ片１８とから構威されるものであって、可動
クラッチ片１８と前記ベベルギヤ１７ａ、１７ｂとの対
向部には噛合いクラッチ１９ａ、１９ｂが夫々形成され
ている。

そして、可動クラッチ片１８を上部ケース部分２ａに枢
着される揺動レバー２０で摺動操作して、噛合いクラッ
チ１９ａ、１９ｂの択一的咬合状態を現出させて前後進
を切換え、且つ、噛合いクラッチ１９ａ。

１９ｂがどちらも咬合しない中立状態を現出させて走行
停止状態への切換えを行なうように構威しである。

前記刈取結束部側動用油圧ポンプ２１を、前記変速径路
における伝動ケース入力部とそれの後方側に間隔を隔て
て配置される入力軸１０との間の凹入空間Ａ内に入り込
み配置する状態で、且つ、上部ケース部分２ａに付設す
る状態で設けると共に、油圧ポンプ２１を入力軸１０に
直結状態で連動連結しである。

そして、油圧ポンプ２１の圧油が、切換バルブ２２を通
して刈取結束部に付設の油圧モータ２３に供給され、も
って、刈取結束部の諸装置を、油圧モータ２３の出力を
所要伝動機構を介して伝達して駆動するように構成し、
そして、前記ミッションケース２内には、作動油が貯留
されている。

すなわち、作動油は、伝動ケース２ｂの作動油取出し部
２６からポンプ２１に吸引され、上部ケース部分２ａの
作動油戻し部２７からミッションケース２内に戻される
ように構成されるとともに、両ケース部分２ａ 、２ｂ
の接続箇所であって、且つ、上部ケース２ａの低部より
高位置に設けられた連通部２４を介して両ケース部分２
ａ、２ｂに亘って流動可能に収容されている。

捷た、前記連通部２４には、網状体及び膜状体等で構成
された濾過機構２５が設けられ、この機構２５によって
上部ケース部分２ａから下部チェーンケース部分２ｂに
流動する作動油中に含有されるギヤ摩耗粉塵等を除去す
るように構成されている。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る動力移動農機の実施例を示し、第１
図はバインダーの側面図、第２図は駆動機構の説明図、
第３図は前後進変速機構の説明図である。 １・・・・・・エンジン、２ｂ・・・・・・伝動ケース
、１０・・・・・・入力軸、１１・・・・・・減速ギヤ
、１２・・・・・・変速軸、１３・・・・・・減速ギヤ
、２１・・・・・・油圧ポンプ、Ａ・・・・・・凹入空
間、Ｓ・・・・・・推進車輪。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 機体前後方向一箇所に配置した推進車輪Ｓの前方に、前
   処理部を設け、前記推進車輪Ｓの駆動用伝動ケース２ｂ
   を、上端側入力部が前記車輪Ｓよりも上方へ突出する状
   態で設け、エンジン１及び前記前処理部に対する駆動用
   油圧ポンプ２１夫々を、前記伝動ケース入力部の後方箇
   所に設けた動力移動農機であって、前記エンジン１の動
   力を前記伝動ケース入力部に伝動する変速径路を構成す
   るに、エンジン動力を受ける機体前後方向に沿う入力軸
   １０を、前記エンジン１の前方側に位置させ、且つ、前
   記伝動ケース入力部に対して後方側に間隔を隔てる状態
   で設けると共に、機体前後方向に沿う変速軸１２を、前
   記入力軸１０に減速ギヤ１１，１３を介して連動連結さ
   せ、且つ、前記伝動ケース入力部に出力する状態で、前
   記入力軸１０及び前記伝動ケース入力部の夫々に対して
   横−面側に偏置させて設けて、前記変速径路をクランク
   状に形成し、前記前処理部駆動用油圧ポンプ２１を、前
   記変速径路にむける伝動ケース入力部と入力軸１０との
   間の凹入空間Ａ内に入り込み配。 置する状態で前記入力軸１０に連動連結しである動力移
   動農機。